2025年(令和7年)7月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

山川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:2025年(令和7年)7月11日(金) 13:30-14:15

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 佐々木 薫

1. 最近のプロジェクト、事業等の取り組み

● いぶきGW・H-IIA50号機打上げ

 最近の取り組みとして、6月29日には、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」の打上げが、H-IIAロケット最終号機である50号機によって無事に行われました。H-IIAロケットは、2001年に試験機1号機を打上げてから、これまで多くの人工衛星、探査機を打ち上げ、日本の宇宙輸送システムとしてのプレゼンスを国内外に示すことができました。これは、ひとえに地元の方々のご支援、開発運用に携わったすべての方々のご尽力のうえに成り立っているものでありまして、その技術と経験を更に磨き、継承していくことの重要性を改めて実感しております。
 「いぶきGW」は、7月1日にクリティカル運用期間を終了し、約3か月間の初期機能確認運用に移行いたしました。衛星開発および運用に携わる企業の皆様の力もお借りし、着実な運用を果たすべく、プロジェクトメンバー一丸となって、気を引き締めて取り組んでまいります。

● 量子・宇宙航空分野の研究開発と産業創出に係る連携および協力協定

 JAXAは、国内研究機関との連携も進めており、6月30日には、産業技術総合研究所様の量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)との間で、「量子・宇宙航空分野の研究開発と産業創出に係る連携及び協力に関する協定」を締結いたしました。
 JAXAのスーパーコンピュータは、航空機やロケットのエンジンなどの動作シミュレーションや数値流体力学(CFD)研究、地球観測データ処理など幅広く活用していますが、これらの数値解析技術の向上をはじめ、今後の宇宙航空分野における量子コンピュータ技術の活用方法などについての検討、議論を始めてまいります。産総研の量子技術に関する知見など、両機関が持つ資源を有効に活用し、量子・宇宙航空分野における研究開発の促進、人材育成を図るとともに、それらを通じて、日本の産業振興にも寄与できればと考えております。

2. 油井亀美也宇宙飛行士Crew-11の打上げ、大西卓哉宇宙飛行士Crew-10の帰還の目標日時設定

 続いて、大西卓哉宇宙飛行士油井亀美也宇宙飛行士の話題です。

 油井宇宙飛行士にとっては今回が2回目の宇宙飛行となります。油井宇宙飛行士は現在、NASAで打上げに向けた最終段階の訓練を順調にこなしております。
 油井宇宙飛行士のISS滞在中のミッションにおいても、これまでに構築してきた「きぼう」日本実験棟の実験技術を活用し、将来の有人宇宙探査に向けた「二酸化炭素除去技術の軌道上実証」や、「ポストISS時代を見据え、自動・自律化された宇宙環境利用・実験の実現に向けた微小重力環境下での精密なロボット動作の実証」などを進め、「きぼう」がもつ環境を有効かつ最大限活用してまいりたいと思います。

 大西宇宙飛行士と油井宇宙飛行士による連続したISS長期滞在機会、ミッションを通じて、科学的成果の創出、有人宇宙技術の獲得、民間利用の拡大を推進してまいります。引き続き皆様のご支援をいただけますと幸いです。

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