2026年(令和8年)4月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

山川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:2026年(令和8年)4月10日(金) 13:30-14:15

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 木下 圭晃

2026年度がスタートし、1回目の定例会見となります。
最初に役員人事についてご紹介いたします。
4月から新たに石井康夫 副理事長が着任いたしました。
その他の理事には変わりございません。
役員一同、引き続き責務を果たしてまいります。
本年度もどうぞよろしくお願いいします。

1. 最近のプロジェクト、事業などの取り組み

革新的衛星技術実証4号機/8機のキューブサット打上げ

 「革新的衛星技術実証プログラム」の4号機である「革新的衛星技術実証4号機」のうち、企業などの皆様からご提案いただいた8つのキューブサットは、4月23日以降、ロケット・ラボ社のロケット「エレクトロン」にてニュージーランドから打上げを予定しています。
4月6日に実施した記者説明会では、8つのキューブサットの提案機関・企業の皆様にご登壇いただき、それぞれの人工衛星の目的や特徴などをご説明いただきました。合わせて、打上げに向けた意気込みについても語っていただきました。8つの機関・企業の皆様と一丸となって、打上げに向けた準備を一つひとつ確実に進めてまいります。

新型宇宙ステーション補給機1号機(HTV-X1)のISS離脱後の運用状況

HTV-Xは、従来のHTVで担ってきた物資輸送機としての役割に加え、新たに軌道上において最長で1年半にわたり、技術実証機会を提供する「二刀流」の補給機であることが大きな特徴です。

HTV-X1号機は、3月7日、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームによる把持が解かれISSを離脱いたしました。これをもってHTV-X1号機は、ISSへの物資補給ミッションを完了し、軌道上技術実証プラットフォームとしての約3か月にわたる運用を開始しております。

最初の技術実証は、HTV-Xで新たに導入された超小型衛星放出機構「H-SSOD」による超小型衛星の放出です。3月11日、日本大学様が開発した「てんこう2」を放出し、軌道投入に成功しております
 このH-SSODによる衛星放出は、HTV-Xの特長である自在な飛行能力を活かし、ISSよりも高い高度に超小型衛星を投入する新たな手段となります。超小型衛星の運用期間の延長や、実用的な利用ミッションへの展開など、新たな宇宙利用の創出につなげていきたいと考えています。

 「てんこう2」の放出以降、現在では2つ目の実証ミッションである衛星姿勢をレーザーで計測し、距離や姿勢運動を推定する軌道上実験「Mt. FUJI」を実施中です。今回はJAXAつくば SLR局(SLR:Satellite Laser Ranging)に加えて、国際協力の下、世界中のSLR局に測距を呼び掛けています。それらの計測データとHTV-Xの実際の姿勢運動データとを比較検証し、精度評価などの解析を行っています。

 HTV-X1号機は、「Mt. FUJI」に続き、展開型軽量平面アンテナの軌道上実証「DELIGHT」、および次世代宇宙用太陽電池の軌道上実証「SDX」を実施した後、大気圏へ再突入し、全てのミッションを完了する予定です。

 JAXAは今後も、HTV-Xが備える軌道上技術実証プラットフォームとしての能力を最大限に活用し、将来の宇宙開発・利用を見据えた技術革新に寄与してまいります。

JAXA-ESA気候変動対応に関する戦略パートナーシップに基づく第1回JAXA-ESA合同ワーキンググループ会合の開催

 3つ目の話題は、欧州宇宙機関ESAとの気候変動対応に関する戦略パートナーシップに基づく第1回合同ワーキンググループ会合の開催についてです。

JAXAとESAは、気候変動分野で長年の協力関係にあります。地球観測衛星データの受信協力に始まり、宇宙からの温室効果ガス測定の共同検証協力、現在運用中の日欧共同地球観測ミッション「EarthCARE」の開発と、その範囲を拡大してきました。

 このような背景を踏まえ、地球観測分野においては、2025年6月に「気候変動対応に関する戦略パートナーシップ協定」を締結いたしました。この協定では、気候変動対応に関する意思決定に資するための「地球観測データ」と「ツール」の提供などを主な目的としています。
 そして、先月3月11日から12日にかけて、このパートナーシップ協定に基づき、第1回JAXA-ESA合同ワーキンググループ会合を開催いたしました。
 本会合は戦略パートナーシップ構築後、最初の全体会合であり、ESAシモネッタ・ケリー地球観測局長とJAXA第一宇宙技術部門長でもある瀧口太理事が共同議長を務めました。第1回会合においては2025年1月から定常運用観測に移行し、観測成果および研究成果を積み重ねている「EarthCARE」に続く共同ミッションの概念検討を継続・推進していくことなどを決定しました。
 JAXAとESAは、これまで個々の地球観測ミッションや共同研究レベルで協力しておりましたが、今後は本会合などを通じて共同ミッションの創設、ミッションの相互運用から観測データなどの利用・普及まで、地球観測プログラム全体における情報を交換し、包括的・戦略的に協力可能な活動と方針を打ち出すことを目指してまいります。

 「気候変動」という地球規模の課題に対して、ESAとJAXAはタッグを組み、さらなる貢献を果たすべく、引き続き取り組んでまいります。

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