輸送システムの研究開発と運用 H3ロケット

開発中

H3ロケットとは

H3ロケット

日本の技術で、宇宙輸送をリードせよ。

H3ロケットは日本の新しい基幹ロケットです。
宇宙を活かした安全で豊かな社会の実現を目指し、衛星や探査機などを今後も宇宙空間へ輸送し続けるために現在活躍しているH-IIAロケットを刷新します。
「柔軟性」「高信頼性」「低価格」により、徹底した利用者視点で「使いやすさ」を追求します。
これにより、世界中から注目されるロケットにすることで、今までにない数多くの打ち上げを実現する計画です。
JAXAは日本の企業と総力を結集して試験機1号機の打上げに向けて開発に取り組んでいます。

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2022年10月19日 更新

開発の最終段階に臨むにあたって

領収燃焼試験(私たちはAT:Acceptance Testと呼んでいます)は、実際の打上げに使うエンジンが全て期待どおりに動作することを確認し、ロケットへ搭載できるかどうかを最終判断するための燃焼試験です。
H3ロケット試験機1号機ではLE-9エンジンを2基搭載しますが、このうち2基目のエンジンについて10月3日にATを行いました。そして得られたデータを評価した結果、「ロケットへ搭載可」と判断しました。

長かった。

このLE-9エンジンは、2020年5月末、開発の総仕上げとして臨んだ認定燃焼試験で2つの課題が生じました。ひとつはエンジンの推進力を発生させる燃焼室の課題、もうひとつは燃焼室に燃料を送り込むターボポンプの課題でした。私たちの目の前に技術の壁が大きく立ちはだかりました。
以来2年半。エンジンの中で起きている複雑な物理現象について「それがなぜ起きているのか、どう改良したら抑えられるのか?」燃焼試験を繰り返しながら理解を深め、少しずつ前に進みました。この間に行った試験は、約30回、合計試験時間は4,000秒を超えました。
改良した成果が十分得られず、時には後戻りや回り道をすることもありました。その時に思い浮かべたのは、試験機1号機とその先のH3ロケットで搭載予定の衛星ミッション関係の皆様、H3プロジェクトに直接的・間接的に関わっていただいている皆様、そしてこれまでH3開発を見守り応援してきてくださった多くの皆様のことです。

「これ以上、打上げ計画を見直すわけにはいかない」と焦りました。

一方で、技術は、厳格で正直で、曖昧なことは許されません。一点の曇りもなくH3ロケットを打ち上げるべし、という考えが私たちロケットエンジニアの根底にあります。 このようにふたつの相反する思いがいつもありました。先ほど「長かった」とお伝えしましたが、これは振り返ればであって、持ち時間は、常に、本当に短かったです。

H3プロジェクトには、JAXAと企業の皆さんを含めとても多くの人が関わっています。 LE-9エンジンの担当エンジニアは、先ほどのとおり、時に心が折れそうになりながらも必死になって壁を乗り越えてきました。エンジニアは困難があると本能的に奮い立ち対峙するのですが、その度をはるかに越えていたと思います。他方、LE-9エンジン以外の試験機1号機の機体はほぼ完成し、待機状態となっていました。
LE-9エンジン担当にとっても、その他の担当にとっても、モチベーションを維持するのがなかなか難しいこのような状況の中で、あるチームメンバの呟きが心に刺さりました。それは「開発を始めた頃はサッカーやラグビーのようなチームプレーをしていたが、いつの間にかマラソンやトライアスロンのように独りで戦っているように感じる時がある」という言葉でした。このままではまずい。

しかし、それぞれの役割が異なり今はやむなく個人競技になっていたとしても、私たちはひとつのゴールを目指すチームです。そして、プロジェクトを成功させるためにはチームワークが不可欠です。開発の最終段階に臨むにあたって、このチームワークを揺るぎないものにしていかなければならない、と気を持ち直して今に至ります。さらに言えば、「プロジェクトは独りにして成らず」です。プロジェクトチームを越え、JAXA内外の多くの方々と共にひとつのゴールを目指したいと思っています。

これから私たちはあらためて態勢を整え、種子島宇宙センターのロケット発射台に試験機1号機を据えつけた状態でLE-9エンジンを燃焼させる大規模な試験、開発の最終段階としてのチームプレーに臨みます。

引き続き、どうか厳しくそして温かい目でH3を見守っていただければ幸いです。

H3プロジェクトチーム 岡田匡史

試験機1号機の第1段に取付けられた2基のLE-9エンジン

試験機1号機の第1段に取付けられた2基のLE-9エンジン

H3ロケット主要諸元

試験実施と結果について

国産大型ロケットのあゆみ

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