輸送システムの研究開発と運用 H3ロケット

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H3ロケットとは

H3ロケット

日本の技術で、宇宙輸送をリードせよ。

H3ロケットのメインエンジンLE-9は、これまでの日本の技術を結集し、開発されています。3Dプリンタ等の新技術を導入することで、エンジン全体のパーツを減らしシンプルな構造にすることで高信頼性と低価格を両立させます。固体ロケットブースタ(SRB-3)も新規開発品で、イプシロンロケットの1段モータと共通化する計画です。開発から製造、運用まで機体や地上システム、製造設備等の様々な基盤技術を相互に活用してシナジー効果の発揮を目指します。

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2021年2月26日 更新

VOS(Vehicle On Stand)作業を振り返って

H3ロケット

工場出荷から11日目の2021年2月6日、ついにH3ロケット試験機1号機が移動発射台(ML5)に据え付けられました。大型ロケット組立棟(VAB:Vehicle Assembly Building)内にそびえ立つ機体は雄々しくも愛着の持てる存在です。そんな機体に見入りながら、VOS(Vehicle On Stand)作業を振り返ってみます。

島間港に到着した1段機体

島間港に到着した1段機体

種子島の港に到着した巨大なコンテナを目の当たりにすると「いよいよ射場作業が始まる!」という興奮と共に、不安がよぎります。新しいことだらけのVOS作業。設計通りにうまくいくだろうか。出鼻をくじくように発生した島内輸送中の立ち往生事象や、VAB搬入口をギリギリでかわして入棟するコンテナが、そんな私の不安を増大させました。
しかし、不安に思っていても仕方がない、あとは現場で何とかするしかない。そういう境地に至るべきということは、経験豊富な先輩たちや現場作業員の方々の凛々しい目が語っていました。各自が今できることに集中して自分の頭で考え、かつ関係者が柔軟に連携することでVOS作業を無事に終えられると信じ、意を決して作業に臨みました。

1段VOS作業

1段VOS作業

新しいことだらけのH3ロケットのVOS作業では、新しいのは機体だけでなく、機体を組み立てるために必要な装置・設備もまたしかりです。しかも機体サイズはこれまでで最大のH-IIBロケットより更に大きくなっているのに対し、VOS作業を行うVABは大きさ変更の改修をしていません。そのため、これまで以上に「狭いところで大きなものをハンドリングする」ということとなり、「干渉リスクが高い」状況を必然的に生んでいます。

移動発射台に据え付けられた1段機体

移動発射台に据え付けられた1段機体

2段VOS作業

2段VOS作業

設計段階からわかっていたそのような厳しい作業条件に対し、事前に入念な確認をして臨んだものの、想定通りの作業ができない事態が幾度も発生しました。H3ロケットは時間にも追われる開発です。VOS作業もスケジュール遅延は避けなければなりません。そんなプレッシャーがある一方で、ひとつのミスが文字通り命取りになる可能性があるのがロケット開発です。事前に設定した作業ができないときにはまずしっかり立ち止まり、新しい作業案を関係者一同で確認するという基本動作を徹底し、時間と争いながらも慎重に、安全第一で作業を進めました。

固体ロケットブースタ(SRB-3)VOS作業

固体ロケットブースタ(SRB-3)VOS作業

初めて尽くしの現場では、上手くいかないことも含めてたくさんの発見がありました。多忙を極める現場でしたが、そんな合間を縫って作業者・技術者が入り混じっての改善検討が自然発生的かつ積極的に行われたことに、感動を覚えました。「このH3ロケットを、さらに”次”のロケットを、より良くしたい」現場にはそんな思いがたくさんあった気がして、次世代を担うべき一人として嬉しく、やや興奮しながら議論を交わした経験はとてもありがたいものでした。

そんなこんなで無事にVOS作業を終えたH3ロケット試験機1号機。作業者の方がとても丁寧に機体を扱われていたのが印象的で、すみずみまでとても美しく仕上がっている機体を見ると、疲れも吹き飛びます。とは言え、今後も機器や装置を搭載し、機能を確認していく作業が待っています。射場作業は始まったばかり。引き続き気を引き締めて頑張ります。

JAXA構造系担当 長福 紳太郎

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