太陽系と宇宙の起源の解明に向けて 小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」とは

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」

ソーラーセイル(太陽帆)は、超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けて進む宇宙船です。ソーラー電力セイルは、帆の一部に薄膜の太陽電池を貼り付けて大電力発電を同時に行います。この電力を用いて高性能イオンエンジンを駆動することで、ハイブリッド推進を実現し、効率的で柔軟なミッションが可能となります。

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」(IKAROS = Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun)では、帆だけで宇宙空間を航行できること及び薄膜太陽電池で発電できることの世界初の実証をめざし、2010年5月21日にH-IIAロケット17号機によって金星探査機「あかつき」と相乗りで打ち上げられました。
その後は約6か月間にわたり定常運用を実施、達成大型膜面の展開・展張や電力セイルによる発電などの主ミッションを達成し、2011年1月から後期運用を実施、2012年1月6日以降は冬眠モードに移行しています。

トピックス

一覧
2026年11月2日 更新

令和8年度「空の日」日本航空協会表彰「航空特別賞」「空の夢賞」を受賞しました

一般財団法人日本航空協会より、新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)プロジェクトチーム、気象影響防御技術(WEATHER-Eye)コンソーシアム、小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSチームが表彰を受け、9月18日に表彰式が行われました。
HTV-XプロジェクトチームとWEATHER-Eyeコンソーシアムが「航空特別賞」を、また、IKAROSチームが「空の夢賞」を受賞しました。
「航空特別賞」は、航空宇宙に関する技術向上、思想普及、人命救助、旅客の安全確保等、社会的に顕著な貢献をした個人またはグループに贈られる賞で、「空の夢賞」は、航空宇宙に対する夢や希望を与え、または明るい話題を提供するなどユニークな貢献をした個人やグループに、航空宇宙諸般の進歩発展に寄与するチャレンジを応援する意味合いを含めて贈られる賞です。

●JAXA 新型宇宙ステーション補給機プロジェクトチーム

表彰理由

新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)において搭載量の大幅な増加とともに新たな機能付加により多彩な物資や実験機器の輸送を行う新しい時代の扉を開きました。

航空特別賞を受賞したHTV-Xプロジェクトチーム関係者

航空特別賞を受賞したHTV-Xプロジェクトチーム関係者

HTV-Xプロジェクトチーム 伊藤(元)プロジェクトマネージャのコメント

"HTV-Xの特徴といたしまして、単なる輸送機のみならず、ISSで荷物を運んだ後も、軌道上で最大約1年半の実験運用ができる、新しい科学技術・宇宙技術の実験ができる能力を有しております。私はこの特徴を表しまして『二刀流』と呼んでおります。
我が国の国産ロケットであるH3ロケットで打ち上げたHTV-Xが、日本人宇宙飛行士によって把持され、国際宇宙ステーションに到着するという大変幸運な機会にも恵まれました。
この賞をいただきまして、さらに気を引き締めて、我々チーム一同、2号機以降のISSへの物資輸送および軌道上の実験に邁進する予定でございます。"

油井宇宙飛行士がISSのロボットアームで把持した後に撮影したHTV-X1号機 (JAXA/NASA)

油井宇宙飛行士がISSのロボットアームで把持した後に撮影したHTV-X1号機 (JAXA/NASA)

関連リンク

●WEATHER-Eyeコンソーシアム

表彰理由

滑走路雪氷検知や被雷危険性予測など、航空機を気象リスクから守る技術を世界に先駆けて開発・実用化し、運航の安全性と効率性の向上に多大な貢献をされました。

トロフィーを手にした神田淳航空プログラムディレクタ(左)と、表彰状を手にした岩垂好直主任研究開発員(運航安全技術ユニット)

トロフィーを手にした神田淳航空プログラムディレクタ(左)と、表彰状を手にした岩垂好直主任研究開発員(運航安全技術ユニット)

航空技術部門 神田航空プログラムディレクタのコメント

"航空機運航における事故・インシデントの最大の要因は気象であり、特に日本は世界的に見ても気象条件が厳しい地域であることから、エアライン各社は安全運航の確保に日々大きな努力を重ねています。また、気象による運航効率の低下も重要な課題となっています。
WEATHER-Eyeコンソーシアムは、こうした課題の解決に向け、航空機運航の安全性と効率性の向上を目的として、産学官が連携するオールジャパン体制の下で研究開発を推進するために設立されました。コンソーシアムの活動成果は、技術の早期実用化につながっており、一部の技術については既にエアラインの運航現場で活用されています。
このたびの受賞を大変光栄に思うとともに、本コンソーシアムの活動を支えてくださる関係者の皆様に深く感謝申し上げます。受賞を励みとして、今後も関係者との連携を一層強化し、航空運航のさらなる安全性・効率性向上に資する研究開発の推進に取り組んでまいります。"

気象影響防御技術(WEATHER-Eye)コンソーシアムで取り組んでいる技術

気象影響防御技術(WEATHER-Eye)コンソーシアムで取り組んでいる技術

関連リンク

●JAXA宇宙科学研究所 IKAROSチーム

表彰理由

宇宙帆船であるソーラーセイルを世界で初めて実証し、日本独自の持続可能な外惑星探査という壮大な夢への道筋を示すことで広く社会に夢と希望を与えました。

「空の夢賞」のトロフィーを持つ森(元)チーム長とチームメンバー

「空の夢賞」のトロフィーを持つ森(元)チーム長とチームメンバー

IKAROSチーム 森(元)チーム長のコメント

"IKAROSは世界で初めて「ソーラーセイル」と「ソーラー電力セイル」の実証に成功しました。
「ソーラーセイル」は100年も前に提案され夢の宇宙帆船と言われていました。これを夢で終わらせず、実現することがIKAROSの大きな目的でしたので「空の夢賞」をいただけたことは大変光栄で感慨深いです。
一方、「ソーラー電力セイル」は木星圏や土星圏でも電力の確保を可能とする技術であり日本独自の外惑星探査につながります。IKAROSはそのための実験機という位置付けでしたので、本番機に相当するOPENSプログラム等の実現に向け、今回の受賞は大きな励みになりました。
IKAROSで実証した「ソーラーセイル」「ソーラー電力セイル」の技術を発展・継承し、新たな夢の実現に向けて頑張っていきたいと思います。"

IKAROSの分離カメラ(DCAM2)が撮像したソーラー電力セイル展開の様子

IKAROSの分離カメラ(DCAM2)が撮像したソーラー電力セイル展開の様子

関連リンク

PAGE TOP