2015年5月29日更新
IKAROS冬眠モードへの移行(5回目)について
小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSは、冬眠モード明けの電波を2015年4月に受信してから、5月までデータを取得して状態確認を行ってきました。5月21日に探索を行ったところ電波を受信できなかったことから、予測どおりIKAROSは5回目の冬眠モードへ移行したと判断しました。
5月に最後にデータを取得したIKAROSの位置は、地球から約1億1千万km、太陽から約1億3千万kmです。得られたデータからは、IKAROSの状態に異常は認められません。
次回の冬眠モード明けは、2015年冬と予測しています。
JAXA宇宙科学研究所IKAROS運用チーム
2013年3月28日更新
IKAROSプロジェクトチームの解散について
IKAROSはプロジェクト終了の審議に付され、当初の目的を達成すると共にプロジェクト業務を全うしたと認められました。これを持ってプロジェクトチームは解散となります。
ご尽力いただいた各方面関係各位、応援いただいた世界中の方々に報告するとともに、お礼を申し上げます。ここまでの成果は後続の宇宙事業に必ずや貢献することでしょう。
2012年11月30日 更新 「IKAROS」世界記録に認定!
この度、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」が世界初の惑星間ソーラーセイル宇宙機として、また搭載していた2つの分離カメラDCAM1とDCAM2が世界最小の惑星間子衛星として、それぞれギネス世界記録TMに認定されました。 写真左:森治 IKAROSデモンストレーションチーム長 写真右:澤田弘崇 開発員(DCAM開発とりまとめ担当) ※ギネス世界記録TMはギネスワールドレコーズリミテッドの登録商標です。
|
2012年9月11日 更新 IKAROSの冬眠モード明けについて
IKAROSは、2012年1月6日までに冬眠モード(発生電力低下による搭載機器シャットダウン)に移行したことが確認されていました。 冬眠モード移行後、月2回の運用ペースでIKAROSの探索を続けてきた結果、2012年9月6日(木)にIKAROSらしき電波を発見し、同8日(土)にIKAROSであることを確認しました。 このことにより、IKAROSは冬眠モードから明けた(復旧)ことが確認できました。現在のIKAROSの状態については、確認中です。
|
2012年1月6日 更新 IKAROSの逆スピン運用実施結果の詳細と冬眠モード移行について
IKAROSは2011年10月18日に逆スピン運用を実施し、その運用結果から逆スピン運用に関する詳細な成果を得ることができました。 またIKAROSは現在までの運用状況から、太陽角や太陽距離の増加による発生電力の低下が確認され、その結果2012年1月6日までに冬眠モード(発生電力低下による搭載機器シャットダウン)に移行したことが確認されました。 今後は、2012年春以降に太陽角と太陽距離が改善され再び電力復活(冬眠モード明け)の可能性が予想されることから、この時期を目標に準備を進めて、必要に応じて適切なタイミングに受信を試みることを検討しています。
|
2011年10月18日 更新 IKAROSの逆スピン運用実施結果について
IKAROSのスピンを逆方向にする「逆スピン運用」を、10月18日(日本時間)に行いました。 逆スピン移行のためのスラスタ噴射を7時20分頃から約20分間実施した結果、膜の挙動としては、からまることもなく、うまく逆スピン状態となりました。 逆スピン移行後のIKAROSの状態は良好であり、スピンレートは運用終了時点で約-0.24rpmです。 更なるミッション継続の可否については現在評価を継続中です。 詳細な評価には以下のような情報取得が必要です。 1)逆スピン時に蓄積されたデータレコーダの姿勢関連データ 2)今後の姿勢状態の遷移予測に必要なデータ 詳細評価結果については、データ取得および解析作業が済み次第、改めてお知らせいたします。
|
2011年10月17日 更新 IKAROSの逆スピン運用実施について
IKAROSでは、2010年12月の定常運用終了以降、後期運用を継続しています。後期運用での研究テーマの一つに「膜面挙動・膜面形状の変化を積極的に引き出して展張状態の力学モデルを構築する」ことを掲げていますが、そのための一実験として、IKAROSのスピンを逆方向にする「逆スピン運用」を以下のスケジュールで実施する予定です。 実施スケジュール: 10月18日(火)~10月22日(土) バックアップスケジュール: 10月25日(火)~10月30日(日) このスケジュールは、以下2点のIKAROSの状況を踏まえて設定しました。これらの限られた状況の中で、今回「逆スピン運用」にチャレンジすることが、現状の運用を継続してデータの価値を高めることと比較して、最も価値があり有用な知見、成果が得られると考えています。 ・通信状況 IKAROSは地球から遠ざかっており、以下の実績のように通信状況が悪化しています。 10月下旬からは、姿勢を調整してもテレメトリの取得が非常に厳しくなる見通しです。 5~8月:テレメトリ運用(8~16bps) 9~10月:テレメトリ運用(8bps)、または、ビーコン運用 ・残推進薬量 IKAROSは打上げ時に推進薬を20kg搭載していましたが、9月3日時点の残推進薬量は約3.4kgと推測しています。IKAROSでは、膜面に太陽光が当たるとスピンレートが変化する「風車効果」が発生しているため、スピンレートの制御を適宜実施しています。 このため、現在の運用を基本として続けた場合でも11月~1月には推進薬が枯渇する見通しです。
|
2011年9月21日 更新 IKAROS搭載機器GAPによる世界初の観測成果について
IKAROSに搭載された科学観測器、ガンマ線バースト偏光検出器(GAP:GAmma-ray burst Polarimeter)の観測成果が日本天文学会2011秋季年会で報告され、記者発表も行われました。
GAPは、ガンマ線バースト(GRB)の偏光を専門に観測する世界で初めての観測装置です。 GRBは、重い星の寿命の最後に迎える巨大な爆発だと考えられています。良く知られた超新星の爆発よりも巨大な爆発です。 GRBの巨大な明るさを使って、遠い宇宙(初期の宇宙)を観測する手段としても注目されます。現在わかっている最も遠いGRBの記録は132億光年もの果てからとなっています(宇宙は137億年)。 GRBの巨大な爆発のメカニズムを説明する理論としては、重い星が爆発してブラックホールを作り、その時に強磁場を持ったジェットが形成され、光速の99.99%にまで加速されているとする理論(火の玉モデル)があります。ガンマ線の偏光を測り、ジェットや強磁場の存在を実験的に実証することがGAPの目的であり、今回の成果はそれを証明したことになります。
|
|
2011年1月26日 更新
「IKAROS」定常運用を終了
小型ソーラー電力セイル実証機(IKAROS)は、約6ヶ月間にわたり定常運用を実施してきました。世界で初めてのソーラーセイルによる航行や薄膜太陽電池での発電を実証しミッションの達成を確認したことから、「IKAROS」の定常運用を終了しました。今後は、ソーラー電力セイル技術の基盤となり得る航法誘導等の知見を得るとともに、後継機の開発に繋げるための後期運用の実施を予定しています。(写真上:定常運用終了について説明する森治プロジェクトリーダ、写真下:イカロスのモニタカメラが撮影した金星)
|
2010年10月1日 更新
イカロス君が第8回Webクリエーション・アウォードを受賞
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」のキャラクターで、ツイッターで活躍中の「イカロス君」がWeb広告研究会が主催する「第8回Webクリエーション・アウォード」で「気になるWeb人で賞」を受賞し、29日にはその贈賞式が行われました。 皆さんがイカロス君を応援して下さった結果です。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
|
2010年7月23日 更新
「IKAROS」液晶デバイスによる姿勢制御に成功
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、7月13日に姿勢制御デバイス(液晶デバイス)によるソーラーセイルの姿勢制御実験を行い、想定通りの姿勢制御性能を達成していることを確認しました。 ソーラーセイルに貼り付けられている姿勢制御デバイス(液晶デバイス)は、電源のON、OFFにより太陽光の反射特性を変えることのできる装置です。これにより燃料を用いずに太陽光圧のみを利用してセイルを姿勢制御することができます。 
|
2010年7月14日 更新
「IKAROS」ガンマ線バーストを観測
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」搭載の「ガンマ線バースト観測装置」(GAP)により、ガンマ線バーストの観測に成功しました。今後はこのGAPにより、世界で初めてとなるガンマ線の偏光観測を目指します。ガンマ線の偏光観測は、ガンマ線バーストの磁場構造、放射機構の解明につながり、ひいては星の死とブラックホールの誕生の謎に迫ることが期待されます。(写真:イカロスに搭載されたガンマ線バースト観測装置)
|
2010年7月9日 更新
「IKAROS」ソーラーセイルによる加速を確認
ソーラーセイル(太陽帆)の展開に成功した小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」が、ソーラーセイルに受けた太陽光圧により加速したことを確認しました。 これにより「IKAROS」は、惑星間航行において、光子による史上最大の加速度を発揮した実証機となりました。
|
2010年6月30日 更新
「IKAROS」定常運用へ移行
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、これまでにソーラー電力セイルの展開を成功させ、薄膜太陽電池の発電確認、および必要なミッション機器の動作確認を全て終えることができました。 今後は定常運用へ移行し、薄膜太陽電池の発電特性の計測、光子圧力による加速実証および軌道制御実証を実施していきます。
|
2010年6月28日 更新
「IKAROS」分離カメラ1でも撮影成功
ソーラーセイル(太陽帆)を展開した「IKAROS」は、分離カメラ2(DCAM2)でのセイルの撮影に続き、6月19日に分離カメラ1(DCAM1)による撮影を行いました。 また、液晶デバイスの動作状況も、撮影した画像から確認することができました。液晶デバイスは電源のON、OFFにより太陽光の反射特性を変えることのできる装置で、これにより燃料を使わずとも姿勢を制御できることが期待されます。 引き続き、ソーラーセイルに貼られた薄膜太陽電池による発電の状態を計測し、ソーラーセイルによる加速及びそれによる軌道制御の実証を行っていきます。写真:液晶デバイス動作状況
|
2010年6月21日 更新
「IKAROS」分離カメラ1の撮像実験も順調
「IKAROS」は、6月16日から操舵性を良くするため回転の速度を徐々に落としていき、19日には分離カメラ1(DCAM1)を放出し撮像実験を実施しました。 撮像した画像は現在ダウンリンク中で、1枚目の画像には分離されたカメラの影を確認することができました。
|
2010年6月16日 更新
「IKAROS」分離カメラでソーラーセイル撮影成功!
6月10日にソーラーセイル(太陽帆)を展開した小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、分離カメラを放出し、展開したソーラーセイルの撮影に成功しました。 引き続き、ソーラーセイルに貼られた薄膜太陽電池による発電の状態を計測し、ソーラーセイルによる加速及びそれによる軌道制御の実証を行っていきます。
|
2010年6月11日 更新
「IKAROS」セイル展開成功!
H-IIAロケット17号機によって打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、6月3日にセイル(帆)の展開を開始し、10日に地球からの距離約770万kmで、セイルの展張、及び、薄膜太陽電池による発電を確認しました。 引き続き、セイルに貼り付けられた薄膜太陽電池による発電の状態を計測し、ソーラーセイルを用いた加速及びそれによる軌道制御の実証を行います。
|
2010年5月24日 更新
「IKAROS」初期動作チェックを終了
5月21日にH-IIAロケット17号機で打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の初期動作チェックを終了しました。 今後数週間をかけて最初の実証実験であるソーラーセイルの展開、薄膜太陽電池による太陽光発電を確認する予定です。 
|
2010年5月22日 更新
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の状態を確認
5月21日にH-IIAロケット17号機で打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、臼田局にて捕捉し、太陽電池の発電と実証機の姿勢が正常である事を確認して通信を確立しました。
|
2010年5月21日 更新
「あかつき」「IKAROS」打ち上げ成功!!
5月21日6時58分22秒に、金星探査機「あかつき」を搭載したH-IIAロケット17号機を、種子島宇宙センターから打ち上げました。H-IIAロケット17号機は正常に飛行し、打ち上げ後約27分29秒後に「あかつき」を分離した事を確認しました。 (写真提供:三菱重工業)
|
2010年5月18日 更新
「あかつき」「IKAROS」打ち上げは21日(金)6:58に再設定
H-IIAロケット17号機による金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の打ち上げは、気象状況を確認した結果、5月21日(金)6時58分22秒に行うことになりました。 これにともない、打ち上げライブ中継は21日(金)6:30から放送する予定です。インターネットでの配信をはじめ、JAXA i、相模原キャンパス、大学等でのパブリックビューイングや、さらには一部のCATV、携帯電話などで、打ち上げの模様をご覧いただけます。
|
2010年5月10日 更新
「あかつき」「IKAROS」VABへ移動
種子島宇宙センターで衛星フェアリングに格納された金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、5月9日、H-IIAロケット17号機が待つ大型ロケット組立棟(VAB)に移動されました。 今後H-IIAロケット17号機への結合作業を行い、最終確認を行い、18日の打ち上げを待つばかりとなります。
|
2010年5月6日 更新
「あかつき」「IKAROS」衛星フェアリングに格納
5月4日、種子島宇宙センターの衛星フェアリング組立棟(SFA)で、金星探査機「あかつき」や小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」を衛星フェアリングに格納する作業が行われました。衛星フェアリングは衛星・探査機を覆い、打ち上げ時に空気抵抗、摩擦熱や音響振動から守るためのものです。 今後この衛星フェアリングは、大型ロケット組立棟(VAB)へ運ばれた後、H-IIAロケット17号機の先端に取り付けられる予定です。
|
2010年3月12日 更新
「あかつき」「IKAROS」相模原キャンパスで機体公開
3月12日、相模原キャンパスで、金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」を報道機関向けに公開しました。 今後「あかつき」と「IKAROS」は種子島宇宙センターへ輸送され、打ち上げに向け最終準備作業に入ります。 IKAROSに皆さんのメッセージを搭載する、ソーラーセイルミッション応援キャンペーン「君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!」 は3月22日(月・祝)締め切りです。まだご登録されてない方は、お急ぎ下さい。
|
2010年3月11日 更新
ソーラーセイルIKAROS×LightSail共同応援キャンペーン
3月22日(祝)まで期間延
JAXAの「IKAROS(イカロス)」と米国惑星協会の「LightSail-1」のソーラーセイルミッション共同応援キャンペーン「君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!」 の締め切りを、3月22日(月・祝)まで延長しました。ご登録いただいたお名前とメッセージは、アルミプレートやDVDに収録し、「IKAROS」に載せ、金星軌道に向かって宇宙の大海に旅立ちます。まだご登録されてない方は、お急ぎ下さい。
|
2010年3月3日 更新
「IKAROS」打ち上げ日決定! 「あかつき」特設サイトオープン
金星探査機「あかつき」や小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」、その他4基の小型副衛星を載せるH-IIAロケット17号機の打ち上げ予定日時が、5月18日6時44分14秒に設定されました。 本日オープンした「あかつき特設サイト」で、「あかつき」の準備状況から打ち上げ、金星軌道到達までの最新情報をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに! ソーラーセイルIKAROS×LightSail共同応援キャンペーンの締め切りが3月14日に迫っています。皆さんからいただいたメッセージは「イカロス」と「LightSail-1」に取り付け、宇宙空間を旅します。皆さんの応援をお待ちしています。
|
2009年12月4日 更新
ソーラーセイルIKAROS×LightSail共同応援キャンペーン
~君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!~
ヨットは風圧を受けて海原を進みますが、ソーラーセイルは太陽の光の圧力を受けて宇宙を進みます。2010年度に、JAXAは「IKAROS(イカロス)」を、米国惑星協会は「LightSail-1」を、それぞれ打ち上げ、実証実験を行う計画です。この2つのミッション共同で、応援キャンペーンを実施します。 太陽光で進むソーラーセイルが実証されれば、エンジンや燃料などが少なく済む、新しい推進技術です。この夢のような実験を成功させるために、皆さんの応援をお願いします。いただいたメッセージは「イカロス」と「LightSail-1」に取り付け、宇宙空間を旅することになります。募集期間は3月14日までです。
|