太陽系と宇宙の起源の解明に向けて 宇宙のプラズマ、X線、赤外線の研究

天文の研究について

天文研究の進化により遠い宇宙の姿を知り、
宇宙誕生の謎を探る。

遠い銀河や星々を観測することは、宇宙科学にとって極めて重要なことです。遠い宇宙の姿を知ることによって、宇宙誕生の謎を探ることにつながります。
また、星がどのようにして生まれ、惑星がどのようにして誕生しているかを知ることができます。さらに、ブラックホールや超高エネルギー宇宙線など、宇宙における極限環境の謎を探ることも重要です。

こういった宇宙の謎を天文観測で知るためには、ふだん私たちが目にしている可視光線だけではなく、X線や赤外線などを利用した観測が必要になります。
しかし、これらは地球の大気によって吸収されてしまいます。そのため、大気の外、つまり宇宙空間で観測することが必要になるのです。

宇宙科学部門では、こういった赤外線やX線、それに電波を捉えるための観測装置を搭載した以下のような天文観測衛星を打ち上げ、宇宙の謎に挑んでいます。

大気・宇宙プラズマの研究について

地球を包むプラズマは、太陽風や地球の磁場と密接に関わっており、その関わりの一端を、われわれはオーロラや磁気嵐という形で体験することになります。

太陽からやってくる太陽風が、地球の磁場とどのように関係しているのか。オーロラや磁気嵐といった現象はどのようにして発生するのか。こういったプラズマと磁場の関係を探ることは、私たちが生活する地球の環境を知るという意味でも重要なことです。

宇宙のプラズマ、X線、赤外線の研究を行う人工衛星について

天文観測衛星

開発中 高感度太陽紫外線分光観測衛星(SOLAR-C) これまでにない高感度の望遠鏡により太陽から届く紫外線を精密に分光観測することで、太陽の高温プラズマがどのように作られ、どのように地球や惑星に影響を及ぼすのかを解明する衛星です。
運用中 X線分光撮像衛星(XRISM) NASAやESAの協力のもと2018年に開始された、JAXA宇宙科学研究所の7番目のX線天文衛星計画です。
銀河を吹き渡る風である「高温プラズマ」のX線精密分光撮像を通じて、物質やエネルギーの流転を調べ、天体の進化を解明します。
後期運用中 太陽観測衛星「ひので」(SOLAR-B) 「ようこう」(SOLAR-A)の後継機で、太陽コロナで起こる活動現象の謎とメカニズムを解明します。
運用終了 惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A) 極端紫外線(EUV)分光器による木星イオプラズマトーラスの観測と地球型惑星外圏大気と太陽風の相互作用の観測をおこないます。
X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H) 日本の6番目のX線天文衛星です。
X線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII) 国際協力により開発が進められた日本の5番目のX線天文衛星で、宇宙の高エネルギー現象を観測します。
赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F) 銀河の誕生とその進化過程のカギを探す赤外線天文衛星です。
※2023年4月11日 大気圏に再突入について

地球観測衛星

後期運用中 ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG) 地球近傍の宇宙空間であるジオスペースで、宇宙嵐にともなって生成と消失を繰り返している高エネルギー電子の解明を行います。
運用終了 磁気圏尾部観測衛星GEOTAIL(ジオテイル) 地球磁気圏尾部の構造とダイナミクスの研究を目的とした衛星で、日米共同プロジェクトで行われています。
磁気圏観測衛星「あけぼの」(EXOS-D) オーロラ粒子の加速と関係する磁気圏の現象を研究し、地球周辺空間を通過してくる太陽エネルギーや運動量などを調査します。

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