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平成29年9月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

奥村理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成29年9月1日(金) 13:30-14:00

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 庄司 義和

平成30年度概算要求について

 平成30年度の概算要求につきまして、私共は文部科学省を通して約1,944億円を要求させていただきました。今年度は、H3ロケットの開発、技術試験衛星9号機、先進光学・レーダ衛星の開発等のプロジェクトを進めておりますが、これらのプロジェクトに加えて、来年度に向けて更に一段と力を入れて進めるもの、新たに要求する事項について説明いたします。
 大幅増で要求したのはH3ロケットです。今年度の約190億円程度に対して来年度は約340億円を要求しております。2020年打上げのためピークの年を迎えますので、予算要求と同時に、気を引き締めて事業を推進してまいります。
 新規事項として2件紹介します。一つは国際宇宙探査ミッションの開発研究として約5.5億円、もう一つは深宇宙探査技術実験機DESTINY+に約3億円を要求しております。
 こういった予算を通して、確実に、また世界的にも優れた成果をあげていくよう努力してまいります。引き続きご理解とご支援を賜りますようお願いします。

「飛翔」を用いた機体騒音低減技術のFQUROH飛行実証試験

 JAXAは航空機の環境適合性に関わる研究をいくつか進めておりますが、その一つに、機体から発生する騒音を出来るだけ下げるFQUROHというプロジェクトがあります。このFQUROHの実証試験を、昨年度に続いて実施します。
 ある統計によりますと、向こう20年間で航空輸送量が約2.6倍になるとのことで、日本でもオリンピック・イヤーに向けて飛行機の離発着回数が大きく増えると予測されております。離発着時の騒音問題は重要な課題です。エンジンについては、新しい飛行機が登場すると改良され機能もアップし騒音も下がっておりますが、それ以外の部分、すなわち飛行機から発生する騒音、機体で生じる風切音が重要な騒音要素になっております。特に、着陸時はエンジンを絞りますので、相対的に風切音が大きくなります。
 FQUROHでは、風切音を出来るだけ下げることを目指して開発を進めております。皆様もご存知と思いますが、発生する騒音レベルによって空港使用料が異なります。成田空港でも、騒音あたりいくらと明示されており、静かな飛行機ほど使用料が安くなります。そうした経済効果にも貢献する技術の開発を進めております。
 特に私共が注目している主な騒音発生源は、フラップや飛行機の脚です。昨年度までの飛行試験で、周波数によって異なりますが、1kHzでは5dB、5〜6kHzでは2dBの低騒音化を確認しております。我々が目指しているのは、可聴周波数全領域で平均2dBを下げることです。仮に2?の低減を達成できますと、着陸時の騒音に悩む地域、面積が半減できるという効果があり、かなり大きいです。こうした低騒音化デバイスを飛行機に付けて試験をして、効果を確認する予定です。試験はJAXAが保有する「飛翔」を使い、昨年度と同様「のと里山空港」にて実施します。試験期間は、今のところ9月13日(水)〜10月5日(木)の間を予定しております。飛行試験の様子は公開しており、自由にご見学いただけます。試験が成功しますと、新しい飛行機の設計に活かしたり、既存の飛行機に後付したりして、効果を発揮することが可能です。私もこの試験の成果に期待しております。

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)/超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)機体公開(9月14日)

 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)の機体公開を、筑波宇宙センターで9月14日(木)に行う予定です。近いうちに正式なご案内をいたします。
 超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)については、今のところメーカーさんにおいて、9月中に公開できるように準備を進めております。こちらは三菱電機株式会社様ですので、鎌倉での公開になる予定です。

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を使った3次元地形データAW3D® 全世界デジタル3D地図の「Asia Geospatial Technology Innovation Awards 2017」受賞について

 2011年まで運用されていた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)から取得したデータを元に株式会社NTTデータ、一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)が連携して作成した「AW3D®全世界デジタル3D地図」が、海外で賞を受けました。既に日本国内では2016年に内閣総理大臣賞、日経優秀商品・サービス賞を受賞しておりますが、今回初めて海外の「Asia Geospatial Technology Innovation Awards 2017」を受賞しました。この賞の主体 Geospatial Media and Communications が審査を行い、表彰いただいたものです。JAXAのデータがこういう形で世界に認知され普及することを、大変喜んでおります。JAXAの取得した情報を、出来るだけ産業分野へ発展させるという観点でも、このような活動を積極的に民間団体と協力し推進したいと考えております。
 若干古い話になりますが、今年4月に国の防災基本計画が修正され、災害の情報収集手段として人工衛星の活用が初めて盛り込まれました。併せて、担当府省として文部科学省も初めて追記されております。我々の活動についてご理解いただいたものと考えておりますが、こういう位置付けをいただいた趣旨を十分理解し、防災に貢献していきたいと考えております。

宇宙探査イノベーションハブ第3回研究提案募集(RFP)選定結果公開について

 宇宙探査イノベーションハブについての話題ですが、このたび、第3回研究提案募集の結果が出ました。これは科学技術振興機構(JST)のご支援をいただいた事業で、平成27年度に開始し3年目に入っております。これまで企業等40社と計20件の共同研究を進めており、最近、いくつか成果の芽が出ております。一例としてソニー株式会社と一緒にやっている光通信モジュールの開発があります。うまくいきますと、宇宙空間における宇宙機、衛星同士の高速通信に役立ちます。宇宙空間でそれぞれが単独で行動するのではなく、相互に情報交換をしながら連携して機能する重要な要素技術で、非常に小型のものが出来つつあるとの報告も受けております。
 今回新たに16件の研究提案を採択しました。今回の公募に当たっては、金融機関のお力をお借りしております。具体的には株式会社三菱東京UFJ銀行等の銀行にお願いをして、私共の活動紹介の場を提供いただくなど工夫をし、異業種の皆様に私共の活動を紹介しました。趣旨にご賛同いただいた企業には応募していただくよう、金融機関の皆様と連携して進めてきました。
 今回選ばれた中で二つ紹介します。まず、南極の極限環境における住宅施工等について知見をお持ちのミサワホーム株式会社が採択されております。また、植物工場関連では、株式会社竹中工務店とキリン株式会社が共同で応募され、採択されております。
 また、最近特に注目を集めている大学発ベンチャー企業、Spiber株式会社からも応募があり、採択となっております。これら選定先とより具体的な研究計画を詰めて契約に結びつけ、実行に移したいと思っております。特に、ベンチャー企業Spiber株式会社などの方々の事業にも、私共の活動が支援に繋がるということであれば、国立研究開発法人としての役割、日本国全体として研究成果の最大化を図る、との趣旨にも合うと思います。大学発ベンチャーとしてはペプチドリーム株式会社とも契約しておりますが、異分野のベンチャー企業から我々と一緒にやっていこうとご提案をいただき、私は大変嬉しく思っております。こうした活動を通じて、将来の日本の科学技術の発展に少しでも貢献出来ればと考えております。

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