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平成30年9月理事長定例記者会見

理事長定例記者会見

山川理事長の定例記者会見のトピックスをお伝えします

日時:平成30年9月18日(火) 14:30-15:15

場所:JAXA東京事務所 B1F プレゼンテーションルーム

司会:広報部長 鈴木 明子

こうのとり7号機(HTV7)の打上げについて

 H-IIBロケット7号機を9月15日に打ち上げる予定でしたが、2段液体酸素タンクに取り付けているベントリリーフバルブに不具合が発生し、打上げを中止しました。同日の15日にロケット機体を大型ロケット組立棟に戻し、三菱重工業(株)は原因調査作業に着手しています。
 現在、不具合の当該バルブを工場に持ち帰り、不具合原因の調査を行っています。原因調査中のため、新たな打上げ日は現時点では未定です。
 H-IIBロケットに搭載したこうのとり7号機は、機体システム上の問題がないことを本日時点で確認しています。
 H-IIBロケット7号機の打ち上げ成功に向けて、JAXAは三菱重工業(株)の原因調査及びその対策結果を確認するとともに、引き続き、JAXAの責務である安全監理業務に万全を期してまいります。

北海道胆振東部地震における陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)による緊急観測について

 先週発生いたしました北海道胆振(いぶり)地方中東部を震源とする地震にて、被災にされた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 我々JAXAは、地震が発生した日から、政府の要請に基づき,被害地域の状況把握のために、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の合成開口レーダ「PALSAR-2」による緊急観測を行っています。衛星からの画像データの解析結果から、広い範囲にて多数の土砂災害が起きており、崩れた土砂が堆積していると推定される場所や、大規模な地殻変動が確認されました。「だいち2号」の観測データは、国土交通省 国土地理院等や国土技術政策総合研究所、防災科学研究所を含む、関係省庁、防災関係機関等に提供されています。
 一刻も早い被災地の復旧に資するよう、JAXAは観測を通じた支援を引き続き取り組んでまいります。

2019年度予算概算要求について

 平成31年度の概算要求につきまして、私共は文部科学省を通して約1,985億円を要求させていただきました。
 昨年度に引き続き、2020年度の試験機打上げを目指し、H3ロケットの開発、2019年度に打上げ予定の光データ中継衛星の着実な開発等に必要となる予算を要求させていただいております。
 これらの重要な既定のプロジェクトに加えて、第四期中長期目標に掲げられている、安全保障・防災、宇宙科学等のフロンティア開拓に向けた取組みに必要な予算も要求しております。  主なものを少しご紹介します。まず、持続的な宇宙開発を実施するために解決しなければならない課題として、宇宙デブリ問題がございますが、世界的にみても具体的な対策は進んでいるとは言えない状況と認識しています。我が国として、まずは自ら行動することが重要であると考え、JAXAは技術で先導するため、世界に先駆けて、デブリ除去技術の実証ミッションの開発を進めていきたいと考えており、今回、新規に6億円を要求させていただきました。2つ目は後程の話題にもありますが、再使用型宇宙輸送システムの研究の一環として、1段ロケットの再使用に向けた飛行実験の準備に約1億円を新規に要求しております。  次に、今後力を入れていくものとして、これまで開発研究として実施しておりました "火星衛星探査計画(MMX)" を、次年度はさらに一歩進めるべく、フロントローディング活動を行うための予算として、20億円を要求いたしました。この計画は非常に難易度が高いチャレンジングなものでありますが、このフロントローディングとは、実際にプロジェクト化する前段階において、キーとなる技術の成熟度を向上させて、クリティカルな技術課題を事前に対処するための活動であり、これにより、プロジェクト化以降における手戻り等を防ぐことを目指します。
 また、航空関連予算としては、特に、コアエンジンの技術実証などを確実に推進していくため、対前年度比で約7億円増となる約40億円を要求しております。
 宇宙基本計画、第四期中長期目標に則り、我々に与えられた役割と責務を自覚し、皆様のご期待に応えるべく、研究開発を推進してまいります。引き続き、ご理解とご支援を賜りますようお願いします。

革新的衛星技術実証1号機について

 今年度打上げ予定の、最後の基幹ロケットになるのが、内之浦宇宙空間観測所から打上げ予定のイプシロンロケット4号機による、革新的衛星技術実証プログラムの1号機です。
 第4期中長期目標では、「宇宙利用拡大と産業振興」を4つの取組方針 のひとつとしております。革新的衛星技術実証プログラムは、宇宙利用のハードルを下げ、日本の宇宙産業の発展に繋がるとたいへん期待しております。
 民間企業や大学などが開発した機器や部品、超小型衛星、キューブサットに宇宙実証の機会を広く提供し、宇宙産業の拡大、新しいプレーヤーの参入を促すのが、この革新的衛星技術実証プログラムの目的です。
 日本の優れた技術やアイデアを、衛星単位だけではなく、「部品・コンポーネント単位」で軌道上実証できる日本では唯一の機会です。コンポーネントや部品を搭載する場合は、部品だけで提供してもらえば搭載が可能です。ネジ1本、基板1枚からでも応募でき、JAXA側で衛星搭載に必要な電力や遠隔操作の手段を用意して、宇宙空間で実証を可能にします。今回開発した小型実証衛星1号機 RAPIS-1(RAPid Innovative payload demonstration Satellite 1、ラピスワン)には、7つの実証機器(部品1、コンポーネント6)が搭載されています。
 革新的衛星技術実証プログラムは、今後2年に1回程度の頻度で打上げ実証を計画しており、実証テーマは通年公募を行っています。
 JAXAからも、本1号機において、この「部品・コンポーネント単位」の軌道上実証として、人工衛星や探査機の太陽電池 パドルの展開機構の実証を予定しています。
 このほか、衛星としては、超小型衛星およびCube Satを各3機ずつ搭載します。宇宙をエンターテイメントという新たな分野での利用を目指す、人工流れ星の技術実証衛星も搭載されます。
 なお、今回打ち上げる小型実証衛星1号機RAPIS-1の衛星本体および地上の運用システムの開発は、企業選定の結果、アクセルスぺース社と契約しております。JAXAの衛星開発契約は、これまではいわゆる大企業との契約でしたが、アクセルスペース社は、ベンチャー企業として、衛星開発契約をした初めてのケースとなります。
 この小型実証衛星1号機RAPIS-1の衛星本体の機体公開を、10月に筑波宇宙センターで実施予定です。詳細が決まり次第、お知らせいたします。

再使用型宇宙輸送システムについて

 8月2日利用部会報告のとおり、JAXAでは、将来の宇宙輸送システムの研究として、何度も繰り返し使用できるロケットによる輸送コストの低減を目指し、ロケット1段再使用に向けて段階的に研究を進めております。
 まず、実験フェーズ1では、宇宙科学研究所で開発した再使用研究用エンジンなどのJAXA成果をもとにしたRV-Xと呼ぶ小型実験機を用いて、能代ロケット実験場で高度100mまで飛行させ、おもに着陸フェーズの誘導制御技術の確認と再使用エンジンの特性評価などを行います。9月5日には、再使用エンジンの地上燃焼試験を実施し予定通りデータを取得しており、今年度中の飛行実証を目指します。
 実験フェーズ2では、RV-Xで開発したエンジンを活用し、再使用型宇宙輸送システムのキー技術確立のため、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)との国際協力でCALLISTO(Cooperative Action Leading to Launcher Innovation for Stage Toss-back Operation 、カリスト)と呼ぶ実験機を開発し、打上げから着陸場への誘導、着陸までの一連の1段再使用のための飛行シーケンスを続けて実施する計画です。
 JAXAは、再使用に伴う負荷が大きいエンジンと誘導制御ソフトウェア、機体インテグレーションを担当し、CNES、DLRと合同で概念設計作業を進めています。今年度中には概念設計結果や予算状況等を踏まえ、実験機の開発着手を判断する予定です。
 JAXAは、H3ロケット以降の次世代の宇宙輸送技術構築に向け、国際競争力を有する再使用型宇宙輸送システムの検討を推進してまいります。

はやぶさ2の現状について

 9月11日~12日にかけて、Ryuguに対して初めて800m以下の高度に降下させるタッチダウンのリハーサルを行いました。これは、タッチダウンを行うための探査機運用について確認をすること、リュウグウ表面を至近距離から撮影することでタッチダウン候補地点の安全性を確認するために行うものです。
 タッチダウンの候補地点付近に実際にリュウグウから高度40m以下までの近距離に近付き、着地はせずに上昇します。リハーサルの結果、最低高度に向けて降下をしていましたが、高度が600m付近で探査機は自律的に降下を中止して上昇に転じました。理由は、リュウグウ表面の反射率が低いことにより、小惑星表面と探査機の間の距離を計測していたレーザ高度計(LIDAR)が遠距離から近距離モードに切り替わった際に計測が出来なかったと考えられます。今回のリハーサルの成果に基づき、レーザ高度計(LIDAR)の適切なパラメータ設定を行い、10月中旬のタッチダウン1 リハーサル2で再度運用評価を行います。
 また、今週(9月20日~21日)には探査ローバ「ミネルバ-II」の分離運用を行います。小惑星まで50m(TBD)の高度まで降下し、2機のミネルバ-II 1ローバを同時に分離します。ローバは小惑星上をホッピングで移動して観測を行う小型探査ロボットで、(「はやぶさ」では初代ミネルバの着陸に失敗してしまいましたが、)成功すれば、小天体上で移動するローバは世界初となります。
 10月初旬「MASCOT」の分離運用も、予定通り実施する計画です。

 JAXAは、日本放送協会と、小惑星探査機「はやぶさ2」の挙動をスーパーハイビジョンで映像化する共同研究 を進めています。共同研究の目的は、探査機の挙動を可視化することにより、将来的に、探査機の運用に役立てることを目指しています。JAXAが公開している、「はやぶさ2」からの画像データなどを用い、NHKが持つリ8Kスーパーハイビジョンに対応できるリアルタイムCG化技術を組み合わせることで、太陽光の反射までも再現した高精細な「はやぶさ2」探査機の挙動やリュウグウに近づく様子を、まるで近くで見ているように再現しました。
 今週実施したタッチダウン1 リハーサル1(TD1-R1)のデータを使って再現した「はやぶさ2」の挙動を、皆様にお見せしたいと思います。本日初公開となる映像です。


宇宙探査イノベーションハブの研究開発進捗状況と第4回研究提案募集(RFP)選定結果について

 JAXAでは、科学技術振興機構(JST)の支援のもと、宇宙探査イノベーションハブという事業を進めています。民間企業共同研究により、将来の月、火星等における探査技術の開発と、民間企業による地上ビジネスでのイノベーション創出の両方を目指すものです。
 これまで3回の共同研究提案募集(RFP)を行い、54件の共同研究を採択しました。既に32件が所期の計画を終了し、現在は計22件、共同研究する企業等48社にて研究活動が進められております。
 人員規模でいいますと、この3年間で探査ハブ所属の30名弱の職員に加え、JAXA他部門所属の職員、JST殿等外部機関のご支援による職員やクロスアポイントメント制度で来られている職員を合わせると合計約80名の職員が参画し、さらに共同研究の相手方企業等の研究者・技術者を含めると、のべ総計約400名を超すマンパワーの規模で事業を推進しております。
 平成30年3月から5月まで、第4回目のRFP募集を行い、審査を行ってまいりましたが、本日、その結果をホームページで公表いたします。今回は57件の提案をいただいた中から22件(課題解決型8件/アイデア型12件/TansaXチャレンジ研究2件)を選定しました。
 今回の募集の特徴としては、個別の技術を組み合わせたシステム化技術(広域未踏峰探査)の課題設定やユニークなアイデアを対象とした「Tansaxチャレンジ研究」枠の設定を行いました。結果、選定先は、これまで以上に幅広い民間企業等 が含まれることとなりました。
 今後、選定先各々と研究計画を策定し、速やかに共同研究に着手したいと考えています。

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