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陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の初画像取得について

平成26年6月27日

宇宙航空研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、現在、平成26年5月24日に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の初期機能確認試験を実施している中で、同衛星に搭載されたLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)(※)により、別紙のとおり初の観測画像を取得しました。

 「だいち2号」の観測データは、災害発生時の状況把握や森林伐採の監視、オホーツクや極域の海氷観測などに貢献することが期待されています。

 今後も引き続き初期機能確認試験を行い、「だいち2号」が所定の性能を満足することを確認した後、8月中旬からは観測データの校正検証を行っていきます。また、一般利用者への提供は11月下旬を予定しています。


(補足)
 (※)PALSAR-2は、地殻変動や地球環境の監視に適したLバンドの周波数を用いた衛星搭載の合成開口レーダとしては世界唯一のもので、昼夜や天候によらず地表の画像を取得することができます。

別紙

 ※画像をクリックすると別ウインドウで拡大表示されます(図1をのぞく)

 これらの図は、「だいち2号」(ALOS-2)に搭載されたLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)の試験電波発射により、2014年6月19日から21日(日本時間)にかけて取得された観測画像です。

図1 「だいち2号」搭載PALSAR-2による関東地方周辺の観測画像


図2 「だいち2号」搭載PALSAR-2とこれまでの衛星の観測画像の比較
(浦安市 東京ディズニーリゾート周辺)


図3 「だいち2号」搭載PALSAR-2による伊豆大島の観測画像


 図1は、2014年6月19日午前11時43分頃(日本時間)に、PALSAR-2の高分解能モード(約3m分解能)によって取得された観測画像とその観測範囲です。3メートルの分解能は、これまでの地球観測衛星搭載のLバンド合成開口レーダでは世界最高のものであり、この高い分解能により、災害発生時の状況把握などがより詳細に行われることが期待されます。
 図2は、図1の画像の浦安市付近を拡大したもの(右)を、2006年に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)で同年に観測された画像、および1992年に打ち上げられた地球資源衛星「ふよう1号」(JERS-1)で同年に観測された画像を、ともにLバンド合成開口レーダの各画像で比較したものです。「だいち2号」では、これまでの衛星と比較して高い分解能が得られていることが分かります。
 図3の左図は、図1の画像の伊豆大島周辺を拡大したものです。図3の右図は、同じ画像を「だいち」搭載PRISMによって得られた標高データを用いて鳥瞰図表示したもので、2013年10月の台風26号の大雨による大規模な土砂崩れの跡は、約8ヶ月経過した現在でも明確に見ることができ(図中赤丸内の暗く見える場所)、まだ植生が回復していないと考えられます。図3の画像は、土地被覆の状況をより詳しく判別するため、観測から得られた偏波のデータを用いて疑似的にカラー化※されており、大まかに緑色が植生、明るい紫色や黄緑色が市街地、暗い紫は裸地を表します。

※赤、緑、青にHH、HV、HH/HV偏波の各画像をそれぞれ割り当てた偏波カラー合成画像

図4 「だいち2号」搭載PALSAR-2による西之島の観測画像(右)と、
航空機搭載合成開口レーダによる過去の画像(左)との比較


 図4の右図は、2014年6月20日22時54分頃(日本時間)に、PALSAR-2の高分解能モード(約3m分解能)によって取得された西之島周辺の画像です。同年2月4日に航空機搭載Lバンド合成開口レーダ(Pi-SAR-L2)によって取得された画像(左図)と比較すると、この約4ヶ月半で島の面積が拡大していることが分かります(面積の増加分は、画像から約0.67km2と推定)。この観測が行われたのは夜間であり、また噴煙を透過して地表が可視化されており、これらの特性によりPALSAR-2では火山活動の継続的な監視が可能となります。

図5 「だいち2号」搭載PALSAR-2による富士山周辺の観測画像


 図5の(A)は、2014年6月20日22時56分頃(日本時間)に、PALSAR-2の高分解能モード(約3m分解能)によって取得された富士山周辺の画像です。この画像は、土地被覆の状況をより詳しく判別するため、観測から得られた偏波のデータを用いて疑似的にカラー化※されており、大まかに緑色が植生、明るい紫色や黄緑色が市街地、暗い紫は裸地を表します。図5の(B)は、この画像の富士山頂付近を拡大したもので、(C)の「だいち」(ALOS)搭載のPALSARの画像と比較すると、遥かに視認性が向上し,富士山頂につながる道路や火口の状況がよく分かります。

 ※赤、緑、青にHH、HV、HH/HV偏波の各画像をそれぞれ割り当てた偏波カラー合成画像

図6 「だいち2号」搭載PALSAR-2が捉えたアマゾンの森林減少


 図6の(A)はブラジル国・ロライマ州東部の森林減少が2009年と比べて現在どのように変化したかをとらえたものです。この画像は今回「だいち2号」のPALSAR-2が観測した2014年6月21日の画像(B)と2009年の「だいち」搭載PALSARによる画像(C)を用いて色合成しています(水色が非森林、灰色が森林、赤色が5年間に減少した森林域を示します)。この画像の範囲で約25.0 km2の森林減少が見られます。森林の観測に適したLバンドの波長の電波を用いたPALSAR-2により、今後、世界規模の森林観測が可能になります。その結果、森林管理や、気候変動に大きな関わりがあるとされる森林のバイオマス量の推定に貢献できると期待されます。




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