技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII) トピックス

トピックス一覧

2017年1月11日更新
「きく8号」運用終了

「きく8号」運用終了

2017年1月10日午後3時25分(日本時間)、技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)「きく8号」に停波作業を実施し、運用を終了しました。
「きく8号」は、移動通信体システムの向上に貢献することを目的とした実験・実証を行うために開発された人工衛星で、東日本大震災の際には被災地にインターネット環境を提供するなど、災害支援に貢献しました。
「きく8号」は、2006年12月18日に打ち上げられ、3年間のミッション期間を超えて運用を継続し、2016年12月18日にはバス設計寿命である10年間を経過。10年にわたる運用の結果、衛星の姿勢・軌道制御に使用する燃料が残り少なくなっていることから、運用終了に向け、他の静止衛星に影響がないよう静止軌道から離脱し、停波作業を完了しました。

2012年10月25日更新
「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送実験を開始

「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送実験を開始

「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送実験を開始 JAXAは、情報通信研究機構(NICT)、日立造船株式会社、東京大学地震研究所及び高知工業高等専門学校とともに、技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)を使ったGPS津波計からのデータ伝送実験を10月24日から開始しました。

この実験は、高知県室戸岬沖(約40km)の海上ブイに設置しているGPS津波計で観測した波浪情報を「きく8号」で陸上に送るもので、この衛星回線によるデータ伝送が実現すれば、GPS津波計を設置した地域が地震・津波で電力・通信網に甚大な被害が発生した場合でも、沖合での正確な津波観測データを日本国内はもちろんのこと、全世界に送り続けることができると期待されます。

2011年5月16日 更新
「きく8号」による災害対策の支援を終了

JAXAでは、東日本大震災における災害対策支援の一環として、技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)を用いたブロードバンド環境を岩手県の大船渡市や大槌町に提供し、被災地でのインターネットによる情報収集や情報発信に利用されてきました。その後、宮城県の女川町へ通信回線を提供してきましたが、地上通信インフラが回復したため女川町からの申し出により「きく8号」による人工衛星回線の提供を終了しました。
「きく8号」による東日本大震災への災害対策の支援は、これで終了いたしました。被災地の更なる復旧をお祈りいたします。

2011年4月26日 更新
「きく8号」で宮城県牡鹿郡女川町に人工衛星回線を接続

4月26日、JAXAは東日本大震災の災害対策支援として宮城県牡鹿郡女川町へ技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)を用いた人工衛星回線の接続を開始しました。
女川町の多くの地区で通信回線網が不通状態でしたが、「きく8号」の可搬型通信実験用端末を設置し、情報通信研究機構(NICT)の協力のもと、女川町高白浜の避難所と筑波宇宙センター間で衛星通信回線の接続を開始しました。
避難所でもインターネットに接続したPCを使えるようになり、避難所へ、復旧に関する情報を即時に提供することが可能となりました。
なお「きく8号」は超高速インターネット衛星「きずな」とともに岩手県内の通信環境の構築にも利用されていましたが、地上通信インフラが回復したことを受けて、岩手県からの申し出により4月24日をもって岩手県内での利用を終了しました。

2011年4月4日 更新
「きく8号」による岩手県上閉伊郡大槌町への人工衛星回線の接続開始について

JAXAは東北地方太平洋沖地震における災害対策支援として岩手県上閉伊郡大槌町へ「きく8号」を用いた人工衛星回線の接続を開始しました。
大槌町中央公民館に「きく8号」の地上アンテナと可搬型通信実験用端末を設置し、大槌町中央公民館-筑波宇宙センター間において、「きく8号」による最大384Kbps の衛星通信回線を接続しました。
大槌町中央公民館は、現地対策本部であるとともに多くの被災者の避難所となっており、避難されている方々が利用可能なよう2F ホールに人工衛星通信回線に接続したPCを設置しました。
これにより、避難されている方々のインターネットによる生活に関する情報収集、避難名簿確認等の利用が開始されました。

2011年3月24日 更新
東北地方太平洋沖地震の災害対策で「きく8号」が人工衛星回線の接続を開始

JAXAは、東北地方太平洋沖地震における災害対策支援として技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)を用いて人工衛星回線の接続を開始しました。3月24日、JAXAは岩手県大船渡市役所に「きく8号」の地上アンテナと可搬型通信実験用端末を設置し、大船渡市役所と筑波宇宙センターの間を「きく8号」による最大768Kbpsの衛星通信回線を接続しました。これにより大船渡市役所職員によるパソコンからインターネットに接続しての情報収集が開始され、今後は市役所や現地消防署等でのインターネットおよびIP電話等を利用しての連携強化のための情報共有としての利用が開始されます。
「きく8号」の可搬型通信実験用端末は小型で移動・設置が容易なため、避難所等からのインターネットによる情報発信が可能となり、今後の災害復興の一層の円滑化が期待されます。


通信システム概念図

2011年1月24日 更新
「きく8号」利用実験成果発表会を開催

技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)は、災害対策や海洋資源探査、遠隔教育や映像伝送など、様々な分野の利用実験を行ってきました。
4年間にわたり実施してきた各実験は大きな成果をあげており、これまでの実験の実施状況とその成果について報告する、「きく8号」の利用実験成果発表会を開催します。

名称:ETS-VIII利用実験成果発表会
日時:2011年1月25日(火)15:00~17:45

2010年6月2日 更新
「きく8号」定常段階を終了

2006年12月に打ち上げられた「きく8号」は3年間の定常段階を終え、後期利用段階に移行しました。
これまで「きく8号」は巨大なアンテナを生かし、防災訓練における通信回線の実証実験や小型携帯通信端末との通信実験などを行ってきました。

2009年9月17日 更新
「きく8号」成果・利用シンポジウム~聞く、見る、感じる 成果の軌跡 利用の未来~開催

「きく8号」がこれまでに達成した通信・測位の技術実証結果や利用実験の成果報告と、後期利用段階へ向けた新たな利用方法の開拓を目的としたシンポジウムを、10月20日に一橋記念講堂で開催します。参加にあたっては、事前登録が必要です。皆様の参加をお待ちしております。

2009年5月1日 更新
きく8号の開発から、新たな産業が生まれています

人工衛星の開発から生まれる成果は、宇宙だけでなく普段の生活にも活かされています。
「きく8号」の大型展開アンテナの表面素材には金属メッシュと呼ばれる最先端の素材が使用されています。金属メッシュには、その名のとおり「網状」の素材が使用されており、その『編み』の技術は日本の伝統技術である「友禅織」で培われたものでした。
同社は金属メッシュで培った極細繊維の加工技術を新たな超極薄繊維素材の加工技術へと発展させ、薄くて高密度、しかも耐水性、撥水性も高く軽量な生地を実現しました。この生地は世界中のスポーツウェアやアウトドアウェアブランドから注目を集め、現在では北陸地方の主力商品の一つになっています。
(画像:きく8号(ETS-VIII)の金属メッシュ)

2009年3月27日 更新
平成20年度桜島火山爆発総合防災訓練

2009年1月14日(水)、3箇所の避難所と対策本部を「きく8号」で結び以下の実験を実施しました。

1. ICタグを用いた避難住民管理・映像による避難状況確認

各避難港において読込んだ避難住民のICタグの情報は、災害対策本部にて受信、モニタ上に表示された避難者情報と100%一致し、正確な避難住民管理(誰が何処に避難したか)が災害対策本部にて即座に可能であることを実証しました。
避難者情報により、災害対策本部にて避難住民の集結状況(時間)が正確に把握可能であることを確認しました。また、避難所からの映像は、住民の避難状況把握に効果的であることが確認できました。
従来の「避難用家族カード」※を用いた場合とICタグを用いた場合の人定までの作業時間の比較を鹿児島市職員が実施し、ICタグでは読取から人定までの作業が非常に容易で、迅速に可能であることを確認しました。
ICタグを用いた避難住民管理・映像による避難状況確認
※避難用家族カード(3枚複写)は、事前に桜島の各家庭に一枚ずつ配付され、住所や家族全員の氏名、緊急時の連絡先、避難の有無等を記載し、住民は避難の際に避難誘導責任者に提出し、避難住民の把握等に利用しています。

2. 被災地状況報告

超小型携帯通信端末を用いた防災アプリケーションの機能実証のため、鹿児島市職員等が4台の超小型携帯端末を同時に用いて、災害対策本部から端末への一斉配信、ならびに赤生原港からの緊急被害報告、桜島フェリーで移動しながら位置情報及びメッセージの送受信を行いました。
その結果、予定していた情報伝送は行えましたが、電波環境の変化による通信エラーの発生や端末の操作性等の課題を抽出、確認しました。

2008年12月18日 更新
きく8号を利用した深海探査機の遠隔制御試験に成功

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、技術試験衛星VIII型「きく8号」を用いた深海探査機の遠隔制御システムを開発、このシステムを用いた実証試験を実施し、潜航中のハイビジョンカメラ搭載小型深海探査機「HDMROV」を、陸上の基地局で海中映像をモニターしながら、「きく8号」を介して遠隔制御する試験に成功しました。(画像:海洋研究開発機構)

2008年5月27日 更新
鹿児島県総合防災訓練で「きく8号」を使った衛星通信システムの実験を実施

鹿児島県総合防災訓練にて、技術試験衛星VIII型「きく8号」を用いた衛星通信システムによる実験が行われました。(写真右:避難住民の受け入れ)
この実験は、あらかじめ住民の個人データ記録したICタグを配布しておき、災害時にICタグに書き込まれている個人データを各避難所で読込み、読み取ったデータを「きく8号」を介して指揮系統のある基地局に伝送することで、避難住民の人数、氏名、避難所の状態等の情報をリアルタイムに把握することが可能になります。
離れた避難所を「きく8号」で結び、災害時における広域的な通信手段としての有効性、またICタグを併用した利便性を今回も示すことができました。


(写真左:対策本部 県知事視察 右:対策本部での避難所受け入れ確認)

    2008年4月14日 更新
    「きく8号」大型展開アンテナ日本機械学会賞受賞

    2006年12月に打ち上げられた技術試験衛星VIII型「きく8号(ETS-VIII)」の大型展開アンテナが、2007年度の日本機械学会賞(技術)を受賞しました。
    「きく8号(ETS-VIII)」には、世界最大級となる19m×17m(テニスコート大)の大型展開アンテナが2基搭載されています。打ち上げ時に直径約1m、高さ約4mの大きさに収納されたアンテナは、軌道上において2基とも想定通り順調に展開し、その後の通信実験から、電波反射鏡として正常に機能することが確認されています。
    宇宙に広がる巨大なパラボラアンテナは、山間部や海上などの場所を問わず、コンパクトな携帯端末による“いつでも、どこでも”の通信環境を実現できます。また、災害発生時にも通常と変わらぬ安定した通信サービスを提供することが可能となります。
    こうして培われた展開アンテナ技術は、電波天文衛星「ASTRO-G」に引き継がれます。また、更なるユ-ザの利便性を高めるため直径30m級の超大型ンテナの検討が始まるなど、今後の発展が期待されています。

    2008年2月22日 更新
    桜島火山爆発総合防災訓練における「きく8号」通信実験実施報告

    鹿児島県および鹿児島市では、大正3年に桜島が大噴火した毎年1月12日に、桜島全島および周辺地域を対象とした大規模な防災訓練を実施しています。今年は、1月11日に実施しました。
    JAXAは、この「桜島火山爆発総合防災訓練」において、きく8号のJAXA基本実験の一環として2種類の衛星通信実験用端末を使用した情報伝達実験を実施し、きく8号を用いた衛星通信システムによる防災アプリケーションの評価および紹介を行いました。平成19年9月に実施した東京都4市1町合同総合防災訓練での実験に続いて、きく8号が参加した2回目の実験となりました。
    今回は、きく8号で鹿児島駅会場から海を隔てて約5km離れた桜島赤生原(あこうばる)避難港、桜島溶岩グラウンドを結び、広域の情報収集に役立てること示すことができました。
    また、地上の衛星通信実験用端末(ポータブル端末)の高出力化を図り、高い伝送レートで鮮明な音声、映像の伝送を行いました。


    ICカードの読取り(赤生原避難港)

    実施した5種類の実験
    01.ICタグを用いた避難所住民管理
    02.映像による住民避難状況確認
    03.映像による被災地の状況確認
    04.被災現場での救護活動訓練(トリアージシステム)
    05.被災地情報報告(超小型携帯通信端末)

      2007年10月29日 更新
      9/1 「防災の日」技術試験衛星VIII型「きく8号」が通信実験を実施

      本部調査員 2007年9月1日(土)「防災の日」、東京都と昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町の4市1町が合同で行った総合防災訓練に参加し、技術試験衛星VIII型「きく8号」の通信実験を行いました。

      防災訓練では、バイクに乗って安否確認を行なう調査員が、道路状況、土砂崩れ、火災発生、負傷者数の情報を「きく8号」を介して対策本部へ送信し、迅速な被害状況の把握に努めました。また、救出・救護訓練の様子をウェアラブルカメラを装着した調査員が撮影して、映像を「きく8号」を介して対策本部へ送信するなどを行いました。

      今後も、「きく8号」の技術が災害時も私たちの暮らしに役立つように、着々と実験を重ねていきます。

      バイクに乗って安否確認を
      行なう調査員
      ウェアラブルカメラを
      装着した調査員

      2007年5月9日 更新
      「きく8号」定常段階へ移行

      静止化軌道制御を6回実施し所定の静止軌道(東経146度)に投入され、バス系の各サブシステム及びミッション系のチェックアウトを実施していた「きく8号」は、4月25日に定常段階移行前審査を実施し、初期段階から定常段階へ移行しました。
      今後は、各搭載機器の実験を順次行っていく予定です。

      2006年12月27日 更新
      大型展開アンテナ展開完了、初期機能確認フェーズへ移行

      4回のアポジエンジン噴射により、所定のドリフト軌道に投入されたきく8号(ETS-VIII)は、12月25日17:31(日本時間)から受信アンテナを、26日18:56から送信アンテナの展開をそれぞれ開始し、同日衛星からのテレメトリデータおよび搭載カメラの画像により、2つの大型展開アンテナの展開が完了しました。
      また、27日4:14に姿勢制御を定常モードへ切り替え、初期機能確認フェーズへ移行しました。

        2006年12月25日 更新
        “クリティカルフェーズ”の運用中です

        12月18日に種子島宇宙センターから打ち上げられたきく8号(ETS-VIII)は、現在“クリティカルフェーズ”の運用中です。H-IIAロケットでトランスファ軌道に投入されたきく8号は、アポジエンジン噴射を繰り返して段階的に軌道を上げています。合計4回の噴射によりドリフト軌道に到達したところで大型展開アンテナを展開し、姿勢制御モードを定常モードへ切り替えることでクリティカルフェーズは終了します。





        写真1
        筑波宇宙センターの中央管制室です。打上げ時の筑波側作業の全体進行管理をここで行ないました。

        写真2
        打上げを見守る、筑波宇宙センターのETS-VIII運用室です。衛星がロケットから分離されてからが衛星運用チームの本番です。

        写真3
        運用室では、衛星の状態監視とコントロールを行なっています。手前側が運用の進行管理とモニタ・コマンド送信作業を行なうチームです。

        写真4
        同じく逆アングルからの運用室。こちら側は運用をサポートする技術チームです。

          2006年12月20日 更新
          きく8号、現在トランスファー軌道を航行中

          12月18日15:32(日本時間)に、H-IIAロケット11号機により打ち上げられた「きく8号」は、太陽電池パドルの展開を無事に終え、現在トランスファー軌道を航行中で、ドリフト軌道へ向け、アポジエンジンを数回噴射しているところです。
          「きく8号」の最新情報は、随時特設サイトでお知らせしてますので、ぜひご覧ください。

          2006年12月18日 更新
          きく8号、太陽電池パドルを展開

          宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成18年12月18日15:32(日本時間)に種子島宇宙センターから打ち上げられた「きく8号」の太陽電池パドルの展開および太陽捕捉が、チリのサンチァゴ局およびカナリア諸島(スペイン領)のマスパロマス局で受信したテレメトリデータおよびカメラ画像により、正常に行われたことを確認しました。現在、衛星の状態は正常であり、作業は順調に進んでいます。

          2006年12月18日 更新
          H-IIA11号機 打ち上げおよび衛星分離成功!

          宇宙航空研究開発機構は平成18年12月18日15時32分(日本時間)に、種子島宇宙センターから「きく8号(ETS-VIII)」を搭載したH-IIAロケット11号機を打ち上げました。11号機は正常に飛行し、打ち上げ約28分後に「きく8号」を分離したことを確認しました。

          今回の打ち上げ実施にご協力いただいた関係各方面、ならびに国民の皆様に深甚の謝意を表します。

          2006年12月16日 更新
          きく8号/H-IIAロケット11号機打ち上げ延期

          きく8号/H-IIAロケット11号機の打ち上げを12月16日に予定しておりましたが、射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲が観測され、打ち上げ時間帯まで回復の見込みがないため、打ち上げを12月18日15:32~15:44(日本時間標準時)に延期いたします。

            2006年12月11日 更新
            「きく8号」H-IIAロケットへ搭載完了

            「きく8号」は種子島宇宙センターで打ち上げに向けた最終準備を行なっています。
            前回のSFAにおけるPAFとの結合に続き、フェアリングへの収納とロケットへの搭載が行なわれ、カウントダウンへの準備が整いました。遠隔装置でのモニタとメンテナンスを行ないつつ、きく8号は打ち上げに備えます。

              2006年12月7日 更新
              フェアリング移動完了。いよいよ打ち上げ秒読み!

              「きく8号(ETS-VIII)」はSFA(第1衛星フェアリング組立棟)でのフェアリング取り付けを終え、12月7日の深夜、SFAから移動を開始し、無事にVAB(大型ロケット組立棟)へと運ばれました。この後はロケットへの搭載作業に入り、目前に迫った打ち上げに備えます。

                2006年12月1日 更新
                PAF(Payload Attachment Fitting=衛星分離部)との結合作業を完了

                「きく8号(ETS-VIII)」は、第1衛星フェアリング組立棟(SFA)で火工品取付けと推進薬充填を終え、打ち上げ準備の最終段階を迎えました。ロケット担当者との共同作業としてSFAでは、ロケットの第2段に衛星を取り付けるための「PAF」との結合作業が行われました。

                今後はSFAでフェアリングを取付けた後、VABへの移動、ロケットへの搭載と作業が進みます。これからはロケットと衛星のそれぞれの担当がいっそう密に連携しながらの共同作業となります。


                写真A:衛星下部のコーン状の部分がPAF
                写真B:ロケットと衛星の担当者が協力して、無事作業が完了。衛星右後方に見えるのがフェアリング取付けを行なうための「衛星/フェアリング昇降装置」です。

                  2006年11月14日 更新
                  SFA2(第2衛星フェアリング組立棟)からSFA(第1)へ移動

                  種子島宇宙センター搬入後の機能確認試験を終えたETS-VIII「きく8号」は、11月2日朝、最終準備作業に向け第1衛星フェアリング組立棟(SFA)に移動しました。今後は、太陽電池パドルなど宇宙空間での展開物を開放する火工品(火薬)の取り付けや推進薬の充填を行った後、フェアリング収納、ロケット搭載へと作業が進んでいきます。

                  写真A:SFA2内で移動用の保護カバーに収納。
                  写真B:快晴の下、SFAに向けて移動中(後方はSFA2)。
                  写真C:SFAの大扉から搬入中。次にここを出るときは、フェアリングに収納された状態でVAB(大型ロケット組立棟)に向かいます。

                    2006年11月6日 更新
                    「きく8号」の機体を公開

                    9月に種子島宇宙センターに運び込まれていた技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)の機体を11月1日、公開しました。きく8号は、黒い断熱材に覆われてアンテナと太陽電池パドルを折り畳んだ状態で、高さ7.3メートル、縦3.7メートル、横4.6メートルの大きさ。重量5.8トン(打ち上げ時)は、日本の歴代人工衛星の中でもっとも重く、打ち上げに使われるH-IIAロケット11号機は、打ち上げ能力向上のため、固体ロケットブースタ(SRB-A)を従来の2本から4本に増やした形となります。

                      2006年10月30日 更新
                      打ち上げに向けた最終準備の段階に

                      打ち上げ日(12月16日)や愛称の発表、シンボルキャラクター「きくはちぞう」のお披露目など、打ち上げに向けさまざまなイベントが動き出しています。種子島宇宙センターに搬入されたETS-VIIIは、輸送開梱後の再組立てを終え、最終的な機能確認試験が実施されました。
                      今後は打ち上げに向けた最終準備として、これから推進薬の充填、火工品の取り付け、ロケットへの搭載を順次行っていきます。また11月1日には種子島宇宙センターで報道機関向けに衛星本体の公開を行なう予定です。

                      写真A:再組立てがほぼ完了
                      写真B:推進系の試験中
                      写真C:これらの試験や準備が行われている
                          種子島宇宙センターの「第2衛星フェアリング組立て棟(SFA2)」

                        2006年10月23日 更新
                        技術試験衛星VIII型「ETS-VIII」、愛称は「きく8号」

                        技術試験衛星VIII型「きく8号」
                        (ETS-VIII)
                        シンボルキャラクター
                        「きくはちぞう」

                        技術試験衛星VIII型「ETS-VIII」の愛称を、技術試験衛星シリーズで受け継いでいる「きく」を用いた「きく8号」としました。
                        「きく8号」のキャッチフレーズは、

                        大きなアンテナがひらく未来の扉、届ける安心
                          ―大型衛星を使った新しい携帯通信の世界へ―


                        です。JAXAは時代のニーズを先取りした衛星技術の実現を目指し、技術試験衛星(ETS)シリーズに取り組んでいます。
                        8番目の技術試験衛星となる「きく8号」では、通信や測位の分野において私たちの生活を豊かにする技術にチャレンジします。
                        また、皆さんに親近感を持っていただけるよう、シンボルキャラクター「きくはちぞう」が誕生しました。「きく8号」ともどもよろしくお願いします。

                          2006年10月16日 更新
                          LDREX-2のアンテナ展開を確認

                          10月14日にアリアン5ロケットで打ち上げられた大型展開アンテナ小型・部分モデル2(LDREX-2)について、ケニヤ共和国マリンジ局において受信した画像によりアンテナ展開を確認しました。なお実験の成否は、1週間~10日程度かかるテレメトリデータの解析後に判明いたします。(画像は、アンテナ背面からの撮影)

                          2006年10月13日 更新
                          衛星が種子島宇宙センターに到着

                          筑波宇宙センターでのシステムプロトフライト試験(システムPFT)を終えたETS-VIIIは、筑波から種子島へ輸送されました。
                          8月31日の夜、筑波宇宙センターから搬出された衛星(写真A)は、陸路と海路を経て、9月4日に種子島宇宙センターの第2衛星フェアリング組立棟に到着(写真B)、梱包が解かれました(写真C)。衛星が大型なので、大きな部品は取り外した状態で梱包され、陸上輸送も深夜に行われました。
                          種子島では現在、打ち上げに向けた準備が進められています。

                            2006年8月21日 更新
                            筑波で「最終電気性能試験」を実施中

                            ETS-VIIIは筑波宇宙センターでシステムプロトフライト試験(システムPFT)の最後となる「最終電気性能試験」を実施中です。

                            打上げから宇宙空間までを模擬した熱真空・振動・音響などの環境試験を経た後も、所定の電気性能を維持していることを確認するための試験です。

                            今回の一連の試験が完了した後、ETS-VIIIは種子島宇宙センターへ輸送され、打上げに向けた準備作業に入る予定です。

                            写真:最終電気性能試験中のETS-VIII

                              2006年4月7日 更新
                              ETS-VIII、大型展開アンテナの鏡面展開試験を実施

                              今年度打ち上げが予定されるETS-VIII(技術試験衛星VIII型) に搭載する世界最大の大型展開アンテナ反射鏡部(LDR)の展開試験が4月7日、都内で行われました。
                              ETS-VIIIに取り付けられるLDRは2つで、傘のような六角形のモジュール14個を組み合わせたものが1つのLDRになります。打ち上げ時はロケットの先端に搭載するため、直径1m、長さ4mほどの大きさまでコンパクトに畳まれますが、展開すると約19m×17mとかなりの大きさになります。メッシュで軽量化された鏡面は、宇宙空間の激しい温度変化に耐えられるようモリブデンに金メッキされた素材が使われ、補強用のケーブルが縫い込まれています。

                              写真:左は展開中、右は展開を終えたLDRの鏡面

                                2006年1月27日 更新
                                衛星に対し「機械環境試験」を実施しました

                                ETS-VIIIは打上げに向けてのシステムプロトフライト試験(システムPFT)を実施中です。全体組立を終えたETS-VIIIに対し、質量特性試験に続いて「機械環境試験」が実施されました。この試験はロケット打上げ時に衛星にかかる機械環境を模擬するもので、振動・音響・衝撃を実際に衛星に加え、問題が生じないかどうかを確認するものです。

                                写真1 写真2 イラスト


                                写真1:
                                大型振動試験装置に載せられた衛星本体。手前の面が太陽電池、台の右側に加振装置が見えています。

                                写真2:
                                打ち上げ時のフェアリング内と同等の大音響にさらされる「音響試験室」に設置された衛星本体。

                                イラスト:
                                図中の矢印は、衛星をどの方向から見た写真かを示すものです。

                                「機械環境試験」で衛星に問題のないことが確認できました。今後は機械環境を通過した後も内部の機能・性能を維持していることを確認する試験を実施していきます。

                                  2005年10月28日 更新
                                  「システムプロトフライト試験」を再開しました

                                  全体組立が完了したETS-VIIIの「システムプロトフライト試験(システムPFT)」が再開されました。筑波宇宙センターの「総合環境試験棟(SITE)」で行われているシステムPFTは、組立てを終えた衛星が正しく機能することを確認する一連の試験です。

                                  アライメント測定 質量特性試験


                                  ETS-VIIIは「電気性能試験」を終え、衛星のセンサやスラスタなどの位置や方向を、三角測量の原理で精密に実測する「アライメント測定」(写真1)を行いました。また、質量、重心位置、慣性モーメントを実測する「質量特性試験」(写真2:重心位置を測定中)も実施しました。これらのデータは衛星の姿勢制御やロケットとのインターフェースを行ううえでの基本的なデータとなります。

                                  今後は機械環境試験として「振動試験」「音響試験」「衝撃試験」を順次行っていく予定です。

                                    2005年8月3日 更新
                                    「全体組立」が完了し、まもなくテストを再開

                                    「総点検」を終えたETS-VIIIは、システムプロトフライト試験(システムPFT)の再開に向けて準備を進めてきました。
                                    7月末までに「大型展開アンテナ(LDR)」「太陽電池パドル(PDL)」「展開型ラジエータ」などの外部機器を本体に取り付ける「全体組立」が完了、これでシステムPFT再開の準備が整ったことになります。

                                    写真1:
                                    閉じた傘のように折りたたまれた、大型展開アンテナ(LDR)を本体に取付中。

                                    写真2:
                                    衛星本体の手前側は取付が完了し、収納された状態の太陽電池パドル。
                                    奥側は取り付け中の半展開状態のパドルです。

                                      2005年4月27日 更新
                                      LDREX-2の航空機内での展開実験に成功しました

                                      2005年4月5日フランスのボルドーにおいて、大型展開アンテナ小型・部分モデル2 (LDREX-2) を航空機に搭載し、無重力に近い状態 (微小重力状態) での展開実験を行いました。
                                      微小重力状態は、航空機が急上昇した後にエンジンをほとんど停止させ、急降下することによって作り出します。一度に作ることのできる微小重力状態は約20秒間。逆に、その前後の約20秒ずつは体重が2倍ほどに感じられます。この1分間に、航空機は高度差2400mを昇って降りてきます。今回は、飛行場を飛び立ってからおよそ3時間の間に、計13回の微小重力状態を作り出しました。
                                      実験では、ロケット打上げによる本番の流れにそって、LDREX-2の機能を順次確認しました。アンテナ鏡面は非常にスムーズに展開し、成功裡に終了しました。
                                      この実験で得られた各種データの詳しい評価はこれからですが、LDREX-2は打上げに向けた大きな一歩を踏み出しました。

                                      画像 (上): 微小重力実験用航空機 (photo by Novespace-Airbus)
                                      画像 (中): 展開実験の様子
                                      画像 (下): 実験メンバー

                                        2005年3月31日 更新
                                        大型展開アンテナの小型・部分モデルによる軌道上展開実験を実施します

                                        ETS-VIIIの「総点検」の結果、大型展開アンテナ (LDR) をより確実に展開させるために、大型展開アンテナ小型・部分モデル2 (LDREX-2)による軌道上展開実験を実施することになりました。
                                        LDREX-2は、2000年12月に展開実験を実施したLDREXと同様に、LDRの縮尺1/2のモジュール7個からなり、アリアン5型ロケットでピギーバック(小型副衛星) として打ち上げられ、軌道上で約45分の展開実験を行います (下図参照)。打ち上げ時期は、2005年内を予定しています。
                                        LDREX-2の設計・製造は順調に進んでおり、2005年4月には航空機に搭載し、無重力に近い状態を作り出して展開実験を行います。

                                        上の画像はLDREX-2の軌道上展開実験イメージ、下の写真は航空機で行う実験の地上リハーサルの様子です。

                                          2005年2月22日 更新
                                          「総点検」を完了し、ETS-VIII開発がリスタート

                                          システムプロトフライト試験を中断し、2004年3月から実施してきたETS-VIIIの「総点検」を、このたび完了しました。
                                          この「総点検」は火星探査機「のぞみ」や地球観測衛星「みどりII」の不具合を受け、JAXAで開発中の衛星プロジェクトで実施されたものです。
                                          総点検の結果、衛星と地上システムについて改善すべき課題が抽出されて対処方法が決められ、宇宙開発委員会にも報告されています。
                                          総点検で明らかになった課題についての対処を終え、ETS-VIIIはシステムプロトフライト試験を再開します。

                                          写真は、宇宙開発委員会衛星総点検専門委員会の現地視察を受けるETS-VIII。
                                          左側の筒状のものが推進モジュール、中央手前の枠がペイロードモジュール、中央奥がアンテナタワー、右奥の枠がバスモジュール。総点検のため分解されていました。
                                          (2004年10月14日、筑波宇宙センター・総合環境試験棟「SITE」にて)

                                            2004年1月15日 更新
                                            衛星システムの「熱真空試験」が無事終了しました


                                            システムプロトフライト試験(システムPFT)の一環として、筑波宇宙センターの総合環境試験棟(SITE)の「13mΦスペースチャンバ」を用いて、 衛星本体の「熱真空試験」を行いました。
                                            この試験は、直径13m・奥行き16mの巨大な空間を真空にし、そこに納めた衛星を液体窒素と電気ヒーターを使って冷却・加熱を繰り返し、衛星の電気的な機能を確認します。衛星が宇宙空間で受ける熱サイクルを模擬するもので、約1か月をかけた今回の試験で、衛星の各機能が正常に働くことが確認できました。2004(平成16)年からは、衛星本体の再組み立ての後、「音響試験」「振動試験」などの試験の実施を予定しています。

                                            写真上:熱真空試験を終え、チャンバーより搬出されるETS-VIII。今回の試験では、強力なライトの「模擬太陽光」で加熱する代わりに、電気ヒーターを用いていたため、衛星本体はヒーターのパネルで囲まれています。
                                            写真下:チャンバーより搬出されたETS-VIII。熱真空試験は、アンテナタワー(右側)と衛星本体(左側)を分離した状態で行いました。

                                              2003年10月14日 更新
                                              フライトモデルの初期電気性能試験を実施しました

                                              本体の組立てを終えたETS-VIIIでは、現在「システムプロトフライト試験(システムPFT)」が行われています。組立て完了後の初期外観検査に続き、衛星を試験装置とケーブルで接続し「初期電気性能試験」が実施されました。この試験は衛星全体の電気性能確認を目的とするもので、ETS-VIIIは設計どおり正常に動作することが確認されました。
                                              またここで得られたデータは、衛星の「健康状態」の判断材料となります。今後実施される「熱真空試験」「振動試験」「衝撃試験」では、それぞれの試験後に電気性能試験のデータを取得します。そのデータを初期電気性能試験のデータと比較することで、試験による衛星への影響がなかったかどうかを確認することができるからです。

                                              写真:衛星本体の重量は、太陽電池パドルと大型展開アンテナ(LDR)が未装着の状態で、約2トン。表面の黒い覆いは衛星を宇宙の熱環境から保護するMLIと呼ばれる断熱材です。

                                                2003年9月10日 更新
                                                衛星本体の組立てが完了しました


                                                ETS-VIIIの本体(衛星の胴体となる部分)を構成するモジュールすべてが筑波宇宙センターに揃い、総合環境試験棟(SITE)で組立てが行われました。作業は大きな4つのモジュールを、下(ロケットとの結合部分)から積み上げるようにして進行します。
                                                まず「推進モジュール」に「バスモジュール」を結合し(写真左)、そこへ「ペイロードモジュール」を結合して、衛星胴体の箱型部分が完成します。
                                                さらにその上に「アンテナタワー」を載せて(写真中)、ETS-VIIIの本体が完成しました(写真右)。
                                                ETS-VIIIはこの状態から衛星システムの試験「システムプロトフライト試験(システムPFT)」に臨みます。また、未装着である大型展開アンテナ(LDR)や太陽電池パドルなどの「展開構造物」は、システムPFTの進捗に従って本体に組み込まれていきます。

                                                  2003年7月29日 更新
                                                  「大型展開アンテナ」フライト品の試験が進行中です

                                                  軌道上でテニスコートと同じほどの大きさに広がる大型展開アンテナ(LDR)は、この衛星を特徴づけるモジュールです。
                                                  衛星本体の試験と並行し、金属のメッシュ(網)でできた鏡面を有するLDRのフライト品の環境試験が進められています。フライト品とは文字通り、実際に打上げる衛星に組み込まれるもので、送信用と受信用の計2台があります。
                                                  環境試験では、衛星に搭載されたLDRが打上げ時及び宇宙空間で遭遇する、振動、音響、熱真空環境を模擬した試験を行います。この試験をクリアし、フライトに耐えられることを確認した上で、LDRの開発は次の段階に進みます。


                                                  写真上:総合環境試験棟(SITE)音響試験設備に設置されたLDR。打上げ時のフェアリング内部に匹敵する音圧がLDRに加えられる。
                                                  写真下:宇宙空間の真空と極低温、そして太陽光線による熱を同時に模擬する「8mφスペースチャンバ」で、2台同時に試験に臨むLDR。

                                                    2003年4月14日 更新
                                                    総合環境試験棟(SITE)に、続々とモジュールが運び込まれています

                                                    ETS-VIIIは、平成15年度から開始される全体システム試験に向けて、衛星システム組立の準備が進んでいます。ETS- VIIIでは、まず分割されたモジュールごとに製造・試験を行ない、正常であることが確認された後に各モジュールを結合、システムとして全体を組み立てます。全体組み立ては筑波宇宙センター(TKSC)にて行う予定で、各モジュールは準備ができたものから順次、TKSC内の総合環境試験棟(SITE)に運び込まれています。

                                                    写真(上):SITEにて組み立て待ちの「ペイロードモジュール」
                                                    写真(下):同じく「アンテナタワー」
                                                    (写真中の女性の身長は164cm)

                                                      2003年2月4日 更新
                                                      ETS-VIIIは、筑波宇宙センターにてフライト品の試験を継続して実施しています

                                                      ETS-VIIIの衛星本体は、上からアンテナタワー、ペイロード系、バス系、推進系のモジュール構造となっており、それぞれの製造・試験を並行して効率良く行うことができます。
                                                      写真は、ペイロードモジュール試験の様子です。中央にある銀色の箱体が通信放送・測位実験機器が搭載されたペイロードモジュールです。
                                                      その両側にあるのは、大型展開アンテナを通じて電波の送受信を行うための電子機器で、試験後はアンテナタワーに搭載されます。
                                                      試験を通じて、各機器の動作の確認および性能・特性評価が順次行われています。

                                                      写真:ペイロードモジュール試験

                                                        2002年11月22日 更新
                                                        ETS-VIIIは、フライト品の試験を筑波宇宙センターにて開始しました

                                                        宇宙環境(真空、低温、太陽光)を模擬する真空チャンバを用いて、フィーダリンクアンテナ(FL-ANT)熱真空試験(左上写真)、送信側大型展開アンテナ反射鏡部(TX LDR)熱平衡試験(左下写真)を実施しました。この試験によって熱設計・解析の妥当性の評価を行い、フライトに適する品質を持っていることを確認しました。

                                                          2001年4月20日 更新
                                                          衛星システム構造モデル(SSM)開発試験

                                                          ETS-VIIIシステム構造モデル(SSM)は、打上げ環境での耐性を検証する構造試験(衝撃、音響、正弦波、ランダム振動等)を3月下旬から6月中旬にかけて筑波宇宙センター総合組立試験棟にて実施中です。

                                                          写真:ETS-VIII衛星システム構造モデル開発試験

                                                            2001年3月27日 更新
                                                            システム熱モデル(STM)の熱真空試験

                                                            STMはETS-VIII衛星システムについて軌道上の真空環境における熱設計の妥当性を検証するためのエンジニアリングモデルです。STMは熱真空試験を2月下旬から3月にかけて三菱電機(株)鎌倉製作所にて実施中です。

                                                            写真:ETS-VIIIシステム熱モデル

                                                              2000年12月8日 更新
                                                              LDREX打上げ展開試験

                                                              ETS-VIII大型展開アンテナ(LDR)の開発の要となる展開機構について、設計の妥当性を事前検証するため、縮尺1/2のモジュール7個からなる小型・部分モデル(LDREX、約6m径)を製作しており、アリアン5型ロケットでピギィバックとして12月21日に打ち上げられ、軌道上で約20分間の展開実験を行う予定です。

                                                              写真:LDREX(ロケット衛星分離部に搭載中)

                                                                2000年12月6日 更新
                                                                衛星システム構造モデル(SSM)静荷重試験

                                                                ETS-VIII衛星の構体は2階建てで、各パネルには内側に機器を装着し、中央部には荷重を支えるセントラルシリンダがあり、推薬タンク上下2本を内蔵し下端コーンにアポジエンジンが付きます。
                                                                SSMは静荷重試験を10月下旬から11月にかけて筑波宇宙センター衛星試験棟にて実施しました。

                                                                写真:ETS-VIII衛星システム構造モデル静荷重試験

                                                                  2000年8月18日 更新
                                                                  LDR電波測定試験

                                                                  大型展開アンテナ(LDR)の電波放射パターンを確認するためLDRモデル(7モジュール型)と給電部(フェーズドアレイ素子)を組合せたRF(電波)測定試験を電波試験設備(東芝小向工場)にて7月下旬から8月中旬にかけて実施しています。

                                                                  写真:LDR放射パターン測定(東芝提供)

                                                                    2000年7月14日 更新
                                                                    SEMシステム試験の実施

                                                                    SEMは、バス機器やミッション機器のEMを衛星構体に組込み配線したシステム試験モデルであり、総合電気性能を検証し、FM設計に役立てられます。
                                                                    昨年10月からのペイロードモジュール(構体上段)、バスモジュール(中段)及び推進モジュール(下段)の組立配線、機能確認試験をそれぞれ完了し、現在、6月から7月にわたり衛星全体のシステム試験が行われています。

                                                                    写真:ETS-VIII/SEMシステム試験

                                                                      2000年5月19日 更新
                                                                      大型展開アンテナEM熱真空試験

                                                                      大型展開アンテナは、打上げ時に径1mx高さ4mの円筒状に収納され、軌道上で14個の傘型モジュールが縁を接して一緒に開きテニスコート級のパラボラ面をつくる。
                                                                      展開までの収納状態の熱設計を評価するため、試作モデル(EM)による熱真空試験が5月中旬に筑波宇宙センターで実施された。EMは試験台に装着後、13mφスペースチャンバに格納し、軌道上の真空の温度環境を模擬した試験で検証を行った。

                                                                      写真:大型展開アンテナEM熱真空試験(試験台装着)

                                                                        2000年3月10日 更新
                                                                        大型展開アンテナEM展開試験

                                                                        大型展開アンテナは、打上げ時に筒状に収納され、軌道上で14個の傘型モジュールが縁を接して一緒に開きテニスコート級のパラボラ面をつくる。
                                                                        この機構設計を検証するため、試作モデル(EM)による展開試験が2月下旬に東芝府中工場で実施された。軌道上を模擬して、天井からワイアで吊り下げ重力を相殺しつつ水平に展開し妥当性を確認した。

                                                                        写真:大型展開アンテナEM展開試験

                                                                          2000年2月14日 更新
                                                                          セントラルシリンダ静荷重試験

                                                                          ETS-VIII衛星の構体の中央部には、全荷重を均衡させるセントラルシリンダがあり、推薬タンク上下2本を内蔵し下端コーンにアポジエンジンが付きます。
                                                                          システム構造モデル(SSM)に組み込む前に、セントラルシリンダは静荷重試験を2月初旬に三菱電機鎌倉製作所にて実施中です。

                                                                          写真:ETS-VIIIセントラルシリンダ構造モデル(三菱電機提供)

                                                                            2000年1月31日 更新
                                                                            ETS-VIII アンテナタワー部の熱平衡試験

                                                                            アンテナタワー部はFLアンテナ、HACアンテナ、給電ユニット(LDRアンテナのためのフェーズドアレー送信及び受信フィーダ、放熱パネル)、センサーマストを備えています。12月下旬に筑波宇宙センターで熱平衡試験を実施し、アンテナタワー部(熱モデル)がその熱制御設計により宇宙環境で規定温度範囲を保つことを検証しています。

                                                                            写真:ETS-VIII アンテナタワー部の熱平衡試験(給電部はASCの提供による)

                                                                              1999年12月10日 更新
                                                                              太陽電池パドルの展開試験

                                                                              ETS-VIII太陽電池パドル(EM)の展開試験が11月と12月に東芝・小向工場で行われています。パドルはハニカム・パネル(2.5mx3.3m)4枚が畳み込まれ軌道上で開きますが、地上試験ではケーブルで吊り下げて重力を相殺して軌道上展開の動作を模擬し確認します。

                                                                              写真:ETS-VIII太陽電池パドル展開試験(東芝提供)

                                                                                1999年11月12日 更新
                                                                                ETS-VIII/SEM組立はじまる

                                                                                SEMは、バス機器やミッション機器のEMを衛星構体に組込み配線したシステム試験モデルであり、総合電気性能を検証し、FM設計に役立てられる。
                                                                                三菱電機(株)鎌倉製作所にてペイロードモジュール(構体上段)へのミッション機器の組立配線が10月から始まり、1月まで機能確認試験を行う。
                                                                                その間にバスモジュール(中段)及び推進モジュール(下段)の組立配線を行い2月からシステム試験を行う運びとなる。

                                                                                写真:ETS-8/SEMペイロード組立(三菱電機提供)

                                                                                  1999年10月15日 更新
                                                                                  ETS-VIII大型展開アンテナの小型・部分モデルの展開試験の実施

                                                                                  ETS-VIII大型展開アンテナ(LDR)は収納状態で打上げられ静止軌道上で傘形の14個のモジュールが隣り合わせに開きパラボラアンテナの鏡面(約17m×19m)を作る。この開発の要となる展開機構について設計の妥当性を事前検証するため、縮尺?のモジュール7個からなる小型・部分モデル(LDR-P、約6m径)を製作しており、H-IIA初号機で打上げて軌道上で展開実験を行う運びにある。LDR-Pは、この打上げに備えて、9月中旬から10月にかけて筑波宇宙センターにて打上げ環境試験を実施中である。その一環として、LDR-Pを天井からワイアで吊り下げ重力を相殺しつつ水平に開きその展開機能について地上試験で確認を行った。

                                                                                  写真:LDR-P展開試験(提供 東芝)

                                                                                    1999年9月10日 更新
                                                                                    ETS-VIII推進系システム燃焼試験の実施

                                                                                    8月中旬より9月末にわたり、ETS-VIIIの完全二液式化学推進系(燃料:MMH、酸化剤:MON-3)について、システム燃焼試験(SFT)をIHI相生工場にて実施中です。SFTの目的は、ETS-VIIIの静止軌道投入に用いる500N(ニュートン)級アポジエンジン(AKE)や姿勢軌道制御に用いる20N級二液式スラスタを地上試験モデルにより実際に燃焼して検証試験を実施し、軌道上で必要となる作動特性の確認や運用手順の確認を行い、推進系フライトモデルの製作に反映をはかるものです。

                                                                                      1999年7月26日 更新
                                                                                      ETS-VIIIミッション機器パネルのEM組立開始(6月14日)

                                                                                      ペイロードモジュール(衛星構体上段)のパネルに協力機関側(ASC、CRL、NTT)が開発した移動体通信実験ミッション機器(EMであるが、大部分はEFM方式を採用している)を取り付ける作業を筑波宇宙センターの総合組立試験棟で行っている。8月下旬までに機器パネルの組立と通信系試験が終了しNASDA側に引き渡される。9月からはシステム電気モデル(SEM)の組立を始める予定である。

                                                                                      写真:NASDA及びASC提供

                                                                                        PAGE TOP