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人工衛星・探査機による貢献 熱帯降雨観測衛星「TRMM」

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2015年6月23日 更新

TRMM、17年間の歴史に幕

TRMM、17年間の歴史に幕

日米共同プロジェクトの熱帯降雨観測衛星「TRMM」が、6月16日12時55分(日本時間)に南インド洋上空で大気圏に再突入しました。
1997年11月28日にH-IIロケット6号機により打ち上げられたTRMMは、設計寿命3年2ヶ月を超え17年間にわたり観測を継続し、降水分野の研究に大きく貢献しました。

  • TRMM衛星を中心とした観測データによる全世界の降水分布を準リアルタイムで作成
  • 降水データを気象観測・予報だけでなく、洪水の予警報や干ばつ監視といった分野でも利用

TRMMの成果と実績は、TRMMの降雨レーダ(PR)を更に高度化した二周波降水レーダ(DPR)を搭載した「GPM主衛星」に引き継がれています。

熱帯降雨観測衛星「TRMM」とは

「TRMM」は熱帯の降雨観測を通じて、
地球の状況を診断する衛星です

降雨は日々の天気に関係するのはもちろんのこと、あらゆる生物が生きていくための重要な資源である水を供給する「恵みの雨」となる一方、ときとして洪水や土砂災害などの被害をもたらします。このように降雨はいろいろな意味で私たちの生活と深く結びついています。近年、水資源の管理の重要性がさかんに強調されていますが、降雨の観測もそのなかで重要な意味をもちます。熱帯降雨観測衛星(Tropical Rainfall Measuring Mission: TRMM)は、降雨の分布の観測を目的としています。

大気中で水蒸気が雨粒に変わるときに放出される熱は地球の大気が運動するためのエネルギー源であるので、どこでどれくらいの雨が降ったかという情報は、大気の運動を説明または予測するためには欠かせません。特に熱帯の降雨は地球全体の降雨量のうち約3分の2を占め、全地球の気象・気候に大きな影響を及ぼしますが、熱帯には地上の観測点が少ないため、雨の観測データが決定的に不足しています。こうした地域でデータを得るためには、宇宙からの観測が威力を発揮します。

日々の気象の観測データは、翌日の天気を予報するために必要不可欠であるのはもちろんのこと、3カ月先の季節予報はもとより、エルニーニョ現象に伴う数年ごとの異常気象、さらには10年、100年先の地球温暖化といった地球規模の気候変動のメカニズムを解明し、変動予測の精度を向上するための大切な基礎データとなります。

1997年11月28日打ち上げ

熱帯降雨観測衛星「TRMM」の特徴

日米共同プロジェクトで開発されたTRMM

TRMMは1997(平成9)年11月28日に種子島宇宙センターからH-IIロケット6号機に よって打ち上げられました。日米共同プロジェクトとして、日本側が打ち上げロケットと新しい観測機器である降雨レーダ (Precipitation Radar: PR)の開発を担当し、アメリカ航空宇宙局(NASA)が衛星本体、降雨レーダ以外の4つの観測機器の開発、衛星運用を担当しました。降雨レーダPRで取得されたデータは、例えば台風内部での降雨の強さを立体的な分布として示すなど、今までに世界で類を見ない新しい種類のデータとして世界的に注目を浴び、降水に関する様々な新しい知見をもたらしました。
設計寿命3年2ヶ月を超え17年間にわたり観測を継続し、降水分野の研究に大きく貢献したTRMMは、2015年6月16日12時55分(日本時間)に南インド洋上空で大気圏に再突入しました。
TRMMの成果と実績は、TRMMの降雨レーダ(PR)を更に高度化した二周波降水レーダ(DPR)を搭載した「 GPM主衛星」に引き継がれています。

主要諸元

国際標識番号 1997-074A
打ち上げ日時 1997(平成9)年11月28日 6:27
打ち上げロケット H-IIロケット6号機
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
形状 約2.4m×2.4m×4.4m
展開型太陽電池パドルを有する
質量 約3,500kg
軌道 円軌道
軌道高度 約350km(2001年8月25日以後約400km)
軌道傾斜角 約35度
軌道周期 約92分(2001年8月25日以後約93分)
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式(ゼロモーメンタム)

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