1997年11月28日打ち上げ > 運用中

プロジェクトトピックス


2012年12月3日 更新

JAXAとNASAから日米のTRMM研究者に感謝状贈呈

TRMM衛星の打上げ15周年にあたって、これまでTRMMに多大な貢献をしてきてくださった、日米の8名の研究者のみなさまに、JAXAの本間正修理事とNASAのMichael Freilich地球観測部長の連名で、感謝状が贈呈されました。
写真:NASAのFreilich部長の代理のKakar博士(左)より受賞を受ける岡本教授(右)

プロジェクト概要


プリント

「TRMM」は熱帯の降雨観測を通じて、地球の状況を診断する衛星です

降雨は日々の天気に関係するのはもちろんのこと、あらゆる生物が生きていくための重要な資源である水を供給する「恵みの雨」となる一方、ときとして洪水や土砂災害などの被害をもたらします。このように降雨はいろいろな意味で私たちの生活と深く結びついています。近年、水資源の管理の重要性がさかんに強調されていますが、降雨の観測もそのなかで重要な意味をもちます。熱帯降雨観測衛星(Tropical Rainfall Measuring Mission: TRMM)は、降雨の分布の観測を目的としています。
大気中で水蒸気が雨粒に変わるときに放出される熱は地球の大気が運動するためのエネルギー源であるので、どこでどれくらいの雨が降ったかという情報は、大気の運動を説明または予測するためには欠かせません。特に熱帯の降雨は地球全体の降雨量のうち約3分の2を占め、全地球の気象・気候に大きな影響を及ぼしますが、熱帯には地上の観測点が少ないため、雨の観測データが決定的に不足しています。こうした地域でデータを得るためには、宇宙からの観測が威力を発揮します。
日々の気象の観測データは、翌日の天気を予報するために必要不可欠であるのはもちろんのこと、3カ月先の季節予報はもとより、エルニーニョ現象に伴う数年ごとの異常気象、さらには10年、100年先の地球温暖化といった地球規模の気候変動のメカニズムを解明し、変動予測の精度を向上するための大切な基礎データとなります。


日米共同プロジェクトで開発されたTRMM

TRMMは1997(平成9)年11月28日に種子島宇宙センターからH-IIロケット6号機によって打ち上げられました。現在、順調に観測を行っています。日米共同プロジェクトとして、日本側が打ち上げロケットと新しい観測機器である降雨レーダ(Precipitation Radar: PR)の開発を担当し、アメリカ航空宇宙局(NASA)が衛星本体、降雨レーダ以外の4つの観測機器の開発、衛星運用を担当しました。降雨レーダPRで取得されたデータは、例えば台風内部での降雨の強さを立体的な分布として示すなど、今までに世界で類を見ない新しい種類のデータとして世界的に注目を浴びており、降水に関する様々な新しい知見をもたらしています。これらの成果をもとに、このレーダが近い将来さらに高度な観測機器に発展することが期待されています。


主要諸元

国際標識番号 1997-074A
打ち上げ日時 1997(平成9)年11月28日 6:27
打ち上げロケット H-IIロケット6号機
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
形状 約2.4m×2.4m×4.4m
展開型太陽電池パドルを有する
質量 約3,500kg
軌道 円軌道
軌道高度 約350km(2001年8月25日以後約400km)
軌道傾斜角 約35度
軌道周期 約92分(2001年8月25日以後約93分)
姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式(ゼロモーメンタム)