ページの先頭です

人工衛星・探査機による貢献 水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)

運用中

トピックス

一覧
2018年10月2日 更新

北極海の海氷面積が9月21日に2018年の最小値を記録(地球が見える 2018年)

北極海の海氷面積が9月21日に2018年の最小値を記録(地球が見える 2018年)

北極海の海氷域が2018年9月21日に最小面積(446万平方キロメートル)を記録しました。北極海の年間最小海氷面積は2000年代まで減少傾向にありましたが、ここ数年はその傾向に歯止めがかかっており、今年は昨年に比べて微減となりました。今年は北極海上で低気圧性の循環が強く、海氷が大西洋に流れにくい状況であったため、海氷減少が顕著ではなかったと考えられます。一方、2002年以降、一番遅く最小面積を記録したことも注目すべき点です。

今年11月は「北極域研究推進プロジェクト」(ArCS、注1)において、海洋地球研究船「みらい」が初めて初冬のチュクチ海を調査しに行きます。現地で何が起きているのか、海氷の少なさや海洋の温暖化が中緯度の気候へどのような影響が及ぶのか、その鍵となるデータを取得する予定です。

なお、本記事は、宇宙航空研究開発機構の水循環変動観測衛星「しずく」が観測した北極海氷データを提供している国立極地研究所との協力のもとで作成されたものです。

 
注1

  • 北極域研究推進プロジェクト(ArCS: Arctic Challenge for Sustainability):
    国立極地研究所、海洋研究開発機構及び北海道大学の3機関が中心となり実施している文部科学省の補助事業。実施期間は2015年9月から2020年3月まで。

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)とは

人類の今と未来のために、
地球環境の変化をもれなく監視

「地球環境変動観測ミッション(GCOM: Global Change Observation Mission)」は、地球規模での気候変動、水循環メカニズムを解明するため、全球規模で長期間(10~15年程度)の観測を継続して行えるシステムを構築し、そのデータを気候変動の研究や気象予測、漁業などに利用して有効性を実証することを目的としたミッションです。

GCOMには水循環変動観測衛星(GCOM-W)と気候変動観測衛星(GCOM-C)という2つのシリーズがあります。マイクロ波放射計を搭載するGCOM-Wは降水量、水蒸気量、海洋上の風速や水温、陸域の水分量、積雪深度などを観測します。

2012年5月18日打ち上げ

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)の特徴

宇宙で回る世界最大の回転アンテナAMSR2

「しずく」に搭載される高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)は、地表や海面、大気などから自然に放射されるマイクロ波とよばれる電磁波を、7GHzから89GHzまでの6つの周波数帯で観測するセンサです。
自然に放射されるマイクロ波の強度は、物の性質や含まれる水分量、表面の状態や温度などで決まり、周波数ごとに異なるのですが、非常に微弱なものです。
AMSR2はこのような微弱なマイクロ波を地上700kmで受信し、そのマイクロ波の強さを非常に高い精度で測定することができます。例えば、AMSR2で海面から放射されるマイクロ波の強度を測定することにより、0.5度の精度で海面水温を知ることができます。

地上からのマイクロ波を受信するAMSR2のアンテナ部分は、1.5秒間に1回転のペースで地表面を円弧状に走査し、1回の走査で約1,450kmもの幅を観測します。
この走査方法によって、AMSR2はわずか2日間で地球上の99%以上の場所を観測することができます。
アンテナの直径は衛星搭載用の観測センサとしては世界最大の約2m、回転部分は高さが約2.7mで、重さは約250kgもあります。AMSR2は、このような大きくて重いアンテナ部分を、1.5秒間に1回転という速さで、1日24時間、5年以上も休まずに回転し続けることができます。

主要諸元

国際標識番号 2012-025A
打ち上げ日時 2012(平成24)年5月18日 1:39
打ち上げロケット H-IIAロケット21号機
打ち上げ場所 種子島宇宙センター
形状 2翼式太陽電池パドルを有する箱形
4.9m×3.0m×奥行5.1m(太陽電池パドル両翼端間17.7m)
質量 約1,900kg(打ち上げ時)
軌道 太陽同期準回帰軌道
軌道高度 約700km (赤道上)
軌道傾斜角 約98度
昇交点通過地方太陽時 13時30分 ±15分

PAGE TOP