2015年7月29日更新
南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験で「きずな」を用いた通信訓練を実施
2015年7月29日、JAXAおよびNICTは、日本医師会が実施する「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)2015」において、大規模災害時に通信網の回線断が予想される各県医師会に地球局を設置し、「きずな」回線によるインターネット環境を提供しました。
また、NICTが所有する小型車載局から「きずな」回線を介してハイビジョン映像伝送および災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)を利用して仮想被災地との情報共有を行いました。
画像:可搬型VSAT(高知県庁)
2013年1月30日 更新
災害医療支援活動時の利用実証実験に関する協定を日本医師会と締結
社団法人日本医師会(日本医師会)とJAXAは、大規模災害発生時の災害対策における超高速インターネット衛星「きずな」の活用方法を検討し、災害医療支援活動への適用に関する実験を共同で実施することを目的に、協定を締結しました。 災害医療支援活動では、被災地での傷病の発生動向や避難所等の状況把握など関係者間での情報共有が必要ですが、大規模災害発生時には通常の通信環境が機能停止に陥ることも考えられます。 そのため日本医師会とJAXAは、2012年7月に大震災を想定して、被災地のカルテや避難所の情報などを共有するデモンストレーションを実施しました。その結果等を踏まえ、多くの被災者を支援したいという共通認識のもと、より有効なインターネット衛星による災害時の情報共有手段の確立を目指し、このたび協定を締結しました。今後、大規模災害発生時において有効な支援活動を行えるよう努めてまいります。
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2011年12月1日 更新
宇宙からメリークリスマス! 「きずな」を使ってメッセージを届けます
超高速インターネット衛星「きずな」への理解を深めていただくことを目的に、「きずな」のネットワークを利用してクリスマスのグリーティングメールを送るイベントを今年も実施します! 12月24日のクリスマス・イブに、高度36,000kmの静止軌道上にある「きずな」を使って宇宙から届けるメッセージ。大切な人へ、あなたの想いを宇宙から送ることが出来ます。 家族や友人、恋人に、日ごろの感謝を込めたメッセージを送ってみてはいかがでしょうか。
- 登録期間:2011年12月1日(木)~21日(水)17:00まで
- メール配信日:2011年12月24日(土)
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2011年7月20日 更新
「きずな」JAXA基本実験を終了
2008年2月23日に打ち上げられた超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)は、2008年10月に利用実験を開始し、2011年6月22日にJAXAの基本実験を終了しました。 当初、JAXAの基本実験は5年間で実施する計画でしたが、エキストラサクセスの評価基準(実用化への技術的な目処がたつ)について、3年4ヶ月で達成することができました。 JAXAの基本実験が終了したことから、今後はこれまでに得た成果を普及させること、更なる利用拡大や民間企業等への利用の裾野を拡げるために新たな利用推進方策について検討を進めていきます。また、東日本大震災での岩手県への通信回線提供支援結果を踏まえ、自治体への更なる利用促進を行う予定です。 なお、ミッション期間5年間(残り1年8ヶ月)についてはNICT基本実験及び利用実験の実施を通して確認します。
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2011年5月27日 更新
「きずな」で海上ブロードバンド通信の実証実験を実施
JAXAと株式会社フェリーさんふらわあは、超高速インターネット衛星「きずな」の船舶実験局を定期運行中の旅客船に搭載し、当該局の機能性能並びに実利用性に関する検証を実施しました。 実験では、波高や天候などの条件や船首方向が変化する環境下でも、航行中の船舶が安定した高速通信が可能であることが確認され、乗船中の船員と地上勤務員とのハイビジョン品質でのTV会議や船上でのインターネット利用などが可能となることを実証しました。今後の海上でのブロードバンド・インターネット利用の拡がりが期待されます。
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2011年5月16日 更新
「きずな」による災害対策の支援を終了
JAXAでは、東日本大震災における災害対策支援の一環として、岩手県庁と釜石市および大船渡市の間に超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用いたブロードバンド環境を構築し、インターネットによる情報発信や情報収集、ハイビジョンTV会議などが出来るようにするなどの支援を続けてきました。その後、地上通信インフラが回復したため岩手県の申し出により、4月24日に「きずな」による通信回線の提供を終了しました。 「きずな」による東日本大震災への災害対策の支援は、これで終了いたしました。被災地の更なる復旧をお祈りいたします。
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2011年3月20日 更新
東北地方太平洋沖地震の災害対策支援で「きずな」が通信回線を接続開始
JAXAは情報通信研究機構(NICT)と、東北地方太平洋沖地震における災害対策支援として超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用いたブロードバンド環境を構築しました。 JAXAは岩手県庁の災害対策本部と釜石市の現地対策本部に「きずな」の可搬型アンテナを設置し、これにより災害情報の共有・発信にハイビジョンTV会議・IP電話・無線LANなどの利用が可能となりました。 写真:岩手県庁に設置された地上アンテナ(可搬型VSAT)の外観写真(アンテナ径1.0m)
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2011年3月17日 更新
「きずな」が東北地方太平洋沖大地震の災害対策を支援
3月17日、JAXAは岩手県からの要請を受けた文部科学省の依頼に基づき、東北地方太平洋沖大地震により通信設備に大きな被害を受けた岩手県に対し、超高速インターネット衛星「きずな」の実験の一環として、「きずな」用の可搬型地上アンテナ2式、テレビ電話会議システム2式、無線LAN4式等とともに、通信設備の設置・運用のための要員5名を岩手県に派遣しました。 岩手県災害対策本部では、固定電話や携帯電話等の通信設備が全て使えなくなった被災地(釜石市)と県庁対策本部の間の通信に「きずな」を利用する予定です。 本システムが設置されれば、岩手県庁と釜石市の現地対策本部間のハイビジョンTV会議による情報共有やIP電話による情報共有、安否情報発信等が可能となります。 (写真:輸送した地上アンテナ(可搬型VSAT)の外観写真(アンテナ径1.0m))  設置予定の通信システム概念図
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2010年12月27日 更新
「宇宙から、メリークリスマス」は届きましたか?
12月24日のクリスマス・イブ。皆さまからお預かりした88,426通のクリスマスメールを、高度36,000kmの高速インターネット衛星「きずな」を経由して無事送信することが出来ました。 大切な人へ、想いは届きましたか? ※一部、宛先不明や受信設定により、受信できなかったケースも想定されます。
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2010年12月3日 更新
宇宙から届けるメッセージ 「宇宙から メリークリスマス2010」
超高速インターネット衛星「きずな」への理解を深めていただくことを目的に、「きずな」のネットワークを利用してクリスマスのグリーティングメールを送るイベントを実施します。 12月24日のクリスマス・イブ。高度36,000kmの静止軌道上にある「きずな」を使って宇宙から届けるメッセージ。 大切な人へ、あなたの想いを宇宙から送ることが出来ます。家族や友人に日ごろの感謝を込めたメッセージを送ってみてはいかがでしょう。 登録期間:12月3日(金)~12月22日(水)17:00まで メール配信日:12月24日(金)
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2010年12月2日 更新
「きずな」を使用した遠隔医療実証実験を実施
11月30日、JAXAと東京都小笠原村は、超高速インターネット衛星「きずな」を使用した遠隔医療実証実験を、小笠原村診療所と東京都立広尾病院の間で行いました。この実験で、高速通信回線のないデジタル・ディバイド(情報格差)地域との遠隔医療において「きずな」による高速衛星通信が有効であることが実証され、今後、医師不足に悩む離島や山間部などでの遠隔医療の発展が期待されます。
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2010年10月20日 更新
「きずな」を使用した遠隔研修実験を実施
10月5日、JAXAは国際連合アジア太平洋統計研修所(SIAP)と共同で「きずな」を使用した初の遠隔研修実験を実施しました。 統計行政は国際協力が重要であり、SIAPは「きずな」を使用し太平洋諸国へ統計調査手法に関する遠隔研修を実施することで、多くの専門家を効率的に養成できると考えています。 本実験では、筑波大学の地球局とタイ国電子コンピューター技術センター(NECTEC)に設置しているJAXAの地球局を「きずな」により接続し、NECTECとアジア工科大学(AIT)を地上回線で接続し、筑波大学とAITの教室でTV会議で遠隔研修を行いました。非常にクリアな音声や画像を送ることが可能となり、筑波大学にいるSIAPの講師による遠隔研修によってタイ政府職員の統計調査能力向上に貢献しました。
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2010年10月7日 更新
「きずな」高精細画像伝送実験を実施
センチネルアジア参加国に「きずな」地球局の設置を開始
JAXAでは、超高速インターネット衛星「きずな」を利用した様々な実証実験をしています。その中で、遠隔医療への試みとして心臓外科手術の立体映像(4K:HDの4倍)のリアルタイム伝送実証などを、情報通信研究機構(NICT)と行いました。 またセンチネルアジアの参加国に、「きずな」の地球局の設置を開始しました。これにより「だいち」が災害時に観測した画像を、高速に伝送することが可能になります。
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2010年8月18日 更新
「きずな」移動している船舶からの高速通信に成功
JAXAと海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、次世代型の深海自律型無人探査機「MR-X1」によって撮影した海中ハイビジョン映像を、超高速インターネット衛星「きずな」を使用し、航行中の海洋調査船「かいよう」から筑波宇宙センターへリアルタイム伝送を行い、アジア太平洋でサービスしている既存の船舶通信に対して10倍以上の高速通信を達成しました。 画像:伝送されたハイビジョン映像
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2010年7月2日 更新
「きずな」を使用した遠隔病理診断実験を実施
岩手医科大学とJAXAは、国際医療福祉大学三田病院、琉球大学の協力を得て、盛岡、東京、沖縄の3地点を超高速インターネット衛星「きずな」で結び、遠隔病理診断の実利用化に向けた実証実験を実施しました。 将来「きずな」のような高速通信衛星を用いることで、地上の高速回線が整備されていない地域においても最先端の医療が受けられるようになることが期待されます。
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2010年3月15日 更新
「きずな」、国立天文台VERA観測データの準リアルタイム処理に成功
JAXAと国立天文台は、国立天文台VERA(*)観測局のデータを、超高速インターネット衛星「きずな」の回線を通して国立天文台三鷹キャンパスへ高速で伝送し、準リアルタイム処理を行う実験に成功しました。 (*)国立天文台VERAプロジェクトは、水沢(岩手県)、入来(鹿児島県)、小笠原(東京都)、石垣(沖縄県)の4局に直径20mの電波望遠鏡を配置し、私たちの住む太陽系を取り巻く銀河系の精密な立体地図の作成などのため、天体位置の精密計測を行っています。
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2010年1月29日 更新
最先端☆宇宙バレンタイン
~直接言えないあなたにかわり、宇宙から「きずな」が愛を届けます~
超高速インターネット衛星「きずな」とソフトバンクテレコムのクラウドコンピューティングシステムを組み合わせ、超高速・大容量通信の「きずな」の性能をこれまで以上に活かしたメール配信実験を実施します。 2月14日(日)のバレンタインデーに、高度約36,000kmの「きずな」が、あなたに代わって愛を届けます。もちろん男性の登録も大歓迎です。合格祈願にもいかがでしょうか? 登録は2月12日(金)9時まで。JAXAの携帯サイトからでも登録可能です。「きずな」がいつもと違うバレンタインを演出します。
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2010年1月7日 更新
国際シンポジウム~「きずな」で結ぶアジア太平洋~開催のお知らせ
「きずな」は、打ち上げからの2年間、皆既日食のハイビジョンによるライブ中継、船上からの海中ハイビジョン映像のリアルタイム中継など、通信衛星技術の確立に向けた各種の実証実験を行ってきました。 この度、「きずな」の通信エリアであるアジア・太平洋地域からも実験参加者を迎え、これまでの実験成果の報告を行い、未来に向けた新たな利用の提案や期待について議論する国際シンポジウムを開催します。皆様のご来場をお待ちしております。 (写真:「きずな」小型アンテナ / 2009年10月 洋上船舶伝送実験)
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2009年12月25日 更新
「宇宙から メリークリスマス。」届きましたか?
皆さんからお預かりした79,280通のクリスマスメールを、12月24日、高度36,000kmの超高速インターネット衛星「きずな」を経由して、送信しました。 大切な人へ想いは届きましたか? ※一部、宛先不明や受信フィルタにより、受信できなかったケースも想定されます。
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2009年11月27日 更新
宇宙から メリークリスマス!
~「きずな」を使って大切な人へメッセージを届けてみませんか~
昨年好評を博した、超高速インターネット衛星「きずな」を利用したクリスマスメール配信実験を今年も実施します。メッセージは高度約36,000kmにある「きずな」を経由して、12月24日に配信されます。 登録は12月18日(金)17時まで。JAXAの携帯サイトからでも登録可能です。大切な人へ、宇宙からメッセージを届けてみませんか?
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2009年11月2日 更新
「きずな」による初のブロードバンド・インターネット実利用に向けた実証実験を小笠原で実施
11月15日~24日に、超高速インターネット衛星「きずな」を使用し、デジタル・デバイド(情報格差)地域である小笠原村の村民を対象としたブロードバンド・インターネット通信実験を実施します。 現在、小笠原村と本土間での電話やインターネットなどの通信回線は、商用衛星を利用おり、その通信回線の伝送速度は、上り回線で約2Mbps、下り回線で約10Mbpsとなっています。これに対し「きずな」の伝送速度は上下回線ともに155Mbpsと高速で、小笠原村の村民の方々に「きずな」のブロードバンド・インターネット環境を利用してもらい、その利便性についての評価をいただくことにより、「きずな」実験システムの運用性に関しても検証したいと考えています。  通信実験概要図
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2009年10月20日 更新
「きずな」を利用した海中映像の洋上船舶伝送に成功
JAXAと海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、10月16日~17日に深海生物追跡調査ロボット「PICASSO」(ピカソ)が撮影する海中映像を、「きずな」を使用し、学術研究船「白鳳丸」からリアルタイム中継する洋上船舶伝送実験に成功しました。 17日には「白鳳丸」、JAXA筑波宇宙センター、JAMSTEC横浜研究所の3地点を結んだ双方向テレビ会議中継による「遠隔海洋教室」が実施されました。各会場の来場者からは船上からのライブ中継教室に驚きながらも、活発に質問が投げかけられていました。 この実験により、「きずな」のような高速かつハイビジョン映像を双方向に中継できる通信衛星を利用することで、将来、乗船研究者だけでなく、陸上研究者も研究室から深海調査に参加できるという新たな可能性を示唆することができました。 (写真 上:「きずな」小型アンテナ設備と動揺安定台、下:JAXA筑波宇宙センターの公開実験)
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2009年10月13日 更新
「きずな」を利用して海中映像を筑波宇宙センターへ生中継
JAXAと海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、超高速インターネット衛星「きずな」を使用し、深海生物追跡調査ロボット「PICASSO」(ピカソ)が撮影する海中映像を、学術研究船「白鳳丸」からリアルタイム中継する洋上船舶伝送実験を実施します。この映像は17日(土)開催の筑波宇宙センター特別公開等でご覧になれます。ぜひ足をお運びください。
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2009年9月7日 更新
平成21年度和歌山県防災総合訓練で「きずな」による非常用通信等伝送実験を実施
JAXAと自治体衛星通信機構(LASCOM)は、2009年9月6日(日)に平成21年度和歌山県総合防災訓練に参加いたしました。訓練では超高速インターネット衛星「きずな」の移動式衛星通信用アンテナ(可搬型地球局)を用いて、陸域観測技術衛星「だいち」の画像や、ハイビジョン映像など、高精細映像等の大容量のデータ伝送を行いました。これにより、災害時における大容量の衛星通信の有効性が確認できました。
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2009年7月22日 更新
「きずな」で皆既日食を映像伝送
7月22日、日本で46年ぶりに観測された皆既日食にあたり、自然科学研究機構国立天文台(NAOJ)、NHK、情報通信研究機構(NICT)、JAXAが協力し、超高速インターネット衛星「きずな」を利用して、硫黄島等からハイビジョン映像の伝送実験を実施しました。 (画像:撮影NAOJ、伝送協力NICT/JAXA)
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2009年7月15日 更新
「きずな」皆既日食を硫黄島、父島から映像伝送
JAXAでも上映会を開催
22日(水)に日本で46年ぶりに見られる皆既日食にあたり、超高速インターネット衛星「きずな」を利用して、硫黄島、父島からハイビジョン映像の伝送実験を実施します。 JAXAでも、その映像を22日10:30から、情報センターJAXA i、筑波宇宙センターで上映会を実施する予定です。皆様のお越しをお待ちしています。 また、宇宙教育センターが提供するインターネット番組「宇宙教育テレビ」では、小笠原村と「きずな」で結んだ交流イベントの様子をご紹介するとともに、皆様からお寄せいただいた“木もれ日”写真を紹介する予定です。 ※当日の天候状況等によっては、日食観測そのものに支障が生じる可能性がございますので、予めご了承ください。
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2009年7月8日 更新
“七夕の日”に宇宙からの星空メール送信成功!
7月7日、七夕の日に「きずな」の大容量通信を生かした「E-Mail同時多重伝送実験」を実施し、皆さんからご登録いただいた約31,700通のメール送信に成功しました。 この実験により、電子メールのような小さな容量のファイルを同時に多重伝送することで、効率的なデータ送信を可能にし、時間短縮を図れることが検証されました。 ※一部、宛先不明やフィルタにより、受信できなかったケースも想定されます。
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2009年6月11日 更新
おりひめとひこぼしが出会う“七夕の日”に宇宙からメッセージを
7月7日は“七夕”。おりひめとひこぼしが出会う日です。この日に宇宙からメールを送ってみませんか? 地上36,000kmにいる超高速インターネット衛星「きずな」を経由して、思いを伝えたい相手にあなたのメッセージを送信します。 登録は7月1日(水)17時までです。
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2009年1月28日 更新
超鏡システムを使用した遠隔教育実験を実施
「きずな」を使用した、初の遠隔教育(eラーニング授業)実験を大阪大学と共同で実施しました。 JAXAの可搬型地球局及び大阪大学の超鏡システム(ハイパーミラー)※を、大阪府八尾市立久宝寺小学校及び大分県宇佐市立高家(たけい)小学校に設置し、両校合同で実施した授業の様子をハイビジョン映像で「きずな」を経由して双方に伝送しました。さらに、伝送された映像を超鏡システムで合成し、両校の児童があたかも同じ場所にいるような環境で授業を行うことができました。 この実験により、遠隔教育に必要とされる大容量、リアルタイム双方向通信に「きずな」が有効であることを確認することができました。 また、地上において超鏡システムを組み合わせることにより、地上回線での映像(帯域:384kbps)を凌ぐ高精細なハイビジョン映像(帯域:8Mbps)で臨場感ある視覚的効果が確認できました。 ※超鏡システム(ハイパーミラー) 電子的に作られた、対話のための新しい(鏡のような)世界のことで、通常の対話と異なり、自分の姿を含めた対話者全員が、同じ場所にいるような合成映像を使って対話できるシステムのことです。
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2008年12月25日 更新
「宇宙から、メリークリスマス」は届きましたか?
皆さんからお預かりした79,240通のクリスマスメールを、12月24日、高度36,000kmの高速インターネット衛星「きずな」を経由して、無事送信することができました。 これにより、「きずな」の通信システムは、E-Mailにおいて地上のインターネット網とシームレス(継ぎ目無し)に接続できることが検証できました。 ※一部、宛先不明やフィルタにより、受信できなかったケースも想定されます。
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2008年12月4日 更新
「きずな」深まる、宇宙からのメリークリスマス!
今年のクリスマスは、宇宙からクリスマスメールを送ってみませんか? クリスマスイブの12月24日、高度約36,000kmの超高速インターネット衛星「きずな」を経由して、クリスマスメールが送られます。 登録は22日(月)17時までです。
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2008年11月21日 更新
米雑誌「Popular Science」の“Best of what's new 2008”に「きずな」が選ばれました
超高速インターネット衛星「きずな」の、日本国内や東南アジアの遠隔地域に、1.2Gbps(アメリカ国内の平均の500倍の速度)もの最速の衛星インターネット通信を、小型で廉価なアンテナで受信することができ、また、気象状況を追跡し、特定地域に対する信号強度を適宜合わせることができる点が評価され、アメリカの雑誌「Popular Science」の“Best of what's new 2008”に選ばれました。
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2008年11月17日 更新
四国地方非常通信訓練で「きずな」の非常用通信等伝送実験を実施
JAXAと自治体衛星通信機構(LASCOM)は、2008年11月14日(金)に平成20年度四国地方非常通信訓練に参加いたしました。訓練では、超高速インターネット衛星「きずな」の可搬型地球局を用いて高精細映像等の伝送を行い、災害時における通信衛星の有効性を実証することを目的として、基本実験行いました。
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2008年11月10日 更新
「きずな」海外とのマルチキャスト実験を実施
 2008年11月5日から7日にかけて、超高速インターネット衛星「きずな」を用いて、海外に設置した地球局に向けてマルチキャスト(特定した複数拠点への同報配信)実験を実施した結果、正常に伝送ができることを確認いたしました。 また「きずな」による高速データ伝送の特徴を活かし、月周回衛星「かぐや」搭載のハイビジョンカメラ(HDTV)で撮影された月面および地球のハイビジョン映像をマルチキャスト伝送することにより、NECTEC(タイ国家電子コンピュータ技術センター)およびASTI(フィリピン高度科学技術研究所)の海外における実験参加者に対し、JAXAにおける宇宙開発状況の紹介もあわせて実施いたしました。
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2008年7月9日 更新
超高速インターネット衛星「きずな」定常段階へ移行
3月14日に所定の静止軌道(東経約143度)に投入された「きずな」は、約3ヶ月半の間、NICTと協力して搭載機器の初期機能確認を実施しました。いずれも正常動作を確認し、6月27日に全て機器のチェックアウトを終了しました。この結果を踏まえ、6月30日に定常段階移行前審査を実施し、初期段階から定常段階に移行しました。 今後3ヶ月間は、利用実験ユーザへ安定した実験環境を提供するための様々な確認実験を実施し、徐々に利用実験の比率を高めていきます。
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2008年5月12日 更新
「きずな」世界最高速1.2Gbpsの衛星データ通信に成功
5月2日、JAXAと情報通信研究機構(NICT)が共同で実施した「きずな」初期機能確認作業で、「きずな」のマルチビームアンテナを使用し、NICT鹿島宇宙技術センターに設置した超高速小型地球局(アンテナ径2.4m相当)との世界最高速度となる毎秒1.2ギガビットでの超高速データ通信に成功しました。 衛星を介した1.2ギガビットの超高速データ通信は、地上通信網のバックアップ回線や大容量データ伝送に役立ち、デジタルディバイドの解消に有力な通信手段となりえるものと期待されています。さらには、ハイビジョンの16倍の情報量をもつスーパーハイビジョン伝送も可能にします。 今後も、アクティブフェーズドアレイアンテナなど、「きずな」の機能・性能確認を実施していく予定です。
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2008年3月14日 更新
「きずな」静止軌道投入、定常運用にむけ準備中
ドリフト軌道から静止軌道に投入するための軌道制御を3月2日から実施してきた「きずな」は、最終の軌道制御を3月14日9:09から約59秒間にわたり実施し、静止位置東経約143度の所定の静止軌道に投入されました。 なお、「きずな」は現在、共同開発機関である情報通信研究機構(NICT)と協力して搭載機器の初期機能確認を実施しており、6月下旬頃より定常運用に移行し、通信実験等を開始する予定です。
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2008年3月1日 更新
「きずな」マルチビームアンテナ展開完了、初期機能確認運用期間へ移行
2月23日に打ち上げられた超高速インターネット衛星「きずな」は、マルチビームアンテナ(MBA)を正常に展開し、3月1日20:35にクリティカル運用期間を終了しました。 今後ドリフト軌道から軌道調整を行い、3月14日頃に静止軌道(東経約143度)へ投入し、搭載機器等の初期機能確認を約4ヵ月間行う予定です。
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2008年2月23日 更新
超高速インターネット衛星「きずな」打ち上げ成功!!
2月23日17時55分に、超高速インターネット衛星「きずな」を搭載したH-IIAロケット14号機を、種子島宇宙センターから打ち上げました。 H-IIAロケット14号機は正常に飛行し、打ち上げ後約28分3秒後に「きずな」を分離した事を確認しました。
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2008年2月20日 更新
「きずな」打ち上げは2月23日(土)に再設定!
H-IIAロケット14号機の第2段姿勢制御用ガスジェットスラスタ装置の不適合のため延期していた超高速インターネット衛星「きずな」の打ち上げですが、本日までの作業及び調査状況等を踏まえ、打ち上げ日を2月23日(土)16:20~17:55(日本標準時)とすることに決定しました。 当日、打ち上げの模様は種子島宇宙センタースタジオから生放送でお送りします!23日(土)の午後は、打ち上げの模様を、お近くのパブリックビューイング会場でご覧ください。もちろんインターネット、携帯電話(FOMA)でもご覧いただけます。
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2008年2月13日 更新
きずな/H-IIAロケット14号機打ち上げ延期
超高速インターネット衛星「きずな」/H-IIAロケット14号機の打ち上げを2月15日に予定しておりましたが、ロケット第2段姿勢制御用ガスジェットスラスタ装置への推進薬充填作業において、正常に充填ができない不適合が発生し、処置、対策には時間を要すると判断されることから、打ち上げを延期することといたしました。 新たな打ち上げ日については決定次第お知らせいたします。
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2008年2月5日 更新
「きずな」大型ロケット組立棟へ移動
2月5日、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)が衛星フェアリング組立棟(SFA)から大型ロケット組立棟(VAB)へ移動しました。 VABではフェアリングを吊り上げ、約41mの高さにあるロケットの2段タンクの上に取り付けます。打ち上げまであと10日、いよいよ目前に迫ってきました。 打ち上げの模様は15日(金)16:00放送予定のJAXA放送で生中継されます。この中継は、インターネットでの配信をはじめ、全国のJAXA事業所、JAXA i、科学館等でのパブリックビューイングや、さらには一部のケーブルテレビ、携帯電話(FOMA)などで、皆さんにご覧いただくことができます。
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2008年1月24日 更新
「うごうごブログ」から「きずな」に応援アニメーションを送ろう!
うごうごブログは、ウェブサイト上で描いた絵を簡単にアニメ化できる無料の投稿サイトです。楽しいアニメーションを作って、超高速インターネット衛星「きずな」を応援してみませんか。 皆さまからの応援アニメーションをお待ちしています。
きずな特設サイトでの応援メッセージ・画像も引き続き募集しています。
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2007年12月21日 更新
「きずな」種子島宇宙センターで機体を公開
10月に筑波から種子島宇宙センターへ運び込まれていた超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)。打ち上げに向けた準備が進む中、12月21日に第2衛星組立棟で機体をプレス向けに公開しました。 「きずな」は、黒い断熱材に覆われ、アンテナと太陽電池パドルを折り畳んだ状態でおよそ8メートルの高さがあります。平均的な2階建て家屋よりも高い「きずな」は、堂々たる雰囲気を醸し出しています。
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2007年12月18日 更新
「超高速インターネット衛星“きずな(WINDS)”利用国際シンポジウム」開催の結果について
12月4日(火)、明治記念館(東京・港区)において「超高速インターネット衛星“きずな(WINDS)”利用国際シンポジウム」が開催されました。シンポジウムでは、打上げを2月に控えた「きずな」の特長や役割、さらに打上げ後に予定されている実験として「小型地球局を用いたハイビジョン伝送実験」や「アジア太平洋地域における災害復旧管理実験」などについて、国内外の実験関係者の方々よりご講演いただきました。また講演の後には、「今求められるアジア太平洋地域のWINDS利用実験」についてパネルディスカッションが行われました。衛星を用いた新たなインターネット社会、いつでも・どこでも・誰でも、必要な情報が得られる社会の実現に向けて、打上げ準備が進められている「きずな」。将来に向けて、さまざまな利用方法の可能性を探るとともに、「きずな」がカバーする通信エリアであるアジア太平洋地域において、特に地上系のブロードバンド化が整っていない国々からの大きな期待を実感する機会となりました。開催にご協力いただいた皆さま、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
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2007年12月17日 更新
「きずな」応援メッセージ募集開始
きずな/H-IIA14号機特設サイトで、「きずな」とプロジェクト・チームへの応援メッセージ、画像の募集を始めました。お寄せいただいたメッセージや画像は、特設サイトで紹介させていただくこともあります。皆さまからの応援メッセージ、画像をお待ちしています。 また、JAXA放送を放送してくださるテレビ局(CS局、CATV局など)、パブリックビューイングしてくださる科学館、街頭ビジョン、学校等を1月18日まで公募しています。お気軽にお問い合わせください。
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2007年12月5日 更新
「きずな」打ち上げ日決定!特設サイトオープン!
H-IIAロケット14号機による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打ち上げが2月15日16時27分~39分に決定しました。 同時に「きずな/H-IIA14号機特設サイト」もオープン!今後、特設サイトで、皆さんに「きずな」と「H-IIA14号機」の最新情報をお伝えします。どうぞお楽しみに!
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2007年11月16日 更新
衛星システムが種子島宇宙センターに到着
筑波宇宙センターでのシステムプロトフライト試験を終えたWINDSは、筑波から種子島へ輸送されました。 筑波宇宙センターから搬出された衛星(写真A)は、陸路と海路を経て、10月27日に種子島に到着(写真B)、種子島宇宙センター第2衛星試験棟で射場試験を開始しました。(写真C:衛星台車への設置)種子島では現在、きずなの打ち上げに向けた準備が進められています。
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2007年11月14日 更新
「超高速インターネット衛星“きずな(WINDS)”利用国際シンポジウム」開催
JAXAと情報通信研究機構(NICT)は、冬期に打ち上げを控えた超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)について、打ち上げ後の実験と目指す実利用のあり方や新たな利用法の啓発を目的に、シンポジウムを開催します。 本シンポジウムは、「きずな」の通信可能範囲である国内、アジア太平洋地域において、より多くの皆さまにご理解、ご利用いただけるよう、国内外の実験参加者を講演者に迎えて、遠隔教育や遠隔医療など予定されているさまざまな実験をご紹介します。 ・日時 12月4日(火) 10:30~17:30 ・開催場所 明治記念館1階 曙・松の間 ・参加申込 インターネットよる事前登録
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2007年11月13日 更新
「きずな」(WINDS)の認定証が出来上がりました!
冬期打ち上げ予定の超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS:ウィンズ)の名付け親の皆さん、お待たせいたしました。認定証と記念品の発送が開始されました。 もうすでにお手元に届いている方もいらっしゃるのではないでしょうか? まだの方はもうすぐ届きます。どうぞお楽しみに!
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2007年10月20日 更新
マスコットキャラクタ「きずなちゃん」登場!
きずな(WINDS)のマスコットキャラクタとして「きずなちゃん」が誕生しました。 筑波宇宙センターの特別公開で初お目見えです。超高速インターネットを使って世界各国のお友達をつなぐ絆になることをイメージしたシンボルマークもできました。 「きずな」の打ち上げに向けて応援よろしくお願いします。
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「きずなちゃん」 |
シンボルマーク |
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2007年10月10日 更新
超高速インターネット衛星「WINDS」の愛称は「きずな」に決定!
冬期打ち上げ予定の超高速インターネット衛星(WINDS:ウィンズ)の愛称を募集した結果、総数9,657件のご応募をいただき、「きずな」が愛称に選ばれました。「きずな」は452点と最も多くの応募を集め、人と人をつなぐ「絆」となってほしいという強い期待が込められています。 「きずな」は現在、筑波宇宙センターにて最終確認試験を実施しており、11月上旬には打ち上げに向けた準備を種子島で行う予定です。
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2007年10月4日 更新
マルチビームアンテナ(MBA)の熱真空試験を実施しました。
熱真空試験は、MBAを真空環境下で高温/低温状態にさらし、電気性能に問題が無いか、熱設計に問題がないかを確認する試験です。 トランスファ軌道と静止軌道上でのMBAの状態を模擬し、主反射鏡を収納状態と展開状態にした2回の試験を行いました。 この後MBAは、環境試験後のアンテナパターン測定試験を行う予定です。
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写真A(スペースチャンバ 搬入の様子(展開状態)) |
写真B(ソーラ光の 照射確認) |
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2007年8月3日 更新
WINDS衛星システムの音響試験、振動試験を順調に終了
WINDSは、筑波宇宙センターの試験設備にて機械環境試験を実施しました。 機械環境試験は、衛星がロケット打上げ時の音響環境、振動環境下にさらされても、衛星構体および搭載機器が電気的機能・性能に異常がないことを確認する試験です。衛星は縦横に大きく揺さぶられますが、それでも予定どおりの性能が発揮できること、全ての加速度データを取得し、異常がないことを確認できました。 また、マルチビームアンテナ(MBA)の主反射鏡保持解放衝撃試験を実施しました。アンテナ展開には火工品を使用し、展開時の衝撃にも十分耐えられることを確認できました。  音響試験中のWINDS。打上げ時の大音響にさらされます。(写真1) 正弦波振動試験中のWINDS。手前側が太陽電池パドル、下の台が加振台(写真2) MBA主反射鏡保持解放試験。固定部分が解放され確実に開き始めることが確認されました。(写真3)
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2007年6月27日 更新
超高速インターネット衛星「WINDS」筑波宇宙センターでプレス公開
26日、筑波宇宙センターで、超高速インターネット衛星「WINDS」をプレス向けに公開しました。今年度冬期打上げに向け、「WINDS」はいよいよ最終準備段階です。 また「WINDS」の愛称も募集中!採用させていただいた方の中から1組2名様を種子島宇宙センターへご招待。 実際に「WINDS」が羽ばたく姿を見届けていただきます。 携帯からも応募可能。応募締め切りは8月26日です。
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2007年6月26日 更新
この冬打上げ、超高速インターネット衛星「WINDS」愛称募集
衛星を用いた新たなインターネット社会を築き、「いつでも、どこでも、誰でも」 必要な情報が得られる社会を目指す超高速インターネット衛星「WINDS(ウィンズ)」。地上での通信が不便な、災害地や離島からでも、超高速なインターネットが使えるようになります。 今年度冬期打上げを前に、「WINDS」にふさわしい愛称を募集します! 採用者から抽選で1名様とそのご同伴者(1組2名)を種子島宇宙センターへご招待。実際に「WINDS」が羽ばたく姿を見届けていただきます。 携帯からも応募可能。応募締め切りは8月26日です。
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2007年5月31日 更新
WINDS衛星システムのRF放射試験を実施しました
WINDS衛星本体(システム)に、マルチビームアンテナ(MBA)とアクティブフェーズドアレイアンテナ(APAA)を搭載し、筑波宇宙センター電波試験棟にてRF放射試験を実施しました。MBA、APAAを搭載した衛星システムは、全長約8m。そびえたつような大きさになりました。 RF(電波)放射試験は、軌道上で衛星が電波を送受信する状態を模擬して、電波の伝送が正常に行われること、また衛星内で電波干渉がないことを確認する試験です。 この試験によって、期待どおりの性能が発揮できること、バス系システムへの影響がないことが確認できました。 WINDSは現在、2007年度冬期打上げを目指し、機械環境試験の準備中です。ご期待ください。
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マルチビームアンテナ(MBA)の 組付け作業 |
RF放射試験中の WINDS衛星システム |
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2007年5月31日 更新
WINDS太陽電池パドルのプロトフライト試験(PFT)を実施しました
WINDSに搭載される太陽電池パドルの各種試験を実施しました。 太陽電池パドルは、衛星打上げ後に宇宙空間で太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、衛星に電力を供給する重要な機器です。 プロトフライト試験では、展開衝撃試験、振動試験、音響試験、電気性能試験などの各種試験を行います。これにより太陽電池パドルが、火工品の衝撃に耐え正常に展開すること、電気性能に問題がないことが確認できました。 現在、太陽電池パドルは、WINDS機械環境試験のために衛星システムに取付けられています。
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WINDS太陽電池パドル 展開試験の様子 |
WINDS太陽電池パドル 音響試験の様子 |
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2007年2月27日 更新
マルチビームアンテナ(MBA)と衛星システムのプロトフライト試験(PFT)を実施中
かつて衛星は、プロトモデル(試作機)とフライトモデル(実機)が別に製作されていましたが、材料・部品の信頼性が向上し、設計・試験技術が進化したことで、「プロトフライトモデル(PFM)」が作られ、試験を経て打ち上げられるようになっています。 そして、そのプロトフライトモデルについて行う「プロトフライト試験(PFT)」は、衛星にとって打ち上げ前の最後のハードルとなります。 2006年12月、WINDSのマルチビームアンテナ(MBA)のPFMが完成し、PFTとして各種試験がスタートし、以下のような試験を順調にクリアしています。
- 軌道上で確実に主反射鏡が展開することを確かめる「主反射鏡展開試験」。(写真A・2006年12月)
- ロケット打ち上げ時の振動に耐えることを確認する「正弦波振動試験」。最大で100Gの加速度をMBAに加える。(写真B・2007年1月)
- 軌道上でアンテナを展開時に火薬を使用するため、宇宙空間と同様の環境を作り、衝撃に耐えられることを確認する「主反射鏡保持解放衝撃試験」。瞬間的に大きな衝撃(加速度にして約3500G)をMBAに加える。(写真C・2007年1月)。解放の瞬間を高速度カメラで撮影した(写真D)
また、衛星本体(WINDSシステム)のPFMも組立作業を終え、システムPFTが始まりました。(写真E・NEC東芝スペースシステム京浜工場にて2007年1月) この試験は、衛星に搭載されるミッション機器・バス機器が、打上げから静止軌道上での運用までのすべての段階で正常に動作することを確認するもので、「初期電気性能試験」に始まり「熱平衡/熱真空試験」「RF放射試験」「機械環境試験」と続きます。これらの試験を経て衛星は、2007年10月末ごろに種子島に搬送され、打上げに向けた射場作業に入る予定です。(写真F・衛星システムを筑波宇宙センターの真空チャンバに搬入)
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2006年7月24日 更新
Ka帯マルチポートアンプ(MPA)のプロトフライト試験(PFT)を実施中
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「マルチポートアンプ」 プロトフライト試験 |
WINDSに搭載されるKa帯(18GHz)のマルチポートアンプ(MPA)は、試験試作用モデル(ブレッドボードモデル=BBM)の評価試験、システム電気モデル(SEM)試験を経て、ミッションに必要な基本的な性能が達成される目処がつきました。 その後、フライトモデルの組立てが完了し、現在プロトフライト試験(PFT)を実施しています。 MPAは8本の進行波管増幅器(TWTA)を同時に動作させ、各出力を電力合成するものです。TWTAは高発熱機器であり、運用時は最大約60℃まで温度上昇します。一方、MPAシステムとしての電気性能を良好に保つには、8本のTWTA間の温度のばらつきを小さく抑える必要があります(約10℃以内)。宇宙空間ではいわば、それぞれのTWTAが真空の魔法瓶で断熱された状態となるため、温度制御がきわめて難しくなります。そのため各TWTAの下部にヒートパイプを設置し、温度のばらつきを小さくするような工夫を加えています。このしくみがうまく働くかどうかを確認することが、PFTの目的のひとつです。 試験では、真空チャンバ内を約-10℃、約23℃、約50℃の低温~高温環境に設定して動作させ、宇宙空間においても良好な性能が維持されることを確認します。 ※MPAについては、以下のバックナンバー記事もご参照ください。 2003年6月9日「WINDSの挑戦(その1)マルチポートアンプ」 2005年4月6日「システム電気モデル(SEM)による検証を実施中」
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2005年12月20日 更新
マルチビームアンテナの電気モデル試験を実施しました
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マルチビームアンテナ 電気モデル試験 |
軌道上での マルチビームアンテナ(イメージ) |
筑波宇宙センターの電波試験棟で、マルチビームアンテナ(MBA)電気モデル(EM)試験を実施しました。 MBAは、日本各地や東アジア、太平洋諸国の19もの地域に対してビーム(電波)を照射し、最大1.2Gbpsもの超高速通信を提供します。MBA EMパターン試験では、MBAが持つそれぞれのビームの性能を、時間をかけて一つ一つ調べます。 試験結果から、MBAが十分な性能を備えていることが確認されました。
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2005年8月8日 更新
マルチビームアンテナ(MBA)の熱変形を計測する試験を実施しました
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アンテナ熱変形試験 |
写真測量中のアンテナ |
WINDSプロジェクトでは、人工衛星の開発試験としては画期的な、写真測量の技術を用いた真空チャンバ内での変形計測試験を、筑波宇宙センター13mφスペースチャンバで実施しました。 この試験により、極低温真空環境におけるアンテナの熱変形を計測することができます、また、計測されたデータを用いることで、やはり同じ極低温真空環境である宇宙空間での熱変形や、通信システムの通信性能の正確な予測がが可能になります。 試験結果は良好でした。この試験で取得されたデータは、WINDSマルチビームアンテナの詳細設計に使用されます。
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2005年6月30日 更新
マルチビームアンテナ(MBA)熱構造モデル(STM)の熱平衡試験を実施しました
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アンテナ収納状態での 熱平衡試験 |
アンテナ展開状態での 熱平衡試験 |
筑波宇宙センターの13mφスペースチャンバで、マルチビームアンテナ(MBA)熱構造モデル(STM)の熱平衡試験を実施しました。 アンテナ収納状態のMBAは、トランスファー軌道上の熱環境を模擬しています。静止軌道に達する前のMBAの熱状態を、この試験結果を使用して予測します。一方、アンテナ展開状態のMBAは、静止軌道上の熱環境を模擬しています。軌道上に静止後から運用状態までのMBAの熱状態をこの試験結果を使用して予測します。
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2005年4月6日 更新
システム電気モデル(SEM)による検証を実施中
WINDSプロジェクトでは熱構造モデル(STM)を用いた試験と平行して、2004年6月中旬からシステム電気モデル(SEM)を用いた試験を実施しています。SEMとは電気・通信系の設計確認のためにつくられたモデルであり、試験は以下を目的としています。 (1)WINDS通信系の電気的設計検証およびネットワーク制御の検証 通信系コンポーネントを組合せ、衛星システムとして正常に動作することの確認、そしてこのモデルに直径45cm程度のアンテナを有する超小型地球局(USAT)の「実験ユーザー局」と、ネットワーク制御と管理を行う地球局「基準局」の試作モデルを組み合わせ、全体が1システムとして正常に機能することを確認する。 (2)電源の安定性確認 電源負荷が大きいミッション系サブシステムを動作させたとき、電源電圧がどの程度変動するのかを確認する。 2005年4月からは、通信系コンポーネント(アンテナを除く)を組み合わせての「ミッション総合試験」、同コンポーネントにユーザー局と地球局の試作モデルを加えての「適合性試験」を実施し、WINDS通信網システムの高速交換中継機能を検証する予定です。 写真はSEM-MPA(マルチポートアンプ)組合せ試験の様子。MPA(入・出力8系統の大電力送信機)によって、雨による衛星ダウンリンク回線の電波の減衰量に応じた出力電力制御が行われます。
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2004年11月17日 更新
衛星総合環境試験棟(SITE)で衛星試験始まる
2004年10月初めから、筑波宇宙センターの衛星総合環境試験棟(SITE)でWINDSの熱構造モデル(STM)を用いた試験が行われています。 まずは衛星が、ロケット打上げ時の振動環境に耐えること、搭載機器の振動環境レベルが搭載機器の設計条件以下であることなどを確認するための構造試験が行われています。衛星システム本体のSTMについて、「正弦波振動試験」「音響試験」「衝撃試験」などの試験が実施されています。 これらに続き、「熱平衡試験」が実施されます。WINDSが打ち上げ後に投入される静止軌道での熱環境をSITEの「13mφスペースチャンバ」で模擬し、衛星システム本体のSTMの内部温度を設計温度範囲以内に制御できることを確認します。 写真1:試験準備作業中の衛星システム本体のSTM また、WINDSに搭載されるマルチビームアンテナ(MBA)単体のSTMを用いた構造試験も10月から実施されています。さらに、もうひとつのミッション機器のアンテナであるアクティブフェーズドアレイアンテナ(APAA)のSTMなどもあり、これらは単体での試験を経た後、衛星システム本体のSTMに搭載され、構造試験へと進みます。試験の進捗状況については今後も随時お知らせしていきます。 写真2:振動試験台に載せられた、マルチビームアンテナ(MBA)のSTM
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2003年11月28日 更新
アクティブフェーズドアレイアンテナ(APAA)の熱平衡試験が完了
WINDSに搭載されるアクティブフェーズドアレイアンテナ(APAA)の送信部は、小口径アンテナと固体電力増幅器が組み合わさった一体構造の「エレメント」が、128個ギッシリ並んだ構成となっています。 宇宙空間の厳しい温度変化にさらされるエレメントは、それ自身発熱の大きいものです。APAAは各エレメントの特性が揃ったときに最高の性能を発揮しますので、軌道上での運用の際にも128個のエレメントの温度条件をなるべく揃えておくことが重要になります。 そこで、筑波宇宙センターが保有するスペースチャンバーで高温/低温、高真空の宇宙環境を模擬し、各エレメントが設計通りの温度範囲に保たれるかどうかを確認する「熱平衡試験」を実施しました。試験には「熱構造モデル」を用い、得られたデータは「フライトモデル」の熱設計に反映されます。 写真:熱平衡試験開始前(6mφ放射計スペースチャンバ搬入直前の様子)
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2003年7月15日 更新
WINDSの挑戦(その2)アクティブフェーズドアレイアンテナ
WINDSには、通信需要のある任意の地域に対して、電子的にビームを走査することで柔軟に通信路を設定できる「アクティブフェーズドアレイアンテナ(Active Phased Array Antenna)」が搭載されます。鋭いビームを形成するKa帯のAPAAは、高速伝送を可能にする高度なアンテナ技術として期待されているものです。 小型軽量化を図るため、増幅器(アンプ)や移相器(フェーズシフタ)などの素子には、最新の半導体技術とマイクロ波回路技術の融合で生み出された「モノリシックマイクロ波集積回路(Monolithic Microwave IC)」を積極的に採用しています。 地上試験モデルの製作及び試験を実施しており、フライト品の開発に向けて作業を進めております。 図:上側が送信用、下側が受信用のアンテナ。 それぞれ128素子の角錐ホーンが並んでいます。 各素子の位相をうまく調整することで、ビームの方向を制御できます。
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2003年6月9日 更新
WINDSの挑戦(その1)マルチポートアンプ
WINDSには複数の地点と固定通信路を設定できる「マルチビームアンテナ」が搭載されますが、この複数のビームに複数のアンプを、それもダイナミックに組み合わせを変更できるマルチなアンプとともに使用することで、より効率的な運用が可能になります。 WINDSに搭載される8ポートの「マルチポートアンプ」は、地域による通信需要の変化や降雨など天候条件による信号の減衰など、刻々と変化する状況に応じて各ビームに供給する電力量を柔軟に分配します。 このことで限られた送信電力を効率的に使うことができるようになるわけです。 アンプ単体での性能に加え、多数のアンプ出力を効率的に合成するデザインなどが重要になってきますが、これまでに行われた試験試作用モデル(BBM)の評価試験を経て技術的課題はおおむね解決できる見通しとなりました。 今後、地上試験モデル、フライト品と順を追って開発・検証を進めていきます。 写真:マルチポートアンプBBM(試験試作用モデル) 進行波管増幅器10台(内、予備2台)を搭載し、総合最大出力は約280w以上。 図:アンプの構成ブロック図 さまざまな入力レベルの8系統の信号を分配、増幅、合成して、8系統の出力ラインに送ります
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