人工衛星で宇宙から地球を守る・利用する 雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」

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雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」とは

雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」

気候変動予測の精度向上に貢献

EarthCARE(Earth Cloud Aerosol and Radiation Explorer)は、日本と欧州が協力して開発を進める地球観測衛星です。
搭載する4つのセンサ(雲プロファイリングレーダ、大気ライダー、多波長イメジャーおよび広帯域放射収支計)により、雲、エアロゾル(大気中に存在するほこりやちりなどの微粒子)の全地球的な観測を行い、気候変動予測の精度向上に貢献します。

気候変動予測は、コンピュータによるシミュレーションで行われていますが、このシミュレーションの正確さは、自然現象をいかに正確に反映しているかが重要になります。
しかし、気候変動に関係する自然現象がすべて明らかになっているわけではないことなどから、現在の予測には不確実性が生じています。この不確実性が生じる要因でとりわけ大きいと言われているのが、地球大気の放射収支における雲やエアロゾルの効果です。

EarthCAREでは、これまで十分な観測が行われてこなかった鉛直方向の雲粒やエアロゾルの分布、雲粒が上昇・下降する速度の計測等を行い、雲、エアロゾルとそれらの相互作用による放射収支メカニズムを解明して、気候変動予測の精度を向上させることが期待されています。

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2024年10月4日 更新

はくりゅうによるシナジー雲画像の公開

2024年5月29日7時20分(日本標準時)に打ち上げられた雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」衛星(和名:はくりゅう)は、順調に観測を続けています。国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)が開発した雲プロファイリングレーダ(Cloud Profiling Radar; CPR)は、6月12日および13日に初観測を実施しました。日本の東海上にある梅雨前線上の雲域の内部を捉え、世界で初めて宇宙から雲の上下の動きを測定することに成功しました。

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