イプシロンロケット

開発中

プロジェクトトピックス


2012年4月17日 更新

イプシロンロケット模擬射点音響環境計測試験を実施

JAXAは、イプシロンロケットプロジェクトチームを中心に設計解析を実施して設定した発射台形状の音響環境を確認するため、スケール比1/42の模擬射点を製作し、小規模固体モータによる模擬射点音響環境計測試験を2011年4月から3回にわたり能代ロケット実験場で実施しました。
打ち上げ時の音は、周辺の生活環境だけでなく、衛星等ロケットに搭載された機器類の機能にも影響を与える決定的な存在です。予想される振動が大きいほど、搭載物の耐振設計余裕を増やさなければならないため、ロケット打上げ時の様々な音源の特性を射場設計の段階で把握して適切な音響対策を施すことができれば、信頼性、コスト、使いやすさにおいてイプシロンロケットの競争力を高めることができます。
今回を含む3回の試験シリーズにより、音響環境が緩やかになる発射台形状が見出され、目的を満足する良好なデータを取得することができました。

チームリーダが語る私たちのミッション


M-Vロケットの後継機として研究を進めていた次期固体ロケットは、その名を「イプシロン」と改め、2010年夏、本格的な開発段階へ移行しました。
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プロジェクト概要


プリント

宇宙への敷居を下げる イプシロンロケット

イプシロンロケットは高性能と低コストの両立を目指す新時代の固体燃料ロケットです。1段目にはH-IIAロケット用補助ブースターを活用、一方2段目と3段目には世界最高性能と謳われたM-Vロケットの上段モータを改良して用います。例えば、モータ構造をさらに軽量化するとともに製造プロセスの簡素化も図っています。イプシロンロケットは、我が国が世界に誇る固体ロケット技術の集大成であり、ペンシルからM-Vに至るまでの半世紀に蓄積された知恵と技術の全てが込められています。加えて、革新技術と既存技術を有機的に組み合わせることで、信頼性と性能の一層の向上を実現しています。組み立てや点検などの運用が効率的で、高頻度の打ち上げが可能な次世代の宇宙輸送システムの誕生です。ロケットの打ち上げをもっと手軽なものにし、宇宙への敷居を下げよう…それがイプシロンロケットの最大の目的なのです。


打ち上げシステムの革新

イプシロンロケットの開発では、これまでの慣性を超えて様々な新しい取り組みを進めていますが、その中でも特筆すべきは打ち上げシステムの革新です。鍵を握っているのはロケットの知能化で、イプシロンでは搭載機器の点検をロケット自身が自律的に行おうとしています。これにより、世界中のどこにいても、ネットワークにただノートパソコンを接続するだけでロケットの管制が可能となります。このような革新的打ち上げシステムはモバイル管制と呼ばれ、世界で最もコンパクト、かつ射場に依存しない究極の管制システムです。もちろん世界でも初めての試みであり、未来のロケットのお手本になるものです。既に試作モデルも完成し、その実現もすぐそこまで来ています。


ロケットの打ち上げを日常的なものに

これまでのロケットの打ち上げには、地上での点検や組み立てに膨大な人手と時間が必要でした。M-Vロケットの場合、第1段ロケットを発射台に立ててから打ち上げまでに、実に2ヵ月近くもかかっていたのです。イプシロンロケットでは打ち上げシステムの革新により、打ち上げに向けた準備を世界のロケットの中でも最短、わずか一週間で行えるようにコンパクト化しました。ロケットの打ち上げが日常的なものになり、宇宙をもっと身近に感じることができる、夢のような時代がもうそこまで来ています。イプシロンロケットは、2013年度の初号機の打ち上げに向けて、いま設計作業の最終的な詰めを行っているところです。