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地上と宇宙を結ぶ輸送システム S-310/S-520/SS-520(観測ロケット)

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2016年1月15日 更新

観測ロケットS-310-44号機 打ち上げ結果

観測ロケットS-310-44号機 打ち上げ結果

JAXAは、2016年1月15日(金)、「電離圏プラズマ加熱現象の解明」を目的とした観測ロケットS-310-44号機を内之浦宇宙空間観測所から打ち上げました。
ロケットは正常に飛翔し、内之浦南東海上に落下しました。

今回の実験では、電離圏下部に発生するSq電流系(※)中心付近で起きるプラズマ加熱現象の解明を目的として、高温度層内のプラズマと電場、磁場等を測定しました。今後、JAXAや各大学において詳しい解析が実施される予定です。
(※)Sq電流系:太陽からのエネルギー入射によって発生する大気の運動に起因する電離圏下部を流れる電流のこと。

プレスリリース

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観測ロケットとは

日本の宇宙科学研究を支える

JAXA宇宙科学研究所の観測ロケットは、天体物理学の観測、上層大気の研究、宇宙プラズマ物理学等に貢献し、日本の宇宙科学研究を支えてきました。そのような飛翔体による観測の機会をとらえて、宇宙科学研究所の工学チームも、姿勢制御システム、再突入技術、回収技術、航法技術等、新しい飛翔体システムを開発してきたのです。その中には、近い将来、探査機や衛星打ち上げロケットに適用されるものも含まれています。また、材料科学やライフ・サイエンスのための微小重力実験の分野でも、観測ロケットが使われています。現在、使用している観測ロケットは、S-310、S-520、SS-520の3機種です。

観測ロケットの特徴

S-310

S-310型ロケットは単段式で直径310mm、高度約150kmに到達する能力を有しています。

S-310は、大気中から機体に積極的にスピンを与えて早期に共振状態を通過させ、共振状態の持続を避けると共に、共振時に生じた姿勢の乱れをその後の空力的ダンピングによって整定させる方針が採られています。

スピンは機軸を含む面に対し尾翼全体を約0.8度傾けて取り付けることによって与えられ、燃焼終了時(点火後29秒)における設計最終スピンは2.8Hzです。推力曲線は最適推力計画に従って初期に最大推力を持ち空気力が卓越してくる後期には低推力が持続するような設計になっており、これにより到達高度を増大し、動圧を抑えて空力加熱が緩和されるよう工夫されています。

チェンバーはクロムモリブデン鋼で、ブタジエン系推を用いたグレインは2種類のワゴンホイールの組合せからなっており、後部が先に焼失することにより上述の推力曲線を得ています。

尾翼はチタンの一枚板、オージャイブ形状の開頭部はFRP製です。科学観測時にスピンを1Hz程度にさげる目的から、計器部には、発射後50秒に作動するヨーヨーデスピナが装着されています。
1975年1月のS-310-1号機以来、2008年3月末の時点で、内之浦で35機、ノルウェーのアンドーヤ・ロケット基地で3機、南極で7機が打ち上げられ、すべて成功して今日に至っています。

S-520

S-520-型ロケットは、K-9M、K-10型ロケットに代るものとして宇宙科学研究所(現JAXA宇宙科学研究所)が開発した単段式ロケットで、高性能推薬および最適推力プログラムの採用、構造の軽量化によって、単段式ながらK-9Mに倍するペイロード能力を有しています。

推力プログラミング、飛しょう安定方式にはS-310の経験を生かし、1980年初めの初飛行以来計4機の打ち上げを経て安定した性能を示すに至りました。単段化によるオペレーションの簡素化、第1段落下に伴う保安上の問題の解消、打上げ費用の低減等の利点から今後も活躍が期待されています。推薬はMロケット第1段と同じブタジエン系コンポジット推薬の直填。推力曲線はS-310と同様に2段推力型で、ペリメータの大きい前部クローバ型断面部が初期の高推力レベルを、後部円筒型断面部が後半の低推力レベルを保証する設計になっています。ノズル開口比は8と比較的大きく実効比推力の向上が図られています。

チェンバーは超高張力鋼HT-140製。尾翼は前縁がチタン合金、平行部はアルミハニカムをコアとしGFRP/CFRPの積層を表板とするサンドイッチ構造で軽量かつ耐熱性をもたせてあります。GFRP製のノーズフェアリング内に科学観測機器が、底部の平行部に基本計器が収納されていますが、オプションとして基本計器とモーター間に姿勢制御モジュール、または回収モジュールを搭載することができます。

4号機(打上げ順序は3号機と逆)では回収実験、3号機ではヒドラジン・サイド・ジェットによる頭部の姿勢制御を行いました。大気圏外での姿勢安定は尾翼によって与えられるスピンによってはかられ、最終スピン数は2.2Hz、のちにヨーヨーデスピナによって適宜減速されます。S-310同様将来は南極基地での打ち上げも計画されています。

SS-520

SS-520は、2段式観測ロケットで、第1段はS-520の主エンジンであり、140kgのペイロードを約800kmの高度まで打ち上げる能力を有している 。

その目的は、高度800kmに到達することであり、同時に第3段を付け加えることによってミニ衛星を打ち上げるロケットを開発するための工学的実験を行うことです。第1段はS-520ロケットと同様に、尾翼により空気力学的に安定を保たれます。

第2段はS-520ロケットの頭胴部よりも重いので、空気力学的マージンを余分に確保してあります。第2段のモータ・ケースはCFRP製です。

第1段で誘起されたスピンは第2段に引き継がれ、ラムライン制御とスピン安定に利用されます。SS-520ロケットは1998年1月にデビューしました。2号機は2000年12月4日ノルウェーのスバルバードロケット実験場から打ち上げられ、磁気圏のカスプ領域での直接観測を行いました。

構成

S-310 S-520 SS-520
全長 7.1m 8m 9.65m
直径 0.31m 0.52m 0.52m
全備重量 0.7t 2.1t 2.6t
到達高度 150km 300km 800km
ペイロード 50kg 95/150kg 140kg

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