赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)とは
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銀河の誕生とその進化過程のカギを探す「あかり」(ASTRO-F)は、日本初の本格的な赤外線天文衛星です。空全体にわたって星や銀河などすべての赤外線源を調べあげる「サーベイ観測」を目的に、M-Vロケット8号機によって、2006年2月22日に打ち上げられました。 |
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トピックス
一覧赤外線天文衛星「あかり」、小惑星に水を発見 ―小惑星の進化過程に赤外線観測で迫る:リュウグウなど始原的小惑星を理解する大きな手がかりに―
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神戸大学大学院理学研究科 惑星科学研究センターの臼井文彦 特命助教、宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所の長谷川直 主任研究開発員、大坪貴文 宇宙航空プロジェクト研究員、東京大学大学院理学系研究科 天文学専攻の尾中敬名誉教授らの研究グループは、赤外線天文衛星「あかり」を用いて近赤外線で小惑星の観測を行い、地上の天文台からは観測できない波長2.7マイクロメートル付近にある含水鉱物の存在を示す特徴を、数多くの小惑星について世界で初めて捉えることに成功しました。得られたデータの詳しい解析から、リュウグウと同じC型小惑星の進化の過程を明らかにしました。本研究によって、太陽系の水の分布や小惑星の起源と進化だけでなく、地球の水や生命の起源への理解も進むと期待されます。 この研究成果は、12月17日に「Publications of the Astronomical Society of Japan」のAdvance Access(早期公開)として電子版に掲載されました。 [詳細はこちら] |
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プレスリリース
一覧-
- 2018年12月17日 14:00 プレスリリース
- 赤外線天文衛星「あかり」、小惑星に水を発見 -小惑星の進化過程に赤外線観測で迫る:リュウグウなど始原的小惑星を理解する大きな手がかり-
「あかり」の赤外線観測装置による天文学上の成果
地球大気は、天体からの赤外線を吸収するとともに、強い赤外線を放射するため、赤外線で天体観測するには宇宙空間に出る必要があります。口径68.5cmの望遠鏡を搭載する「あかり」は、液体ヘリウムと極低温冷凍機を組み合わせてマイナス267°Cまで望遠鏡を冷やし、非常に高い感度を実現しました。 「あかり」が取得した膨大なデータの解析は現在も続けられています。JAXA宇宙科学研究所や東京大学をはじめとする日本の各大学・研究機関、ESA等の協力により、2015年1月15日に高詳細な遠赤外線全天画像データを公開しました。 |
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主要諸元
国際標識番号 | 2006-005A |
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打ち上げ日時 | 2006(平成18)年2月22日 6:28 |
打ち上げロケット | M-Vロケット8号機 |
打ち上げ場所 | 内之浦宇宙空間観測所 |
形状 | 1.8m×1.8m×3.2m 太陽電池パドルの端から端まで5.7m |
質量 | 約960kg |
軌道 | 円軌道(太陽同期) |
軌道高度 | 約750km |
軌道傾斜角 | 98.4度 |
軌道周期 | 100分 |
特集
- 2013年12月3日
- 銀河の誕生と星の進化を探る! 赤外線天文衛星「あかり」の成果(動画)
- 2008年4月8日
- 果てしない宇宙の謎にせまる~日本が誇る天文観測衛星の成果と未来~
- 2006年9月13日
- 星の誕生と死のドラマ
中川貴雄
- 2006年2月17日
- 日本初の赤外線天文衛星 あかり(ASTRO-F)
パンフレット
- 赤外線天文衛星「あかり」
(0.91MB)