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地上と宇宙を結ぶ輸送システム H3ロケット

開発中

H3ロケットとは

日本の技術で、宇宙輸送をリードせよ。

H3ロケットは、柔軟性、高信頼性、低価格の3つの要素を実現することを目指し、2020年度に試験機の打ち上げを予定している日本の新しい基幹ロケットです。
国の重要な人工衛星や探査機などを宇宙へ輸送する手段を今後も日本が持ち続けるために、現在運用しているH-IIAロケットH-IIBロケットの後継機として開発されています。H3ロケットは、国の衛星だけでなく民間の商業衛星を毎年打ち上げていくことも視野に入れています。
JAXAとプライムコントラクタである三菱重工業(株)を始めとする国内の関連企業が開発段階から総力を結集して、これまで培った運用経験等を活かして全体のシステムを刷新し、低価格・柔軟性・高信頼性を兼ね備えたロケットの実現を目指します。

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2019年6月18日 更新

SRB-3実機大分離試験

青々と茂る草木が初夏の様相を呈し、今すぐにでも蝉が鳴き出しそうなほど暑い5月の群馬県富岡市。その山中に位置するIHI Aerospace(IA)富岡事業所の試験場内に、大きな白い塔が鎮座していた。試験開始を黙々と待ち構えている白い巨塔は“SRB-3”、H3ロケットの固体ロケットブースターだ。

IAが主となり開発を行っているSRB-3の分離試験がIA富岡事業所で行われる。この分離試験はSRB-3とH3のコア機体が設計通り分離できるかを確認する試験だ。現行のロケットであるH-IIA/BのSRB-AとSRB-3それぞれのコア機体への接続方法は異なり、H-IIA/BはSRB-Aからコア機体にスラストストラットとブレスが伸び、コア機体に抱き着くような接続方法になっているのに対し、H3はピンでコア機体に引っ掛ける接続方法になっている。ピンでコア機体に接続するというシンプルな方法になることからコスト低減、ロケットの整備作業時間の削減に貢献しているのだ。

5月22日、翌日の試験にむけ試験本番と同じ動きを模擬する、いわゆるリハーサルを行った。リハーサル自体は問題なく終了したが、試験の成功確率を限りなく上昇させるため、リハーサル後試験隊の各班は当日に起こりうる事象を想定ししらみ潰しに列挙し、議論を行っていた。隊員の額は汗で濡れ、長時間の準備作業に疲労はにじみ出ていたが、それぞれの目は輝きで満ちており士気は高い。天候さえ問題なければ試験は実施できる、確実に成功するという確信を抱きリハーサルは終了した。隊員達が去った試験場には明日の快晴を予感させる燃えるような夕日が差し、SRB-3の白い巨塔を真っ赤に染め上げていた。

5月23日、試験当日は早朝からミーティングが行われた。リハーサル時には感じられなかった緊張感が試験場内に充満している。試験手順の確認を行い、午前10時20分、工程を開始した。準備時間は何十時間、試験時間は数秒。一瞬の試験に向けて膨大な労力をかけ試験の準備を行う。試験計画を立案、各種確認会を実施し試験実施に問題ないことを確認した。雑草が生い茂る現場には人の足によって道ができた。人事は尽くした。あとは天命を待つのみだった。
カウントダウンが始まる。心臓の鼓動が激しく刻まれる中、分離の瞬間がやってきた。となった。「シューーー」という推進薬の音が鳴り、約1秒後SRB-3が地面に落ちた低音が試験場に響いた。試験は大成功だった。予想していた通りの分離の動きだった。緊張に満ちていた隊員達の顔はほぐれ、まぶしいほどの笑顔を見せていた。
この日H3ロケットの開発は確かに一歩進んだのである。

分離の瞬間を待つSRB-3供試体

分離後の様子

SRB-3実機大分離試験

H3ロケットの特徴

使いやすいロケットを目指して

H3ロケットは、2020年度以降の世界でどのようなロケットが必要になるかを調査・予測し、それに応えるロケットとして、柔軟性・高信頼性・低価格の3つの要素を実現します。

柔軟性(High flexibility)

複数の機体形態を準備し、利用用途にあった価格・能力のロケットを提供します。
打ち上げまでの期間短縮により、「すぐに打ち上げたい」という利用者の声に応えます。

高信頼性(High credibility)

H-IIAロケットの高い打ち上げ成功率を継承し、確実に打ち上がるロケットにします。

低価格(High cost performance)

H-IIAロケットから打ち上げ価格を低減します。

過去最大のパワーと多様な機体形態

H3ロケットは2種類のフェアリング、第1段エンジン(LE-9)2基または3基、固体ロケットブースタ(SRB-3)0本、2本、4本の切り換えにより、様々な大きさや軌道の人工衛星の打ち上げに対応します。静止トランスファー軌道への打ち上げ能力は、これまでのH-IIAロケット、H-IIBロケットの能力を上回る過去最大に設定しています。

構成

H3ロケット標準型(H3-24L)主要諸元

全長(m) 63
全備質量(t) 574(H3-24L)(ペイロード除く)
誘導方式 慣性誘導方式

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