太陽系と宇宙の起源の解明に向けて 国際水星探査計画「BepiColombo」/水星磁気圏探査機「みお」(MMO)

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水星磁気圏探査機「みお」

水星磁気圏探査機「みお」

「みお」は、水星の磁気圏・宇宙環境の観測を行う探査機です。日欧共同プロジェクトの国際水星探査計画「ベピコロンボ」において、欧州が開発した水星表面探査機(MPO)とともに水星を観測します。水星は太陽に一番近い惑星のため環境が過酷で、これまで十分な観測が行えませんでした。そのような環境でも耐えられるよう、「みお」には放熱効率を上げるなど様々な対策を行い、2018年10月に打ち上げられました。合計9回の惑星スイングバイを経て2026年11月に水星周回軌道へ投入される予定です。水星では、磁場やプラズマなどを観測し、太陽近傍における磁気圏の理解や地球型惑星の形成プロセスなどに迫ります。

マリナー10号の探査の際、金星を通過してその重力でスイングバイを行うことによって何回か水星に接近できることを示唆したのが、イタリアの著名な天体力学者ジウゼッペ・コロンボ(Giuseppe Colombo)博士です。ジウゼッペ博士は、水星の自転周期と公転周期が2:3の共鳴関係にあることを提唱したり、スイングバイを惑星探査機の航行に利用した先駆者でもあります。
その功績をたたえ、新しい水星探査ミッションの名前には博士の愛称である「BepiColombo」が使われています。

「BepiColombo」は、水星本体の磁場、磁気圏、内部、表層を初めて多角的・総合的に観測し、「惑星の磁場・磁気圏の普遍性と特異性」、「地球型惑星の起源と進化」について明らかにすることを目的としています。

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2020年4月11日 更新

BepiColombo探査機、地球スイングバイを実施 ~最初で最後の地球接近、みおをみおくろう~

BepiColombo探査機、地球スイングバイを実施 ~最初で最後の地球接近、みおをみおくろう~

2018年10月20日に打ち上げられたBepiColombo探査機および水星磁気圏探査機「みお」は約1年半ぶりに地球に接近し、2020年4月10日13時25分頃(日本時間)に最初で最後となる地球スイングバイを実施しました。最接近時には南大西洋上空の高度約12700kmを通過しました。地球スイングバイでは地球の重力を利用して約5km/sの減速を行いました。今回の地球スイングバイを皮切りに「みお」は金星で2回、水星で6回の計9回のスイングバイ(惑星探査機として史上最多)を実施する予定です。2025年12月に予定される水星到着までの総航行距離は(太陽中心座標系で)約88億kmで、今回の地球スイングバイまでに約14億kmを走破しています。

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