人工衛星で宇宙から地球を守る・利用する トピックス

トピックス一覧

2024年5月31日更新
令和6年能登半島地震における「だいち2号」などの緊急観測や解析結果を公開しました

JAXAでは、令和6年1月1日の石川県能登地方を震源とする地震の発生を受け、「だいち2号」による緊急観測を当日(1月1日)の夜間より行い、国内防災機関へ解析結果等の情報提供を行いました。そしてこの度、それらの情報をまとめたWEBページを公開しましたので、お知らせします。

本WEBページでは、地盤変動や土砂災害、建物被害、火災検出の見え方に加え、国際協力枠組みによる支援などについて紹介しており、衛星画像や解析結果を重ねたマップは画面上で自由に拡大縮小・移動していただけます。

被災地の皆様の安全と、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

2024年5月28日更新
EarthCARE衛星の打上げ日時が公表されました

日本と欧州が協力して開発を進める雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE(Earth Cloud Aerosol and Radiation Explorer)」の打上げ日時がSpaceX社より発表されましたのでお知らせいたします。
なお、EarthCAREには日本が開発を担当した雲プロファイリングレーダ「CPR(Cloud Profiling Radar)」が搭載されています。

打上げ予定日時

2024年5月29日(水)7時20分(日本時間)
2024年5月28日(火)15時20分(米国太平洋夏時間)
※時刻は24時間表記

打上げ予備期間

2024年5月31日(金)まで(米国太平洋夏時間)

2024年4月1日更新
EarthCARE衛星の打上げ後の愛称(和名)が決まりました!​

JAXAでは、EarthCARE衛星について多くのみなさんに知って貰い、親しみを持って応援いただくことを願い、ロケットで衛星が打ち上がった後に日本で使用する愛称を考えました。その愛称は「はくりゅう」といいます。 「はくりゅう」が元気に“宇宙(そら)”を飛べるよう、衛星の打上げを皆さん応援してください!

どうして「はくりゅう」?

はくりゅう(白龍)は、EarthCARE衛星の外観の特徴「白く、太陽電池パドルが長い尾のように見えること」を表現しています。 日本では、龍は水をつかさどる神獣とされていて、水や氷の粒が集まって出来る雲と、エアロゾルとの相互作用による地球大気の放射収支メカニズムの解明を目指すミッションイメージにふさわしく、 また、龍のなかでも白龍は他の龍よりも早く飛ぶことができるとされ、高速で地球を周回する人工衛星のイメージにも合うと考え、はくりゅうと名付けました。

EarthCARE衛星の外観

2024年3月14日更新
「だいち」シリーズ衛星応援アンバサダー三浦大知が出身地・沖縄を訪問。 沖縄と人工衛星のつながりを三浦大知が体験する特別動画を3月14日(木)より公開!

子どもたちと観測企画に挑戦した
三浦大知さん

「だいち2号」で観測した
沖縄の小学生と三浦大知が描いた巨大文字

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H3ロケットに搭載した先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)の打上げを2024年度に予定してます。この度、2006年に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)から続く「だいち」シリーズ衛星のさらなる認知向上を目的として、「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーであるアーティストの三浦大知さんを起用したスペシャルコラボ動画第3弾を2024年3月14日(木)4時00分からJAXA公式YouTubeチャンネル「JAXA Channel」にて公開します。

 三浦大知さんが今回訪問したのは、「だいち」シリーズ衛星とも深く関わりがある場所でもあり、三浦さんの出身地でもある沖縄。まず三浦さんは、JAXAと農林水産省が共同で地球観測衛星の活用について実証実験を実施している沖縄県・宮城島のサトウキビ畑を訪問。JAXAと農林水産省職員の説明を受け、「だいち」シリーズ衛星が、子どものころから慣れ親しんでいるサトウキビ畑や、マングローブなど沖縄ならではの自然環境の保全活動や、災害時の状況把握など、沖縄の生活にも貢献していることなどを学びました。

 続けて、子どもたちが待っている恩納村の赤間総合運動公園へ。恩納村の4つの小学校の6年生のみなさんと一緒に、三浦さんが地上に「だ・い・ち」という巨大文字を描き、宇宙から地球を観測している「だいち2号」から撮影してもらう企画を実施しました。また最後は三浦さんが「だいち」シリーズ衛星のイメージソング「ALOS」をアカペラでサプライズ披露。子どもたちからも大きな拍手が起きました。

 また最後に訪れたのはJAXA沖縄宇宙通信所。「だいち」シリーズ衛星をはじめとした多くの人工衛星を追尾・監視している場所です。実際の人工衛星の運用に使用されているアンテナを見た三浦さんは「お〜!迫力がすごい!これはすごい!」と大興奮の様子でした。そして23年3月7日、先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載したロケットが残念ながら打上げ失敗になった際、「指令破壊信号」が出るまで「だいち3号」からの信号を受信していた場所でもあります。そこで三浦さんは、この通信所で同世代のJAXA職員との対談を実施。当時の心境や、そしてイメージソング「ALOS」への感謝などを聞かせてもらうことになりました。

<JAXA×三浦大知 沖縄で学ぶ動画シリーズ>

宮城島のサトウキビ畑で
土壌水分量を計測する三浦大知さん

沖縄宇宙通信所で人工衛星の運用に
使用されているアンテナを見る三浦大知さん

小学生と観測企画に使用する
コーナーリフレクターを制作する三浦大知さん

「だいち」シリーズ衛星の
沖縄での活躍を学ぶ三浦大知さん

【だいち4号】

Alos-4のロゴや機体画像

 「だいち」シリーズ衛星は、地震、豪雨による水害・土砂災害、森林火災、火山噴火などのさまざまな災害の監視や状況把握、地理空間情報の整備・更新などへの貢献を目的とした地球観測衛星です。光学センサとレーダセンサの両方を搭載した初代「だいち」は2006年から2011年にかけて運用され、レーダセンサを搭載した「だいち2号」は2014年に打ち上げられ今も活躍中です。
先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)は、2014年5月に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の後継機であり、Lバンド合成開口レーダを搭載します。新たに採用するデジタル・ビーム・フォーミング*技術により、「だいち2号」の高い空間分解能(3m)を維持しつつ、観測幅を4倍(200㎞)に拡大し、平時における地殻・地盤変動などの観測頻度を向上させます。 これにより、発災後の状況把握のみならず、火山活動、地盤沈下、地すべり等の異変の早期発見など、減災への取組において重要な役割を担います。
また、合成開口レーダと協調観測することで海洋監視に貢献するAIS(船舶自動識別装置)の受信機も搭載します。
*アンテナで受信した電波を高速にデジタル処理することで、同時にいろいろな方向の観測ができる機能です。

2024年2月1日更新
雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」衛星の機体公開イベントが実施されました

2024年2月1日、雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」衛星の機体公開イベントがドイツのエアバス社の衛星工場にて報道機関向けに実施されました。エアバス社はESAのプライムコントラクターとして、EarthCARE衛星を開発してきました。

JAXA寺田弘慈理事

機体公開の様子

記者説明会の様子

EarthCARE衛星は、5月にSpace Xのファルコン9ロケットで米国カルフォルニア州のヴァンデンバーグ基地から打ち上げられる予定です。今回は、衛星の打上げ射場への輸送を前に、最終確認試験が終了したEarthCARE衛星機体を欧州で見られる最後の機会となりました。イベントでは、EarthCAREミッションの目的や意義、衛星の構成や開発の歴史などについて、欧州宇宙機関(ESA)、JAXA、エアバス社から説明があった後、クリーンルームに入り、衛星機体を間近で見ることができました。
機体公開イベントには、世界中から多くのメディアが集まり、EarthCAREの今後の成果を大きく期待させるものとなりました。JAXA寺田弘慈理事は、今回のイベントで以下のように述べました。「EarthCAREは20年以上前に検討が開始されたにもかかわらず、EarthCAREが今ほど待ち望まれているときはない。それは、素晴らしく、先験的な科学的要求に基づいたミッションだからだ。JAXAがNICT(情報通信研究機構)と共に開発した雲プロファイリングレーダ(CPR)を提供できることを非常に誇りに思っている。」

雲エアロゾル放射ミッション/雲プロファイリングレーダ「EarthCARE/CPR」について

EarthCARE(Earth Cloud Aerosol and Radiation Explorer)は、日本と欧州が協力して開発を進める地球観測衛星です。搭載する4つのセンサ(雲プロファイリングレーダ、大気ライダ、多波長イメージャおよび広帯域放射収支計)により、雲、エアロゾル(大気中に存在するほこりやちりなどの微粒子)の全地球的な観測を行い、気候変動予測の精度向上に貢献します。日本が開発を担当した、雲プロファイリングレーダ(CPR)は、衛星軌道上から地球に向かってミリ波帯電波を送信し、雲粒によって散乱されてくる電波を受信することでどの高さにどのような雲が存在するかを観測することができます。これまでの衛星搭載雲レーダよりさらに高感度で雲を観測できることに加えて、衛星搭載レーダとして世界で初めて雲の速度(上昇や下降)を計測できます。

2024年1月15日更新
令和6年能登半島地震に関する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)観測画像の公開

令和6年(2024年)能登半島地震
2024年1月1日16時過ぎ(日本時間)に発生した「令和6年能登半島地震」では、各地で建物損壊、土砂崩れ、火災等が発生し、甚大な被害をもたらしています。JAXAでは国内防災機関等からの要請を受けて、発災当日の夜間からALOS-2による緊急観測を行い、データを提供しています。国内関係機関との協力の下、本緊急観測データの解析結果が減災・防災などの一助となるよう、干渉解析や変化抽出に必要となるアーカイブデータとともにL1.1(CEOSフォーマット)およびL2.1(GeoTIFF)データを公開します。

2023年7月14日更新
沖 理子 地球観測研究センター長のNASA Administrators Agency Honor Awardsの日本人初受賞について

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の沖 理子博士(第一宇宙技術部門・地球観測研究センター長)に、「2022年のNASA Administrators Agency Honor Awards」として、「Exceptional Public Service Medal」が授与され、2023年7月11日に在日米国大使館において授賞式が行われました。

「Exceptional Public Service Medal」は、NASAが実施するミッションに対して、優れた業績を収めた個人に贈られるものです。沖 理子博士は、日米の共同ミッションである「TRMM(熱帯降雨観測衛星)」の研究担当を務め、続く「GPM(全球降水観測)計画及び主衛星」を立ち上げ、またTRMM及びGPMの日本側のプログラムサイエンティストとして降水観測に関する研究に携わるなど、長年にわたり日米の衛星による降水観測協力を主導してきました。

TRMM、GPM主衛星に搭載したJAXAの降水レーダは、雨の三次元構造を高精度で観測することができ、世界中の降水状況を準リアルタイムに降水推定する衛星全球降水マップGSMaPの実現につながりました。GSMaPはアジア太平洋など世界各国で活用されています。さらに、NASAが計画している次世代の地球観測ミッションであるAOS(Atmosphere Observing System)への参加を前提とした降水レーダ衛星(PMM)が計画され、その開発を着実に進めるためにJAXAはプロジェクトを発足させるなど、今後も地球観測分野での日米協力を継続的かつ発展的に進めていくことが期待されています。

本賞を受賞するNASA職員や米国関係者向けの授賞式は、2023年4月26日に米国のNASAにおいて行われましたが、沖 理子博士への授与はNASA地球科学部幹部が来日する機会にあわせて、在日米国大使館で特別に授賞式が執り行われました。授賞式では、Raymond F. Greene首席公使の立会いのもと、Karen St. Germain地球科学部長(NASA)から賞状とメダルが渡されました。

沖 理子博士は、この栄誉ある賞を受ける初めての日本人となりました。沖 理子博士は授賞式において、これまで協力してきた日米の研究者、技術者などの名前を挙げ、「この受賞を仲間たちと分かちあいたい。そして、若手研究者に今後活躍してほしい」と述べました。
Greene首席公使は、「日本人の受賞は彼女が初めてだが、これが最後にはならないと確信している」とのコメントを寄せています。

2023年3月23日更新
だいち4号のミッションマークを選ぼうキャンペーン結果発表

2022年12月26日~2023年1月30日に実施した“だいち4号のミッションマークを選ぼうキャンペーン”の結果を発表いたします。
投票総数3,583票のうち、最多となる2,082票を集めました下記デザインを「だいち4号」のミッションマークと致しました。
たくさんのご投票、誠にありがとうございました。

だいち4号のミッションマーク

2023年2月1日更新
先進光学衛星「だいち3号」報道関係者向け説明会を実施しました

2023年2月1日(水)「【録画】先進光学衛星「だいち3号」報道関係者向け説明会」を実施しました。

2023年1月26日更新
「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーにアーティスト・三浦大知さんが就任 ~「だいち」シリーズ衛星のイメージソングとして新曲「ALOS」を書き下ろし~

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2023年2月12日(日)に先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を載せたH3ロケット試験機1号機の打ち上げを予定しています。そこでこの度、2006年に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)から続く「だいち」シリーズ衛星のさらなる認知向上を目的として、アーティストの三浦大知さんに「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーに就任していただきました。アーティストを地球観測衛星のアンバサダーとして起用するのは、JAXAとして初めてとなります。

【三浦大知さんプロフィール及びアンバサダー就任の理由】

1987年8月24日生まれ、沖縄県出身。 Folder のメインボーカルとして1997年にデビュー。2005年3月にシングル「Keep It Goin‘ On」でソロ・デビュー。天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操るスーパーエンターテイナー。
三浦大知さんは、「だいち」シリーズ衛星と同じ名前で、日本から世界に発信していく姿勢や目標が「だいち」シリーズ衛星と親和性を有しており、幅広い年齢層から支持され、一般認知度の高いアーティストであることから、この度「だいち」シリーズ衛星の認知向上、理解促進につなげる広報活動にご協力いただくため、応援アンバサダーに就任していただきました。

【取組内容】
・「だいち」シリーズ衛星イメージソング「ALOS」の作成
「だいち」シリーズ衛星のイメージソングとして三浦大知さんが「だいち」シリーズ衛星のために書き下ろした新曲「ALOS」(エイロス)が使用されることとなりました。また、JAXA筑波宇宙センターでの撮影の模様も入れたミュージックビデオも制作されました。新曲「ALOS」は2月1日(水)より各種音楽配信サイトにて配信予定です。

・三浦大知さん出演動画コンテンツをJAXA公式YouTube「JAXA Channel」にて公開
三浦大知さんが地球観測衛星について学ぶためにJAXA 筑波宇宙センターを訪れた際の様子や、これから宇宙で活躍する「だいち3号」にエールを送るためにJAXA種子島宇宙センターを訪問した様子等を収録した動画を2023年1月26日(木)にJAXA公式YouTube「JAXA Channel」にて公開しました。

【三浦大知さんのメッセージ】
この度は「だいち」シリーズ衛星の応援アンバサダーのお話をいただき、とても光栄です。楽曲制作をするにあたり、筑波宇宙センター、そして種子島宇宙センターにて、このプロジェクトに関わっているスタッフの皆さんのお話を聞かせていただいたり、「だいち3号」の実機や「だいち3号」の打ち上げを支える様々な施設を見学させていただきました。だいちシリーズ衛星に込められた想い、そしてこのプロジェクトに人生をかけて携わっているスタッフの皆さんの願い、情熱、魂。皆さんのお話や見せていただいた風景を通して受け取ったその全てを詰め込んだ一曲を作りたいと思い制作しました。
この楽曲が、聴いてくださった皆さんと「だいち」シリーズ衛星を繋ぐ一つの橋になれば幸いです。
「だいち3号」が宇宙に到達し活躍することを心から楽しみにしています。

「だいち」シリーズ衛星は、地震、豪雨による水害・土砂災害、森林火災、火山噴火などのさまざまな災害の監視や状況把握、地理空間情報の整備・更新などへの貢献を目的とした地球観測衛星です。光学センサとレーダセンサの両方を搭載した初代「だいち」は2006年から2011年にかけて運用され、レーダセンサを搭載した「だいち2号」は2014年に打ち上げられ今も活躍中です。光学センサを搭載する「だいち3号」は2023年2月12日(日)の打上げを予定しています。レーダセンサを搭載する「だいち4号」は現在開発中です。これら「だいち」シリーズ衛星が宇宙に集い、光学とレーダそれぞれの“目”で私たちの暮らし、そして地球を見守ります。

2022年9月8日更新
油井亀美也宇宙飛行士が、同志社大学助教桝太一さんと共に、衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)の広報アンバサダーに就任しました

2022年9月7日、JAXAが事務局を務める衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)の設立総会にて、JAXAの油井亀美也宇宙飛行士と同志社大学助教桝太一さんがCONSEO広報アンバサダーに就任することが発表されました。

本コンソーシアムでは、産学官の多様なプレーヤが集まり、日本の衛星地球観測の全体戦略や政策につながる議論を通じ提言をまとめていきます。
また、産学官の連携強化と、非宇宙産業からの衛星地球観測市場への参入促進を図り、衛星地球観測が日本の成長産業となることを目指します。

CONSEO広報アンバサダーは、CONSEOの顔として、衛星地球観測の意義や価値を分かりやすい形で広く社会に発信し、社会とCONSEOの活動をつなぐコミュニケータの役割を担います。

2022年8月23日更新
NASA,ESA,JAXAによる三機関協力に関する共同宣言を発出

米国航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)および宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)Earth Observing Dashboardの設立を目指す三機関協力による取り組みを2020年5月より開始し、2021年3月以降はその取り組みの対象範囲を地球環境変化にまで拡大しました。取り組みを開始して3年目となる今年5月には「Earth Observing Dashboard」の全面リニューアルにまで至るなど、共同ダッシュボードの利用が増加していること、また継続的なユーザーからより多くの情報を求められていることを踏まえ、NASA、ESAおよびJAXAは、人間活動に伴い変化する環境を地球規模で把握する3機関共同の取り組みを2024年6月まで継続することとしました。

2022年5月20日更新
地球観測データを用いたJAXA,NASA,ESA3機関共同解析Webサイト「Earth Observing Dashboard」 のリニューアルについて

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、米国航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)と協力して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらす影響を宇宙から把握するため、地球観測衛星データによる地球環境や社会経済活動などの変化を解析し、共同解析結果を2020年6月より、3機関共同Webサイト「Earth Observing Dashboard」で公開してきました。

 この度、地球規模かつ多様な環境の変化への理解により貢献していくため、当Webサイトの対象分野をCOVID-19から拡大し、新たに「大気」、「農業」、「バイオマス」、「水と海洋」、「雪氷」、「経済」の6分野を独立させて追加し、「Earth Observing Dashboard」をリニューアル 公開いたしました。

「Earth Observing Dashboard」を通じて、地球規模の課題である環境変化や気候変動、それによって引き起こされる社会・経済への影響を広く理解するための客観的な視点や情報として地球観測データが活用されることを期待します。

地球観測データを用いた3機関共同解析Webサイト「Earth Observing Dashboard」
サイトURL http://eodashboard.org
公開日時  2022年5月20日(日本時間)

図1:「Earth Observing Dashboard」トップ画像

2022年3月2日更新
研究提案募集(RFP):革新的将来宇宙輸送プログラム共創体制 第2回研究提案募集

革新的将来宇宙輸送プログラムでは、先般、情報提供要請(RFI:Request for Information)にて民間企業・研究機関・大学の方々からいただいた情報情報を元に研究テーマを設定し、この度、第2回研究提案募集(RFP:Request for Proposal)の公募を開始いたしました。

宇宙産業・非宇宙産業を問わず、たくさんの企業・大学の皆様からのご応募お待ちしております。

2022年1月28日更新
革新的衛星技術実証ワークショップ2022

■開催日:2022年2月17日(木)13時00分~17時20分(予定)
18日(金)13時00分~17時20分(予定)
■開催場所:オンライン開催(YouTubeにてライブ配信いたします)

革新的衛星技術実証ワークショップ2022

2022年1月25日更新
トンガ火山噴火及び津波被害の災害対応支援

JAXAは、1月16日のセンチネルアジアからの要請を受けて、「だいち2号」(ALOS-2)によるトンガ王国のフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山噴火及び津波被害の緊急観測を行いました。観測したデータは、南洋理工大学(Nanyang Technological University ? Earth Observatory of Singapore)及びアラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(Mohammed Bin Rashid Space Centre (MBRSC))が解析し、建物被害地図等の情報が提供されました。これらの情報は、アジア太平洋諸島の連携体である太平洋共同体(the Pacific Community (SPC))などの防災機関に提供され、被害状況の把握に活用されています。

「だいち2号」の観測データは、宇宙技術によるアジア太平洋地域の災害活動の支援を目的とした、宇宙機関・防災機関・国際機関により構成された国際的な協力枠組み「センチネルアジア」を通じて提供されました。

宇宙からの森林観測および高精度3次元地図製作に関する国際ワークショップ2022

南洋理工大学(Nanyang Technological University-Earth Observatory of Singapore)より提供された災害地図。「だいち2号」及びSentinel-1の観測画像を解析することで、建物被害箇所を推定し、それを地図にマッピングしている(黄色及び赤色は被害を受けた可能性が高いことを示しており、赤色がより可能性が高いことを示している)。

2022年1月14日更新
宇宙からの森林観測および高精度3次元地図製作に関する国際ワークショップ2022

開催日:2022年2月22日(火)

開催場所:オンライン開催(Zoom)

宇宙からの森林観測および高精度3次元地図製作に関する国際ワークショップ2022

2021年11月4日更新
沖縄本島に接近・漂着している軽石の衛星観測情報(続報)

10月29日に公開した「沖縄本島に接近・漂着している軽石の衛星観測情報」の続報になります。前回はJAXAが運用する気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)および陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)による軽石の観測情報を紹介しました。今回は海外の宇宙機関が運用する人工衛星による軽石の観測情報を紹介します。

沖縄本島北西部の欧州宇宙機関のSentinel-2の観測画像(動画)

沖縄本島北西部の欧州宇宙機関のSentinel-2の観測画像(動画)

沖縄本島付近の同衛星による比較的雲が少ない10月16日、26日、31日の観測画像を示します。白い矢印部分の灰色の筋状の分布が軽石と推定されます。

2021年11月2日更新
沖縄本島に接近・漂着している軽石の衛星観測情報

10月23日ごろから現在にかけて大量の軽石が沖縄県に漂着し、船舶の航行や漁業、観光等に被害が出ています。これは8月13日に南方諸島にある海底火山、福徳岡ノ場が噴火して発生した大量の軽石です。2か月にわたり洋上を漂流し、1400km離れた沖縄本島に至りました。JAXAは、海上の軽石の分布を人工衛星観測画像によって把握し、関係機関に情報提供しています。今回は、その分析に利用している主な光学(可視、赤外線)衛星画像、合成開口レーダ(SAR)画像についてご紹介します。

JAXAの気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)の多波長光学放射計(SGLI)は1,150kmの観測幅を有しており、広い海域の観測が可能です。図1.4に「しきさい」で捉えた軽石の分布を示します。

GCOM-C/SGLIによる観測画像

図1.4 2021年10月26日10:43(日本時間)のGCOM-C/SGLIによる観測画像

2021年10月1日更新
JSTの未来社会創造事業[大規模プロジェクト型]に採択されました

JAXA第一宇宙技術部門は、国立研究開発法人科学技術振興機構の未来社会創造事業[大規模プロジェクト型]の令和3年度新規研究開発提案に応募し、JAXAとしては初めて採択されました。

2021年10月1日更新
ドイツやベルギーで発生した豪雨による洪水~気候変動による大雨の増加~

2021年7月、欧州各地で断続的な大雨が発生し、ドイツやベルギーなどを中心に洪水が発生して甚大な被害が発生しました。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。

降水状況の把握に関する情報提供の観点から、全球降水観測計画(GPM)主衛星や衛星全球降水マップ(GSMaP)など、宇宙から雨の状況を観測しているデータを用いて解析を実施しました。本稿では、その解析結果について報告します。また、このような頻発する豪雨災害の背景として、2021年8月に公開された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6) 第1作業部会(WG1)報告書に示された、大雨の頻度と強度の増加に関する見解について紹介します。
欧州周辺での7月の大雨の様子
図1は、衛星観測から求めた世界の雨マップ(衛星全球降水マップ;GSMaP)による2021年7月12日~14日(以降すべて世界標準時)の平均降水量(図1左)と、過去21年分のGSMaPの統計から算出した2021年7月12日~14日の豪雨指標(図1右)の分布を示しています。
図1左に示したGSMaPによる衛星降水情報から、洪水による被害が報告されているドイツ西部などを中心とした地域で大雨が確認でき、3日間の積算で75 mmを超える大雨が続いていたことがわかります。同領域での過去21年のGSMaP統計から、7月のひと月に降る雨の総量は、おおよそ60~80 mmなので、例年のひと月(31日)分の雨と同じ程度の雨が3日で降ったことがわかります。
図1右には、過去21年の7月12日~14日の平均降水量のうち上位数%の降水強度以上に相当する降水があった領域を豪雨指数として示しています。濃いピンクの領域が、2021年の7月12日~14日が過去21年分の7月12日~14日の平均雨量と比較して、どの程度極端に雨が多い事例であったかを表しており、ドイツ西部やベルギーなどで持続的に雨が多かった傾向が捉えられています。

欧州周辺での7月の大雨の様子

図1. 2021年7月12日~14日(世界標準時)の衛星全球降水マップ(GSMaP)による平均日降水量 [mm/day](左)と豪雨指数(90, 95, 99パーセンタイル値)(右)
濃いピンクは、過去21年の7月12日~14日の平均降水量のうち上位1%の降水強度(99パーセンタイル値)以上に相当する降水があった領域を示しています。

2021年8月18日更新
「だいち2号」による2021年8月の豪雨の緊急観測結果について

今回の災害で被害にあわれた全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
2021年8月12日から季節外れの梅雨前線が日本の東西を広く覆う形で形成された大規模な線状降水帯により続いた豪雨によって、西日本を中心に各地で河川の氾濫による浸水などの被害が発生しました。JAXAは、国土交通省からの要請に基づき、8月12日から15日にかけて「だいち2号」(ALOS-2)搭載のLバンド合成開口レーダ「パルサー2」(PALSAR-2)による緊急観測を行い、データを防災関係機関等に提供しました。

図)九州地方の「だいち2号」の観測画像(左)および推定された浸水域(右、青色部分)2021年8月12日23時23分頃の観測
図)九州地方の「だいち2号」の観測画像(左)および推定された浸水域(右、青色部分)2021年8月12日23時23分頃の観測

図)九州地方の「だいち2号」の観測画像(左)および推定された浸水域(右、青色部分)2021年8月12日23時23分頃の観測

2021年8月4日更新
長期衛星降水観測から明らかになった最近10年間の梅雨前線帯の降水の活発化(論文解説)

地球温暖化や気候変動などの影響により、近年は梅雨の季節になると毎年のように豪雨がもたらされ、水災害頻発しています。今年も、7月上旬に活発化した梅雨前線に伴って熱海などの東海・関東南部では大雨による土砂災害が発生しました(詳細はこちらの記事参照)。より正確な降水の予測のためには、近年、雨の降り方がどのように変化してきているかを捉えることが極めて重要です。

JAXAでは、20年以上の長期にわたり、熱帯降雨観測衛星(Tropical Rainfall Measuring Mission; TRMM)と全球降水観測計画(Global Precipitation Measurement Mission; GPM)を通して宇宙から世界の雨を観測しています。これらの長期間の衛星降水観測データを用いた研究として、7月7日付(英国時間)で英国ネイチャーリサーチの『Scientific Reports』電子版で、東京都立大学と名古屋大学による研究成果が掲載されました。この研究発表について東京都立大学から発表されたプレスリリースでは「本研究の結果は、梅雨前線の雨の降り方が変化していることを示唆しています。今後も降雨観測衛星による継続的なモニタリングが重要です。さらに、梅雨前線の雨の降り方の変化に対応した防災対策が必要であると考えられます。」とされています。本研究は、JAXA共同研究(第2回地球観測研究公募; EO-RA2)で実施されました。そこで本稿では、この東京都立大学と名古屋大学による最新の研究成果に加え、使われたJAXAの衛星搭載降水レーダによる降水観測について紹介します。

図1. TRMMとGPMの衛星降水レーダ観測による、1998年〜2008年と2009年〜2019年の各11年平均の降水頻度の差。単位は%。緑色(オレンジ色)は、降水活動が活発化(不活発化)していることを示す。図中の黒丸(灰色の丸)は、平均値の差が有意水準95%(90%)で統計的に有意であることを示す。(東京都立大学の発表資料引用に加筆)

2021年7月19日更新
研究提案募集(RFP):革新的将来宇宙輸送プログラム共創体制 in 宇宙探査イノベーションハブ第7回研究提案募集

宇宙へ人や物を運ぶ宇宙輸送システムの敷居を下げていくため、国と民間が協力した宇宙輸送費の抜本的な低コスト化の取り組みにより、革新的な宇宙輸送システムの実現を目指すロードマップを文部科学省が策定しました。

このロードマップでは、地上産業用の部品活用や新技術採用による革新を目的に非宇宙分野の企業とオープンイノベーションの共創体制を構築し、大幅な低コスト化を実現した宇宙輸送システムの実現を目指しております。

宇宙への輸送費が高くなっている要因の一つとして、宇宙用として特殊仕様の製品を開発し、受注生産に近い少量の製品を利用している点があります。これまでの基幹ロケット開発でも民生の製品を活用する取り組みを行ってきましたが、世界の宇宙輸送システムと比べると、まだ特殊仕様の製品が多く活用されている状況にあります。そこで、本プログラムでは、非宇宙含めた革新的な技術/部品を広く募集しこれまでの宇宙用と比較して安く製品化する活動を追加しました。地上市場とのDual Utilizationを考慮することにより、全体での出荷数を確保して、宇宙用としては安い価格の製品利用を推進したいと考えております。

非宇宙含めた革新的な技術を広く募集するため、民間企業・研究機関・大学の方々から広く情報提供を行って頂き、その情報を基に共同研究テーマを設定しました。今回は、非宇宙の方々も含め幅広い方々を対象とし、応募頂いた中から選定を行います。なお、共同研究の成果は地上産業/市場への活用を促進するため、知的財産に関しての配慮もしております。本オープンイノベーションでは、スピード感のある開発体制となる様に、参加者のモチベーションを重視したく、地上市場/民間宇宙市場に技術を供給する際の課題と共有化を図るJAXAの探査ハブの考え方を採用しました。

募集する研究テーマは、現状の革新的将来宇宙輸送システムに関して情報提供要請(RFI)した結果を参考に、リファレンスシステムの実現に向けた課題を設定しました。今回のRFP募集にあたり、JAXAの要求に合わせるだけでなく、是非、個々の企業・大学の方が抱えている地上産業・市場への解決も合わせて考えて頂き、宇宙と地上双方に活用の方向性のある研究提案をして頂ければ幸いです。

★将来輸送のロードマップについて、文科省主体に協議を進めてきました。当該事業の詳細については、下記ウェブサイトをご参照ください。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/024/index.html 外部リンク

★革新的将来宇宙輸送プログラム情報提供要請(RFI):
https://www.kenkai.jaxa.jp/pickup/rfi-2021.html

★ JAXA宇宙探査イノベーションハブ:
https://www.ihub-tansa.jaxa.jp/

2021年7月15日更新
世界の気象リアルタイムNEXRAと「しずく」衛星による梅雨前線に伴う大雨解析結果

6月下旬から7月上旬にかけて日本各地で梅雨前線に伴う大雨が観測され、この大雨により日本各地で災害が発生し、多数の被害者・犠牲者が出ました。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。本報告では、この期間の梅雨前線とそれに伴う大雨の特徴をJAXAにおける気象解析データを用いて解説します。

6月下旬から7月上旬にかけての梅雨前線に伴う大雨を、JAXAで2018年11月より公開している「世界の気象リアルタイムNEXRA」のデータを用いて解析した結果をお知らせします。2020年にJAXAはJSS2(JAXA Supercomputer System Generation 2)に代わる新たなスーパーコンピュータシステムであるJSS3(JAXA Supercomputer System Generation 3)を稼働しました。

2021年7月1日から10日までの高解像度NEXRAにより示された梅雨前線の変化。

図1. 2021年7月1日から10日までの高解像度NEXRAにより示された梅雨前線の変化。各初期値から24時間後の予測実験の結果を示す。矢印は高度10mの風(m/s)、色は積算水蒸気量(kg/m2)、赤で示す領域は雨量が10 mm/hour以上の領域。

2021年7月9日更新
TE-Japanによる東海・関東南部の土壌水分モニタリング

2021年7月1日~5日頃にかけて、活発化した梅雨前線が日本列島付近に停滞し、東海・関東南部を中心に甚大な被害が発生しました。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。

JAXAでは、全球降水観測計画(GPM)主衛星や衛星全球降水マップ(GSMaP)など、宇宙から雨の状況を観測しているデータを用いて解析を実施し、速報記事として「活発化した梅雨前線に伴って東海・関東南部で発生した大雨の観測」として掲載いたしました。

Today’s Earth ? Japan(TE-Japan)とは?

今回の大雨は、7月3日午前に静岡県熱海市で土石流発生を引き起こすなど、大きな被害をもたらしました。こうした土砂災害が起こる主な要因の一つとして、災害の前から土壌中に多量の水分が蓄えられていたことが推測されます。
JAXAでは、陸上の水循環をより詳細に把握するために、陸域水循環シミュレーションシステム「Today’s Earth - Japan(TE-Japan)」を東京大学と共同で開発・運用しています。TE-Japanででは、降雨によってもたらされた水が、陸上のどこにどの程度集まるのかを推定することができ、河川流量や地上からの蒸発散量、土壌中の水分量など、陸上の水に関わる多くの物理量の現況をどなたでもウェブページ経由で閲覧することが可能です。
また、同システムに気象庁の気象予報データを入力することで、およそ30時間後までの予測シミュレーションを定常的に行うことも可能となっています※1。予測精度に関しては、顕著な災害事例を中心に評価を行っており、関東を中心に広い範囲で被害が出た2019年台風19号の事例では高い精度を確認し、東京大学と合同でプレスリリースを行いました

TE-Japanが推定した7月初旬の大雨による土壌水分量の変化

TE-Japanは、日本全土について約1kmの空間解像度で1時間毎に計算しており、地面の下方向にも図1左に示すように、土壌の各層(計6層)について土壌水分量を推定することが可能となっています。JAXAではこのデータを用いて、今回の災害が発生する前にこれらの地域で土壌水分量がどのような状況であったのかを解析しました。
図1右は、2021年6月28日から7月3日にかけてTE-Japanが推定した日本全土の土壌水分量の平年値※2からの偏差※3を示した図です。7月に入った時点で、太平洋側ではそれまでの長雨により土壌が平年に比べかなり湿った状態にあったことが分かります。

(左)TE-Japanが表現する陸上での水収支のイメージと土壌の各層の厚さ
TE-Japanが推定した土壌第2層における土壌水分量の平年からの偏差(世界標準時6月28日~7月3日)

図1.(左)TE-Japanが表現する陸上での水収支のイメージと土壌の各層の厚さ
(右)TE-Japanが推定した土壌第2層における土壌水分量の平年からの偏差(世界標準時6月28日~7月3日)

※1:気象業務法により、予測情報は共同研究機関にのみ公開しています。

※2:TE-Japanが推定した土壌水分量の2007年から2020年までの平均値。

※3:各時刻で推定された土壌水分量から平年値を引き、2007年から2020年までの分散で除した値。おおよそ0に近いと平年通り、1~3で平年に比べやや多い、3以上で平年に比べ非常に多い土壌水分が推定されていたことを示す。

2021年7月5日更新
活発化した梅雨前線に伴って東海・関東南部で発生した大雨の観測

2021年7月5日現在、活発化した梅雨前線が日本列島付近に停滞し、東海・関東南部を中心に甚大な被害が発生しています。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。

JAXAでは、降水状況の把握に関する情報提供の観点から、全球降水観測計画(GPM)主衛星や衛星全球降水マップ(GSMaP)など、宇宙から雨の状況を観測しているデータを用いて解析を実施いたしました。

図1は衛星全球降水マップ(GSMaP)による7月1日~3日(世界標準時)の平均降水量(図1左)と、過去21年分のGSMaPの統計から算出した2021年7月1日~3日の豪雨指標(図1右)の分布を示しています。6月末に日本南海上にあった梅雨前線は7月に入ってから北上し、太平洋側を中心に大雨となりました。図1左に示した衛星による降水情報では、土砂災害などの被害が報告されている東海・関東南部を中心に3日間の平均で50 mm/dayを超える大雨が続いていたことがわかります。
図1右には、過去21年間のGSMaP統計値から算出した2021年7月1日~3日の豪雨指標を示しており、濃いピンクの領域が、2021年の7月1日~3日(世界標準時)が過去21年分の7月1日~7月3日(世界標準時)の平均雨量と比較して、どの程度極端に雨が多い事例であったか示しており、東海・関東を中心に強い豪雨傾向が捉えられています。

衛星全球降水マップ(GSMaP)

図1. 2021年7月1日~3日(世界標準時)の衛星全球降水マップ(GSMaP)による
平均日降水量 [mm/day](左)と豪雨指数(90, 95, 99パーセンタイル値)(右)
濃いピンクは、過去21年の7月1日~3日の平均降水量のうち上位1%の降水強度
(99パーセンタイル値)以上に相当する降水があった領域を示しています。

2021年4月2日更新
地球が見える 2021年 スエズ運河座礁船と船舶渋滞を観測(続報:3月31日観測を追加)(続報:4月6日及び4月9日観測を追加)

スエズ運河では2021年3月23日午前7時40分(現地時間、標準時では5時40分)頃に大型コンテナ運搬船の座礁事故が発生し、船舶が通航できずに渋滞する状況が続いていましたが、現地時間29日夕方に座礁船の離礁が成功し、通航が再開しました。
一時は422隻の船舶が運航を待つ状態で足止めされていましたが、4月4日の報道等によると、4月3日にその全てが運河を通過したとのことです。ただ、その後も運河の入口に到着した船も多く、完全な渋滞解消には時間がかかるようです。
JAXAでは陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)によるスエズ運河の観測を3月26日、3月31日、4月6日、4月9日に行い、座礁船と渋滞船舶の様子を確認しました。
事故当日は砂嵐があったとの報道がありましたが、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)観測によるエアロゾル(砂塵)についても紹介します。

3月26日 10時23分(標準時)の「だいち2号」搭載の合成開口レーダ(PALSAR-2)画像。a) スエズ運河付近、b) a)座礁船付近を拡大したもの。

3月26日10時23分(標準時)にだいち2号に搭載された合成開口レーダ(PALSAR-2)で観測した、座礁したコンテナ運搬船付近の画像を示します。この座礁船は全長400mあり、運河の幅よりも長いため、完全に運河を塞いでいることがわかります。座礁船の周りには、タグボート等と思われる船舶も見ることができます。

2021年3月16日更新
地球が見える 2021年 今後の防災活動について

2011年3月の東日本大震以降、2016年4月の熊本地震災害、2018年7月の7月豪雨災害、2019年10月の東日本台風災害や令和2年7月の令和2年7月豪雨災害等の大規模災害など、数多くの大規模災害に見舞われました。
JAXAでは、防災関係機関からの要請に基づき、陸域観測技術衛星2号機(ALOS-2, 以下「だいち2号」という)による緊急観測を実施し、観測データより得られた被災情報の提供を行なってきました。
これからは、「だいち2号」だけでなく、打上げ予定の「だいち3号」や「だいち4号」、海外宇宙機関への支援要請や提供される観測データの管理・解析など、防災機関へより多くの情報を迅速かつ効率的に提供することで、防災活動の支援を強化していきます。また、発災後の対応だけでなく、人工衛星の降雨情報やそこから得られた災害予測情報を求め、発災前からの準備により災害時の対応をより効率的な運用とすることで減災の実現を目指していきます。
ここでは、人工衛星による防災関係のシステムや、防災に活用される地球観測衛星について紹介します。

防災IFのシステム概要図

防災IFのシステム概要図

2021年3月12日更新
地球が見える 2021年 東日本大震災後の人工衛星の防災活用について

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、宇宙航空研究開発機構(以降、「JAXA」)は、多くの人工衛星による被災地域の観測やその観測画像より求められた推定被害地図などの情報を、自治体をはじめとする関係機関へ複数チャンネルを通して提供し災害対応の支援を行いました。以降、2014年5月に陸域観測技術衛星2号機「だいち2号」(以降、「だいち2号」)が打ち上げられ、この人工衛星の目的の一つである防災利用として災害発生時に多くに活用されています。ここでは、東日本大震災以降のJAXAにおける人工衛星による防災利用実証活動および今後の取組みについて紹介します。

図1. 「だいち2号」による国内・国外の緊急観測対応

図1. 「だいち2号」による国内・国外の緊急観測対応
(緊急観測対応数は、同じ災害で複数の緊急観測要請があっても1カウントとしています)

2021年3月10日更新
地球が見える 2021年 震災から10年を迎えて ~宇宙から見た復興状況~

前回掲載の「東日本大震災-JAXA地球観測の記録」では震災当時、JAXAの災害対応現場ではどのような活動を行っていたか、またその後の防災活動に関する取組みの概要などをまとめました。今回は、震災から10年を迎える機会に、地球観測衛星データの解析結果から見る復興・復旧の様子をご紹介します。

図1. 解析対象地域

2021年3月10日更新
地球が見える 2021年 東日本大震災-JAXA地球観測の記録

2021年3月11日、東日本大震災から10年を迎えます。改めて、東日本大震災の被害を受けられた地域の皆様に、謹んでお見舞い申しあげます。震災当時の地球観測、災害観測の現場を改めて記録に残すべく、振り返ってみたいと思います。本日から連載で、当時の記録や宇宙から見た復興10年間の様子、10年間のJAXAの防災の取り組みについてご紹介していきます。

図1. 「だいち」が観測した震災前(右)と後(左)の東北地方の沿岸の様子(紺色に変化した部分は津波で浸水した地域。植物のある部分は赤で示されています。津波により海に流出したと思われる漂流物も確認できます)

図1. 「だいち」が観測した震災前(右)と後(左)の東北地方の沿岸の様子
(紺色に変化した部分は津波で浸水した地域。植物のある部分は赤で示されています。津波により海に流出したと思われる漂流物も確認できます)

2021年3月4日更新
GSMaPが台風委員会の地域の洪水予測に大きく貢献し「キンタナール賞」を受賞!

水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)、国際建設技術協会(IDI)とJAXAのジョイントチームが「キンタナール賞」を受賞しました。

キンタナール賞とは、国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)と世界気象機関(WMO)の下に、台風による被害を軽減するべく設立された政府間組織である「台風委員会(Typhoon Committee)」の活動に大きく貢献した機関を対象に、年1回授与されます。

JAXAは、衛星全球降水マップ(GSMaP)※を開発・提供しており、このGSMaPが台風委員会の地域の洪水予測に大きく貢献しました。「キンタナール賞」の受賞は、気象庁を除く、日本の機関としては初となります。

受賞スピーチを行うICHARM小池センター長

2021年2月23~25日に日本の主催によりオンラインで開催された
台風委員会第53回総会にて受賞スピーチを行うICHARM小池センター長

衛星全球降水マップGSMaP

2020年10月14日更新
「革新的衛星技術実証ワークショップ2020」オンライン開催決定

2019年1月に打ち上げられた「革新的衛星技術実証1号機」の成果と革新的衛星技術実証プログラムの今後についてご紹介するワークショップをオンラインにて開催いたします。
どうぞ奮ってご参加ください!
(ご参加方法等詳細は後日、本ホームページにてお知らせいたします。)

※2020年3月に新型コロナウイルス感染症拡大予防のため中止とさせていただいた、「革新的衛星技術実証ワークショップ2020」を改めてオンラインで開催させていただくものです。

開催日時: 2020年11月5日(木)14時00分~17時40分
       6日(金)14時00分~16時50分
開催方法: オンライン開催(参加登録制)
参加方法: 参加希望の方は参加登録が必要です。
登録はこちらから
参加費 無料

2020年10月7日更新
先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)のミッションマークを選ぼうキャンペーン結果報告

この度はたくさんのご応募、誠にありがとうございました。
本年6月から7月にかけて実施しました"「だいち3号」のミッションマークを選ぼう"キャンペーンにつきまして、結果を発表させていただきます。
併せて「だいち3号」のキャッチフレーズが決まりましたことをお知らせします。

キャッチフレーズは“地球を見守る「だいち」の目”に決定いたしました。

2020年9月23日更新
衛星から台風通過時の海面水温低下を測る

2020年(令和2年)8月下旬から9月上旬にかけて、立て続けに日本に接近した3つの台風、台風8号「BAVI」、台風9号「MAYSAK」、大型の台風10号「HAISHEN」について、これらの台風が通過した際に海面水温がどう変化していったのか、JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)搭載の高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)による観測や、最新の海洋モデルの出力を中心にご紹介します。

「しずく」AMSR2の海面水温(該当日を含む過去5日間の最小値)の2020年8月10日~9月10日の動画

2020年8月28日更新
モーリシャス沿岸における油流出事故を受けた「だいち2号」の観測協力

モーリシャス共和国沿岸で座礁した貨物船「WAKASHIO」による油流出事故(日本時間2020年7月26日に座礁、8月6日に燃料油が流出)に対し、日本の国際緊急援助隊・専門家チームが派遣され、油防除作業、環境分野の支援活動等が行われています。
この活動への協力のため、JAXAは陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)でのモーリシャス沖の緊急観測を実施し、国際緊急援助隊・専門家チームに参加している海上保安庁への観測データ(画像)提供及び技術支援を行っています。「だいち2号」観測データは海上保安庁において解析され、国際緊急援助隊・専門家チーム(一次隊)により利用されました。現在活動中の二次隊に向け引き続き「だいち2号」の観測データを提供しています。

8月14日 00:37(現地時間)、オフナディア角36.6° 高分解能モード(分解能10m)
暗い(黒い)エリアが油の流出範囲とみられる。

2020年7月10日更新
九州に大雨をもたらした梅雨前線に伴う降水の時間変化や水蒸気量の観測

2020年7月9日現在、活発化した梅雨前線が九州付近に停滞し、九州地方を中心に甚大な被害が発生しています。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。

JAXAでは、降水状況の把握に関する情報提供の観点から、衛星全球降水マップ(GSMaP)水循環変動観測衛星「しずく」など、宇宙から雨や水蒸気を観測しているデータを用いて解析を実施いたしました。

下図は、水循環変動観測衛星「しずく」GCOM-Wに搭載されている高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)によって観測された7月2日~7日(日本時間)の水蒸気量(鉛直方向に積算した値)の平均値を示しています。この期間中の梅雨前線周辺、特に九州南西側の東シナ海を中心に、水蒸気量が非常に多い状況であったことがわかり、海上からの湿った空気が線状降水帯による持続的な豪雨につながった一因である可能性が示唆されます。

水循環変動観測衛星「しずく」による2020年7月2日~7日(日本時間)の水蒸気量(鉛直方向に積算した値)[kg/m2]

水循環変動観測衛星「しずく」による2020年7月2日~7日(日本時間)の水蒸気量
(鉛直方向に積算した値)[kg/m2]
©JAXA EORC

2020年7月8日更新
活発化した梅雨前線に伴って発生した九州地方の線状降水帯の観測

2020年7月6日現在、活発化した梅雨前線が九州付近に停滞し、九州地方を中心に甚大な被害が発生しています。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。
JAXAでは、降水状況の把握に関する情報提供の観点から、全球降水観測計画(GPM)主衛星衛星全球降水マップ(GSMaP)など、宇宙から雨の状況を観測しているデータを用いて解析を実施いたしました。

図1は衛星全球降水マップ(GSMaP)による7月5日の日降水量の分布を示しています。梅雨前線に伴う降水帯が東西に長くのびている様子が確認できます。特に九州周辺では、250mmを超える降水量が宇宙からも捉えられています。

図1:2020年7月5日(日本時間)の衛星全球降水マップ(GSMaP)による日降水量の分布
©JAXA EORC

2020年7月8日更新
「だいち2号」による2020年7月九州南部の豪雨の緊急観測結果について

梅雨前線の活動の活発化と小さい低気圧の通過にともない、2020年7月3日から続いた豪雨によって、熊本県を中心に河川の氾濫や土砂災害の被害が発生しました。JAXAでは国土交通省からの要請に基づき、7月4日13時13分頃および7月5日0時4分頃(いずれも日本時間)に「だいち2号」(ALOS-2)搭載のLバンド合成開口レーダ「パルサー2」(PALSAR-2)による緊急観測を実施し、国土交通省などの防災関係機関等にデータを提供しました。図1に今回のPALSAR-2による観測範囲を示します。

図1:「だいち2号」PALSAR-2の観測範囲
(黒:2020年7月4日13時13分頃、青:2020年7月5日0時4分頃)
©JAXA EORC

2020年3月9日更新
衛星雨データから見る世界の豪雨や干ばつ~「世界の雨分布統計」ウェブサイトの公開~

JAXAでは、全球降水観測(GPM)計画の下、GPM主衛星に搭載された二周波降水レーダ(DPR)と、複数の衛星を組み合わせて作成した衛星全球降水マップ(GSMaP)により、宇宙から世界の雨を観測しています。
この度、豪雨や干ばつなどの降水変動監視のための新しいGSMaPウェブサイト「JAXA世界の雨分布統計」を公開しました(図1)。このウェブサイトでは「1日・5日・7日・10日・月」単位の積算降水量や、豪雨指数(パーセンタイル値*)、干ばつ指数(SPI値**)を表示できるため、世界の豪雨や干ばつを容易にモニタリングすることができます。2000年4月から現在までのデータが閲覧可能です。

「世界の雨分布統計」ウェブサイトの画面イメージ(2020年2月の月降水量)

図1.「世界の雨分布統計」ウェブサイトの画面イメージ(2020年2月の月降水量)

2020年3月5日更新
進路予測が難しかった2019年台風10号

2019年は、台風15号が房総半島を中心に暴風による被害をもたらし、また、台風19号が東日本や東北地方を中心に大雨などによる被害をもたらすなど、台風が日常生活に大きな被害をもたらした年でした。台風10号は、日本上陸に伴い、日本の各地で災害が発生し、死者2名、負傷者56名の大きな人的被害がありましたが、台風進路の予測が難しい台風でした。

この台風10号を対象に、JAXAが東京大学及び理化学研究所と共同で開発した、衛星データと気象モデルを融合するシステム「NICAM-LETKF JAXA Research Analysis (NEXRA)」のデータを使用し、台風進路に影響を与える要素についての解析を行った結果をご紹介します。

JAXA/EORC台風データーベースで提供している2019年台風10号の経路図

図1 JAXA/EORC台風データーベースで提供している2019年台風10号の経路図。

2020年2月12日更新
「革新的衛星技術実証ワークショップ2020」開催のお知らせ

「革新的衛星技術実証ワークショップ2020」開催のお知らせ

「革新的衛星技術実証ワークショップ2020」中止のお知らせ

2020年3月5日に開催を予定しておりました革新的衛星技術実証ワークショップ2020は、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため中止とさせていただきます。
改めての開催につきましては、今後の状況をみて検討いたします。
参加お申し込みいただきました皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
[詳細はこちら]

2019年1月の革新的衛星技術実証1号機打上げから約1年。
1号機の成果と、革新的衛星技術実証プログラムの今後についてご紹介するワークショップを開催いたします。
ぜひ奮ってご参加ください。

日時: 2020年3月5日(木)10:00~17:45
会場: 秋葉原UDXギャラリー 4F Type-E

2020年2月3日更新
パリ協定実現に向けた温室効果ガスの長期観測継続へ ~「いぶき2号」による二酸化炭素分布の初解析~

温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」による全球温室効果ガス濃度分布の解析結果が得られました。「いぶき2号」により、2009年以降世界で唯一11年を超えて宇宙から温室効果ガス観測を継続している「いぶき」ミッションを継承し、パリ協定実現に不可欠な温室効果ガスの長期的な変動モニタができるようになりました。
※「いぶき2号」:2018年打上げ。環境省、国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)、JAXAによる3者共同プロジェクト

「いぶき2号」のデータを用いた全球の二酸化炭素、一酸化炭素、メタン濃度の解析結果をご紹介します。

「いぶき」「いぶき2号」が観測した全球二酸化炭素濃度(2019年9月)

「いぶき」「いぶき2号」が観測した全球二酸化炭素濃度(2019年9月)

2020年1月31日更新
宇宙から見たオーストラリアの大規模森林火災

2019年9月頃にオーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州を中心に多発した森林火災は、次第に規模を拡大し、複数の場所で発生した森林火災が合流して制御不能となる「メガ火災(Mega Fire)」も発生するなど、2020年1月末の段階でも終息の目途が立たない状況となっています。

複数の衛星データを用いて、今回の森林火災を多角的に解析した結果を紹介します。

(左)2019年12月の1か月間のGSMaP降水量から計算したオーストラリアのSPI、(右)同様に2019年10-12月の3か月間の降水量から計算したSPI。SPIの値と干ばつの規模、現象の頻度の関係は、WMO (2012)で整理されており、SPIが「-1.5以下で-2.0より大きい」値を取る場合は、概ね「20年に1回」の著しく乾燥した(雨の少ない)状態、SPIが-2.0未満の場合は、現象の頻度が「50年に1回以下」の極端な乾燥に該当し、社会的影響が非常に大きい干ばつが発生する恐れのあることを示す。

2019年12月6日更新
フィリピンに被害をもたらした台風Kammuriの発達した"雨雲の塔"

JAXAでは、全球降水観測(GPM)計画の下、GPM主衛星に搭載された二周波降水レーダ(DPR)と、複数の衛星を組み合わせて作成した衛星全球降水マップ(GSMaP)により、宇宙から世界の雨を観測しています。今回は、2019年12月にフィリピンに被害をもたらした台風Kammuri(カンムリ)の衛星降水観測事例を報告します。フィリピンのマニラ観測所(Manila Observatory)では、台風Kammuriに関するレポートを公開しており、JAXAのGSMaPデータも情報源の一つとして役立てられています(図1)。

図1. Manila Observatoryによるレポートの抜粋
©JAXA/EORC

2019年10月2日更新
第3回「インフラメンテナンス大賞」の受賞者を決定!~優れた取組や技術開発を表彰~

第3回「インフラメンテナンス大賞」の受賞者を決定!~優れた取組や技術開発を表彰~

だいち2号の合成開口レーダによるインフラ変位モニタリングが、第3回「インフラメンテナンス大賞」を受賞しました。詳細は 国土交通省 のホームページをご参照ください。

※日本国内のインフラメンテ ナンスに係る優れた効果・実績を挙げた取組や技術開発を行った者 (個人及び施設管理者・企業・団体等の活動グループ)を対象に表彰。国土交通省・総務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・防衛省の主催。



2019年9月4日更新
2019年8月ブラジル・アマゾンの林野火災に関する衛星観測

2019年8月ブラジル・アマゾンの林野火災に関する衛星観測

南米ブラジルのアマゾン周辺における森林や農地において、2019年8月から大規模な林野火災が発生しており、その後も被害が拡大しています。 本稿ではこの林野火災に関するJAXAの地球観測衛星による観測結果の一例をご紹介します。 それぞれの衛星の特徴を生かし、「しきさい」(GCOM-C)では火災地点や煙の検知、「だいち2号」(ALOS-2)では森林面積の変化の監視、「いぶき」(GOSAT)では火災からの煙の検知を行うことができます。

2019年9月4日更新
人工衛星「つばめ」が九州新幹線「つばめ」を撮影

人工衛星「つばめ」が九州新幹線「つばめ」を撮影

「JR九州と宇宙航空研究開発機構(JAXA)コラボ企画」について、8月29日(木)に実施した人工衛星「つばめ」による九州新幹線「つばめ」の撮像は、無事成功いたしました!
九州では雨の日が続く中、雲と雲の一瞬の隙間から奇跡的に撮影できたものです。

JR九州サイトもご覧ください。

サテナビサイトに拡大画像が掲載されています。

2019年7月25日更新
記録的な日照不足が続いた今年の関東地方(地球が見える2019年)

今年の7月は本格的な梅雨空が続いたため、関東地方を中心に記録的な日照不足になっており、野菜などの農作物への影響が懸念されています。気候変動観測衛星「しきさい」および気象衛星「ひまわり8号」による観測データからも、昨年に比べて今年の日射量が少なくなっている様子が分かりました。

図1は、「しきさい」による2018年(左)と2019年(右)の7月上旬(1日から10日までの10日間)で平均した日本周辺域の光合成有効放射(地表に到達する日射の内、植物の光合成に使われる波長域を積算したもの。単位Ein/m2/day)の空間分布を示しています。今年の関東周辺の光合成有効放射は、去年と比べて半分程度に小さくなっていることが分かります。

図1 気候変動観測衛星「しきさい」による2018年(左)と2019年(右)の7月上旬(1日から10日までの10日間)平均の光合成有効放射(単位Ein/m2/day)。

図1 気候変動観測衛星「しきさい」による2018年(左)と2019年(右)の7月上旬(1日から10日までの10日間)平均の光合成有効放射(単位Ein/m2/day)。

2019年7月12日更新
グリーンランド 初夏の大融解(地球が見える2019年)

気候変動観測衛星しきさいや水循環変動観測衛星しずくを統合したグリーンランド氷床の融解域モニタから、2019年6月の氷床の融解面積が直近の数年間において最も拡大していたことが確認されました。以下では特徴的な領域の事例と共に、北極域に位置するグリーンランドの初夏の大融解を紹介します。

今年6月、北極域グリーンランド北西部にあるカナック村を取り囲むフィヨルドで撮影された写真が、デンマーク気象協会の研究者によって公開され話題となりました。まるで海の上を犬橇が駆けているように見えますが、実はこの水面のすぐ下には海氷があり、氷の上を橇が走っているのです。極域や高緯度の海域に存在する海氷は夏になると表面が融解し、氷の上に水たまりを形成します。このような海氷上の水たまりをメルトポンドと呼びます。この地域では例年7月頃には海氷が融解しますが、今年は少し早い時期にフィヨルドを覆っている海氷の表面が広範囲で融解したことで、大規模なメルトポンドが形成されたようです。このようなカナック周辺のフィヨルドにおける大規模なメルトポンドの形成は、宇宙からもその姿が捉えられていました。

左:気候変動観測衛星しきさい(GCOM-C/SGLI)が撮影したグリーンランド氷床全体のトゥルーカラー画像*1。図中赤枠が右図の領域。
右:Sentinel-2/OLIが2019年6月17日に撮影したトゥルーカラー画像*2
*1 赤、緑、青にSGLIのVN8(673.5 nm)、VN5(530 nm)、VN3(443 nm)を使用
*2 赤、緑、青にOLIのBand 4(665 nm)、Band 3(560 nm)、Band 2(490 nm)を使用


2019年7月1日更新
世界中の雨の分布がリアルタイムでわかります!

JAXAでは、複数の衛星の観測データを利用し、世界の雨分布情報(GSMaP)を提供しています。2015年11月から、即時性の高い日本の静止気象衛星「ひまわり」のデータを活用することで、ひまわり領域における実時間の降雨分布を提供するJAXA世界の雨分布リアルタイム(GSMaP_NOW)を開発し公開しています。即時性の高い雨分布の画像やデータは、アジア太平洋地域での降水の現況把握に広く活用されています。2018年11月からは、ひまわり観測領域に加えて、欧州の静止気象衛星「Meteosat」観測領域まで対象領域を拡張しました。

この度、アメリカの静止気象衛星「GOES」データを追加することで、JAXA世界の雨分布リアルタイム(GSMaP_NOW)のデータ領域を全球に拡張しました。これにより、発達中の熱帯低気圧や台風・サイクロンなどの世界中の雨の様子をリアルタイムにウェブ上で閲覧できるようになりました。

図:GSMaP_NOWの領域の拡張。

2019年6月14日更新
命名「ALOS氷丘」-衛星観測による極域科学研究への貢献-

英国政府は、英国の南極地名委員会の提案を受け、南極半島の一連の氷河(氷流や氷丘)について、それらの氷河を観測し、極域科学研究に重要なデータを提供してきたヨーロッパ、アメリカ、日本の地球観測衛星にちなんだ名前を付けたことを発表しました。 氷河のひとつには、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の観測による貢献から、「Alos Ice Rumples」(ALOS氷丘)と命名されました。

今回、氷河の命名に付けられた地球観測衛星は、ヨーロッパのERS、ENVISAT、Cryosat、Sentinel、ドイツとアメリカの共同ミッションであるGRACE、アメリカのLandsatと日本のALOSです。

図:命名された氷河名(出典:A.E. Hogg/CPOM)



2019年6月5日更新
EORC久保田拓志 主任研究開発員が、日本気象学会 岸保・立平賞を受賞

EORC久保田拓志 主任研究開発員が、日本気象学会 岸保・立平賞を受賞

JAXA第一宇宙技術部門 地球観測研究センター(EORC)の 久保田拓志 主任研究開発員が、気象庁気象研究所気象観測研究部 青梨和正 部長と共同で、2019年度日本気象学会 岸保・立平賞「衛星観測による全球降水マップの開発と社会での実利用推進に関わる功績」を受賞しました。

受賞の理由となった衛星全球降水マップ(GSMaP)は、準リアルタイムで配信する高精度高分解能の降水データです。
全球降水観測計画(GPM)主衛星を中心として、JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」等の複数台のマイクロ波放射計データと気象庁のひまわり8号等の静止気象衛星データを組み合わせて作成します。2007年11月に「JAXA世界の雨分布速報」としてホームページを公開後、利用ユーザは世界121カ国に広がり、降水監視・洪水予測・干ばつ監視・農業等の様々な分野でGSMaPの利用が進んでいます。

日本気象学会で行っている顕彰事業の表彰を現役のJAXA職員が受賞することは、旧宇宙開発事業団(NASDA)等の旧3機関を通じて、これが初めてとなります。

2019年4月26日更新
「つばめ」が見つめる春の東京(地球が見える 2019年)

2019年4月2日から5月10日にかけて、超低高度衛星技術試験機「つばめ」は、イオンエンジンを用いて高度271.5kmを維持しながら光学センサSHIROPを用いて連日16時半ごろに、東京都心部の観測をしています。

麹町から新宿御苑近辺の画像(2019/4/5 16:21撮影)

2019年4月10日更新
日本気象協会天気予報専門メディア「tenki.jp」における衛星全球降水マップ(GSMaP)実況・予報情報の公開

日本気象協会天気予報専門メディア「tenki.jp」における衛星全球降水マップ(GSMaP)実況・予報情報の公開

JAXAは日本気象協会と協力して、GSMaPを用いた予報情報の提供に向けて開発を行って参りました。2019年4月10日より、GSMaPによる降水実況および予報情報が、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp(てんきじぇーぴー)」にて、「tenki.jp×JAXA 世界の雨雲の動き」と題した新サービスとして、提供が開始されました。tenki.jpはWebサイト・アプリを含めた年間ページビュー数は約40億PV、PC・スマートフォン向けWebサイトの月間最大ページビューは約4.2億PV(2018年9月)等、非常に利用者の多い天気予報専門メディアです。

2019年4月5日更新
「しきさい」がとらえた「春が来た」を掲載しました(地球が見える2019年)

先週末から関東でも桜の開花が一気に進み、三寒四温の春らしい陽気となってきました。 今回は2017年12月に打ち上げられた気候変動観測衛星「しきさい」で観測された、春を感じる画像をいくつか紹介します。

「しきさい」で観測された日本周辺のカラー画像(左:2019年1月3日、右:2019年3月20日)。
人の目で見た色に近くなるように赤(VN08: 673.5nm)/緑(VN05: 530nm)/青(VN03: 443nm)のチャンネルの観測データをR/G/Bに割り当てた。

2019年3月25日更新
衛星全球降水マップ(GSMaP)の海外における農業分野での利活用

衛星全球降水マップ(GSMaP)の海外における農業分野での利活用

JAXAでは、全球降水観測計画(GPM)において、GPM主衛星や水循環変動観測衛星「しずく」など複数の人工衛星データを用いて、「衛星全球降水マップ(GSMaP)」という世界の降水分布データを作成して提供しています。

GSMaPは、これまで気象・防災分野での利用事例が多くありますが、近年は、農業分野においても、作物の生育判断に重要な基本情報としてGSMaPによる降水データの利用が拡がっています。農産物の干ばつ被害のリスク軽減にはさまざまな対策方法がありますが、GSMaPデータが実際に民間企業で利用され、社会実装されている例として「天候インデックス保険」があります。

また、JAXAにおいても農業分野でのGSMaP利用を進めており、東南アジア各国の農業省への農業気象情報の提供のため、JASMIN(JAxa's Satellite based MonItoring Network system)というウェブシステムを開発し、インターネットで公開しています。

JASMINの応用事例として、冒頭の説明にあった天候インデックス保険に関連し、その対象となっているタイチェンマイの干ばつの2015年の例を紹介します。

[詳細はこちら]

2019年2月6日更新
気候変動観測衛星「GCOM-C」が捉えたインドシナ半島の大気微粒子

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は、2017年12月23日打上げ後、順調に地球の観測を続けています。「しきさい」搭載の多波長光学放射計(SGLI)は、PM2.5や砂塵などの大気中の微粒子を全球規模で観測することができます。中でも、「しきさい」の特徴の1つである偏光の測定を利用すると、PM2.5のような小さい微粒子を従来よりも捉えやすくなります。
1月29日の10時頃に、「しきさい」が捉えた観測データから、タイの西部・南部からカンボジアやベトナムの南部にかけて、高い偏光輝度が観測されていることがわかります。

図1 1月29日の10時頃(インドシナ時間)に「GCOM-C」が観測した画像(白色部は雲)。
(左)人間の目で見たものに近い画像(右)偏光輝度の観測(陸上のみ)。

2019年1月19日更新
小型実証衛星1号機(RAPIS-1)のクリティカルフェーズを終了し、初期機能確認運用フェーズへ移行!

小型実証衛星1号機(RAPIS-1)のクリティカルフェーズを終了し、初期機能確認運用フェーズへ移行!

平成31(2019)年1月18日9時50分に内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット4号機で打ち上げた小型実証衛星1号機(RAPIS-1)について、軌道に投入後、衛星の運用に必須である太陽電池の電力発生及び地上との通信が正常であることを確認したことからクリティカルフェーズを終了しました。

今後、初期運用フェーズへ移行し、約1ヶ月間をかけ衛星搭載機器の機能確認等を実施する予定です。

2019年1月18日更新
革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ成功!

革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ成功!

2019年1月18日(木)9時50分20秒、内之浦宇宙空間観測所から、革新的衛星技術実証1号機を搭載したイプシロンロケット4号機が打ち上げられました。

イプシロンロケット4号機は正常に飛行し、打上げから約51分55秒後に小型実証衛星1号機を正常に分離したことを確認しました。また、MicroDragon、RISESAT、ALE-1、OrigamiSat-1、Aoba VELOX-IV及びNEXUSの6基もすべて正常に分離し、打上げは無事成功しました。

2019年1月16日更新
革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ日時決定!ライブ中継は18日(金)9:25から!

革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ日時決定!ライブ中継は18日(金)9:25から!

革新的衛星技術実証1号機を搭載したイプシロンロケット4号機の打上げ時刻が、2019年1月18日(金)9時50分20秒(日本標準時)に決定しました。JAXAでは、18日(金)9時25分から、内之浦宇宙空間観測所から打上げの様子をYouTube JAXAチャンネルにてライブ配信する予定です。
ご自宅・外出先からインターネットを通してご覧いただけますので、お見逃しなく!

また、JAXAの事業所や科学館等のパブリックビューイング会場から、多くの方とご一緒にイプシロンロケット4号機の飛翔を応援してください!

放送内容  : 革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機打上げ
ライブ中継 : YouTube・JAXA Channelにて中継予定
https://www.youtube.com/watch?v=KPWAhaAATWc
放送予定日時: 2019年1月18日(金)9時25分~10時50分頃


特設サイトでは、「革新的衛星技術実証1号機」、「イプシロンロケット4号機」のプロジェクトメンバー、ミッションへの応援メッセージを募集しています。ツイッターでもハッシュタグ「#イプシロン応援」でメッセージをお寄せください。熱いメッセージ、お待ちしております!



2019年1月15日更新
革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機の打上げを1月18日(金)に延期

革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機の打上げを1月18日(金)に延期

1月17日(木)に予定していた革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機の打上げは、天候悪化が予想されるため、1月18日(金)(日本時間)に延期することとなりました。ライブ中継も延期となります。

2018年12月10日更新
地球観測衛星による雨及び雹データ等を活用したパナソニック社サイト「Rain Power Graph」が公開されました

地球観測衛星による雨及び雹データ等を活用したパナソニック社サイト「Rain Power Graph」が公開されました

JAXAは、衛星データの民間利用推進を目的に数種類の衛星データを提供し、それらをもとにパナソニック株式会社 エコソリューションズ社の雨とい事業60周年記念サイト「Rain Power Graph」が公開されました。
同サイトでは、全国100地点の「気象に関する5つの指標(降雨量/瞬間降雨量/瞬間最大風速/降雪量/UVインデックス)」を同社が偏差値化し、家が受ける気象の脅威に関する項目の全国偏差値を水滴グラフで確認できる仕様になっており、衛星データを「家」という視点で編集加工して閲覧できるようにした取り組みです。

2018年11月30日更新
イプシロンロケット4号機による革新的衛星技術実証1号機の打上げについて

イプシロンロケット4号機による革新的衛星技術実証1号機の打上げについて

革新的衛星技術実証1号機を搭載したイプシロンロケット4号機の打上げ予定日が平成31年1月17日(木)、打上げ予定時間帯が9時50分20秒~9時59分37秒(日本時間)と発表されました。
イプシロンロケットは、これまで3回の打ち上げを行ってきました。今回の4号機では、JAXAが民間企業や大学などが開発した機器や部品、超小型衛星、キューブサットに宇宙実証の機会を提供する「革新的衛星技術実証プログラム」の1号機として、内之浦宇宙観測所から打ち上げられる予定です。

2018年11月5日更新
国土交通省の大規模津波防災総合訓練で「だいち2号」を利用

国土交通省の大規模津波防災総合訓練で「だいち2号」を利用

平成30年11月3日(土)に三重県四日市市で、国土交通省による平成30年度大規模津波防災総合訓練が行われ、南海トラフ地震による津波災害を想定した状況で「だいち2号」が、津波による浸水状況の把握手段として利用されました。

国土交通省、三重県は、災害時に人工衛星を用いて被害状況を迅速に把握し、その後の災害対策活動に活用することを目的とした協定をそれぞれJAXAと締結しています。

図1 だいち2号が捉える津波浸水
災害前と災害後の観測画像をカラー合成し作成。赤く示される箇所が津波による浸水と推測されます。(訓練用に模擬的に作成)

[詳細はこちら]

2018年11月1日更新
JAXA世界の雨分布リアルタイム(GSMaP_NOW)の領域拡張

JAXAでは、2015年11月より、静止気象衛星ひまわり観測領域において「実時間」の降雨分布を提供する「JAXA世界の雨分布リアルタイム」ウェブサイトおよびそのデータであるGSMaPリアルタイム版(GSMaP_NOW)データを公開しており、2018年9月末で、登録ユーザ約4,200名、114ヶ国と利用が世界中に広がっています。

この度、2018年11月1日より、JAXA世界の雨分布リアルタイム(GSMaP_NOW)の領域を、静止気象衛星ひまわり観測領域に加えて、静止気象衛星「Meteosat」領域まで拡張しました。(図1)

図1. GSMaP_NOWの領域の拡張

2018年10月31日更新
地球が見える2018に、シリーズ「衛星データと数値モデルの融合」(第1回)黄砂やPM2.5など新しい数値モデルデータの公開、を掲載しました

地球が見える2018に、シリーズ「衛星データと数値モデルの融合」(第1回)黄砂やPM2.5など新しい数値モデルデータの公開、を掲載しました

JAXAでは、衛星によって地球の観測を行うことで、さまざまな有用なデータを提供しています。衛星から得られた観測データのみならず、数値モデルとあわせて利用(融合)することで、欠損がなく連続的なデータを作成し、さらに衛星では得られない物理量についても提供することができるようになります。

JAXAは、豊富な観測データを活用して、解析手法の開発やシミュレーションシステムの構築に国内の研究機関と協力して取り組んでいます。

これは、JAXAが地球観測プロジェクトで衛星データの解析技術を蓄積したことと、モデル開発機関がスーパーコンピュータの発達に相まって高分解能のデータを数値モデルに取り込めるようになったシミュレーション技術が飛躍したことの双方により実現しました。

衛星データと数値モデルを融合する最新の研究開発を紹介する3回のシリーズ「衛星データと数値モデルの融合」の第1回として、黄砂やPM2.5に代表される大気中に浮遊する微粒子のシミュレーションをご紹介します。

[詳細はこちら]

2018年10月30日更新
「いぶき2号」(GOSAT-2)のクリティカル運用を終了!初期機能確認運用期間へ移行!

「いぶき2号」(GOSAT-2)のクリティカル運用を終了!初期機能確認運用期間へ移行!

10月30日(火)、JAXAは、温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)から受信したテレメトリにより、衛星の運用に必須である太陽電池パドルの電力発生や地上との通信、及びこれらの維持に必要な姿勢制御系が正常であることを確認しました。
今後、初期機能確認運用期間へ移行し、約3ヶ月半かけて衛星搭載機器が宇宙空間で正しく動作するかを確認します。



2018年10月29日更新
温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)の太陽電池パドルの展開後画像データの公開について

10月29日13時08分00秒(日本標準時)に種子島宇宙センターからH-IIAロケット40号機で打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)の信号を、同日13時26分からオーストラリアのミンゲニュー局で「いぶき2号」の信号を受信し、軌道に投入後、太陽電池パドルの展開が正常に行われ、続いて13時47分に南極のトロール局で受信し、衛星の太陽捕捉制御が正常に行われたことを確認しました。

太陽電池パドル展開後画像
10月29日(月)15時22分(日本標準時)に南極のトロール局で受信した温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)の太陽電池パドル展開後の画像。

※この画像データは、「いぶき2号」と地上局の通信確認のための試験電波により取得されたものです。



2018年10月29日更新
「いぶき2号」/H-IIAロケット40号機、打ち上げ成功!

「いぶき2号」/H-IIAロケット40号機、打ち上げ成功!

10月29日(月)13時08分00秒(日本時間)に、「いぶき2号」(GOSAT-2)及び観測衛星「ハリーファサット(KhalifaSat)」を搭載したH-IIAロケット40号機が、種子島宇宙センターから打ち上げられました。
ロケットは計画どおり飛行し、打ち上げから約16分09秒後に「いぶき2号」を、約24分15秒後に観測衛星「ハリーファサット(KhalifaSat)」を正常に分離したことを確認しました。



2018年10月27日更新
「いぶき2号」(GOSAT-2)/H-IIAロケット40号機打上げの打上げ日時決定!ライブ中継は29日(月)12:30から!

「いぶき2号」(GOSAT-2)/H-IIAロケット40号機打上げの打上げ日時決定!ライブ中継は29日(月)12:30から!

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」(GOSAT-2)を搭載したH-IIAロケット40号機の打上げ時刻が、2018年10月29日(月)13時8分00秒(日本標準時)に決定しました。JAXAでは、29日(月)12時30分から、種子島宇宙センターから打上げの様子をYouTube JAXAチャンネルにてライブ配信する予定です。
ご自宅・外出先からインターネットを通してご覧いただけますので、お見逃しなく!
また、JAXAの事業所や科学館等のパブリックビューイング会場から、多くの方とご一緒にH-IIAロケット40号機の飛翔を応援してください!

放送内容  : 「いぶき2号」(GOSAT-2)/H-IIAロケット40号機打上げ
ライブ中継 : YouTube・JAXA Channelにて中継予定
https://www.youtube.com/watch?v=OAyL0VCf_L4
放送予定日時: 2018年10月29日(月)12時30分~13時35分頃
【JAXA放送番組】
 打上げ30分前~いぶき2号分離まで

2018年10月29日(月)JAXA放送番組終了後~15時00分頃
【三菱重工業株式会社提供番組】
 JAXA放送番組終了後~Khalifasat分離まで



2018年10月25日更新
「しきさい」が捉えた紅葉の様子

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)が捉えた秋深まる日本の紅葉・落葉の様子を紹介します。「しきさい」は可視域において250m解像度のチャンネルを持ち、2日に1回程度の頻度で地表を観測します。森林域における展葉の様子に引き続き、紅葉・落葉の様子も宇宙から識別する事ができました。
「しきさい」は全球スケールで森林や陸域の様子を高頻度で観測します。図1の画像はSGLIで観測したデータに対して大気中の気体分子やエアロゾル粒子による光の散乱・吸収の効果を補正した地表面反射率データから作成した画像です。JAXAではこの大気補正済み地表面反射率データや、植生密度の高低を示す植生指数データなどを2018年12月に公開する予定です。

図は、「しきさい」搭載の多波長光学放射計(SGLI)が2018年10月に観測したデータから作成した北海道から近畿地方にかけてRGB画像です。雲や積雪域は白く見えています。



2018年10月15日更新
GCOM-Cの標準プロダクトのサンプルデータがG-Portalで公開されました

GCOM-Cの標準プロダクトのサンプルデータがG-Portalで公開されました

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は、2017年12月23日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、衛星・センサの初期機能確認を2018年3月までに完了し、プロダクトの校正検証を実施しています。
この度、GCOM-Cの標準プロダクトのサンプルデータが、地球観測衛星データ提供システム(G-Portal)で公開されました。公開されたサンプルデータは、校正検証前のプロダクトのため、物理量の精度等は調整中です。
なお、GCOM-Cのプロダクト提供は、2018年12月頃から開始する予定です。

2018年10月12日更新
「いぶき2号」(GOSAT-2)/H-IIAロケット40号機打上げパブリックビューイング先募集について

「いぶき2号」(GOSAT-2)/H-IIAロケット40号機打上げパブリックビューイング先募集について

JAXAでは、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」(GOSAT-2)を搭載したH-IIAロケット40号機の打上げの模様をYouTube JAXAチャンネルにてライブ配信する予定です。
この打上げのライブ配信の模様を、科学館などの公的機関や企業でパブリックビューイング(PV)していただける機関を募集いたします。
ぜひ、多くの方とご一緒にH-IIAロケット40号機の飛翔を応援してください!

放送内容  : 「いぶき2号」(GOSAT-2)/H-IIAロケット40号機打上げ
ライブ中継 : YouTube・JAXA Channelにて中継予定
放送予定日時: 2018年10月29日(月)12時30分~13時35分頃
【JAXA放送番組】
 打上げ30分前~いぶき2号分離まで

2018年10月29日(月)JAXA放送番組終了後~15時00分頃
【三菱重工業株式会社提供番組】
 JAXA放送番組終了後~Khalifasat分離まで


  • 現時点(10月12日)で、打上げ日時10月29日(月)13時08分~20分の場合として、 打上げ予定時刻の約30~1時間前から、打上げから1時間半後までを放送予定日時としております。

2018年10月2日更新
北極海の海氷面積が9月21日に2018年の最小値を記録(地球が見える 2018年)

北極海の海氷面積が9月21日に2018年の最小値を記録(地球が見える 2018年)

北極海の海氷域が2018年9月21日に最小面積(446万平方キロメートル)を記録しました。北極海の年間最小海氷面積は2000年代まで減少傾向にありましたが、ここ数年はその傾向に歯止めがかかっており、今年は昨年に比べて微減となりました。今年は北極海上で低気圧性の循環が強く、海氷が大西洋に流れにくい状況であったため、海氷減少が顕著ではなかったと考えられます。一方、2002年以降、一番遅く最小面積を記録したことも注目すべき点です。

今年11月は「北極域研究推進プロジェクト」(ArCS、注1)において、海洋地球研究船「みらい」が初めて初冬のチュクチ海を調査しに行きます。現地で何が起きているのか、海氷の少なさや海洋の温暖化が中緯度の気候へどのような影響が及ぶのか、その鍵となるデータを取得する予定です。

なお、本記事は、宇宙航空研究開発機構の水循環変動観測衛星「しずく」が観測した北極海氷データを提供している国立極地研究所との協力のもとで作成されたものです。

 
注1

  • 北極域研究推進プロジェクト(ArCS: Arctic Challenge for Sustainability):
    国立極地研究所、海洋研究開発機構及び北海道大学の3機関が中心となり実施している文部科学省の補助事業。実施期間は2015年9月から2020年3月まで。

2018年9月27日更新
リハーサル運用によるタッチダウン候補地点の確認

リハーサル運用によるタッチダウン候補地点の確認

9月10日から12日にかけて行いましたタッチダウン1リハーサル1(TD1-R1)運用において、タッチダウン候補地点の確認を行いました。

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2018年9月11日更新
タッチダウン1 リハーサル1 航法画像のリアルタイム配信

タッチダウン1 リハーサル1 航法画像のリアルタイム配信

2018年9月11日~9月12日に実施されるタッチダウン1 リハーサル1における航法用画像を掲載します。

リアルタイム配信は終了しました

  • 回線の都合上、または、データ処理の関係上、画像が乱れる場合がありますがご了承ください。
  • 時刻はUTC(世界時)で書かれています。日本時間(JST)にするには、9時間を足してください。

画像:地上受信時刻 UTC 2018-09-12 03:58
画像クレジット:JAXA

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2018年9月7日更新
「だいち2号」による平成30年北海道胆振東部地震の観測結果について

「だいち2号」による平成30年北海道胆振東部地震の観測結果について

2018年9月6日3時7分頃(日本時間、以下同じ)に発生した北海道胆振東部地震について、JAXAは 国土交通省などからの要請に基づき「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダ「PALSAR-2」による 緊急観測を行い、データを関係省庁、防災関係機関等に随時提供しました。
[続きはこちら]

2018年9月7日更新
海上保安庁長官表彰(感謝状)受賞「人工衛星を利用した海洋監視体制の構築」

海上保安庁長官表彰(感謝状)受賞「人工衛星を利用した海洋監視体制の構築」

7月16日の海の日にあたり、長年にわたる衛星AIS等を利用した船舶動静把握手法の研究の結果、各種衛星観測データの実利用を実現し、 海上保安庁が行う海洋監視体制の構築に貢献した功績が認められ、海上保安庁長官からJAXA第一宇宙技術部門に長官表彰(感謝状)が贈られました。 なお、昨年度の海氷観測(海氷による海難の防止)に関する協力に続き、第一宇宙技術部門は2年連続の海上保安庁長官表彰を受けています。
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2018年8月28日更新
「いぶき2号」(GOSAT-2)、10/29(月)打ち上げへ

「いぶき2号」(GOSAT-2)、10/29(月)打ち上げへ

温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)の打上げ予定日時が10月29日(月)13時08分00秒~13時20分00秒(日本標準時)と発表されました!
今回H-IIAロケット40号機では、「いぶき2号」(GOSAT-2)の他、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府宇宙機関であるMBRSC(The Mohammed bin Rashid Space Centre)の「観測衛星ハリーファサット(KhalifaSat)」、小型副衛星5基を搭載し、種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。

2018年8月6日更新
OPNAVな人々

「はやぶさ2」は、地球から約3億kmも離れたリュウグウに無事に到着することができました。リュウグウの大きさはたった900m。3億km彼方の900mというのは、2万km先の6cmと同じです。つまり、日本からブラジルにある6cmの的を狙うのと同じことになります。非常に正確なナビゲーションが必要になりますが、それを実行したのが「はやぶさ2」プロジェクトメンバーの"OPNAVな人々"です。

OPNAVとは、英語でOptical Navigationの略です。"オーピーナブ"と呼んでいます。探査機と電波で通信をしつつ、探査機に搭載したカメラで目的地の天体を撮影して、探査機と目的の天体の両方の軌道を正確に推定する技術です。「はやぶさ2」では2018年5月のスタートラッカによるリュウグウ撮影の時にも行いました。
(詳しくはこちら)


写真:OPNAVな人々。2018年、6月23日、TCM07後のOPNAV作業終了後に撮影。最前列左から、津田、大西、大木、菊地、真ん中の列左から、加藤、谷口、松岡、最後列左から、竹内、宮原、大井、高尾(敬称略)。
画像クレジット:JAXA

2018年8月1日更新
「しきさい」が捉えた日本の猛暑

今年の夏は日本各地で過去最高気温を更新するなど記録的な猛暑となっています。 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は、近紫外~熱赤外まで幅広い波長の観測を行うことができ、熱赤外の波長帯の観測では地表面の熱の状態を知ることができます。気候変動観測衛星「しきさい」の観測による日本の酷暑の様子を更新しました。の観測でも日本の酷暑の様子を捉えました。
可視光の波長帯では太陽光の反射がほとんどのため昼間の観測しか行えませんが、熱赤外の波長帯は地球からの輻射(熱放出)を見ているため夜間でも観測を行うことができます。また、これまでの地球観測衛星の熱赤外観測に比べ、250mというより高い空間分解能で高頻度の観測を行えることも「しきさい」の大きな特徴の一つです。

図 2018年8月1日の10:40頃に観測された地表面温度。図の白色の領域は雲域を示しています。(雲の縁や薄い雲は雲と判別されていない場合があります)



2018年7月6日更新
「未来レストランいぶき」が、第65回「カンヌライオンズ」PR部門でブロンズを受賞

「未来レストランいぶき」が、第65回「カンヌライオンズ」PR部門でブロンズを受賞

平成30年度に打ち上げを予定している、温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)は、二酸化炭素及びメタン濃度を高精度且つ均一に観測し、一酸化炭素の吸収・排出源の特定を目的とした衛星です。

本衛星の開発を担当する「いぶき2号」のプロジェクトチームが「CO2などの温室効果化ガスを宇宙から測定する観測衛星である『いぶき』の重要な役割を多くの人に理解してもらい、地球温暖化を身近な問題として感じて欲しい」という課題に対し、株式会社アサツー・ディー・ケイ(ADK)様と、NPO法人シティ・ウォッチ・スクエア様、7days kitchen様のご協力のもと、「地球をみまもるプロジェクト」として、東京表参道に一日限定のレストランをオープンしました。

この度、「未来レストランいぶき」の企画が、2018年6月18日から22日までフランス・カンヌ市で開催された第65回カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルにおいてPR部門ブロンズを受賞されました。


2018年7月3日更新
「しきさい」偏光近紫外観測の紹介

「しきさい」偏光近紫外観測の紹介

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)搭載の多波長光学放射計(SGLI)は、近紫外から熱赤外(380nm~12µm)の波長域で観測を行う光学センサです。赤と近赤外の波長では、衛星進行方向の前方あるいは後方の偏光観測を行う機能も持っています。偏光観測によって、光の強度だけでない光の状態(電磁波の振動方向)を調べることができます。

「しきさい」の偏光と近紫外の観測は、陸上のエアロゾル(大気中を浮遊する塵)を精度良く推定できるようになることが期待されています。
可視近赤外域では、陸域の地表面反射率は海に比べ大きく、かつ植生や土地被覆によりその値もさまざまに異なるため、これらの波長域のみでのエアロゾルの推定は非常に困難でした。
一方、「しきさい」が観測することができる近紫外域では、陸域の地表面反射率は非常に小さくなります。また、偏光反射率は可視近赤外域の非偏光反射率に比べて陸地による反射の影響を受けにくいという特徴があり、陸域の地表面反射率の影響を受けにくいこれらの観測を用いることによって微細な大気の特徴を捉え、陸上でもエアロゾルを精度よく推定できるようになることが期待されています。

画像:気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)が、2018年3月23日に観測した中国周辺のカラー画像(R: VN08、G: VN05、B: VN03)、赤バンド反射率(VN08)、近紫外バンド反射率(VN01)、および近赤外バンド偏光反射率(PL02)の画像

2018年4月20日更新
「しきさい」が捉えた赤潮

「しきさい」が捉えた赤潮

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は、打ち上げ後3か月間の初期機能確認を終了し、2018年4月からは定常的な観測運用を開始しました。

2018年4月2日、「しきさい」(GCOM-C)が山口県の日本海側の沿岸域において、夜光虫の赤潮とみられるパターンを捉える事ができました。
日本周辺海域では例年春に、一般的には漁業被害は起こさない夜光虫による赤潮が発生することが知られており、2018年3月末から4月上旬にかけて山口県日本海側の沿岸域等で夜光虫の赤潮が報告されていました(山口県水産研究センター等の協力による)。
「しきさい」搭載のSGLIは現在観測精度を検証中です。今後SGLIで近紫外~短波長赤外の広い波長域を250m空間解像度で観測することにより、赤潮のような細かな現象も捉え、沿岸環境の監視等に貢献することが期待されます。

画像:気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)による、2018年4月2日の山口県周辺のトゥルーカラー合成画像
(人の目と同様に見えるように赤、緑、青チャンネルをRGBに割り振った画像)

2018年4月19日更新
ブラジルでの違法森林伐採の摘発に、JJ-FASTが貢献

ブラジルでの違法森林伐採の摘発に、JJ-FASTが貢献

JAXAとJICA(国際協力機構)が共同で開発した、JJ-FAST(熱帯林早期警戒システムJICA-JAXA Forest Early Warning System in the Tropics)が、ブラジルの違法伐採の摘発に貢献しました。
JJ-FASTチームは、森林減少の検出精度を高めるために森林伐採検出アルゴリズムを開発しています。

2018年2月22日、森林伐採検出アルゴリズム検証のため、ブラジル政府機関「環境再生可能天然資源院(IBAMA)」とともに、森林減少を検知した場所に訪れたところ、違法伐採の現場を発見し、IBAMAがその現場を取り押さえました。また、2月26日に他の検知場所も訪れたところ、同様に違法伐採の現場を発見しました。
JAXAでは、今後も引き続きJICAとともにJJ-FASTの検出精度を高め、森林減少の抑制と気候変動対策に貢献していきます。

※JJ-FAST
JAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」の観測データを用いて、森林減少状況をモニタリングするシステム。現在は世界77ヵ国で利用されています。

2018年4月10日更新
「しきさい」が捉えた日本海・日本列島を横断する黄砂

「しきさい」が捉えた日本海・日本列島を横断する黄砂

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)が、関東の桜が見頃を迎えていた2018月3月29日、日本海・日本列島を横断する黄砂を捉えました。日本では春に観測されることの多い黄砂は、日常生活でも黄褐色に煙る空の様子や車体の汚れなどでその飛来を知ることができます。
「しきさい」(GCOM-C)は近紫外から熱赤外までの19の観測チャンネルを組み合わせて黄砂をより明確に識別します。また、近紫外から熱赤外の多数の観測チャンネルに加えて、偏光観測という特徴的な機能を用いて、エアロゾルの量と特性を全球規模で高精度に定量化することを計画しています。

画像:「しきさい」(GCOM-C)搭載のSGLIにより、2018月3月29日に取得した日本周辺のエアロゾル観測データによるカラー合成画像。日本列島の南の海上の明るい領域は「サングリント」と呼ばれる太陽光線が海面による鏡面反射で強く反射された領域。
(赤、緑、青にSGLIのVN8、VN5、VN3の各チャンネル反射率を割り当てたRGB合成画像)。

2018年2月9日更新
東シナ海におけるタンカー(SANCHI号)炎上事故に伴う油流出、「だいち2号」で観測

東シナ海におけるタンカー(SANCHI号)炎上事故に伴う油流出、「だいち2号」で観測

2018年1月6日、中国東部沖合の東シナ海において、パナマ船籍のイランのタンカー「SANCHI」が香港船籍の貨物船と衝突し、火災が発生しました。 このタンカーは鎮火しないまま、日本の排他的経済水域(EEZ)内の奄美大島の西方を漂流し、14日午後、奄美大島の西方約315kmの海上で爆発、沈没しました。沈没したタンカーからは油が流出しています。
JAXAでは、1月18日12時33分(日本時間)にだいち2号(ALOS-2)搭載の合成開口レーダ(PALSAR-2)により、現場付近を観測しました。
図はPALSAR-2で撮影した場所を示していて、タンカーの沈没場所が、 PALSAR-2の観測範囲に入っています。沈没した海域の東側には、南西から北東にかけて、黒潮が流れています (海上保安庁・海洋速報:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/KAIYO/qboc/index.html より)。
JAXAでは、今後も引き続き、衛星で現場付近の観測を行っていきます。

2018年2月8日更新
「しきさい」、フィリピン・マヨン火山の噴火を観測

「しきさい」、フィリピン・マヨン火山の噴火を観測

気候変動観測衛星「しきさい」が、2018年1月13日に噴火したフィリピン、マヨン火山の噴火の様子を捉えました。

2017年12月23日に種子島宇宙センターより打ち上げられた「しきさい」は、初期機能確認運用を実施しており、2018年1月1日から開始した可視~短波長赤外に続き、1月22日からは熱赤外の試験観測も開始しています。 2018年1月23日に得られた250m空間解像度の熱赤外観測画像からは、(マヨン火山の大半は雲に覆われているものの)山頂付近から灰色がかった噴煙が西に向かって放出されている様子が見られます。これは22日以降の活動活発化に伴って発生した噴煙の一つと考えらます。

画像:「しきさい」による2018年1月23日2時頃(世界時)のフィリピン、マヨン火山の観測画像(赤・緑・青波長の250m観測データで作成したRGB画像)

2018年1月12日更新
「しきさい」、初画像を取得

「しきさい」、初画像を取得

JAXAは、2017年12月23日に打ち上げた気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)が取得した初画像を公開しました。初画像は、初期機能確認試験を実施している中、「しきさい」(GCOM-C)搭載の多波長光学放射計(SGLI)により1月1日から6日にかけて取得されました。
SGLIは、近紫外から熱赤外までの19の観測波長帯(色)を持ち、偏光・多方向、近紫外観測といった特徴的な機能を有しています。本日公開した画像は、日本近辺の海氷、沿岸域の海色、植生及びガンジス川流域でのエアロゾルの様子などをそれぞれ見やすい色合いになるように処理したものです。
「しきさい」(GCOM-C)は、今後も引き続き初期機能確認運用を行った後、地上観測データとの比較などによるデータの精度確認やデータ補正等を行う初期校正検証運用を予定しています。
図:「しきさい」搭載SGLIによる日本列島・オホーツク海周辺の擬似カラー画像(左)および樺太周辺部分の拡大図(右)

2017年12月24日更新
「しきさい」「つばめ」のクリティカル運用期間が無事終了!初期機能確認へ!

「しきさい」「つばめ」のクリティカル運用期間が無事終了!初期機能確認へ!

12月23日(土)に種子島宇宙センターから打ち上げられた「しきさい」(GCOM-C)と「つばめ」(SLATS)は、姿勢制御系が定常状態に移行し安定していることを確認しました。軌道に投入後、太陽電池パドルの展開が正常に行われ、そのほか重要なイベントを正常に終え、クリティカル運用期間を終了しました。
今後、初期機能確認運用期間へ移行し、約3ヶ月半かけて衛星搭載機器が宇宙空間で正しく動作するかを確認します。
地球観測衛星特設サイトでは、H-IIAロケット37号機の打ち上げ写真を募集しています。また、Twitterからも「#h2a打ち上げ写真」をつけてツイートをお願いします。みなさんからのH-IIAロケット37号機の写真をお待ちしております!

2017年12月23日更新
「しきさい」「つばめ」/H-IIAロケット37号機、打ち上げ成功!

「しきさい」「つばめ」/H-IIAロケット37号機、打ち上げ成功!

12月23日(土)10時26分22秒(日本時間)に、「しきさい」(GCOM-C)と「つばめ」(SLATS)を搭載したH-IIAロケット37号機が、種子島宇宙センターから打ち上げられました。
ロケットは正常に飛行し、打ち上げから約16分13秒後に「しきさい」(GCOM-C)を、続いて約1時間47分59秒後には、「つばめ」(SLATS)を正常に分離したことを確認しました。
今後「しきさい」は、通信の確保、姿勢制御を行った後、SGLIをはじめとするミッション機器の電源投入を行う予定です。 地球観測衛星特設サイトでは、H-IIAロケット37号機の打ち上げ写真を募集しています。また、Twitterからも「#h2a打ち上げ写真」をつけてツイートをお願いします。みなさんからのH-IIAロケット37号機の写真をお待ちしております!

2017年12月13日更新
欧州宇宙機関などと温室効果ガスのリモートセンシングに関する協定締結

欧州宇宙機関などと温室効果ガスのリモートセンシングに関する協定締結

JAXAと国立研究開発法人国立環境研究所(NIES)は、2017年12月11日に、欧州宇宙機関(ESA)及びフランス国立宇宙研究センター(CNES)と、同12月12日(現地時間)に、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と、フランス共和国パリ市において、「温室効果ガスのリモートセンシング及び関連ミッションに関する協定」を締結しました。
本協定は、「いぶき」及び「いぶき2号」と各宇宙機関の温室効果ガス観測衛星等から得られるデータを互いに校正・検証することで、衛星観測データの信頼性を向上させると共に、均一性を図ることを目的としています。
JAXA、NIESと各機関は、温室効果ガスに関する衛星観測データの利用を定着させるため、各国の環境行政に携わる機関等との連携を図るとともに、衛星観測データの精度向上を通じて、共に、パリ協定実施に貢献することを目指します。

2017年9月15日更新
北極海の海氷面積、衛星観測史上初めて年間最小面積の記録更新せず

北極海の海氷面積、衛星観測史上初めて年間最小面積の記録更新せず

「しずく」の観測データによると、北極海の海氷域が2017年9月9日に年間最小面積(447.2万平方キロメートル)を記録しました。これは、衛星観測が本格的に始まった衛星観測史上、6番目の年間最小面積となりました。
北極海の海氷面積は毎年9月中旬前後にその年の最小面積を記録しており、2017年は海氷面積は依然小さい状態が続いていますが、1979年以降39年間の記録と比較すると、2005年、2007年、2012年などと5年以内に当時における史上最小を記録していましたが、2017年は史上最小とならなかったことで、観測史上初めて5年を超えて最小記録を更新しない状態となったことが明らかになりました。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の温室効果ガス排出シナリオに基づく世界各国の気候モデルによる将来予測などでは、将来的に地球温暖化に伴う北極海の海氷面積の消失の可能性などが報告されていますが未解明な部分が多々あり、衛星観測データの継続的な蓄積と、大気・海洋の総合的な研究により、今後さらにその変動メカニズムを解明していくことが望まれます。

2017年9月12日更新
小惑星探査機「はやぶさ」発信の遅延回復と電力制御の両立を目指した列車走行試験について

小惑星探査機「はやぶさ」発信の遅延回復と電力制御の両立を目指した列車走行試験について

JAXA、公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)、東急テクノシステム株式会社は、列車の遅延回復と小惑星探査機「はやぶさ」の技術に端を発した列車の電力デマンド制御技術に関する共同研究を行っています。
この度、その基礎検証のため、東京急行電鉄株式会社のご協力のもと、列車走行試験を行った結果、制御開始時刻から約30分間で、制限値付近まで電力デマンドを下げ、その後の約1時間、電力デマンドを制限値付近で管理できることを実証しました。
今回の走行試験により、最も遅れている列車の遅延を最優先に回復させる、遅延回復制御を行う準備は完了したと考えており、利便性と電力管理の両立がはかれるめどを得ました。



2017年9月12日更新
北海道周辺海域の海氷観測データの提供に関する、海上保安庁長官からの表彰

北海道周辺海域の海氷観測データの提供に関する、海上保安庁長官からの表彰

9月8日に開催された海上保安庁の第146回水路記念日関連式典において、JAXAは海上保安庁に対する長年にわたる北海道周辺海域の海氷観測データの提供と、海氷による海難の防止への貢献について、海上保安庁長官より感謝状が贈られました。
平成15年以降、JAXAは海上保安庁とともに、人工衛星の観測データを用いた「海氷速報(マップ)」作成の利用実証に取り組んでおり、これまでに、陸域観測技術衛星「だいち」及び同2号「だいち2号」、 水循環変動観測衛星「しずく」などの観測データを提供しています。なかでも、レーダ衛星の「だいち2号」は、天候に左右されず雲を通過して広範囲かつ詳細に海氷の分布状況を把握することができるため、海氷情報収集のための重要なツールの一つとして、定着しています。

2017年8月7日更新
「こだま」運用を終了

「こだま」運用を終了

2017年8月5日午後2時45分(日本時間)に、データ中継衛星「こだま」(DRTS)の停波作業を実施し、運用を終了しました。
「こだま」は2002年9月10日に打ち上げられてから、15年間近く運用を継続してきました。7年間の定常運用期間を超えた長期間の運用により、衛星の経年劣化が進んできたことから、運用中の他静止衛星に影響がないよう7月31日から運用終了に向けた作業を進め、8月5日に静止軌道離脱運用離脱作業が完了したことから、「こだま」を停波し、運用を終了しました。

2017年7月26日更新
「しずく」南極氷床棚氷からの巨大氷山分離を観測

「しずく」南極氷床棚氷からの巨大氷山分離を観測

2017年7月12日、南極半島のラーセンC棚氷から巨大氷山が分離しました。この氷山は三重県に匹敵する大きさ(5,800 km2)で、その重量は1兆トン以上と推定されています。この巨大氷山の分離を、水循環変動観測衛星「しずく」の高性能マイクロ波放射計AMSR2が捉えました。
「しずく」に搭載されている観測センサ(AMSR2)は、昼夜・天候に関わらず同一箇所を毎日2-3回観測できる利点をもっています。現在、南極は1日中太陽の当たらない極夜のため、光学センサでは捉えられない巨大氷山の分離を、高い時間分解能で捉えることができました。
JAXAでは今後も「しずく」や陸域観測技術衛星2号「だいち2号」などを用いて、この巨大氷山の移動を継続して観測していく予定です。

2017年7月25日更新
「だいち2号」南極半島で発生した大規模な氷山分離を観測

「だいち2号」南極半島で発生した大規模な氷山分離を観測

2017年7月12日、南極半島にあるLarsen-C棚氷から巨大な氷山が分離しました。
JAXAは、7月21日に「だいち2号」の広域観測モードによる観測を行い、分離した氷山の全体像を捉えることに成功しました。
Larsen(ラーセン)棚氷は南極大陸の中でも有数の規模を誇る棚氷で、Larsen棚氷は現在の西南極の質量損失とそれが及ぼす海水準変動に影響するため、世界中の雪氷研究者が注目しているところです。
Larsen棚氷は、過去にも部分的に崩壊していますが、この大規模な氷山の分離によって、内陸側の棚氷の流動速度が加速し、さらなる氷山の分離が発生する可能性があります。
JAXAでは今後も「だいち2号」による当該地域への観測を継続していく予定です。

2017年7月14日更新
気候変動観測衛星(GCOM-C)の愛称は「しきさい」

気候変動観測衛星(GCOM-C)の愛称は「しきさい」

気候変動観測衛星(GCOM-C)の愛称を約1ヵ月間にわたり募集し、同時募集のSLATSとあわせて12,895件ものご応募をいただきました。
選考の結果、GCOM-Cの愛称を「しきさい」に決定いたしました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
選考理由は「彩り豊かなイメージが、多波長を観測可能な多波長光学放射計(SGLI)により、植生、海洋、雪氷等、多くの観測対象をもつGCOM-Cの特徴を的確に表している」ためです。
「しきさい」とご提案いただいた方全員に8月以降に記念品を送付する予定です。
これからも、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)のプロジェクトにご注目ください。



2017年7月14日更新
超低高度衛星技術試験機(SLATS)の愛称は「つばめ」

超低高度衛星技術試験機(SLATS)の愛称は「つばめ」

超低高度衛星技術試験機(SLATS)の愛称を約1ヵ月間にわたり募集し、同時募集のGCOM-Cとあわせて12,895件ものご応募をいただきました。
選考の結果、SLATSの愛称を「つばめ」に決定いたしました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
選考理由は「細長い機体に太陽電池パドルをつけて超低高度を飛行するSLATSの姿が、ツバメが低空飛行する姿と重なり、SLATSミッションを的確に連想させる愛称である」ためです。
「つばめ」とご提案いただいた方全員に8月以降に記念品を送付する予定です。
これからも、超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)のプロジェクトにご注目ください。



2017年6月2日更新
SLATSの分離衝撃試験、振動試験を実施

SLATSの分離衝撃試験、振動試験を実施

超低高度衛星技術試験機「SLATS」は、2017年4月11日に「分離衝撃試験」を、4月25日から5月12日にかけては「振動試験」を行い、どちらの試験も無事に終了しました。
人工衛星の試験では、ロケット打ち上げの際の振動や分離時の衝撃により衛星システムに問題が起きないかを、今回のような分離衝撃試験や振動試験を実施して確認します。

写真:「SLATS」がロケットから分離するまで格納されるSLATS搭載アダプタの下部と共に映っています。ロケットの打ち上げ時には、この上にSLATS搭載アダプタの上部がかぶさり、その上に気候変動観測衛星「GCOM-C」が取り付けられます。

今年度の打ち上げに向けて、「SLATS」は今後、熱真空試験・最終電気試験・推進系試験などを実施していきます。



2017年6月2日更新
「いぶき」観測による全大気平均メタン濃度データ公開

「いぶき」観測による全大気平均メタン濃度データ公開

世界初の温室効果ガス観測専用の衛星である「いぶき」は2009年1月23日の打ち上げ以降、地球温暖化に大きな影響を与える二酸化炭素やメタンの観測を続けています。
この「いぶき」観測データを使って、地上から上空までの「地球大気全体(全大気)」の平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は晩秋・冬に極大、初夏に極小という季節変動をしながら年々上昇し、2017年1月には過去最高の約1815 ppbを記録しました。 さらに推定経年平均濃度 * は2015年頃に増加率が上昇し、2017年2月には過去最高の約1809 ppbに達したこともわかりました。
このような地球規模のメタン濃度の動向は「いぶき」の観測によって今回世界で初めて示されたものであり、衛星による温室効果ガス観測の重要性を表すものと言えます。
「いぶき」による月別メタンの全大気平均濃度データは、6月2日よりNIESホームページにて公開されます。

* 季節変動を取り除いた2年程度の平均濃度値

2017年5月26日更新
GCOM-C、機械環境試験を完了

GCOM-C、機械環境試験を完了

気候変動観測衛星「GCOM-C」は現在、2017年度の打ち上げを目指して、筑波宇宙センターにおいて衛星システムの環境試験を実施しています。
2017年3月から4月にかけては機械環境試験として、正弦波振動試験、音響試験(写真)を総合環境試験棟にて実施し、無事に終了しました。今回の試験の目的は、ロケット上昇中にロケットエンジン燃焼による厳しい振動や音響に衛星が耐えることを確認することです。
GCOM-Cは今後、環境試験後の衛星システムの機能性能を確認するための電気性能試験を実施します。



2017年5月22日更新
災害時の衛星画像活用、国土交通省と協定締結

災害時の衛星画像活用、国土交通省と協定締結

JAXAは国土交通省との間で、災害時に被害の迅速な把握に人工衛星などの画像を効果的に活用するとともに、その成果を地方公共団体と共有することを目的として、5月22日に協定を締結いたしました。
国土交通省との協力をより推進することにより、防災業務における衛星データの利用が一層進み、国民の安心、安全で豊かな生活の実現に貢献できるよう取り組んでいきます。

写真:締結式の様子 (左、国土交通省山田局長、右、JAXA布野理事)



2017年4月25日更新
GCOM-CとSLATSの「愛称」を同時募集します

GCOM-CとSLATSの「愛称」を同時募集します

JAXAは、気候変動観測衛星「GCOM-C」と超低高度衛星技術試験機「SLATS」を、2017年度にH-IIAロケットで同時に打ち上げる予定です。皆さまにこの二つの衛星に対して親しみを持っていただくため、人工衛星の愛称を募集します。
選定愛称をご提案いただいた方には認定証および記念品をお送りする他、抽選で種子島宇宙センターでのGCOM-C及びSLATSの打ち上げ見学にご招待します。応募要領をご覧のうえ、ご応募ください。



2017年3月17日更新
GCOM-Cの熱真空試験を実施

GCOM-Cの熱真空試験を実施

GCOM-Cは、平成29年度の打ち上げに向けて、衛星システムの環境試験を実施しています。
2017年1月から2月にかけては、筑波宇宙センターの13mφスペースチャンバで熱真空試験を実施し、軌道上で晒される温度環境において、衛星の各機能が正常に働くことを確認しました。

2017年2月22日更新
「みちびき」運用を内閣府へ移管

「みちびき」運用を内閣府へ移管

2017年2月28日をもって準天頂衛星初号機「みちびき」を内閣府に移管するとともに、JAXAによる運用を終了します。移管後は内閣府により運用が行われます。詳細については、以下を参照ください。

2017年2月21日更新
「しずく」が観測 地球上の海氷面積が観測史上最小に

「しずく」が観測 地球上の海氷面積が観測史上最小に

2017年1月14日、水循環変動観測衛星「しずく」の観測データから、地球上に存在する海氷の面積が、1978年の衛星観測開始以降「最小値」になったことがわかりました。JAXAでは、「しずく」の他、2017年度打ち上げ予定の気候変動観測衛星「GCOM-C」などを用いて、グリーンランドや北極海氷をはじめとする北極圏環境変動の観測を継続して行っていく予定です。

2017年1月11日更新
「きく8号」運用終了

「きく8号」運用終了

2017年1月10日午後3時25分(日本時間)、技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)「きく8号」に停波作業を実施し、運用を終了しました。
「きく8号」は、移動通信体システムの向上に貢献することを目的とした実験・実証を行うために開発された人工衛星で、東日本大震災の際には被災地にインターネット環境を提供するなど、災害支援に貢献しました。
「きく8号」は、2006年12月18日に打ち上げられ、3年間のミッション期間を超えて運用を継続し、2016年12月18日にはバス設計寿命である10年間を経過。10年にわたる運用の結果、衛星の姿勢・軌道制御に使用する燃料が残り少なくなっていることから、運用終了に向け、他の静止衛星に影響がないよう静止軌道から離脱し、停波作業を完了しました。

2016年12月20日更新
イプシロンロケット2号機打ち上げ成功!ジオスペース探査衛星の愛称は「あらせ」

イプシロンロケット2号機打ち上げ成功!ジオスペース探査衛星の愛称は「あらせ」

12月20日(火)20時00分00秒、内之浦宇宙空間観測所からジオスペース探査衛星(ERG)を搭載したイプシロンロケット2号機が打ち上げられました。イプシロンロケット2号機は正常に飛行し、打ち上げから約13分27秒後に予定の軌道でERG衛星を分離、打ち上げは無事成功しました。
ERG衛星は正常に太陽電池パドルを展開。JAXAはジオスペース探査衛星(ERG)の愛称を「あらせ」と決定しました。「あらせ」は約2ヶ月間の初期運用の後、宇宙嵐はどのように発達するのかなど、地球周辺の宇宙空間の放射線帯の謎の解明に挑みます。

特設サイトでは、イプシロンロケット2号機の打ち上げ写真を募集しています。フォームよりぜひお送り下さい。お待ちしております!

2016年12月19日更新
ジオスペース探査衛星(ERG)/イプシロンロケット2号機の打ち上げライブ中継は20日(火)19:40から!

ジオスペース探査衛星(ERG)/イプシロンロケット2号機の打ち上げライブ中継は20日(火)19:40から!

イプシロンロケット2号機によるジオスペース探査衛星(ERG)の打ち上げ時刻が、2016年12月20日(火)20:00(日本時間)に決定しました。
JAXAでは20日(金)19時40分より、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げの様子をライブ中継いたします。ご自宅・外出先からでもインターネットを通してご覧いただけますので、お見逃しなく!
特設サイトでは、イプシロンロケット2号機、ジオスペース探査衛星(ERG)への応援メッセージを募集しています。投稿フォームの他、ツイッターでもハッシュタグ「 #イプシロン応援 」でメッセージをお寄せください。熱いメッセージ、お待ちしております!

2016年11月15日更新
ジオスペース探査衛星(ERG)/イプシロンロケット2号機の打ち上げ予定日は12月20日(火)

ジオスペース探査衛星(ERG)/イプシロンロケット2号機の打ち上げ予定日は12月20日(火)

ジオスペース探査衛星(ERG)/イプシロンロケット2号機の打ち上げ予定日が2016年12月20日(火)午後20時~21時(日本時間)と発表されました。
JAXAは内之浦宇宙空間観測所から打ち上げの模様をYouTubeなどでライブ中継を実施する予定です。詳細は追ってお知らせしますので、どうぞお楽しみに!
また、打ち上げに向け、特設サイトを本日より開設し、応援メッセージの募集も開始いたしました。プロジェクトメンバー、ミッションへ熱い応援メッセージをお寄せください。お待ちしております!

2016年10月27日更新
「いぶき」観測、季節変動を取り除いた全大気平均二酸化炭素濃度、初めて 400ppm超え

「いぶき」観測、季節変動を取り除いた全大気平均二酸化炭素濃度、初めて 400ppm超え

環境省、国立環境研究所及びJAXAは、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を用いて、二酸化炭素やメタンの観測を行っています。
「地球大気全体(全大気)」の二酸化炭素平均濃度について、2016年5月までの暫定的な解析を行ったところ、2016年2月頃に季節変動を取り除いた濃度(推定経年平均濃度)が初めて400 ppmを越えたことがわかりました。
また、2015年12月に初めて400 ppmを超えた月別平均濃度の最大値は2016年5月に過去最高となる402.3 ppmを記録しました。
なお、本結果は気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)(11月7日~18日、モロッコ・マラケシュ)のサイドイベント等でも報告する予定です。
今後も「いぶき」による全大気二酸化炭素平均濃度について定期的に公表を行っていきます。
画像:「いぶき」の観測データに基づく全大気中の二酸化炭素濃度の月別平均値()と推定経年平均濃度(・) (国立研究開発法人環境研究所より)

2016年9月15日更新
山口県、山口大学との連携協定締結

山口県、山口大学との連携協定締結

JAXAと山口県と国立大学法人山口大学は、9月14日、山口県庁において、人工衛星による衛星データの応用研究や利用促進に相互に協力して取り組むことにより、防災分野等における衛星リモートセンシング技術の利用を推進することを目的とした協定を締結しました。
写真:9月14日、山口県庁で行われた締結式の様子(右から、岡 山口大学長、村岡山口県知事、奥村JAXA理事長)

2016年9月1日更新
日本でのCO2濃度、「いぶき」観測データと排出量データが一致

日本でのCO2濃度、「いぶき」観測データと排出量データが一致

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が2014年12月までの5年半に大都市等とその周辺で取得した観測データの解析を進め、世界の大都市等に加え、東京都市域において初めて人為起源二酸化炭素(CO2)濃度の推計を行いました。
日本での人為起源CO2濃度について、「いぶき」の観測データと排出量データ(インベントリ)*の推定結果を比べたところ、概ね一致することが初めて確認できたことから、世界各国でも「パリ協定」に基づき作成・公表するCO2排出量の監視・検証を、衛星観測により実現できる可能性が示されました。
今後はデータの蓄積及び解析方法の改善をさらに進め、「いぶき」および現在開発中の後継機の観測データとインベントリの比較を行う予定です。
* ある期間内に特定の物質(大気汚染物質や有害化学物質)がどこからどれくらい排出されたかを示す統計量データ。

2016年8月12日更新
「あじさい」衛星運用30周年

「あじさい」衛星運用30周年

1986年8月13日5時45分(日本時間)、測地実験衛星「あじさい」(EGS)は、種子島宇宙センターからH-1ロケット試験機1号機で高度1,500kmの円軌道に打ち上げられました。「あじさい」は日本初の測地衛星で、国内測地三角網の規整、離島位置の決定(海洋測地網の整備)、日本測地原点の確立が主なミッションです。「あじさい」は直径215cm、685kg,の球状で、表面にはプリズム1,436個、反射鏡318枚が配置されています。世界の衛星レーザ測距(SLR)局がレーザパルスを用いて「あじさい」を観測しています。JAXA増田宇宙通信所に設置されているSLR設備でも「あじさい」を継続して観測しています。30年間の長期にわたる衛星運用と貴重な観測データは世界中の研究者間で高く評価されています。

2016年7月19日更新
「衛星による緊急被災図作成(SEM)の世界的動向」のサイエンス誌への掲載について

「衛星による緊急被災図作成(SEM)の世界的動向」のサイエンス誌への掲載について

JAXAが共著者に加わった「衛星による緊急被災図作成(SEM)の世界的動向」が7月15日(日本時間)にサイエンス誌(Special Issue Natural Hazards: 15 July 2016 Volume 353 Issue 6296)に掲載されました。 SEMとは、(1)発災後、ユーザなどからの要求により、地球観測衛星を用いて被災地域を緊急観測し前処理された衛星画像を作成、(2)衛星画像を解析し災害情報(被災域など)を抽出、(3)地理情報を付加し被災図としてユーザに提供(同時にウェブサイトなどで公開)する一連の活動を指します。 2000年にSEMの活動が本格的に開始されてから16年が経過しました。本論文は、2000年から2014年にかけての15年間のSEMの世界的な傾向を、大規模災害の状況把握に衛星が使われた1000件以上の事例を分析することにより総合的にレビューしたものです。

2016年7月12日更新
地球観測衛星データを利用した極域環境監視モニターサービスのバージョンアップのお知らせ

地球観測衛星データを利用した極域環境監視モニターサービスのバージョンアップのお知らせ

国立極地研究所は南北極域の準リアルタイム極域環境監視モニターサービス(ViSHOP)をバージョンアップしました。本サービスは「しずく」の観測データにより、南極・北極の海氷密接度・海面水温・積雪深を可視化し全世界に公開するものです。

主なバージョンアップ内容
  • スマートフォン等の各種デバイスに対応
  • WebM、GIF、WMV、MP4、MOV、FLV形式の動画保存に対応
  • 画像をサムネイル表示するギャラリー(Monitor Gallery)を追加

2016年5月20日更新
地球大気全体の平均二酸化炭素濃度が400ppm超え「いぶき」が観測

地球大気全体の平均二酸化炭素濃度が400ppm超え「いぶき」が観測

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が観測した、地球の大気全体(全大気)の月別二酸化炭素平均濃度について、2016年1月までの暫定的な解析を行ったところ、2015年12月に初めて400ppmを超え、400.2ppmを記録したことがわかりました。
地上観測点に基づく全球大気の月平均値では、二酸化炭素濃度はすでに400ppmを超えていました。しかし、地表面から上空約70kmまでの大気中の二酸化炭素の総量を観測できる「いぶき」のデータに基づいた、全大気の月平均濃度が400ppmを超えたのはこれが初めてです。
これにより、地表面だけでなく地球の大気全体で温室効果ガスの濃度が上昇し続けているといえます。

今後も引き続き、「いぶき」観測データに基づく成果の公表を行うとともに、2017年度をめどに打上げを予定している「いぶき後継機」(GOSAT-2)による継続的な温室効果ガス観測を実施し、それらの成果を地球温暖化予測の精緻化に反映させていく予定です。

2016年5月9日更新
「だいち2号」が文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

「だいち2号」が文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

文部科学省では、科学技術に関する研究開発・理解増進において顕著な成果を収めた者に科学技術分野の文部科学大臣表彰として各種表彰を行っています。
この度「だいち2号」開発・研究メンバーが、平成28年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞しました。高精度で地殻変動の様子を観測できる技術が評価されました。
この技術を用いて、平成28年熊本地震においても、地殻変動の把握、土砂崩れ等の把握のための観測を継続して実施中です。

2016年4月21日更新
「GSMap」が文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

「GSMap」が文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

「衛星全球降水マップ(以下、GSMaP)」の開発・研究メンバーが、平成28年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞しました。
「GSMaP」は、データの精度や速報性の不足といった問題から利用が進まなかった降水データにおいて、準リアルタイムで高精度の降水分布データを提供できるシステムが評価されました。
「GSMaP」はアジア・アフリカ・オセアニア・中南米・欧州・米国の気象・水文機関に利用され、降雨監視や洪水予測など降雨災害の被害軽減に貢献しています。さらに「世界の雨分布速報」や「世界の雨分布リアルタイム」といったホームページ上で公開され、一般利用者にも使いやすいシステムとなっています。

2016年4月15日更新
GPM/DPRパネル「宇宙から見た台風の雨」が「科学技術の『美』パネル展」優秀賞を受賞

GPM/DPRパネル「宇宙から見た台風の雨」が「科学技術の『美』パネル展」優秀賞を受賞

第56回科学技術週間における「科学技術の『美』パネル展」で、GPM/DPRプロジェクトチームの作品「宇宙から見た台風の雨」が優秀賞を受賞しました。受賞したのは、GPM/DPRがとらえた2014年7月22日0時頃(日本時間)のフィリピン付近での台風10号の内部構造の画像です。雨雲スキャンレーダDPRは、CTスキャンのように雨雲の中の降水(雨・雪)の構造を立体的に見ることができます。赤色は降水の強い領域を、青色は降水の弱い領域を示しています。この時は高度15km付近まで降水が観測されており、非常に発達して台風の目も大きくなっていました。
「科学技術の『美』パネル展」は、研究成果などで発生した印象的な画像の感動を共有し、科学技術への興味を広げることを目的としています。多くの研究機関の画像がパネルとなり全国の科学館などで巡回展示され、見学者による投票アンケートにより優秀作品が選ばれました。
4月15日(金)に科学技術振興機構 東京本部別館にて表彰式が開催され、GPM/DPRプロジェクトマネージャ 古川欣司と地球観測研究センター研究領域上席 沖理子が出席しました。

2016年3月24日更新
GPM主衛星の観測データ、気象庁の数値予報システムに定常利用へ~気象の予測精度向上に貢献

GPM主衛星の観測データ、気象庁の数値予報システムに定常利用へ~気象の予測精度向上に貢献

気象庁とJAXAは、GPM主衛星の観測データ利用により降水を中心とした気象予測の精度向上を図るため、共同で調査および技術開発を進めてきました。その結果、天気予報や防災気象情報などの基礎資料を作成する数値予報システムにおいて、降水などの予測精度が向上することが確認できたため、2016年3月24日より、同データの定常利用が開始しました。

数値予報システムに衛星搭載降水レーダのデータを利用することは、世界の気象機関では初めてのことになります。気象庁とJAXAは、衛星の貴重な観測データをより有効に活用するため、今後も技術開発に努めてまいります。

2016年3月17日更新
「だいち2号」中央非常通信協議会で表彰

「だいち2号」中央非常通信協議会で表彰

「だいち2号」の災害対応の功績が認められ、2016年3月16日に中央非常通信協議会(*)から表彰を受けました。「だいち2号」は、防災機関などからの要請を受けて緊急観測を行い、災害の兆候や状況把握につながる観測データを速やかに提供しています。
2015年、口永良部島(くちのえらぶじま)の火山噴火に対する緊急観測では、気象庁の要請に応じ噴火発生から約4時間後に観測データを提供しました。防災機関のデータ解析結果は火山噴火予知連絡会に報告され、火口の変化や降灰、火砕流の状況把握に活用されました。(画像:だいち2号が捉えた噴火後の口永良部島)
また、桜島や箱根山で火山活動が活発化した際には、地殻変動を数cm単位で検出できる「だいち2号」の観測データを用いた防災機関による解析結果が、気象庁の発表する噴火警戒レベルの判断や自治体の立ち入り規制判断に活用されました。
JAXAは、これからも衛星技術により災害対策を支援していきます。

* 中央非常通信協議会:災害などの非常事態の際に、非常通信の円滑な運用を図ることを目的に設立され、この分野で顕著な功績があった個人及び団体に対して表彰を行っています。

2015年11月27日更新
「いぶき」のメタン観測データ、人間活動によるメタン濃度と高い相関性

「いぶき」のメタン観測データ、人間活動によるメタン濃度と高い相関性

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が2012年12月までの3年半に取得した観測データを解析した結果、人口密集地域、大規模な農業地域、天然ガス・石油の生 産・精製地域等の人間活動による(人為起源による)メタン排出地域で、周辺よりもメタン濃度が高いことがわかりました。
さらに、「いぶき」で観測された人為起源メタン濃度と、排出量データ(インベントリ)*から推計された人為起源メタン濃度との間に高い相関関係があり、 「いぶき」には人間活動によるメタン排出量の監視・検証ツールとして有効利用できる可能性があることがわかりました。
今後さらに、人為起源メタン濃度の推定精度を高めるために、より高頻度で多数の衛星データを利用して調査・研究・解析を進める予定です。これらの成果を 「いぶき後継機」(GOSAT-2)に応用し、地球温暖化対策の促進に貢献していきます。

* ある期間内に特定の物質(大気汚染物質や有害化学物質)がどこからどれくらい排出されたかを示す統計量データ。

2015年11月16日更新
「いぶき」観測による月別二酸化炭素の全大気平均濃度を公表

「いぶき」観測による月別二酸化炭素の全大気平均濃度を公表

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の観測データを使って、地上から上空までの「地球大気全体(全大気)」の二酸化炭素平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は季節変動をしながら年々上昇し、2015年5月に約398.8 ppmを記録しました。このままの上昇傾向が続けば、遅くとも2016年中に400 ppmを超える見込みです。
環境省、NIES、JAXAは、今回算出した「いぶき」の観測データから解析・推定された、月別全大気の二酸化炭素平均濃度を公開いたしました。

今後も引き続き、「いぶき」観測データに基づく成果の公表を行うとともに、2017年度をめどに打ち上げが予定されている「いぶき後継機」(GOSAT-2)による継続的な温室効果ガス観測を実施し、それらの成果を地球温暖化予測の精緻化に反映させていく予定です。

2015年11月2日更新
「JAXA世界の雨分布リアルタイム」を公開!

「JAXA世界の雨分布リアルタイム」を公開!

地球観測研究センター(EORC)では、現在時刻の降雨情報を提供するGSMaPリアルタイム版(GSMaP_NOW)を開発し、「JAXA世界の雨分布リアルタイム」ウェブサイトから公開を開始しました。
これまで提供してきたGSMaP準リアルタイム版(GSMaP_NRT)では、衛星データの収集に3時間を費やし、1時間でデータ処理することで観測終了後から4時間後の提供をしていましたが、GSMaP_NOWは30分毎に、最近1時間の降雨分布を提供することができます。

2015年10月7日更新
ALOS全球数値地表モデル(DSM)"ALOS World 3D - 30m"(AW3D30)

ALOS全球数値地表モデル(DSM)"ALOS World 3D - 30m"(AW3D30)

陸域観測技術衛星「ALOS」搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)による全球数値地表モデル(DSM)の30m相当(1arcsec)解像度版データセットを無償公開します。
本データセットは、全球規模で整備される標高データセットとして現時点で世界最高精度を持つ「全世界デジタル3D地形データ」のDSMデータセット(5m相当解像度)をベースとして作成しています。JAXAは科学研究分野や地理空間情報を活用したサービス等に広く利用していただくために水平解像度30mデータセットを無償で公開します。

2015年9月2日更新
地球スイングバイに向け、イオンエンジンを追加噴射

9月1日(火)から2日(水)の2日間、「はやぶさ2」は、地球スイングバイに向け、軌道制御精度をさらにあげるためのイオンエンジン追加噴射を行いました。
追加噴射は計画どおり終了し、合計約12時間イオンエンジンが稼働しました。
稼働中のエンジン状態や噴射前後の軌道制御状況につきましては、取得した探査機からのテレメトリデータ(探査機の状態を示すデータ)を詳細に解析、確認していきます。
図:はやぶさ2と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図、2015年9月1日時点

2015年7月29日更新
南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験で「きずな」を用いた通信訓練を実施

南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験で「きずな」を用いた通信訓練を実施

2015年7月29日、JAXAおよびNICTは、日本医師会が実施する「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)2015」において、大規模災害時に通信網の回線断が予想される各県医師会に地球局を設置し、「きずな」回線によるインターネット環境を提供しました。
また、NICTが所有する小型車載局から「きずな」回線を介してハイビジョン映像伝送および災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)を利用して仮想被災地との情報共有を行いました。
画像:可搬型VSAT(高知県庁)

2015年7月22日更新
「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999 JU3」にみんなで名前をつけよう!

JAXAは「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999 JU3」の名前案を7月22日(水)13:30より募集します。
「はやぶさ2」は順調に宇宙航行を続けており、2018年6~7月頃に小惑星「1999 JU3」に到着する予定です。あなたも、この小惑星に名前をつけてみませんか?
応募締め切りは8月31日(月)23:59です。(10:00から延長しました)

2015年6月23日更新
TRMM、17年間の歴史に幕

TRMM、17年間の歴史に幕

日米共同プロジェクトの熱帯降雨観測衛星「TRMM」が、6月16日12時55分(日本時間)に南インド洋上空で大気圏に再突入しました。
1997年11月28日にH-IIロケット6号機により打ち上げられたTRMMは、設計寿命3年2ヶ月を超え17年間にわたり観測を継続し、降水分野の研究に大きく貢献しました。

  • TRMM衛星を中心とした観測データによる全世界の降水分布を準リアルタイムで作成
  • 降水データを気象観測・予報だけでなく、洪水の予警報や干ばつ監視といった分野でも利用

TRMMの成果と実績は、TRMMの降雨レーダ(PR)を更に高度化した二周波降水レーダ(DPR)を搭載した「GPM主衛星」に引き継がれています。

2015年6月8日更新
「はやぶさ2」第2回イオンエンジン連続運転を無事終了

「はやぶさ2」は、6月2日から開始した2回目のイオンエンジン連続運転を6月7日午前0時25分(日本時間)に正常に終了しました。2回目の連続運転は102時間となり、計画どおりの稼働時間となっています。
12月に予定している地球スイングバイに向けたイオンエンジンン連続運転は、第1回(409時間)と第2回(102時間)を合わせて511時間となりました。
なお、2回目の連続運転の結果を踏まえ、地球スイングバイまでの間に、必要に応じて軌道微修正のためのイオンエンジン稼働が行われる場合もあります。

2015年5月18日更新
「だいち」画像を活用した世界最高水準の全世界標高データを無償公開!

「だいち」画像を活用した世界最高水準の全世界標高データを無償公開!

JAXAは、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による観測画像を用いて整備した、全世界の陸地の起伏を水平方向30mの細かさで表現できる標高データセット(30m メッシュ版)の無償公開を開始します。今回、日本を含む東アジア、東南アジア域から公開を開始し、順次、全世界の陸地(緯度82度以内)に拡大する予定です。
本データセットは、30mメッシュ版として高さ・精度も世界最高水準となっており、科学研究分野や教育、地理空間情報を活用した民間サービス等での利用が期待されています。

2015年5月14日更新
国土交通省九州地方整備局と「だいち2号」観測データ提供の協定締結

国土交通省九州地方整備局と「だいち2号」観測データ提供の協定締結

JAXAは、2015年4月30日に、(1)火山などの経年的な地形変化や降灰状況の調査、(2)離島の保全の調査に資することを目的とした、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の観測データの提供に関する協定を、国土交通省九州地方整備局と締結しました。
今後、九州地方整備局が保有する観測データとJAXAの衛星が観測したデータを相互に情報共有や検証することにより、広域的かつ効率的な調査が進められるように取り組みます。
今回の協定書締結をきっかけに、人工衛星の利用の幅を広げ、安心安全な社会に向けて貢献してまいります。

2015年4月30日更新
IKAROS、4回目の「冬眠モード」明け

小型ソーラー電力セイル実証機 IKAROSは、2015年3月の途中より冬眠モードから明けた状態にあると予想され、姿勢・軌道の予測に基づき探索を行ってきました。
その結果、4月23日(木)にIKAROSからの電波を受信することができました。地球からの距離は約1億2千万kmです。
今回は5月頃まで、IKAROSの状態を確認するためのデータを継続して取得し、解析作業を行います。

2010年5月に打ち上げられ、全てのミッションを完了したIKAROSは現在、太陽の周りを約10ヶ月で公転しています。そのうちの7ヶ月間は太陽電池による発生電力が不足して、機器がシャットダウン状態となる冬眠モードになります。残りの3ヶ月間は十分な電力を得て冬眠モードから明けた状態となり、データを受信できます。

2015年4月10日更新
新マネージャへバトンタッチ

「はやぶさ2」は安定して宇宙での航行を続けています。

新年度よりJAXAは独立行政法人から国立研究開発法人となり、新たな一歩を踏み出しました。「はやぶさ2」プロジェクトでも、プロジェクトマネージャのバトンタッチをはじめ、新たな体制に切り替わりました。プロジェクトメンバー一同、心機一転、ミッションに取り組んでまいります。

2015年3月25日更新
高速自転が引き起こす、木星のオーロラ爆発

木村智樹研究員(宇宙航空研究開発機構)が率いる研究チームは、惑星分光観測衛星「ひさき」による木星の長時間連続観測によって、オーロラの突発的増光(オーロラ爆発)を捉え、この現象が木星自身の高速自転によって引き起こされることを世界で初めて示しました。

2015年3月3日更新
「はやぶさ2」初期機能確認期間を終了、いざ小惑星1999 JU3へ!

2014年12月3日の打ち上げ後、約3ヶ月間にわたり探査機搭載機器の初期機能確認を実施していました小惑星探査機「はやぶさ2」は、3月2日、予定していた機能確認及び取得データ評価等が済み、初期機能確認期間を終了しました。
3月3日から、小惑星1999 JU3に向けた航行段階(巡航フェーズ)に移行し、本年11-12月の地球スイングバイに向けた運用を実施します。

はやぶさ2プロジェクトマネージャ 國中 均より皆様へ

全ての関係者の皆さまに感謝申し上げるとともに、運用に携わるメンバー全員、改めて気を引き締めて臨んでまいります。その気持ちを次の言葉に込めたいと思います。
「武運を信じ、いざ深宇宙動力航行に挑まん。両舷前進強速。進路、地球スイングバイ回廊。」

2015年1月25日更新
軟ガンマ線検出器(SGD)熱真空試験

軟ガンマ線検出器(SGD)熱真空試験

60-600keVの軟ガンマ線帯域を観測する軟ガンマ線検出器(SGD)の熱設計の確認を兼ねた熱真空試験を、つくば宇宙センターの8mチャンバーで行っています。
SGDのセンサー部は、-20度の低温で動作させなければなりませんが、衛星パネルの外に配置されるため、太陽や地球からの放射、衛星パネルからの熱入力、さら には、大量の半導体高集積回路(LSI)やアンプからの熱入力があり、そのままだと温度が上昇してしまいます。
そのため、これらの熱を、熱伝導やヒートパイプを通してラジエーターまで運んで熱放出し、アルミホイルを何重にもしたようなMLIで全体を囲んで熱入力を遮 断しています。また、半導体センサーを200-1000Vもの高い電圧で動作させるため、真空中で放電しないかどうかの試験が必要となります。

写真:8mチャンバーの中に配置されたSGD-2

2015年1月23日更新
「だいち2号」搭載CIRCの観測データを公開

「だいち2号」搭載CIRCの観測データを公開

「だいち2号」に搭載されているCIRC(地球観測用小型赤外カメラ)は、2014年5月24日の打ち上げから、機器の健全性を確認する初期チェックアウト、観測データの精度を確認するための初期校正運用を行ってきました。
初期校正運用期間において、データが所定の精度を満たしていることを確認できましたので、このたび観測データを公開することとなりました。
データ利用の詳細についてはプロジェクトサイトをご覧ください。

地球観測用小型赤外カメラ(Compact Infrared Camera:CIRC)とは?
CIRCは、東南アジア諸国などで深刻な問題となっている森林火災の検知を主目的とした赤外センサです。冷却機構を必要としない非冷却型の検出器を採用することで、小型で軽量、かつ低消費電力を実現しています。
森林火災の被害・影響を最小限に抑える一役を担い、火山災害の把握や都市計画へ貢献することを最終目標としています。

2014年12月26日更新
気候変動観測衛星「GCOM-C」のミッションマーク決定

気候変動観測衛星「GCOM-C」のミッションマーク決定

気候変動観測衛星「GCOM-C」のミッションマークが決定しました。
GCOM-Cは、気候変動に影響を及ぼしているとされる地球上の様々なデータを取得して、温暖化などの気候変動メカニズムの解明や黄砂の飛来状況監視、海洋プランクトンの観測による漁場推定などに使用する予定の人工衛星です。
GCOM-Cのミッションマークは、観測対象である雲・大気中のちり(エアロゾル)・植生(森林)・雪氷・海をシンプルに図案化しています。また、基本カラーには日本の伝統色「常磐色(ときわいろ)」を採用しました。常磐色には松や杉などの常緑樹の葉の色のように、常に変わらず長く続く繁栄への願いが込められています。
GCOM-Cは2016年度の打ち上げに向けて開発を進めています。

2014年12月5日更新
さあ宇宙探査ミッションへ!「はやぶさ2」クリティカル運用期間を完了

12月5日、小惑星探査機「はやぶさ2」について、太陽電池パネルの展開、サンプラホーンの伸展、探査機の3軸姿勢制御機能など、重要なシーケンスが正常に行われたことを確認しました。
なお、サンプラホーン伸展は、多くの皆さまより「はやぶさ2」にいただいたご寄附で製作・搭載した小型モニタカメラの取得画像にて確認ができました。改めまして、ご寄附に深く感謝し、心からお礼申し上げます。

これによりクリティカル運用期間(※)を終了します。現在、探査機の状態は正常です。今後およそ3ヶ月間かけて、探査機に搭載されたミッション機器の初期機能確認を実施する予定です。引き続き応援よろしくおねがいします!

現在「はやぶさ2」特設サイトでは、“作ろう!「はやぶさ2」”作品応募キャンペーン中です。あなたの作った「はやぶさ2」や、まだ見ぬ小惑星の想像図・地上運用局設備のようなマニアックなものも?オリジナル作品をどうぞお送りください!さあ作って応援「はやぶさ2」!

(※)クリティカル運用期間
ロケットから探査機が分離した後、一連の健全性を確立するまでの重要な期間

2014年12月5日更新
「いぶき」宇宙から見た大都市のCO2濃度

「いぶき」宇宙から見た大都市のCO2濃度

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が、2012年12月までの3年半に大都市等とその周辺で取得したデータを解析した結果、世界の大都市等で二酸化炭素(CO2)濃度がその周辺よりも高い傾向が見られました。さらにその濃度差と化石燃料消費量データから算出した濃度差との間に正の相関があることから、「いぶき」は大都市等での化石燃料消費によるCO2濃度の上昇を捉えている可能性が高いことが分かりました。
今後も衛星による温室効果ガス排出の監視に関する研究を進め、「いぶき」、2017年度打ち上げ予定の「いぶき後継機」(GOSAT-2)への応用を進める予定です。
画像:「いぶき」により高濃度(2009年6月~2012年12月の平均)の人為起源CO2が観測された領域 [東アジア]

2014年12月3日更新
「はやぶさ2」打ち上げ成功!

12月3日(水)13時22分4秒(日本標準時)、小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機を種子島宇宙センターから打ち上げました。

ロケットは計画通り飛行し、打ち上げ後約1時間47分21秒に「はやぶさ2」を正常に分離した事を確認しました。
最新情報は引き続き「はやぶさ2」特設サイトで発信していきます。
「はやぶさ2」へのみなさまからの応援メッセージ、ツイート(ハッシュタグ #hayabusa2)を募集中です。

2014年11月30日更新
12月3日(水)13時22分04秒(JST)に再設定!「はやぶさ2」打ち上げ

「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機の打ち上げが、12月3日(水)13時22分04秒(日本時間)に再設定されました。12月1日は打ち上げ時間帯にかけて射点周辺で制限風速を超える強風が予想されることから延期となりました。

打ち上げライブ中継は3日(水)12:25からインターネット配信する予定です。 どうぞご覧ください! JAXA事業所はじめ全国のパブリックビューイング開催予定は、確認し次第特設サイトにてお知らせします。 どうか無事に打ち上がるよう、「はやぶさ2」へのみなさまからの応援メッセージ、ツイート(ハッシュタグ #hayabusa2)を募集中です。その他たくさんの応募企画を特設サイトで行っているので、ご参加ください。

※なお、今後の天候状況等によっては、打ち上げ再延期の可能性もあります。

2014年11月28日更新
「はやぶさ2」打ち上げ延期

小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機の打ち上げを11月30日(日)に予定していましたが、射場近辺に打ち上げ制約条件の規定以上の氷結層を含む雲の発生が予想されることから、打ち上げを延期しました。
新たな打ち上げ日については決定し次第お知らせいたします。

2014年11月25日更新
「だいち2号」観測データの定常配布を開始

「だいち2号」観測データの定常配布を開始

初期機能確認運用及び初期校正検証運用を予定通り終了した「だいち2号」(ALOS-2)の観測データの定常配布を本日より始めました。
「だいち2号」の観測データは、災害発生時の状況把握や森林伐採の監視、オホーツクや極域の海氷観測などへの利用が期待されています。
ご利用窓口など詳細はプレスリリースをご覧ください。

2014年11月19日更新
巨大黒点の出現と、「ひので」がとらえた磁場構造

2014年10月下旬、太陽に巨大黒点が出現しました。 10月25日に開催されていた相模原市の野外イベント「さがみ風っ子展」JAXAコーナーでは、来場者の皆様と巨大黒点の話で大変盛り上がりました。 この黒点は10月16日に端から現れ、発達しながら自転によって移動し、30日まで見えていました。黒点群全体の面積は10月26日に地球約66個分となり、これは今の活動周期最大であるとともに、約24年ぶり(1990年11月18日以来)の大きさでもあります。その後11月になって太陽の自転によって再び姿を現しました。

2014年11月3日更新
熱帯降雨観測衛星「TRMM」 2015年4月頃にミッション終了へ

熱帯降雨観測衛星「TRMM」 2015年4月頃にミッション終了へ

熱帯降雨観測衛星「TRMM」は設計寿命の3年2ヶ月を大きく上回る17年目の運用に入っていましたが、本年7月に燃料の枯渇により軌道高度の維持を行わない状況となっており、10月5日にはPRが観測できなくなる高度(392.5km)に達したため、JAXAは10月7日にPRの後期運用を終了しました。
TRMMの運用は、その後もNASAにより継続されてきましたが、NASAの最新の解析によると、当初の軌道高度(約350km、再びPRで降雨観測できる高度)に達するのが2015年2月から3月頃になると予測され、その後1ヶ月程度の観測をした後、同年4月頃にミッションの終了時期となる見込みとのことです。
衛星の正式なミッション終了等については、改めてお知らせ致します。

2014年10月27日更新
「ひので」金環日食に遭遇

2014年10月24日、太陽観測衛星「ひので」は、軌道上で太陽、月、「ひので」と一直線上に並び、金環日食に遭遇しました。JAXA、国立天文台、NASAは、その際に撮影した金環日食のX線太陽画像・動画を公開しました。

「ひので」は、10月24日午前6時53分頃(日本標準時)に高度680kmで北米上空を飛翔している際に、月による影の中(金環日食が見られる擬本影,直径187km)に入りました。この金環日食は軌道上でのみ見ることができ、地上では部分日食として北米地域(米国、カナダ)等で世界時23日に観測されました。

2014年10月8日更新
熱帯降雨観測衛星/降水レーダ(TRMM/PR)後期運用終了へ

熱帯降雨観測衛星/降水レーダ(TRMM/PR)後期運用終了へ

2014年10月7日(UTC)、熱帯降雨観測(TRMM)衛星に搭載されている降水レーダ (PR)の後期運用を終了しました。TRMMは設計寿命3年2ヶ月を大きく上回る17年目の運用に入っていました。
TRMMは1997年12月に打ち上げられたNASA・JAXA共同開発の衛星で、熱帯の降雨を観測することをミッションとしており、降水レーダ(PR)は、日本が開発した世界初の衛星搭載降雨観測用レーダです。
PRの3次元観測データによる降雨構造や降雨現象に関する研究はこれまで全地球的な気候変動を解き明かす多くの新たな知見をもたらしてきました。
PRのミッションは、今年2月28日に打ち上げた全球降水観測(GPM)計画主衛星搭載の二周波降水レーダ(DPR)が引き継ぎ今後も全球の観測を継続します。

画像:PRの後期運用終了間近の10月7日に捉えた台風19号の降水分布

2014年9月30日更新
だいち2がとらえた御嶽山噴火

だいち2がとらえた御嶽山噴火

2014年9月27日11時52分、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火しました。JAXAでは、地球観測衛星等を用いて、噴火の様子と影響を観測しています。
だいち2号は、9月27日、28日、29日の御嶽山の観測を行いました。8月上旬から定常観測を開始しただいち2号は、御嶽山の噴火前の画像を取得していました。噴火前後の比較を通して、今回の噴火に関する火山の状況や変化について観測しました。
図は、御嶽山山頂付近の噴火前後の鳥瞰図です。黄色で囲んだところに、窪みが確認できます。だいち2号の観測結果の詳細は以下をご覧ください。

2014年9月30日更新
新たな深宇宙の航海へ!「はやぶさ2」を11月30日に打ち上げます

H-IIAロケット26号機による小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ予定日が、2014年11月30日(日)13時24分48秒(日本標準時)に決まりました!
打ち上げ予定場所は、種子島宇宙センター大型ロケット射場です。
※日時は準備作業の状況や天候等により変更になる可能性があります。
本日「はやぶさ2」特設サイトもオープン!「はやぶさ2」応援キャンペーンサイトとともに、情報をお伝えします。皆様の応援をお待ちしています。

2014年9月26日更新
「ひさき」木星磁気圏観測で初成果

2013年9月14日、イプシロンロケットにより打ち上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」が搭載の極端紫外線分光装置(EUV)により木星の磁気圏を観測し、高温の電子が木星側に向かって流れているという証拠を世界で初めて捉えました。これは従来の学説を裏付ける重要な証拠です。
本研究成果は2014年9月26日発行の米科学誌「サイエンス」に掲載されました。

2014年9月5日更新
相模原キャンパスで「はやぶさ2」機体公開

2014年8月31日(日)、JAXA相模原キャンパス内で、小惑星探査機「はやぶさ2」の報道関係者向け機体公開が行われました。

「はやぶさ2」は、小惑星の微粒子を採取して2010年に帰還した「はやぶさ」の後継機で、はやぶさ」で培った経験を活かしながら、太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「1999 JU3」を目指しサンプルを持ち帰ることを目指しています。

2014年9月2日更新
GPM主衛星 3D降水データ等の提供を開始

GPM主衛星 3D降水データ等の提供を開始

JAXAはNASAと共同開発したGPM主衛星が取得するデータの一般提供を9月2日から開始しました。
これまで、データ精度を向上させる校正作業を実施してきましたが、作業を完了し、JAXAの地球観測衛星データ提供システム「G-Portal」から一般ユーザへGPMプロダクトの提供を開始しました。
これらのGPMプロダクトによって、全球の降水(雨や雪)をこれまでより正確に把握することができるようになり、気象庁等の各国気象機関におけるデータ同化による天気予報精度向上や台風の進路予測に利用されます。また、アジア等の途上国における洪水対策などに利用される予定です。

2014年7月30日更新
「だいち2号」搭載 地球観測用小型赤外カメラの初画像

「だいち2号」搭載 地球観測用小型赤外カメラの初画像

森林火災や火山、都市部のヒートアイランド現象の観測を目的とした、地球観測用小型赤外カメラ(CIRC/シルク)が取得した初画像を公開しました。
CIRCは「だいち2号」に搭載された技術実証機器です。
2014年7月4日から7月14日にかけて機器健全性等を確認するために行われた初期チェックアウトおよびその後に画像を撮影しましたので、初公開します。
なお機器の状態はすべて正常であることが初期チェックアウト期間で確認されています。今後の校正検証期間において温度精度等の確認を行い、12月ごろ一般へデータを公開する予定です。

2014年6月30日更新
富士山など~「だいち2号」から初画像が届きました!

富士山など~「だいち2号」から初画像が届きました!

5月24日(金)に打ち上がり、初期機能確認試験を行っている「だいち2号」から初の観測画像が届き、本日公開しました。

今回プレスリリース等で公開した画像は、千葉県浦安市周辺・伊豆大島・富士山周辺・アマゾンの熱帯雨林。いずれも高い分解能で、夜間や噴煙の上がる場所でも、地表や土砂災害の状況、森林領域などが観測されています。
「だいち2号」の観測データは災害発生時の状況把握や森林伐採の監視などに貢献することが期待されています。
今後も引き続き初期機能確認試験を行い、一般利用者へのデータ提供開始は2014年11月下旬を予定しています。

2014年5月27日更新
「だいち2号」、クリティカル運用期間が無事終了!初期機能確認へ!

「だいち2号」、クリティカル運用期間が無事終了!初期機能確認へ!

5月24日(土)に種子島宇宙センターから打ち上げ「だいち2号」は、軌道に投入され、Lバンド合成開口レーダの展開を完了し、そのほか重要なイベントを正常に終えたため、クリティカル運用を終了しました。
この後、約2ヶ月半かけて各機器が宇宙空間で正しく動作するかを確認します。

順調に行けば数週間~1ヶ月後程度で初観測画像を公開したいと考えています。
初観測画像が公開される頃までに、みなさんも「だいち2号」を作って打ち上げ・ミッションを応援しませんか。引き続き応援メッセージも募集しています!
また、打ち上げのシーンをカメラに収めた方は、ぜひ自慢の打ち上げ写真を特設サイトにお送りください!

2014年5月26日更新
IKAROS、地球から約2億3千万kmかなたで3度めの目覚め!

小型ソーラー電力セイル実証機 IKAROSは、4月の途中から冬眠モードから明けた状態にあると予想され、姿勢・軌道の予測に基づき探索したところ、5月22日(木)にIKAROSの電波を受信することができました。地球からの距離は約2億3千万kmです。今回は6月頃までIKAROSの状 態を確認するためのデータを継続して取得し、解析作業を行います。
2010年5月に打ち上げられ、全てのミッションを完了したIKAROSは、現在、太陽の周りを約10ヶ月で公転しています。そのうちの7ヶ月間は太陽電池による発生電力が不足して、機器がシャットダウン状態となる冬眠モードになります。残り の3ヶ月は十分な電力を得て、冬眠モードから明けた状態となり、データを受信することができます。

2014年5月24日更新
「だいち2号」宇宙へ!H-IIAロケット24号機で打ち上げに成功!!

「だいち2号」宇宙へ!H-IIAロケット24号機で打ち上げに成功!!

5月24日(土)12時5分14秒(日本標準時)に、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」がH-IIAロケット24号機で種子島宇宙センターから打ち上がりました! H-IIAロケットは計画通りに飛行し、打上げ後約15分47秒に「だいち2号」を正常に分離しました。
この後「だいち2号」はLバンド合成開口レーダや太陽電池パドルの展開などを行う予定です。引き続き「だいち2号」そしてプロジェクトチームへ、皆様からの応援メッセージをお待ちしています。
また、打ち上げのシーンをカメラに収めた方は、ぜひ自慢の打ち上げ写真を特設サイトにお送りください!

2014年3月27日更新
「いぶき」の観測データを用いた全球の月別メタン収支の推定結果

「いぶき」の観測データを用いた全球の月別メタン収支の推定結果

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が観測したデータと、地上観測点の観測データを用いて、2年間分のメタン濃度について、全球の月別・地域別の正味のメタン収支(消失と放出の総量)を推定しました。
衛星観測によるメタン濃度データを活用して、全球のメタン収支を定量的に推定するとともに、東南アジア域や、南米及びアフリカの南亜熱帯地域のメタンの放出がよりはっきりするなど、「いぶき」観測濃度データの有用性が明らかになりました。
地上観測データのみによって推定したメタン収支量に比べて、「いぶき」により得られた観測データを加えることにより、より精度の高い(不確実性の低い)メタン収支量の推定値が得られ、放出量の多い地域と季節が明らかになりました。 二酸化炭素の吸収排出量に加えてメタンの収支量も精度が高く推計できるようになるなど、「いぶき」のデータは全球炭素循環の研究の進展に貢献し、その結果、気候変動予測の精度が向上し、将来のより効果的な地球温暖化対策の政策立案にも資することが期待されます。
メタン収支量の結果は、国内外の専門分野の研究者による確認ののちに、本年夏までに一般ユーザに公開する予定です。

2014年3月25日更新
GPM主衛星からの画像が届きました!

GPM主衛星からの画像が届きました!

DPRは3月9日より、GMIは3月5日より、それぞれ初期チェックアウトを開始しており、本チェックアウト中に取得したデータから試験的に処理を行ったものが、初画像として公開されました。
GPM計画は国際共同ミッションで、計画の要となるGPM主衛星はJAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した「雨雲スキャンレーダ」(DPR)と、NASAが開発したGPMマイクロ波放射計(GMI)の二つのミッション機器を搭載しています。
今後はミッション機器の校正、観測データの精度確認を行ない、約半年後からGPM主衛星が観測するデータを世界中の利用者へ提供いたします。

2014年3月14日更新
「大地にも、精密検査が必要だ。」だいち2号をH-IIAロケットで打ち上げます!

「大地にも、精密検査が必要だ。」だいち2号をH-IIAロケットで打ち上げます!

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を、2014年5月24日(土)12時5分~12時20分(日本標準時)にH-IIAロケット24号機で打ち上げることが決まりました!
「だいち2号」は、陸域観測技術衛星「だいち」の後継機です。
地図作成・地域観測・災害状況把握・資源探査の幅広い分野で利用され、私たちの暮らしに様々な形で貢献してきた「だいち」のミッションを発展的に引き継ぎます。
Lバンド地表可視化レーダ「PALSAR-2」を搭載し、暮らしの安全の確保・地球規模の環境問題の解決などを主なミッションの目的としています。
最新情報は本日オープンの「だいち2号特設サイト」をご覧ください!

2014年2月28日更新
GPM主衛星を搭載したH-IIAロケット23号機、打ち上げ成功!

GPM主衛星を搭載したH-IIAロケット23号機、打ち上げ成功!

2月28日(金)3時37分(日本時間)に、GPM主衛星を搭載したH-IIAロケット23号機が、種子島宇宙センターから打ち上げられました。
ロケットは正常に飛行し、打ち上げから約15分57秒後にはGPM主衛星を分離したことを確認しました。今後GPM主衛星は、通信の確保、姿勢制御を行った後、二周波降水レーダDPRをはじめとするミッション機器の電源投入を行う予定です。
引き続き、皆様からの応援メッセージをお待ちしております!

2014年2月24日更新
世界最高精度!「だいち」画像による全世界デジタル3D地形データを整備

世界最高精度!「だいち」画像による全世界デジタル3D地形データを整備

JAXAは、陸域観測技術衛星「だいち」によって撮影した約300万枚の衛星画像を用いて、世界最高精度の全世界デジタル3D地図を整備します。
今回整備するデジタル3D地図は、世界で初めて5m解像度と5mの高さ精度で世界中の陸地の起伏を表現できるため、地図整備や自然災害の被害予測、水資源の調査など、さまざまな用途に活用することが出来ることが特長です。

JAXAではこれまでも技術実証を目的としてデジタル3D地図を作成してきましたが、データ処理研究開発の結果、月15万枚程度を作成できる見通しが立ちました。この技術を活用し2014年3月から3D地図の整備を開始し、2016年3月までに全世界の地図が完成する予定です。
本データは、株式会社NTTデータを通して有償で一般に提供されます。

2014年2月3日更新
「しずく」観測データのアメリカ海洋大気庁(NOAA)での利用について

「しずく」観測データのアメリカ海洋大気庁(NOAA)での利用について
米国海洋大気庁(NOAA)は2014年6月1日から宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2012年5月に打ち上げた第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)に搭載されたマイクロ波放射計2(AMSR2)の観測データを、熱帯性低気圧の発生や発達の監視のために活用すると発表しました。
JAXAとNOAAは2011年にGCOMデータの利用についての覚書(MOU)を締結しており、NOAAはAMSR2が観測したデータを地上受信局を通してJAXAに伝送する一方で、受信したデータを自ら利用しています。
可視光や赤外観測による雲画像で台風の内部構造を把握できない場合でも、AMSR2のマイクロ波観測は雲を通して明瞭に捉えることが可能です。2013年11月にフィリピンに甚大な被害をもたらした台風30号の際には、AMSR2が観測したデータは、NOAAのハリケーンセンターにより、台風の位置や降雨量の特定、構造の解析のために活用されました。その結果などから、AMSR2の観測により得られたデータは台風30号のような勢力が強い台風の観測に適しており、予報の精度向上につながることが認められました。
JAXAは今後も、貴重な衛星観測のデータを有効活用するための開発に努めて参ります。

2013年12月26日更新
「雨雲を、味方にせよ。」雨雲スキャンレーダ「DPR」を乗せたGPM主衛星をH-IIAロケットで打ち上げます!

「雨雲を、味方にせよ。」雨雲スキャンレーダ「DPR」を乗せたGPM主衛星をH-IIAロケットで打ち上げます!

JAXAとNASAが中心になり、世界中に降る雨を宇宙から見極めるGPM計画。その中心となるGPM主衛星を、2014年2月28日(金)午前3時7分~午前5時7分(日本標準時)にH-IIAロケット23号機で打ち上げることが決まりました!

GPM主衛星には、日本が開発した最先端の二周波降水レーダ(DPR)が搭載されています。DPRは、従来の衛星では観測できなかった小雨から豪雨までを観測するとともに、まるで雨雲をスキャンするように、雲の中にある雨滴や雪・氷粒子の大きさなどの詳細情報を得ることができます。

GPM/DPRスペシャルサイトではコラムを更新しております。ぜひご覧ください。

2013年12月2日更新
AMSR-E低速回転データを公開

 AMSR-E低速回転データを公開

AMSR-Eは回転摩擦の増大により2011年10月4日(UTC)に観測及び回転を自動的に停止しました。その後NASAとJAXAは状況の解析を始めるとともに、AMSR-Eの観測を再開させる方法を模索してきました。そして2012年12月4日(UTC)に、AMSR-Eは低速(毎分2回転)での回転及び観測を再開しました。JAXAは低速回転データに対するラジオメトリック及び幾何学的な初期補正を完了したため、AMSR-E低速回転データを公開します。このデータは、AMSR-Eを他の放射計と相互校正するユーザや、低速回転による新しい特徴を利用した研究を試みるユーザ等に有用なものです。 このデータはJAXAの標準プロダクトではありません。一般的なユーザ向けには、AMSR2の標準プロダクトが用意されています。
画像:低速回転における観測領域
詳しくは以下をご覧ください。

2013年11月29日更新
「GPM主衛星」、種子島宇宙センターに到着!

「GPM主衛星」、種子島宇宙センターに到着!

GPM主衛星が11月24日(日)12時28分頃にNASAゴダード飛行センターから北九州空港に到着し、貨物船・陸送による移動ののち27日(水)午前2時24分頃に種子島宇宙センター第二衛星試験棟に到着しました。
26日夕方に種子島の島間港に到着した衛星は、深夜0時から移動開始。熟練の輸送チームの手によって、時速15km程度でゆっくりかつ慎重に運ばれました。

2013年11月28日更新
「GPS World 2013」Leadership Award (人工衛星部門)を受賞

「GPS World 2013」Leadership Award (人工衛星部門)を受賞

測位衛星システム技術室の小暮ミッションマネージャが、衛星測位システム(GNSS)※の業界紙「GPS World」が選出する「GPS World 2013 Leadership Award (人工衛星部門)」を受賞しました。
同賞は衛星測位システム(GNSS)に関連して、衛星、信号、サービス、製品の各部門で当該年度に世界で最も傑出した成果を残した人物に対して贈られる賞で、 GPS World編集委員や有識者40名の投票により決定されます。小暮マネージャーは平成13年から、準天頂衛星システムの概念検討を担当、初号機「みちびき」(平成22年打ち上げ)の開発や、GPSやGalileo等各国の衛星測位システムとの技術調整、アジア地域における利用促進に携わってきました。
表彰は9月19日にアメリカ テネシー州ナッシュビルのハーミテージホテルで行われました。

2013年11月25日更新
JAXAとNASAが共同開発の人工衛星「GPM主衛星」、日本に到着!

JAXAとNASAが共同開発の人工衛星「GPM主衛星」、日本に到着!

JAXAとNASAが共同開発の人工衛星 GPM主衛星が11月24日(日)12時28分頃にNASAゴダード飛行センターから北九州空港に到着し、貨物船により打ち上げ場所となる種子島宇宙センターに向かいました。北九州空港の到着は22日を予定していましたが、給油地のアラスカの悪天候の影響で2日遅れでの到着になりました。

GPM計画はGPM主衛星と8機程度の衛星群(コンステレーション)を組み合わせて、地球全体の雨の様子を高精度・高頻度で観測する国際協力ミッションです。

今回、日本に到着したGPM主衛星が打ち上げられることでGPM計画が本格始動し、全地球規模での水資源管理や台風・洪水等の水災害の被害低減、天気予報の精度向上等、私たちの日常生活のあらゆる場面で役立てられます。また、GPM主衛星に搭載される二周波降水レーダ「DPR」は、雨を三次元で精度よく観測することができる日本が開発した最先端の観測装置です。

2013年11月20日更新
「はやぶさ2」衝突装置試験を実施

2013年10月に「はやぶさ2」衝突装置の試験を行いました。
衝突装置は「はやぶさ2」が向かう小惑星1999 JU3に人工クレータを作るための装置です。人工クレータを作り、その中を観察することで、小惑星の表面だけでなく内部の情報を得ることができるようになります。更にクレータ近傍でサンプリングをすることで、小惑星内部のサンプルを取得することが可能となります。
「はやぶさ2」には、高速な金属の衝突体を小惑星にぶつけることで人工クレーターを作る方法が採用されており、今回の試験ではこの衝突体を加速する部分の試験を行いました。この試験の目的は、実機と同等の爆薬部に点火した際に生成される衝突体の、速度、形状、飛翔方向精度が設計通りであるかを確認するというものでした。
試験結果は大変良好で、速度、形状についてはほぼ設計通り、飛翔方向精度についても、100m先の的を的確に射抜くことができ、爆薬部の性能確認試験が終了しました。

2013年9月6日更新
「だいち2号」のミッションマークが決定!

「だいち2号」のミッションマークが決定!

「陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)」の愛称が「だいち2号」に決定したことにともない、2013年2月から3月にかけて、いくつかのデザイン案の中から「だいち2号」にふさわしいと思うミッションマークをみなさまに選んでいただくキャンペーンを行いました。そしてこのたび、ついにミッションマークが決定いたしました。たくさんのご応募、どうもありがとうございました。

2013年7月16日更新
応募受付を8月9日(金)まで延長します! ~「はやぶさ2」にあなたの名前・メッセージを載せようキャンペーン~

“「はやぶさ2」に世界中の皆さまのお名前や想いの詰まったメッセージを載せて、皆さんと一緒に宇宙探査ミッションに挑みたい!”、“皆さんとミッションの醍醐味を一緒に味わい、時間を共にしたい”と考え、本キャンペーンを行っています。
4月10日の受付開始から本日までに多くの皆さまからのご応募を頂きましたこと、また受付締め切りまでの登録・郵送にご協力頂きましたことに御礼申し上げます。

そして、これまでに届いた皆さまからの「はやぶさ2」に対する励ましのお言葉を拝見し、もっともっとたくさんの皆さまと一体となってミッションに挑みたい とプロジェクト関係者一同の想いが強まるなか、はやぶさ2製造の作業進捗により、キャンペーン応募受付締め切りを延長することが可能となりました。

新しい応募受付締め切り日時

2013年8月9日(金)
Web登録=17:00まで  郵送登録=必着

詳しい応募方法等はこちら
(メッセージ応募キャンペーンサイト)


ご家族、ご友人、学校や会社をはじめ、さまざまなコミュニティーなど、更に多くの皆さまからのご登録をお待ちしています。


 -「はやぶさ2」とともに
       目指すのは小惑星1999 JU3 、そして再び地球へ-

2013年6月13日更新
「はやぶさ2」一次噛み合わせ試験が終了!

今年1月よりJAXA相模原キャンパスで実施していた探査機構造への機器据え付けや、機器間のインタフェースの確認を目的とした、はやぶさ2の「一次噛み 合わせ試験」は、6月7日に全ての試験を終了しました。最後の試験である質量特性計測では、試験に供した機器を全て組み上げ、「はやぶさ2」が初めてその 姿を現しました。
今後、探査機から取り外された各搭載機器は、まずは機器それぞれで最終的な仕上げ、試験の工程に入り、その後の探査機全体の組立、試験に備えることになります。プロジェクトの着実な遂行のため、引き続きプロジェクトメンバー一丸となって取り組んでまいります。

2013年3月29日更新
「はやぶさ2」にあなたのお名前・メッセージを搭載します!

小惑星探査機「はやぶさ2」搭載装置に、世界中の皆さまからお寄せいただいたお名前、メッセージ、寄せ書き・イラストを記録・搭載するキャンペーンを実施します。
「はやぶさ2」は、2014年度にH-IIAロケットにより打ち上げられ、2018年に小惑星に到着し、約1年半ほど小惑星の探査を行い、2020年に地球に帰還する予定です。
募集は4月10日から。皆さまのご応募をお待ちしております!

2012年12月27日更新
はやぶさ2 一次噛み合わせ試験前の機体を公開

12月26日、相模原キャンパスで「はやぶさ2」の機体を公開しました。今春に設計を完了した「はやぶさ2」は、まもなく探査機構造体への機器据え付けや、機器間のインターフェースの確認を目的とした「一次噛み合わせ試験」を開始します。
また、フライト品が完成した探査機の構造体や太陽電池パネルは、振動試験による機体の確認と、搭載機器が晒される振動環境の計測を行います。 2014年度の打ち上げに向け、JAXAは「はやぶさ2」の開発を進めています。

2012年12月27日更新
衛星搭載船舶自動識別実験「SPAISE」定常フェーズを終了し、後期利用フェーズへ

衛星搭載船舶自動識別実験「SPAISE」定常フェーズを終了し、後期利用フェーズへ

JAXAは、小型実証衛星4型(SDS-4)に搭載した衛星搭載AIS受信機に関する実験について、11月16日に定常フェーズを終了しました。
定常フェーズでは、衛星パラメータの変更や船舶数の変化、天候等、様々な環境下における信号をのべ38万信号分取得し、衛星AIS受信機の技術的な検証を実施しました。
11月17日からは後期利用フェーズを開始しています。後期利用フェーズでは、取得した信号を引き続き解析することにより、船舶トラッキング(航行状況把握)、海洋環境保全(保護区への侵入船舶等)、海上安全(海難対策等)など利用の可能性について、研究を進めてまいります。
写真:小型実証衛星4型「SDS-4」運用風景

2012年11月29日更新
雲プロファイリングレーダ(CPR)の技術試験モデルを公開

雲プロファイリングレーダ(CPR)の技術試験モデルを公開

11月27日、筑波宇宙センターで、雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」に搭載される雲プロファイリングレーダ(CPR)のエンジニアリングモデル(※)を報道機関に向けて公開しました。
雲プロファイリングレーダ(CPR)は、地上に向けて電波を発射し、反射波を受信することで雲の分布を観測するセンサで、JAXAと情報通信研究機構(NICT)が共同で開発に取り組んでいます。

※エンジニアリングモデルは、実際に打ち上げられるフライトモデルに近い形態の技術試験モデルとして製作されます。エンジニアリングモデルを使用してフライト実機よりも厳しい環境下で試験を実施し、機械的、電気的な設計仕様や試験方法、製造工程を確立するため、必要なデータを取得します。このエンジニアリングモデルの電気設計、構造設計、熱設計が所定の機能、性能を発揮できるか確認された後、フライトモデル製作に向けて次の開発フェーズへと移行します。


2012年10月25日更新
「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送実験を開始

「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送実験を開始

「きく8号」を用いたGPS津波計からのデータ伝送実験を開始 JAXAは、情報通信研究機構(NICT)、日立造船株式会社、東京大学地震研究所及び高知工業高等専門学校とともに、技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)を使ったGPS津波計からのデータ伝送実験を10月24日から開始しました。

この実験は、高知県室戸岬沖(約40km)の海上ブイに設置しているGPS津波計で観測した波浪情報を「きく8号」で陸上に送るもので、この衛星回線によるデータ伝送が実現すれば、GPS津波計を設置した地域が地震・津波で電力・通信網に甚大な被害が発生した場合でも、沖合での正確な津波観測データを日本国内はもちろんのこと、全世界に送り続けることができると期待されます。

2012年9月10日更新
「こだま」が軌道上での運用、10年を達成

「こだま」が軌道上での運用、10年を達成

2002年9月10日に打ち上げられた「こだま」が、本日、軌道上運用10年を達成しました。「こだま」はこれまでに、陸域観測技術衛星「だいち」と世界最高速度278Mbps のデータ中継実験に成功し、その広可視域を活かして大容量データをリアルタイム中継することで「だいち」の地球全球陸域観測及び災害監視に貢献してきました。「だいち」の654万シーン・約1ペタバイトにも上る観測データの95%以上は「こだま」経由で取得されたものです。
また、10年間に亘って国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟など多種多様な6機の宇宙機とのデータ中継実験にも成功し、これらの実験稼働率は99%以上という高い値を達成しました。
今後もデータ中継衛星の利用計画があることから、「こだま」の運用を継続するとともに、我が国のデータ中継衛星の継続確保に向けた準備を続けていきます。

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