トピックス

2019年

2019年12月

2019年12月27日 更新
宇宙滞在による免疫機能低下の機構を解明 -無重力環境が引き起こす胸腺の萎縮と人工重力による軽減-

 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター免疫恒常性研究チームの秋山泰身チームリーダー、粘膜システム研究チームの大野博司チームリーダー、筑波大学の高橋智教授、宇宙航空研究開発機構の白川正輝グループ長、東京大学の井上 純一郎教授らの共同研究グループは、宇宙の無重力環境を経験することにより、リンパ器官である「胸腺」が萎縮すること、その萎縮は人工的な重力負荷で軽減されること、また、胸腺細胞の増殖が抑制されることによって萎縮が起きるという仕組みを発見しました。
 これまで、宇宙滞在による免疫機能の低下が報告されてきましたが、その機構については多くが分かっていません。本研究成果は、免疫機能に関与する胸腺と重力の関係を明らかにするもので、将来の月・火星有人探査や民間の宇宙旅行などの際に必要な健康管理や、免疫系異常の予防に貢献すると期待できます。

2019年12月20日 更新
美笹深宇宙探査用地上局におけるX帯電波の受信について

美笹深宇宙探査用地上局におけるX帯電波の受信について

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、現在開発を進めている美笹深宇宙探査用地上局(54m 大型パラボラアンテナ)において、12月16日04:40:49~06:43:01(日本時間)にかけて、小惑星探査機「はやぶさ2」から X 帯(電波の周波数帯域の一つ:8GHz 帯)で送られるテレメトリ信号の受信に成功しました。

2019年12月9日 更新
調達・財務業務におけるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)に関する情報提供要請(RFI)と説明会(2019/12/16)のご案内

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)では、調達・財務業務(※)のうち、定型的な事務作業について、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの考え方を取り入れ、効率化・外注化(以下「調達・財務BPO」という)をFY2020より進めることを検討しています。この検討に際して、民間事業者が有する知見・経験を広く集めることを目的として、今回、情報提供要請(Request For Information:RFI)を行います。また、RFI実施に際し、JAXAから民間事業者に可能な限りの情報提供を行うとともに、事業者から十分な情報提供を受けるため、民間事業者とJAXAとの間の対話を必要に応じて行う予定です。
本RFI及び対話にて提供いただく情報は、調達・財務BPOの範囲、仕様要件を定めるにあたり参考にさせていただく予定です。
調達・財務BPOの範囲、仕様要件に関わるJAXAの検討結果につきましては、公平性を保つため順次本Webにて公表することを予定しています。これに際し、民間事業者の承諾いただいた範囲の情報をQ&A等として利用させていただくことがあります。

(※)JAXA内の各部門・部等からの要求を受け、契約相手方の選定及び契約を行い、債権・債務計上、出納、資産管理、決算等を行う業務。

【意見募集期間】2019年12月9日(月)~2020年1月24日(金)15時まで

(注1) 締切り日時を待たず情報提供をいただけると幸いです。JAXAから十分な情報確認や対話の期間が確保できます。
(注2) いったん情報提供をいただいた後、その後の検討で情報のアップデートや追加をいただけることを妨げません。

詳細は以下を参照ください。
情報提供要請の公告

また、情報提供要請にあたり、下記のとおり説明会を開催いたします。

【説明会開催概要】

日時: 2019年12月16日(月)16:00~17:45
場所: 〒305-8505
茨城県つくば市千現2-1-1 筑波宇宙センター総合開発推進棟 2階中会議室b1/2
(https://www.jaxa.jp/about/centers/tksc/index_j.html)
申込方法: 参加希望の方は以下のメールアドレスに必要情報をご記入の上、12月13日(金)正午までにお申込下さい。
(申込先)PD-FD_RFI[a]jaxa.jp ※[a]を[@]に変更してください。
(件名)RFI説明会申込み(所属(会社名等))
(記載情報)①氏名、②所属(会社名等)、③電子メールアドレス、④電話番号

2019年12月9日 更新
民間移管後初の超小型衛星としてTOKYO2020 ONE TEAM PROJECTの「G-SATELLITE」がJAXAに引き渡されました

JAXAも参画する東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参画プログラムONE TEAM PROJECT「G-SATELLITE宇宙へ」の「G-SATELLITE」がJAXAに引き渡されました。
また、「G-SATELLITE」は、2018年に超小型衛星放出サービス事業者として選定されたSpace BD株式会社による民間への事業移管初の衛星となります。
JAXAは、来年春頃に国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟からの放出することを目指し、準備を進めてまいります。

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©JAXA

2019年12月6日 更新
フィリピンに被害をもたらした台風Kammuriの発達した"雨雲の塔"

JAXAでは、全球降水観測(GPM)計画の下、GPM主衛星に搭載された二周波降水レーダ(DPR)と、複数の衛星を組み合わせて作成した衛星全球降水マップ(GSMaP)により、宇宙から世界の雨を観測しています。今回は、2019年12月にフィリピンに被害をもたらした台風Kammuri(カンムリ)の衛星降水観測事例を報告します。フィリピンのマニラ観測所(Manila Observatory)では、台風Kammuriに関するレポートを公開しており、JAXAのGSMaPデータも情報源の一つとして役立てられています(図1)。

図1. Manila Observatoryによるレポートの抜粋
©JAXA/EORC

2019年12月4日 更新
環境試験設備等の運営並びに利用拡大事業の提案募集について

JAXAは、宇宙開発に必須な環境試験設備を筑波宇宙センター内に保有・維持し、宇宙開発に貢献してきましたが、今後もこれらの宇宙環境試験設備を効率的かつ確実に維持し続けるとともに、環境試験に関わる技術・設備を宇宙開発のみならず、産業界へ利用拡大することを目指し、PPP(官民連携)的手法による維持・運営を検討すべく、かねてより情報提供要請(RFI: Request for Information)を行い、検討を重ねて参りました。

この度、既発のRFIによりご提供いただきました内容を基に要求事項をまとめ、本案件にご提案頂ける民間事業者様を、総合評価方式にて募集することとなりました。

つきましては、以下のとおり入札説明会を開催致しますので、本案件にご興味をお持ち頂ける民間事業者様につきましては、説明会にご参加頂けますよう、ご案内申し上げます。

◆事業概要

JAXAは民間事業者に対し、環境試験設備等の貸付けないしは利用権の付与を行い、民間事業者はこれらの設備等について以下の業務を実施する。

(1) 本件設備等の管理及び対象設備の保全・運転に関する業務(運営業務)
(2) 本件設備等の利用拡大に関する業務(利用拡大業務)

◆入札説明会

案件: 「環境試験設備等の運営・利用拡大事業」入札説明会
日時: 2019年12月13日(金)10:00~12:00
場所: 御茶ノ水ソラシティ1F カンファレンスセンター RoomD
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-6)
説明会にご参加頂くには、事前に参加登録が必要です。
詳細につきましては、こちらをご覧ください。
皆様からの積極的なご参加をお待ち申し上げております。

2019年11月

2019年11月28日 更新
月周回を中心とした超小型探査機ミッションに関する情報提供依頼(RFI)と説明会のご案内

近年、民間企業や大学・研究所において地球周回軌道での超小型衛星の活用が進んでおり、技術的に成熟するとともに、ビジネスとしても広く展開されつつあります。一方で、米国のアルテミス計画の発表や日本の国際宇宙探査への参画方針の決定など、月、火星などの地球周回以遠の探査活動も活発化してきています。そのような状況を背景に、地球周回以遠での超小型探査機(月周回の人工衛星等も含む)を利用した科学探査や技術実証、ビジネス展開などについても、国内外で様々な検討が始まっています。
これらを踏まえ、JAXAでは、国内の大学・研究所や民間企業が活用することを目的とした、月周回有人拠点(Gateway)や補給後の新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)からの放出の機会や、H3ロケットや2022年頃に計画されている米国のSLS2ロケットの相乗り機会、さらにイプシロンによる打上げ機会等の可能性の検討を行っています。
本情報提供要請(RFI)では、これらの機会の活用について、様々なミッションの計画や最先端の技術、知見、発想等を幅広いプレーヤーの方から募集します。

【意見募集期間】2020年1月20日(月)まで

詳細は以下を参照ください。
情報提供要請の公告

また、意見募集にあたり、下記の通り説明会を開催いたします。

(1)第1回説明会(アカデミアを主対象)

日時: 2019年 12月7日(土) 12:00~13:00
場所: 〒252-5210 神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1
相模原キャンパス(大会議場)
アクセス

(2)第2回説明会(産業界を主対象)

日時: 2019年 12月12日(木) 15:00~17:00
場所: 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町 1-5-3福島ビル 7階
宇宙ビジネス拠点X-NIHONBASHI
アクセス

申込方法:

(1)については、直越会場にお越しください。(2)については、会場の都合上、下記サイトにて事前登録をお願いいたします(先着順)。ご応募多数の場合、事前に締め切らせていただく場合がございます。

第2回説明会申込みサイト

2019年11月6日 更新
12/20開催、GCOM衛星利用シンポジウムの参加申し込みを開始しました

12/20開催、GCOM衛星利用シンポジウムの参加申し込みを開始しました

地球環境変動観測ミッション(GCOM:Global Change Observation Mission)を構成する2機の衛星、水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)は2019年5月に打上げから7年を達成しており、気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)も2019年12月に打上げから2周年を迎える予定です。

本シンポジウムは、2衛星が揃って観測データの提供を開始したことを機に、地球環境変動観測ミッション(GCOM)の目的である気候変動研究や実利用機関における利用の成果と今後の展望について、各講演等を通してGCOMへの理解を深め、各種データの利用促進を図ることを目的として開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

日時: 2019年12月20日(月)13:30~18:30 シンポジウム(開場 13:00)
会場: 御茶ノ水ソラシティ 2F ソラシティホール【WEST】

2019年10月

2019年10月29日 更新
GOSAT-2「いぶき2号」打ち上げ1周年、プロジェクトマネージャインタビューを更新しました

本日はGOSAT-2「いぶき2号」が宇宙へ打ち上がって一周年。
いぶき2号プロジェクトマネージャインタビューをリニューアルしましたのでご覧ください。

2019年10月25日 更新
国際宇宙探査協働グループ(ISECG)局長級会合の結果について

2019年10月3日から4日、国際宇宙探査協働グループ(ISECG)の局長級会合が、東京にて開催されました。ISECGは、欧米・日本をはじめとする世界各国の19の宇宙機関がメンバーとなり、国際協働による宇宙探査の推進を目指した検討を行っています。
現在は、JAXAがISECGの議長を務めており、今回の会議を主催しました。

本会合では、月および火星の有人・無人探査に向けた各国の検討状況を確認するとともに、持続的な探査の実現に向けた国際協働の重要性と今後の協力の発展について参加機関間で確認し、その結果を開催結果概要としてまとめました。

結果概要はこちらから

国際宇宙探査協働グループ(ISECG)局長級会合の結果概要
(仮訳)

2019年10月3日~4日、東京にて、国際宇宙探査協働グループ(ISECG)の局長級会合が開催され、11の宇宙機関が出席しました。本会合では、月周回と火星の有人・無人探査に関する協力関係の推進について協議されました。

本会合は、現在ISECG議長を務めるJAXAが主催して行われ、参加宇宙機関は宇宙探査の促進を目指すISECGの活動をレビューしました。

参加機関のメンバーは、月および火星を目指す国際的な挑戦が拡大していることを確認し、宇宙探査における協働が重要であることを再確認しました。また、参加機関の共有目標が火星の有人探査ミッションに貢献する月面および月周回の持続的な探査であることを確認し、参加機関は月面探査シナリオの参照文書(レファレンス)を今後更新していきます。月面探査シナリオは、最新の各宇宙機関の計画と科学目標および技術発展戦略に基づいてアップデートされます。

「持続性(Sustainability)」が、長期有人探査の促進の鍵となります。参加機関のメンバーは、米国が主導する月周回有人拠点ゲートウェイが、月面探査ミッション、科学的発見の円滑化、そして将来の深宇宙探査に欠かすことのできない役割を担うことを確認しました。また、月面の水氷の利用を含む「その場資源有効利用(ISRU)」の可能性について関心と重要性を共有しました。

さらに、国際宇宙ステーションの利用など低軌道を活用することが、月および火星に向けた有人探査の実証や準備において重要であることを再確認しました。また、将来の探査ミッションに備えて、低軌道で進められている先端システムおよび技術の準備状況についても留意しました。

宇宙探査に関する国際協力と計画が拡大するなか、次世代が持続的な探査を実現するために、各機関のメンバーはステークホルダーの探査への参加、および一般市民からの支援の拡大を目指すことを表明しました。

参加機関のメンバーは、長期的・短期的な協力機会について言及しました。また、今月末にワシントンD.C.で予定されている国際宇宙会議(IAC)において、国際協力に関する協議の機会を設けることについても言及しました。さらに、ISECG参加機関は、ルーマニア宇宙機関とスイス宇宙室が新たな参加機関となることを歓迎し、ルクセンブルグ宇宙機関がISECGに参加申請をしましたことについても確認しました。

本会合には、以下の参加機関が出席しました。

イタリア宇宙機関(ASI)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、カナダ宇宙機関(CSA)、欧州宇宙機関(ESA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、韓国航空宇宙研究院(KARI)、アメリカ航空宇宙局(NASA)、ポーランド宇宙機関(POLSA)、ロシア連邦宇宙局(ROSCOSMOS)、スイス宇宙室(SSO)、イギリス宇宙庁(UKSA)

以上

2019年10月21日 更新
JAXA機関紙「JAXA's」の78号を発刊しました

JAXA機関紙「JAXA's」の78号を発刊しました

今号では「航空」を特集しました。「航空」が「宇宙」と違う点、それは「空気があるか、ないか」。対談では「空気」を味方につけながら活躍し続ける葛西紀明選手と、航空技術部門の松尾裕一が“大空を飛躍する”ために語り合います。

そのほか、月と地球の歴史や、月周回衛星「かぐや」の観測データが小型月着陸実証機「SLIM」に繋がっていく話など、盛りだくさんの内容をお届けします。

2019年10月17日 更新
宇宙探査イノベーションハブとリコーによる360°全天球静止画・動画を公開

宇宙探査イノベーションハブとリコーは、宇宙空間(宇宙船外)で360°の全方位を一度に撮影できる小型全天球カメラを共同開発し、2019年9月25日に打ち上げられた、宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機で国際宇宙ステーション(ISS)へ送り届けられ、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置されました。
その際に撮影した地球の画像と動画のデータを公開いたします。
http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/theta_photo.html

2019年10月11日 更新
宇宙探査イノベーションハブ 第5回 研究提案募集(RFP)結果について

宇宙探査イノベーションハブ 第5回 研究提案募集(RFP)結果について

2019年5月31日(金)から7月11日(木)まで実施しました第5回研究提案募集(RFP: Request for Proposal)に対して、69件の研究提案をいただき、JAXA(外部有識者、技術専門家含む)での選考の結果、20件(課題解決型4件/アイデア型13件/TansaXチャレンジ研究3件)を採択致しました。採択された研究提案については、採択先とJAXAで研究計画を作成、契約を締結した後、研究を開始することを予定しております。



2019年10月4日 更新
地球低軌道活動の継続的な実施と拡大に向けた情報提供依頼(RFI)と説明会(2019/10/15)のご案内

 現在、2025年以降の国際宇宙ステーション(ISS)計画への参画の在り方について政府で議論がなされておりますが、地球低軌道における活動を将来に渡って日本の民間企業とともに継続・発展させるため、JAXA有人宇宙技術部門では、ISS/「きぼう」日本実験棟における利用に代わる、打上げから軌道上利用環境の提供、地上回収に至る一連の手段を提供するシステムの構築について検討する予定です。検討にあたり、地球低軌道活動に関係する幅広い業種・業界の皆様から、アイデア・御意見を募集します。

【意見募集期間】2019年10月4日(金)~2019年11月29日(金)17時まで

また、意見募集にあたり、下記の通り説明会を開催いたします。

【説明会開催概要】

日時: 2019年10月15日(火)13:30~15:30
場所: 〒103-0022
東京都中央区日本橋室町1-5-3福島ビル7階(X-NIHONBASHI)
(https://www.x-nihonbashi.com/)
申込方法: 参加希望の方は以下のメールアドレスに必要情報をご記入の上、10月10日(木)15:00までにお申込下さい。
(申込先)J-SPARC_LEO[a]jaxa.jp ※[a]を[@]に変更してください。
(記載情報)①氏名、②所属(会社名等)、③電子メールアドレス、④電話番号

2019年10月2日 更新
第3回「インフラメンテナンス大賞」の受賞者を決定~優れた取組や技術開発を表彰~

第3回「インフラメンテナンス大賞」の受賞者を決定~優れた取組や技術開発を表彰~

だいち2号の合成開口レーダによるインフラ変位モニタリングが、第3回「インフラメンテナンス大賞」を受賞しました。詳細は 国土交通省 のホームページをご参照ください。

※日本国内のインフラメンテ ナンスに係る優れた効果・実績を挙げた取組や技術開発を行った者 (個人及び施設管理者・企業・団体等の活動グループ)を対象に表彰。国土交通省・総務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・防衛省の主催。



2019年9月

2019年9月30日 更新
新しいタイプの抗菌薬開発につながる化合物発見に「きぼう」で作られたタンパク質結晶が貢献 ~歯周病治療薬などの研究開発につながることに期待~

新しいタイプの抗菌薬開発につながる化合物発見に「きぼう」で作られたタンパク質結晶が貢献 ~歯周病治療薬などの研究開発につながることに期待~

岩手医科大学薬学部の阪本泰光准教授、關谷瑞樹助教、昭和大学薬学部の田中信忠准教授、合田浩明教授、長岡技術科学大学の小笠原渉教授、長岡工業高等専門学校の鈴木義之特命助教、JAXAの山田貢主任研究開発員らのグループは、「きぼう」で行われているタンパク質結晶生成実験で得られた結果をもとに、歯周病菌の増殖を抑制する化合物を見出しました。この化合物は、糖類を餌にして増殖する微生物である大腸菌には作用せず、糖類を餌にしない微生物である歯周病菌に強く作用することから、歯周病菌などの「糖非発酵グラム陰性細菌」に特異的な、これまでにない抗菌薬の開発につながることが期待されます。



2019年9月30日 更新
「社会環境報告書2019」を掲載しました

「社会環境報告書2019」を掲載しました

「JAXA社会環境報告書2019」は、研究開発だけでなく、より深くJAXAの組織を知っていただくことができる報告書です。
2018年度のJAXAのさまざまな活動や、JAXAが事業を行う上で環境に配慮している取り組みに加えて、ルールに基づいて公正に仕事が行われているか等の社会的な責任を果たしているかといった観点や、女性活躍推進や働き方改革など職員にとって働きやすい環境かといった内容も掲載されています。
また、より多くの情報をお伝えするため、JAXAホームページ等のリンクを貼り、詳細な記事にもアクセスできるようにしています。
是非ご一読いただき、アンケートにて率直なご意見・ご感想をお寄せください。

2019年9月6日 更新
第7回アフリカ開発会議(TICAD7)への参加結果について

8月28日-30日、パシフィコ横浜にて第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催されました。JAXAは以下のTICAD7公式サイドイベントに参加し、宇宙技術を通じてアフリカの人材育成、及び森林伐採・減少の警戒・監視に貢献していることを発信しました。また超小型衛星開発及び国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟からの衛星放出に係る展示ブースを、東京大学、九州工業大学、SpaceBD株式会社、三井物産株式会社と共同で出展しました。

今回のTICAD7の成果文書の中では初めて「宇宙」が取り上げられ、宇宙技術がアフリカの持続可能な発展に貢献し得ることへのTICAD参加者の理解が深まりました。JAXAも「きぼう」からの衛星放出や、JICAと共同で進める熱帯林変化監視システムJJ-FASTを通じて、アフリカの宇宙技術力の向上に引き続き貢献していきます。

JAXAが登壇したTICAD7サイドイベント:

(1)アフリカ宇宙フォーラム

主 催: 内閣府、総務省、外務省、経済産業省、文部科学省、JAXA
内 容: 宇宙技術(特に超小型衛星)を通じて、アフリカが抱える各種課題解決への貢献を議論しました。若田理事より、「きぼう」からの超小型衛星放出を通じて、途上国の宇宙分野の人材育成に貢献していることを発表しました。

(2)アフリカの未来を創るこれからの教育

主 催: JICA
内 容: アフリカの豊かな未来を築く基盤である基礎教育の重要性について議論しました。若田理事より基調講演にて、宇宙飛行士としての経験や、「きぼう」で行っている教育実験を例に、宇宙関連活動とSTEM教育は相互に連携していることを発表しました。

(3)Forests can Change the World

主 催: JICA、共催:JAXA、国際熱帯木材機関(ITTO)
内 容: アフリカの森林保全・管理に関し、宇宙技術などの革新的技術の活用ほかについて議論しました。舘理事補佐より挨拶し、JAXAの地球観測衛星を用いた気候変動への取組みやJJ-FASTを通じたアフリカ支援について述べたほか、JAXAの主任開発員から、衛星による森林観測の長所や国際協力による現地検証の重要性について発言しました。

TICAD7サイドイベント
「アフリカの未来を創るこれからの教育」で
基調講演する若田理事 

TICAD7サイドイベント
「アフリカ宇宙フォーラム」の様子 

TICAD7サイドイベント
「Forests can Change the World」の様子 

TICAD7サイドイベント
「展示ブース」 

参考:

2019年9月4日 更新
2019年8月ブラジル・アマゾンの林野火災に関する衛星観測

2019年8月ブラジル・アマゾンの林野火災に関する衛星観測

南米ブラジルのアマゾン周辺における森林や農地において、2019年8月から大規模な林野火災が発生しており、その後も被害が拡大しています。 本稿ではこの林野火災に関するJAXAの地球観測衛星による観測結果の一例をご紹介します。 それぞれの衛星の特徴を生かし、「しきさい」(GCOM-C)では火災地点や煙の検知、「だいち2号」(ALOS-2)では森林面積の変化の監視、「いぶき」(GOSAT)では火災からの煙の検知を行うことができます。

2019年9月4日 更新
人工衛星「つばめ」が九州新幹線「つばめ」を撮影

人工衛星「つばめ」が九州新幹線「つばめ」を撮影

「JR九州と宇宙航空研究開発機構(JAXA)コラボ企画」について、8月29日(木)に実施した人工衛星「つばめ」による九州新幹線「つばめ」の撮像は、無事成功いたしました。
九州では雨の日が続く中、雲と雲の一瞬の隙間から奇跡的に撮影できたものです。

JR九州サイトもご覧ください。

サテナビサイトに拡大画像が掲載されています。

2019年9月3日 更新
[はやぶさ2プロジェクト] ターゲットマーカ分離運用の延期について

[はやぶさ2プロジェクト] ターゲットマーカ分離運用の延期について

9月5日に予定されていた「ターゲットマーカ分離運用」は、探査機がセーフホールド(※)状態になりましたので延期となりました。なお、探査機の状態は正常です。

経緯は以下のとおりです。
はやぶさ2は、姿勢制御のための装置として、リアクションホイールを4個搭載しており、通常は3個のリアクションホイールを使って姿勢制御が行われています。8月29日に、昨年の10月以来使用していなかったバックアップのリアクションホイールの動作試験を実施したところ、リアクションホイールに異常値(トルク値の増加)を検出したため、探査機は自律的にセーフホールド状態に移行しました。この原因の詳細は現在調査中です。8月30日には復帰作業を行い、探査機は通常の状態に戻りました。ただし、セーフホールドによってホームポジションから離れてしまいましたので、現在、ホームポジションに戻す作業を行っています。ホームポジションには、今週末に戻る予定です。

2019年8月

2019年8月29日 更新
2019年8月下旬の九州北部地方の豪雨と洪水(地球が見える2019年)

2019年8月下旬の九州北部地方の豪雨と洪水(地球が見える2019年)

九州北部地方において2019年8月下旬に豪雨が発生し、気象庁は2019年8月28日に佐賀県と福岡県、長崎県の市町村に大雨特別警報を発表しました。
JAXAでは全球降水観測計画(GPM)による降水観測や「だいち2号」による浸水域の解析など、JAXAの複数の衛星データを利用して、この豪雨と洪水に関する解析を実施しています。
図1は2019年8月29日7時(日本時間)の衛星全球降水マップ(GSMaP)による雨の分布です。

2019年8月1日 更新
「有人与圧ローバが拓く“月面社会”勉強会」を立ち上げます

「有人与圧ローバが拓く“月面社会”勉強会」を立ち上げます

JAXAは、将来の月面の探査・利用において重要な役割を担う有人与圧ローバについて、トヨタ自動車株式会社様と共同研究を進めております。この度、トヨタ自動車株式会社様、三菱重工業株式会社様とともに、有人与圧ローバを議論の出発点として、将来の月面社会について、様々な業種の皆様と横断的に意見交換するために、「有人与圧ローバが拓く“月面社会”勉強会」を立上げることになりました。詳細は、以下のサイトをご覧下さい。

2019年8月1日 更新
大気球実験BS19–02及び2019年度第一次気球実験の実施終了について[極薄ペロブスカイト太陽電池の気球飛翔]

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2019年8月1日(木)午前6時00分に、極薄ペロブスカイト太陽電池の気球飛翔を目的として、2019年度気球実験の2号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張時直径約11mのゴム気球で、毎分およそ330mの速度で上昇しました。
ゴム気球は、放球1時間15分後に大樹航空宇宙実験場東北東約20kmの太平洋上において高度約30kmに達しました。供試体はパラシュートにより、大樹航空宇宙実験場東方約40kmの海上に緩降下しました。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、無風、気温:摂氏27度でした。

本実験をもちまして2019年度第一次気球実験は終了となります。なお、第一次気球実験での実施を予定していた大気球実験B19-04の実験は、気球飛翔に必要なヘリウムガスが国内での供給不足により十分な量を確保できないため、今季の実施を見送ることとしました。
実験にご協力いただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。

<参考>
ペロブスカイト太陽電池は2009年に日本で開発された新しい太陽電池で、次世代太陽電池として世界中で注目されています。それは、塗布により簡易・低コストに製造可能であること、光吸収係数が高いため発電層を薄くして軽量化することが可能であること、高効率化を実現可能などの優れた特徴をもつことからです。低温成膜や薄膜化が可能という特色を活かした薄膜フィルム上への成膜の可能性に着目し、20µm厚程度のフィルム、特にポリエチレンなどのフレキシブル性が高い材料への太陽電池成膜を実現できれば、気球の膜上発電、ウエアラブル発電、インフレータブル構造物上での発電など、革新的な発電が可能となり、イノベーションを起こすことができます。
本実験では、極薄ペロブスカイト太陽電池の適用先の一つとして考えている気球膜上発電のために気球飛翔環境での動作試験を世界に先駆けて行い、膜上発電用極薄ペロブスカイト太陽電池開発によって気球実験の高度化に貢献することを目指します。

BS19-02号機 放球の様子



2019年7月

2019年7月25日 更新
記録的な日照不足が続いた今年の関東地方(地球が見える2019年)

今年の7月は本格的な梅雨空が続いたため、関東地方を中心に記録的な日照不足になっており、野菜などの農作物への影響が懸念されています。気候変動観測衛星「しきさい」および気象衛星「ひまわり8号」による観測データからも、昨年に比べて今年の日射量が少なくなっている様子が分かりました。

図1は、「しきさい」による2018年(左)と2019年(右)の7月上旬(1日から10日までの10日間)で平均した日本周辺域の光合成有効放射(地表に到達する日射の内、植物の光合成に使われる波長域を積算したもの。単位Ein/m2/day)の空間分布を示しています。今年の関東周辺の光合成有効放射は、去年と比べて半分程度に小さくなっていることが分かります。

図1 気候変動観測衛星「しきさい」による2018年(左)と2019年(右)の7月上旬(1日から10日までの10日間)平均の光合成有効放射(単位Ein/m2/day)。

図1 気候変動観測衛星「しきさい」による2018年(左)と2019年(右)の7月上旬(1日から10日までの10日間)平均の光合成有効放射(単位Ein/m2/day)。

2019年7月22日 更新
宇宙空間で引き起こされる骨吸収がメラトニンによって抑制

宇宙空間で引き起こされる骨吸収がメラトニンによって抑制

「きぼう」日本実験棟船内実験室にて2010年に行われたFish Scales実験の成果が、2019年7月19日(米国東海岸標準時間)に国際科学雑誌『Journal of Pineal Research』に掲載されました。
この実験は、「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(CBEF)を使用して実施しました。



2019年7月22日 更新
JAXA航空シンポジウム2019 ~技術をかたちに 世界を勝ち抜くキー技術~

JAXA航空シンポジウム2019 ~技術をかたちに 世界を勝ち抜くキー技術~

「JAXA航空シンポジウム2019」を開催します。

このシンポジウムでは、昨年度、新たにスタートした第4期中長期計画におけるJAXA航空技術部門の主要な活動の中から、世界を勝ち抜いていくために必要な「キーとなる技術」をご紹介いたします。

特別講演では、一般財団法人 日本航空機エンジン協会の陶山 修二 氏と日本航空株式会社の大森 康史 氏をお招きし、航空機産業の現状と社会のニーズを踏まえ、現在、JAXAが取り組んでいる「コアエンジン技術」と「静粛超音速機統合設計技術」のテーマについて、日本の航空産業にとっての意義価値や期待すべき成果をご紹介いただくとともに、今後、世界を勝ち抜いていくために、JAXA及び日本の航空産業が目指すべき将来像やその可能性などについて、ご講演をいただきます。

また、テラスルーム(ロビー含む)では、最新の研究成果のポスター展示を行います。
各テーマの研究者が直接、ご来場いただいた皆さまにご説明いたします。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。


日時: 2019年9月5日(木)10:00~16:00(開場9:30)
場所: 御茶ノ水ソラシティ 2F ソラシティホール / テラスルーム(東京都千代田区神田駿河台4-6)
アクセス方法は、「御茶ノ水ソラシティ」をご覧ください。
主催: 国立研究開発法人宇宙航空開発機構(JAXA)
参加のお申込み: 詳細、参加お申込みはこちらのサイトよりご確認ください。
参加費:無料
定員 :400名(事前登録制 / 先着順)
※最新の研究成果ポスター展示は登録の必要なく、時間内(10:00~16:30)であれば自由にご見学いただけます。


2019年7月19日 更新
追加募集開始 「きぼう」完成「こうのとり」打ち上げ10周年記念イベント ~近未来宇宙予測カイギ~(8月23日更新)

国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟完成10周年、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)初号機打上げ10周年を記念した、宇宙開発の歴史と未来を考える大人のためのイベント。堀江貴文氏、バスキュール代表朴正義氏ら、世の中に新風を巻き起こす"あの人"たちが、ビジネスやエンタメを切り口に近未来の宇宙を語る。また、モデレーターとしてココリコ田中直樹氏も登場。
きぼう完成10周年にあたって 有人宇宙技術部門長 若田光一


日時

2019年8月30日(金) 19:00~21:00

場所

ヒューリックホール東京
東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階

アクセス

JR山手線「有楽町駅」(中央口・銀座口)より徒歩3分
http://hulic-theater.com/access/

参加申し込み


応募ページへ

問い合わせ

「近未来宇宙予測カイギ」事務局(FOXカスタマーサービス内)
Customer.Service2@fox.com
TEL:0570-000-620(受付時間10:00~20:00/年中無休)

タイムスケジュール

18:00-19:00 受付

19:05-19:15 オープニング&ご挨拶

19:15-19:35 基調講演

19:35-20:10 パネルディスカッション(1)「きぼう・こうのとりへの挑戦と未来」

20:10-20:50 パネルディスカッション(2)「近未来宇宙予測カイギ」

20:50-20:55 エンディング

登壇者

基調講演

  • 堀江貴文氏(SNS media&consulting株式会社ファウンダー)

パネルディスカッション(1)【パネリスト】

  • 竹内芳樹氏
    (三菱重工業株式会社バリューチェーン本部バリューチェーン技術部技術グループ長)
  • 髙橋智氏
    (筑波大学医学医療系教授/筑波大学医学医療系トランスボーダー医学研究センター長)
  • 筒井史哉氏
    (JAXA有人宇宙技術部門有人宇宙技術センター長/国際宇宙ステーションプログラムマネージャ)

パネルディスカッション(2)【パネリスト】

  • 若田光一(JAXA理事/JAXA宇宙飛行士)
  • 堀江貴文氏(SNS media&consulting株式会社ファウンダー)
  • 朴正義氏(株式会社バスキュール 代表取締役/クリエイティブディレクター)

パネルディスカッション【モデレーター】

  • 田中直樹氏(ココリコ/吉本興業所属)
  • 大塚茂夫氏(ナショナル ジオグラフィック日本版 編集長)

総合司会【モデレーター】

  • サッシャ(ラジオDJ/MC)

スペシャルゲスト

  • 星出彰彦宇宙飛行士(JAXA宇宙飛行士)

2019年7月19日 更新
「こうのとり」8号機ミッションプレスキット

2019年7月12日 更新
グリーンランド 初夏の大融解(地球が見える2019年)

気候変動観測衛星しきさいや水循環変動観測衛星しずくを統合したグリーンランド氷床の融解域モニタから、2019年6月の氷床の融解面積が直近の数年間において最も拡大していたことが確認されました。以下では特徴的な領域の事例と共に、北極域に位置するグリーンランドの初夏の大融解を紹介します。

今年6月、北極域グリーンランド北西部にあるカナック村を取り囲むフィヨルドで撮影された写真が、デンマーク気象協会の研究者によって公開され話題となりました。まるで海の上を犬橇が駆けているように見えますが、実はこの水面のすぐ下には海氷があり、氷の上を橇が走っているのです。極域や高緯度の海域に存在する海氷は夏になると表面が融解し、氷の上に水たまりを形成します。このような海氷上の水たまりをメルトポンドと呼びます。この地域では例年7月頃には海氷が融解しますが、今年は少し早い時期にフィヨルドを覆っている海氷の表面が広範囲で融解したことで、大規模なメルトポンドが形成されたようです。このようなカナック周辺のフィヨルドにおける大規模なメルトポンドの形成は、宇宙からもその姿が捉えられていました。

左:気候変動観測衛星しきさい(GCOM-C/SGLI)が撮影したグリーンランド氷床全体のトゥルーカラー画像*1
図中赤枠が右図の領域。
右:Sentinel-2/OLIが2019年6月17日に撮影したトゥルーカラー画像*2
*1 赤、緑、青にSGLIのVN8(673.5 nm)、VN5(530 nm)、VN3(443 nm)を使用
*2 赤、緑、青にOLIのBand 4(665 nm)、Band 3(560 nm)、Band 2(490 nm)を使用


2019年7月6日 更新
大気球実験B19–02の実施終了について[成層圏における微生物捕獲実験Biopause III]

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2019年7月6日(土)午前4時5分に、成層圏における微生物捕獲を目的として、2019年度気球実験の1号機を、連携協力拠点である大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積30,000 m3(直径約42m)の大型気球で、毎分およそ330mの速度で上昇しました。
気球は、放球1時間30分後に大樹航空宇宙実験場東方約35 kmの太平洋上において高度約28 kmで水平浮遊状態に入りました。その後午前5時45分に指令電波により切り離された気球および微生物採取装置は、大樹航空宇宙実験場南東約35kmの海上に緩降下し、午前6時32分までに回収船によって回収されました。

放球時の地上気象状況は、天候:曇り、風速毎秒1m、気温:摂氏13度でした。

<参考>
成層圏における微生物の存在は、これまでにも地球大気の上部(成層圏、中間圏)での微生物採取により数例報告されています。大気上部に存在する生物種の把握や、その分布を明らかにすることは、地球生物圏の上端がどのようになっているのかを知る上で非常に重要な知見となります。今回の実験では、気球から切り離された微生物採取装置がパラシュートにより降下する間の微生物採取を目的としています。採取後は、採取装置中の微生物・微粒子試料の分析を実施します。



2019年7月1日 更新
世界中の雨の分布がリアルタイムでわかります

JAXAでは、複数の衛星の観測データを利用し、世界の雨分布情報(GSMaP)を提供しています。2015年11月から、即時性の高い日本の静止気象衛星「ひまわり」のデータを活用することで、ひまわり領域における実時間の降雨分布を提供するJAXA世界の雨分布リアルタイム(GSMaP_NOW)を開発し公開しています。即時性の高い雨分布の画像やデータは、アジア太平洋地域での降水の現況把握に広く活用されています。2018年11月からは、ひまわり観測領域に加えて、欧州の静止気象衛星「Meteosat」観測領域まで対象領域を拡張しました。

この度、アメリカの静止気象衛星「GOES」データを追加することで、JAXA世界の雨分布リアルタイム(GSMaP_NOW)のデータ領域を全球に拡張しました。これにより、発達中の熱帯低気圧や台風・サイクロンなどの世界中の雨の様子をリアルタイムにウェブ上で閲覧できるようになりました。

図:GSMaP_NOWの領域の拡張。

2019年6月

2019年6月28日 更新
JAXAシンポジウム2019 「JAXA Begins New Era」開催のご案内

 JAXAでは、宇宙航空研究開発のより一層の発展を目指し、毎年「JAXAシンポジウム」を開催しております。

 本年度のシンポジウムは、第一部では2018年4月よりスタートした第4期中期計画初年度の事業の成果と今後の予定をご報告し、さらにホットトピックスとして「はやぶさ2」の最新の動き、H3ロケットの開発状況、また国際的に機運が高まっている月・火星探査計画を取り上げます。また、第二部パネルディスカッションでは、趣向を変え、「宇宙開発とサブカルチャー “宇宙と創造力のランデヴー”」と題して、宇宙開発や科学技術のリアルな世界と、アニメや映画、SFなどのイマジネーションの世界がどのように影響しあい、互いに刺激しあうのか、各界の著名人をパネリストにお迎えし、その接点を探り出していきます。参加お申込み方法は以下の通りです。

 皆様のご来場を心よりお待ちしております。

日時 :2019年7月16日(火) 18:00~20:50 (開場 17:00予定)
場所

:有楽町朝日ホール

プログラム概要・登壇者 :詳細は以下を参照。
参加お申込み方法

※定員に達したため、お申込みの受付は終了いたしました。
ありがとうございました。
当日の様子は、ライブ配信でお楽しみいただけます。

  • 参加費:無料
  • 定 員:700名

※先着順とさせていただきますので、予めご了承ください。

JAXAシンポジウム2019 「JAXA Begins New Era」

【プログラム】※プログラムは予告なく変更になることがあります。

18:00

開演

第一部 JAXA事業報告

18:00~18:05

オープニング ビデオ上映

18:05~18:20

「JAXA 2018-2019/活動の概要」
 JAXA理事長 山川 宏

18:20~18:30

JAXA活動紹介ビデオ 「JAXA Activity Report」 上映

18:30~18:40

「H3ロケットの開発」
 宇宙輸送技術部門 H3プロジェクトチーム
 プロジェクトマネージャ 岡田 匡史

18:40~18:50

「『はやぶさ2』現状報告」
 宇宙科学研究所 はやぶさ2プロジェクトチーム
 ミッションマネージャ 吉川 真

18:50~19:00

「月・火星探査計画」
 国際宇宙探査センター センター長 佐々木 宏

19:00~19:15

休憩

第二部 パネルディスカッション

19:15~20:45

「宇宙開発とサブカルチャー “宇宙と創造力のランデヴー”」

【MC】

吉田 尚記(よしだ・ひさのり)氏(ニッポン放送アナウンサー)

1975年東京都生まれ。ニッポン放送アナウンサー。『ミューコミプラス』(月~木曜日24時より放送中)のパーソナリティとして「第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞」を受賞。「マンガ大賞」発起人および選考委員。著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)が累計13万部(電子書籍を含む)を超えるベストセラーとなり、近著に『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』(太田出版)がある。マンガ、アニメ、アイドル、落語、デジタルガジェットなど、多彩なジャンルに精通しており、年間100本におよぶアニメやアイドル、ゲームなどのイベントの司会を務めている。

【外部登壇者(予定)】(五十音順)

五十嵐 美樹(いがらし・みき)氏(科学のお姉さん)

1992年東京都生まれ。上智大学理工学部機能創造理工学科卒業(物理学専攻)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中(科学コミュニケーション専攻)。 幼い頃に虹の実験を見て感動し、科学に興味を持つ。ミス理系コンテストでグランプリを受賞。東京大学大学院に進学中の才色兼備を活かし、全国各地でサイエンスショーや講演を開催。

冲方 丁(うぶかた・とう)氏(作家)

1977年岐阜県生まれ。96年、大学在学中に「黒い季節」で第1回スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。以後、小説を書きつつ、ゲーム、コミック原作、アニメ制作と活動を広げ、複数のメディアを横断するクリエイターとなる。2003年「マルドゥック・スクランブル」で第24回日本SF大賞を受賞。2010年に歴史小説「天地明察」で本屋大賞、大学読書人大賞、吉川英治文学新人賞、北東文芸賞、舟橋聖一文学賞の五冠達成。12年に時代小説「光國伝」で山田風太郎賞を受賞。他の著書多数。最新作は『マルドゥック・アノニマス』シリーズ(早川書房)、『戦の国』『破蕾』(講談社)、『麒麟児』(角川書店)、『十二人の死にたい子どもたち』『剣樹抄』(文藝春秋)など。

河森 正治(かわもり・しょうじ)氏(ビジョンクリエーター)

アニメーション監督、企画、原作、脚本、映像・舞台演出、メカデザイン等を手がけるビジョンクリエーター。慶応義塾大学工学部在学中に原作者の一人としてTVアニメーション『超時空要塞マクロス』を制作。世界各地でテレビ放映され日本発のクールなアニメーションとして絶大なるインパクトを与えた。原作・監督作品に、『アクエリオン』シリーズ、『マクロス』シリーズなどがある。最新作は、総監督・ストーリー構成を務める『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』。

【JAXA登壇者】

國中 均(くになか・ひとし)(理事/宇宙科学研究所長)

1983年3月、京都大学工学部航空工学科卒業。1988年3月、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。2012年9月はやぶさ2プロジェクトマネージャとなる。2018年4月より現職。工学博士。2010年度文部科学大臣特別賞受賞。著書に「イオンエンジンによる動力航行」コロナ社。子供のころに「宇宙戦艦ヤマト」に刺激を受け、宇宙開発の道を志す。
そして今の仕事は、「ヤマト」「はやぶさ」のように、「はやぶさ2」を必ずここ地球へ帰って来させること。

金井 宣茂(かない・のりしげ)(宇宙飛行士)

1976年東京都生まれ。2009年9月JAXAよりISSに搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として選抜される。2017年12月~2018年6月ISS第54次/第55次長期滞在クルーのフライトエンジニアとして宇宙に168日間滞在し、各種利用実験活動のほか、船外活動やドラゴン補給船運用14号機の把持などを実施した。
「王立宇宙軍オネアミスの翼」というSFアニメ映画が好きだったが、まさか自分が主人公と同じようにロケットに乗って宇宙に打ち上がるとは思ってはいなかった。

20:45~20:50

閉会の挨拶 JAXA理事 若田 光一

2019年6月20日 更新
火星衛星探査計画に関するドイツ航空宇宙センター(DLR)との実施取決めの締結について

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、検討中の火星衛星探査計画(Martian Moons eXploration : MMX)について、ドイツ航空宇宙センター(DLR)との協力に合意し、2019年6月18日(現地時間)、フランス・パリエアショーの会場において、JAXA理事 國中均とDLR理事ハンスヨーク・ディタス氏(Hansjörg Dittus)および理事ヴァルター・ペルツァー氏(Walther Pelzer)により実施取決めが取り交わされました。




MMXは、火星のフォボスとダイモスと呼ばれる2つの衛星を観測し、うちひとつの衛星から表層物質を採取して地球に帰還する計画で、火星衛星の起源および火星圏の進化の過程を明らかにすることや、今後の惑星・衛星探査に必要となる技術を向上させることを目的としています。DLRは、MMX探査機に搭載する小型ローバのフランス国立宇宙研究センター(CNES)との共同検討や、ドイツ国内の落下塔を使用した実験機会の提供により貢献するほか、サイエンスを通じたドイツ科学者のMMXへの参画を支援します。
MMXは現在探査機の開発に向けた検討を進めており、2024年度の打ち上げを目指しています。

2019年6月18日 更新
「きぼう」から超小型衛星4機放出に成功

6月17日に「きぼう」日本実験棟から、九州工業大学/ネパール科学技術アカデミー(NepaliSat-1)、九州工業大学/スリランカ・アーサークラーク近代技術研究所(Raavana-1)、九州工業大学(Uguisu)、シンガポール宇宙技術協会/シンガポール国立大学(SpooQy-1)の超小型衛星4機が放出されました。



超小型衛星の放出の様子(出典:JAXA/NASA)
左:Uguisu、Raavana-1、NepaliSat-1、右:SpooQy-1

2019年6月17日 更新
X線分光撮像衛星に関する欧州宇宙機関(ESA)との協定を締結

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、欧州宇宙機関(ESA)とX線分光撮像衛星(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission: XRISM)に係る協力に合意し、2019年6月14日(現地時間)、欧州宇宙運用センター(European Space Operation Center、ドイツ、ダルムシュタット)にてESA理事会参加者の立ち合いの下、JAXA理事長 山川宏とESA長官 ヨハン=ディートリッヒ・ヴァーナー氏により協定が取り交わされました。




XRISMプロジェクトは、2018年に開始された、JAXA宇宙科学研究所の7番目のX線天文衛星計画です。2016年に運用を断念したX線天文衛星ASTRO-Hが目指した科学目標「超高分解能X線分光による宇宙物理の課題の解明」の早期回復を目的としています。今回取り交わした協定の中で、JAXAとESAは、ASTRO-Hで培った協力関係をXRISMでも活かす事に合意しました。ESAは、XRISMの最も重要な観測装置の1つである軟X線分光撮像装置の一部の開発に貢献するほか、サイエンスを通じた欧州の科学者のXRISMプロジェクトへの参画を支援します。
XRISMは現在衛星の開発を進めており、2021年度の打上げを目指しています。

2019年6月11日 更新
命名「ALOS氷丘」-衛星観測による極域科学研究への貢献-

英国政府は、英国の南極地名委員会の提案を受け、南極半島の一連の氷河(氷流や氷丘)について、それらの氷河を観測し、極域科学研究に重要なデータを提供してきたヨーロッパ、アメリカ、日本の地球観測衛星にちなんだ名前を付けたことを発表しました。 氷河のひとつには、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の観測による貢献から、「Alos Ice Rumples」(ALOS氷丘)と命名されました。

今回、氷河の命名に付けられた地球観測衛星は、ヨーロッパのERS、ENVISAT、Cryosat、Sentinel、ドイツとアメリカの共同ミッションであるGRACE、アメリカのLandsatと日本のALOSです。

図:命名された氷河名(出典:A.E. Hogg/CPOM)



2019年6月5日 更新
EORC久保田拓志 主任研究開発員が、日本気象学会 岸保・立平賞を受賞

EORC久保田拓志 主任研究開発員が、日本気象学会 岸保・立平賞を受賞

JAXA第一宇宙技術部門 地球観測研究センター(EORC)の 久保田拓志 主任研究開発員が、気象庁気象研究所気象観測研究部 青梨和正 部長と共同で、2019年度日本気象学会 岸保・立平賞「衛星観測による全球降水マップの開発と社会での実利用推進に関わる功績」を受賞しました。
受賞の理由となった衛星全球降水マップ(GSMaP)は、準リアルタイムで配信する高精度高分解能の降水データです。
全球降水観測計画(GPM)主衛星を中心として、JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」等の複数台のマイクロ波放射計データと気象庁のひまわり8号等の静止気象衛星データを組み合わせて作成します。2007年11月に「JAXA世界の雨分布速報」としてホームページを公開後、利用ユーザは世界121カ国に広がり、降水監視・洪水予測・干ばつ監視・農業等の様々な分野でGSMaPの利用が進んでいます。

日本気象学会で行っている顕彰事業の表彰を現役のJAXA職員が受賞することは、旧宇宙開発事業団(NASDA)等の旧3機関を通じて、これが初めてとなります。

2019年5月

2019年5月31日 更新
宇宙探査イノベーションハブの第5回研究提案募集(RFP)を募集中

宇宙探査イノベーションハブの第5回研究提案募集(RFP)を募集中

2015(平成27)年4月に発足しました「宇宙探査イノベーションハブ」(ハブ長:久保田 孝)では、これまで、宇宙探査オープンイノベーションフォーラム、課題設定ワークショップ等を通じて様々な分野の企業(団体等を含む)や大学等(公的研究機関を含む)と交流、意見交換し、情報提供要請(RFI: Request for Information)にて企業・大学等が保有する技術情報や研究開発ニーズの提供を受け、これまでに4回の研究提案募集(RFP: Request for Proposal)を実施しました。

この度、これまでRFIに提供いただきました技術情報を基に、本事業において着手すべき研究課題を絞り込み、第5回研究提案募集(RFP、以下「本RFP」)を実施します。

本RFPは、RFIに対して技術情報をご提供いただいた方のみならず、広く皆様からのご応募をお待ちしております。
また、公募説明会の開催を予定しております。募集内容をご説明するとともに、募集課題に関する質疑を受け付けますので、研究提案をお考えの方に限らずご参加をお待ちしております。

公募説明会について
■ロボティクス・メカトロニクス講演会ワークショップ
JAXA 宇宙探査オープンイノベーションフォーラム in 広島
日時: 2019年6月5日(水)13:00~15:00(12:30受付開始)
会場: 広島国際会議場 地下2F ラン
■第5回研究提案募集(RFP)公募説明会

【東京会場】

日時: 2019年6月12日(水) 13:30~16:40(13:00受付開始)
会場: ベルサール東京日本橋 5階 Room4

【大阪会場】

日時: 2019年6月21日(金) 13:30~16:40(13:00受付開始)
会場: ビジネスプラザおおさか

第5回研究提案募集(RFP)についての詳細はこちらをご覧ください。

2019年5月31日 更新
探査ハブの約2年間に及ぶ、月面での宇宙農業の検討について、第1版を発行しました。

探査ハブの約2年間に及ぶ、月面での宇宙農業の検討について、第1版を発行しました。

JAXA宇宙探査イノベーションハブ(以下『探査ハブ』とする)では、将来の宇宙での食料生産を目指し、月面を想定した「月面農場」の実現に向けたコンセプトを検討するワーキンググループ活動を、平成29年3月から約2年にわたって行ってきました。

JAXAにおける月面農場の検討は約30年前に宇宙科学研究所で行われていましたが、その間に発展した地上の最先端の植物工場技術を導入して、今一度、月面農場システムを検討することを目的に、日本の植物工場研究の第一人者の協力を得て、我が国の月面農場ワーキンググループを立ちあげました(委員長 千葉大学 後藤教授)。

検討にあたっては、後藤委員長をはじめ月面農場等の宇宙農業に関心が高い大学・民間有識者を検討委員として協力を仰ぎ、栽培システム、高効率食料生産技術、物質循環システム、全体システムの4つのグループに分け検討を行ってまいりましたが、この度、探査ハブの約2年間に及ぶ月面での宇宙農業の検討について「月面農場ワーキンググループ検討報告書 第1版」として発行いたしました。

本報告書では、JAXA/日本が検討する月面農場のコンセプトから、それぞれ技術分野毎の検討結果についてまとめました。この報告書を通じ、月面農場のみならず、地上における植物工場、バイオビジネス等にイノベーションを起こすような研究活動を展開していくつもりです。

2019年5月27日 更新
宇宙インフラ(宇宙環境試験設備)の維持運営・民営化構想

宇宙インフラ(宇宙環境試験設備)の維持運営・民営化構想

環境試験技術ユニットが筑波宇宙センターに保有する環境試験設備について、広く民間事業者に利用頂くこと等を目的に、PPP的手法による維持・運営の新事業構想を検討中です。

背景として、近年、民間企業により宇宙産業が活発化し、加えて宇宙産業界以外の企業による環境試験設備の利用が増加していること。また国の指針として、新たな事業機会の創出と民間投資による経済成長の実現を目的に、民間の創意工夫等を活用したPPP/PFI手法を推進していること等が挙げられます。

今回、新事業構想を民間の皆さま(民間事業者)と共有し、必要となる前提条件や提供可能なサービス内容等について情報収集し、今後予定している募集の検討材料と致したく、広く意見を募集します。

2019年5月15日 更新
商業デブリ除去実証(CRD2)の情報提供要請(RFI)と説明会(2019/5/30)のご案内

JAXA研究開発部門では、現在、デブリ除去を新規宇宙事業として拓き、民間事業者が新たな市場を獲得することを目的として、スペースデブリ対策の事業化を目指す民間事業者と連携し、 世界初の大型デブリ除去等の技術実証(CRD2*:商業デブリ除去実証)を検討しています。
* Commercial Removal of Debris Demonstration

デブリ対策の事業化に向けたロードマップとCRD2

本情報提供要請(RFI: Request for Information)は、民間事業者に対し、スペースデブリ対策の事業化及びその技術実証に当たって必要な事項について情報や意見の提供を求めるもので、参照(1)の要領で行います。

また、本RFIに関しては、参照(2)の要領で説明会を行い、JAXAの検討概要や期待するところを説明します。 スペースデブリ対策の事業化を検討されている民間事業者の方におかれましては、ぜひともご参加ください。

2019年4月

2019年4月26日 更新
「つばめ」が見つめる春の東京(地球が見える 2019年)

2019年4月2日から5月10日にかけて、超低高度衛星技術試験機「つばめ」は、イオンエンジンを用いて高度271.5kmを維持しながら光学センサSHIROPを用いて連日16時半ごろに、東京都心部の観測をしています。

麹町から新宿御苑近辺の画像(2019/4/5 16:21撮影)



2019年4月23日 更新
太陽観測ロケットCLASP2 打ち上げ成功

2019年4月11日10時51分(アメリカ山岳部夏時間、日本時では12日01時51分)、アメリカ・ホワイトサンズにあるミサイル実験場にて、太陽観測ロケットCLASP2(Chromospheric LAyer Spectro-Polarimeter 2)が打ち上げられました。最高高度は274kmに達し、飛行時間6分にわたって観測データの取得に成功しました。

打ち上げのようす

打ち上げのようす。Credit: US Army Photo, White Sands Missile Range



2019年4月19日 更新
[はやぶさ2プロジェクト] サイエンス誌に論文が掲載されました

これまでリモートセンシング機器によって、小惑星リュウグウの詳しい調査が進められてきましたが、その最初の結果をまとめた3編の論文が科学雑誌サイエンス誌に3月19日(日本時間では3月20日)にオンライン掲載されました。3編の論文のタイトルは次のようになります。

S. Watanabe et al. 2019, "Hayabusa2 arrives at the carbonaceous asteroid 162173 Ryugu — a spinning-top-shaped rubble pile", Science, 19 March, 2019
和訳:「はやぶさ2」が到着した炭素質小惑星162173リュウグウ―コマ型ラブルパイル
論文:DOI: 10.1126/science.aav8032

K. Kitazato et al. 2019, "The surface composition of asteroid 162173 Ryugu from Hayabusa2 near-infrared spectroscopy", Science, 19 March, 2019
和訳:「はやぶさ2」の近赤外分光観測による小惑星リュウグウの表面組成
論文:DOI: 10.1126/science.aav7432

S. Sugita et al. 2019, "The geomorphology, color, and thermal properties of Ryugu: Implications for parent-body processes", Science, 19 March, 2019
和訳:リュウグウの表面地形、多色画像、熱物性から探る母天体の進化
論文:DOI: 10.1126/science.aaw0422

LPSCでの「はやぶさ2」プレスカンファレンス後の集合写真

LPSCでの「はやぶさ2」プレスカンファレンス後の集合写真。2019年3月19日撮影。
左から、杉田精司、平林正稔、Ralph Milliken、Deborah Domingue、渡邊誠一郎、吉川真、津田雄一(敬称略)。
(写真クレジット:Lunar and Planetary Institute)



2019年4月10日 更新
日本気象協会天気予報専門メディア「tenki.jp」における衛星全球降水マップ(GSMaP)実況・予報情報の公開

日本気象協会天気予報専門メディア「tenki.jp」における衛星全球降水マップ(GSMaP)実況・予報情報の公開

JAXAは日本気象協会と協力して、GSMaPを用いた予報情報の提供に向けて開発を行って参りました。2019年4月10日より、GSMaPによる降水実況および予報情報が、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp(てんきじぇーぴー)」にて、「tenki.jp×JAXA 世界の雨雲の動き」と題した新サービスとして、提供が開始されました。tenki.jpはWebサイト・アプリを含めた年間ページビュー数は約40億PV、PC・スマートフォン向けWebサイトの月間最大ページビューは約4.2億PV(2018年9月)等、非常に利用者の多い天気予報専門メディアです。

2019年4月9日 更新
高分解能リモートセンシング衛星シンポジウムの開催について

高分解能リモートセンシング衛星シンポジウムの開催について

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「高分解能リモートセンシング衛星シンポジウム」を下記のとおり開催いたします。
 JAXAは、先進光学衛星(ALOS-3)および先進レーダ衛星(ALOS-4)の平成32(2020)年度の打上げがいよいよ近づく中、着実に開発を行い、事業者とともにALOS-3データの利用拡大に向けた活動やALOS-2の運用を通じたALOS-4への利用推進をしております。
 シンポジウムでは、ALOS-3やALOS-4の開発状況や利用推進に関する報告を行うとともに、「光学やレーダ衛星データの社会実装や利用の定着」に向けた今後の取り組みや後継機への期待について産学官の皆様に参加いただき、広く意見を頂く場として開催いたします。
 特に、既存のリモートセンシング市場に加えて、IoT、ビッグデータ、AI等の新市場における衛星データの利用についても着目したプログラムとなっています。
 皆様のご来場を心よりお待ちしております。

1.日時:2019年5月15日(水)13:30-17:45(13:00開場予定)
2.場所:ステーションコンファレンス東京5F サピアホール
東京都千代田区丸の内一丁目7番12号

3.主催:国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構
4.後援(予定):内閣府宇宙開発戦略推進事務局、文部科学省、経済産業省
5.プログラム概要(詳細は別紙参照)PDF
 ●開会挨拶/来賓挨拶
 ●報告
  (1) 先進光学衛星(ALOS-3)の開発状況と利用推進
  (2) 先進光学衛星(ALOS-3)と後継機への期待
    ①政府における衛星データの利用に向けて
    ②AI、IoT、ビッグデータ等の新市場における衛星データへの期待
  (3) 先進レーダ衛星(ALOS-4)の開発状況と利用推進
-ALOS-2利用シンポジウムをふまえて-
 ●パネルディスカッション 「高分解能衛星は社会インフラたりえるのか」
6.お申込み方法:下記ホームページより、お申込みください。(参加無料)

URL:https://www.pco-prime.com/alos-3_alos-4_sympo/
※先着順とさせていただきますので、予めご了承ください。

2019年4月5日 更新
第48回日本産業技術大賞の贈賞式に参加しました

第48回日本産業技術大賞の贈賞式に参加しました

4月3日、経団連会館にて第48回日本産業技術大賞贈賞式が行われ、「HTV搭載小型回収カプセルの開発」で、永岡文部科学副大臣から文部科学大臣賞を授与されました。本賞はJAXAを含む9社の合同受賞です。

小型回収カプセルにより我が国として初めて宇宙ステーションからの物資回収に成功したことが今後の地球低軌道利用の促進や将来の有人宇宙船にもつながる重要技術として評価されました。

2019年4月5日 更新
「しきさい」がとらえた「春が来た」を掲載しました(地球が見える 2019年)

先週末から関東でも桜の開花が一気に進み、三寒四温の春らしい陽気となってきました。 今回は2017年12月に打ち上げられた気候変動観測衛星「しきさい」で観測された、春を感じる画像をいくつか紹介します。

「しきさい」で観測された日本周辺のカラー画像(左:2019年1月3日、右:2019年3月20日)。
人の目で見た色に近くなるように赤(VN08: 673.5nm)/緑(VN05: 530nm)/青(VN03: 443nm)のチャンネルの観測データをR/G/Bに割り当てた。

2019年3月

2019年3月26日 更新
国連宇宙部(UNOOSA)とJAXAによるKiboCUBEの第5回公募開始のお知らせ

3月26日、JAXAと国連宇宙部(UNOOSA)は、KiboCUBEの第5回公募を開始しました。KiboCUBEは、「きぼう」からの超小型衛星放出の利用機会を提供するプログラムで、発展途上国等の宇宙関連技術向上への貢献等を目指し、国連宇宙部とJAXAの間で推進しています。これまで4回にわたり公募を実施しており、第1回KiboCUBEとして選定されたケニア初の衛星は、昨年5月に「きぼう」より放出されました。

(参考1)
KiboCUBE第5回公募に関するリリースはこちら
http://www.unoosa.org/oosa/en/ourwork/psa/hsti/kibocube/kibocube/3.2019.html

(参考2)過去の公募の選定結果
第2回にはグアテマラ/グアテマラ・デル・バジェ大学、第3回にはモーリシャス/モーリシャス学術研究会議とインドネシア/スーリヤ大学の衛星が選定されました。
現在、第4回公募の選定作業中です。



「きぼう」からの1KUNS-PF放出の様子(第1回KiboCUBEとして選定されたケニア衛星)
(2018年5月)

2019年3月25日 更新
衛星全球降水マップ(GSMaP)の海外における農業分野での利活用

衛星全球降水マップ(GSMaP)の海外における農業分野での利活用

JAXAでは、全球降水観測計画(GPM)において、GPM主衛星や水循環変動観測衛星「しずく」など複数の人工衛星データを用いて、「衛星全球降水マップ(GSMaP)」という世界の降水分布データを作成して提供しています。

GSMaPは、これまで気象・防災分野での利用事例が多くありますが、近年は、農業分野においても、作物の生育判断に重要な基本情報としてGSMaPによる降水データの利用が拡がっています。農産物の干ばつ被害のリスク軽減にはさまざまな対策方法がありますが、GSMaPデータが実際に民間企業で利用され、社会実装されている例として「天候インデックス保険」があります。

また、JAXAにおいても農業分野でのGSMaP利用を進めており、東南アジア各国の農業省への農業気象情報の提供のため、JASMIN(JAxa's Satellite based MonItoring Network system)というウェブシステムを開発し、インターネットで公開しています。

JASMINの応用事例として、冒頭の説明にあった天候インデックス保険に関連し、その対象となっているタイチェンマイの干ばつの2015年の例を紹介します。

[詳細はこちら]

2019年3月15日 更新
HTV搭載小型回収カプセルの日本産業技術大賞文部科学大臣賞受賞について

HTV搭載小型回収カプセルの日本産業技術大賞文部科学大臣賞受賞について

このたび、「HTV搭載小型回収カプセルの開発」が第48回(2019年)日本産業技術大賞文部科学大臣賞(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。この賞は、その年に実用化された革新的な大型産業設備・構造物や、先端技術の開発、実用化で顕著な成果をあげた企業・グループを表彰し、産業界や社会の発展に貢献した成果をたたえるとともに、技術開発を奨励することを目的としています。

受賞業績:「HTV搭載小型回収カプセルの開発」
宇宙航空研究開発機構、株式会社エイ・イー・エス、三菱重工業株式会社、川崎重工業株式会社、藤倉航装株式会社、明星電気株式会社、株式会社テクノソルバ、タイガー魔法瓶株式会社、三菱スペース・ソフトウェア株式会社(計9社による合同受賞)

2019年3月11日 更新
JAXA初のクラウドファンディングを始めました ~JAXA「身近な宇宙開発」の実現へ。サポートクルー募集開始~

JAXA初のクラウドファンディングを始めました ~JAXA「身近な宇宙開発」の実現へ。サポートクルー募集開始~

3月8日(金)13時から、JAXAとして初めてのクラウドファンディングが始まりました。
「巨額の資金と最先端の技術が投入される国家的プロジェクト」という壮大なイメージが先行しがちな宇宙開発。
一方で実は皆さんの暮らしには、天気予報、カーナビ、衛星放送などすでに宇宙を利用したものが多く存在し、むしろ近年はもっと近しい存在となっているのです。
本当は身近な存在の“宇宙開発”を、もっと知っていただきたい。もっと身近に感じていただきたい。
検討に検討を重ねた結果…、今回初めてクラウドファンディングを活用し、「身近な宇宙開発」の実現へ、新たな挑戦をはじめることにしました。

このクラウドファンディングの挑戦は、49日間。このプロジェクトを通して、宇宙開発を進める仲間となる皆様と出会えることを楽しみしています。

詳細は、下記をご覧ください。

2019年2月

2019年2月25日 更新
[はやぶさ2プロジェクト] タッチダウン直後の画像

[はやぶさ2プロジェクト] タッチダウン直後の画像

「はやぶさ2」のタッチダウン運用(TD1-L8E1)を、2月20日~22日に行いました。タッチダウン後の上昇中に広角の光学航法カメラ(ONC-W1)で撮影した画像を図に示します。

図は、タッチダウンから約1分後に撮影したもので、撮影高度は約25m(誤差数m)と推定されます。探査機の影の下の部分の色が周りと異なっていますが、タッチダウンによって変色した部分です。変色した理由は現時点では不明ですが、スラスターや弾丸(プロジェクタイル)によって舞い上がった砂によるという可能性も考えられます。

図:
タッチダウン直後にタッチダウン地点付近を撮影した画像。広角の光学航法カメラ(ONC-W1)によって、機上時刻で2019年2月22日07:30頃(日本時間)に撮影された。
(画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研)


2019年2月25日 更新
JAXA社会環境報告書2018が「第22回 環境コミュニケーション大賞 環境配慮促進法特定事業者賞(優秀賞)」を受賞

「JAXA社会環境報告書2018」が、「環境コミュニケーション大賞 環境配慮促進法特定事業者賞(優秀賞)」を受賞しました。サステナビリティに著しく貢献した事業の特性を踏まえた報告書となっていること、体系化された環境教育やバリューチェーンおよびグリーン調達方針から、環境マネジメントシステムの状況が読み取れることが評価されました。

画像上:環境コミュニケーション大賞 優秀賞ロゴ
画像下:表彰を受ける 宇治野理事補佐(右)

【受賞歴】

  • (第11回)JAXA ECOレポート2007
  • (第15回)JAXA社会環境報告書2011
  • (第18回)JAXA社会環境報告書2014
  • (第19回)JAXA社会環境報告書2015
  • (第21回)JAXA社会環境報告書2017

2019年2月22日 更新
小惑星探査機「はやぶさ2」、第1回目のタッチダウン成功について

小惑星探査機「はやぶさ2」は、リュウグウの中心から約20km上空のホームポジションの位置にいて、タッチダウンの運用を開始しました。

2月22日(金)、JAXAは、小惑星探査機「はやぶさ2」を小惑星Ryugu(リュウグウ)へ接地(タッチダウン)させ、リュウグウの試料を採取する運用を実施しました。
「はやぶさ2」から送られてきたデータを確認した結果、サンプル採取のためのプロジェクタイル(弾丸)の発射を含む「はやぶさ2」のタッチダウンのためのシーケンスが実施されたことが確認できました。「はやぶさ2」の状態は正常であり、今般、リュウグウへのタッチダウンを成功させることができました。



タッチダウン直後の画像、ONC-W1による撮影
撮影時刻:2019/02/22 07:30頃(機上時刻)
高度:30m以下

画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

2019年2月21日 更新
「はやぶさ2」タッチダウン運用ライブ配信について

「はやぶさ2」タッチダウン運用ライブ配信について

降下開始の可否判断の結果、問題のないことが確認されたため、降下に向けての運用を開始しました。タッチダウンの予定時刻に変更はありません。

2月22日(金)6:45から、タッチダウン運用の様子を行う管制室の模様をライブ中継(配信)します。(2月21日13時30分更新)

小惑星探査機「はやぶさ2」は、現在、リュウグウの中心から約20km上空のホームポジションの位置にいて、タッチダウンの運用を開始します。 このタッチダウン運用の様子をライブ中継(配信)いたします。

放送予定日時: 平成31(2019)年2月22日(金)6時45分~9時15分頃
ライブ中継 : YouTube・JAXA Channelにて中継予定
https://www.youtube.com/watch?v=WmPQmVVtE5A


2019年2月20日 更新
ウィリアム・F.・ハガティ駐日米国大使による筑波宇宙センター視察

平成31年2月15日、ウィリアム・ハガティ駐日米国大使が、筑波宇宙センターを視察されました。

JAXAが米国の関係機関と行っている協力は、国際宇宙ステーション計画、宇宙探査、地球科学、宇宙科学、航空研究など非常に広範で、長く緊密な関係を築いてきました。

ハガティ大使は、展示館「スペースドーム」や「きぼう」運用管制室などをご視察されるとともに、山川理事長らとも懇談され、両者は、JAXAと米国関係機関との宇宙航空協力などについて、意見交換を行いました。




2019年2月14日 更新
[はやぶさ2プロジェクト] リュウグウに弾丸を撃ち込め

[はやぶさ2プロジェクト] リュウグウに弾丸を撃ち込め

去る12月28日、2018年仕事納めの日にサンプラチームはある重要な試験を実施しました。小惑星リュウグウの表面を模擬した土壌に本物と全く同じ弾丸を撃ち込み、どのくらいのサンプルをイジェクタとして飛ばすことができるか、サンプラチームとしてタッチダウン(TD)前の最後の確認試験です。


2019年2月14日 更新
陸域観測技術衛星2号「だいち2号」利用シンポジウム開催のお知らせ

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」利用シンポジウム開催のお知らせ

平成26年5月24日に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)は、平成31年5月に5年間の定常運用期間の完了を迎える予定です。これに先立ち、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」利用シンポジウムを開催いたします。

産官学での災害監視、環境監視等の分野におけるだいち2号の利用の成果、だいち2号の後期運用、後継機であるALOS-4および経済産業省等が進める衛星データプラットフォームを用いたビックデータ解析に向けた新しい取り組みの状況等について、各登壇者による講演を通じて情報提供を行うことにより、一層のデータ利用促進を図ります。

みなさまのご参加をお待ちしております。

日時: 2019年3月11日(月)13:30~18:30 シンポジウム(開場 13:00)
会場: 御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター2階 sola city Hall

2019年2月13日 更新
国際宇宙探査シンポジウム開催のお知らせ

国際宇宙探査シンポジウム開催のお知らせ

2018年3月3日、日本は第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)を文部科学大臣のホストにより開催いたしました。このフォーラムでは、40を超える国・機関の代表により、持続的な宇宙探査事業の推進に向けた国際連携の強化について確認がなされるとともに、産業界の参画や次世代人材育成の重要性も確認されました。

この結果を受け、現在、日本政府及びJAXAが参画を検討中の国際的な枠組みで行う宇宙探査(国際宇宙探査)活動に関し、国内外の最新の状況をご紹介することを目的として公開シンポジウムを開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

日時: 2019年3月12日(火)10:00~18:00
会場: 虎ノ門ヒルズフォーラム・ホールA
主催: 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
後援: 内閣府宇宙戦略事務局、文部科学省、経済産業省

2019年2月13日 更新
国際宇宙探査ワークショップ(その2)の開催のお知らせ

国際宇宙探査ワークショップ(その2)の開催のお知らせ

月や火星を対象とした国際協働による宇宙探査については、昨年9月の国際宇宙探査ワークショップ(その1)以降、学術界や産業界の皆様と意見交換・議論をさせていただきましたが、この度、その今年度の活動の集大成として国際宇宙探査ワークショップ(その2)を開催いたします。

今回のワークショップでは、国際宇宙探査センター及び宇宙科学研究所を中心に、他の関連する活動とともに、Gatewayを含む月・火星探査活動に関わる情報を集約して展開し、学術界として国際宇宙探査にどう向き合うか、産業界とどう連携するかを具体的に議論する予定です。

みなさまのご参加をお待ちしております。

日時: 2019年3月1日(金)10:00~17:00
会場: JAXA相模原キャンパス 研究管理棟 2F 大会議室

2019年2月6日 更新
気候変動観測衛星「GCOM-C」が捉えたインドシナ半島の大気微粒子

気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は、2017年12月23日打上げ後、順調に地球の観測を続けています。「しきさい」搭載の多波長光学放射計(SGLI)は、PM2.5や砂塵などの大気中の微粒子を全球規模で観測することができます。中でも、「しきさい」の特徴の1つである偏光の測定を利用すると、PM2.5のような小さい微粒子を従来よりも捉えやすくなります。
1月29日の10時頃に、「しきさい」が捉えた観測データから、タイの西部・南部からカンボジアやベトナムの南部にかけて、高い偏光輝度が観測されていることがわかります。

図1 1月29日の10時頃(インドシナ時間)に「GCOM-C」が観測した画像(白色部は雲)。
(左)人間の目で見たものに近い画像(右)偏光輝度の観測(陸上のみ)。

2019年2月1日 更新
第10回宇宙法シンポジウム開催のお知らせ

第10回宇宙法シンポジウム開催のお知らせ

2月25日(月)13時00分より、第10回宇宙法シンポジウム(主催:慶應義塾大学宇宙法研究センター、協力:JAXA)を、慶應義塾大学三田キャンパスにて開催予定です。

[詳細はこちら]


2019年2月1日 更新
ISTS Gemstone Project(IGP)の募集期間を2月12日までに延長しました

ISTS Gemstone Project(IGP)の募集期間を2月12日までに延長しました

第32回ISTS(International symposium on Space Technology and Science)の開催に合わせて、ISTS Gemstone Project(IGP)を実施致します。本プログラムは2018年3月に実施された次世代向けアイディアソンY-ISEF(International Space Exploration Forum for Young Professionals)の精神と進め方を踏襲する形で行われ、次世代を担う若手育成を目的としております。

今回は、参加者を8名程度のグループに分割し、月面活動をテーマとしたアイディアソンを行います。検討成果をISTSのプレナリセッションおよびポスターセッションで発表する機会が提供され、国内外の宇宙従事者による講評を受けます。優秀グループには6月17日のWelcome Partyにて表彰を致します。

募集期間: 2019年2月12日

2019年1月

2019年1月31日 更新
小型望遠鏡で捉えた小天体の影

小型望遠鏡で捉えた小天体の影

太陽系内にある小サイズの天体(小惑星など)が、背景の恒星を隠す現象を市販の小型望遠鏡で捉えることに、京都大学・国立天文台・JAXA宇宙科学研究所などからなる研究チームが成功しました。研究チームは、この天体が海王星よりも外側に分布しているエッジワース・カイパーベルト天体であると推測しています。今回の研究手法により、直接撮影することが難しい小天体を多数発見できれば、いまだに謎の多い太陽系の誕生時の姿を知るための大きな手掛かりとなると期待されます。

今回発見された小天体の想像図。半径約1.3キロメートルで、惑星の材料が生き残ったものと考えられる。
Credit: Ko Arimatsu

[詳細はこちら]

2019年1月28日 更新
2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラムの開催について(参加者募集中)

2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラムの開催について(参加者募集中)

宇宙探査イノベーションハブでは、宇宙探査イノベーションハブでの活動にフィードバックをかけることを目的として、企業(中小企業やベンチャー企業を含む)、大学、研究機関の関係者等の方々を対象に、挑戦しようとしている課題と企業や大学の研究活動とのマッチングを探るための意見交換を「宇宙探査オープンイノベーションフォーラム」として定期的に開催してまいりました。
本年度は、宇宙探査イノベーションハブでのこれまでの3年余りの活動成果を広く紹介するため、宇宙探査イノベーションハブの目指すもの(出口)をメインテーマに据え、東京と大阪の2か所で開催いたします。

【大阪会場】
2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラム 大阪会場

日時: 平成31(2019)年2月21日(木)13:00~17:00
会場: 大阪イノベーションハブ

【東京会場】
2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラム 東京会場

日時: 平成31(2019)年1月31日(木)13:00~18:00
※参加申し込み締め切りは、1月30日(水)
会場: ステーションコンファレンス東京5階
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー5階)

2019年1月21日 更新
[はやぶさ2プロジェクト] リュウグウ表面の地名が決定

[はやぶさ2プロジェクト] リュウグウ表面の地名が決定

リュウグウ表面の地名がIAU(国際天文学連合)のDivision F(Planetary System and Bioastronomy)のWorking Group for Planetary System Nomenclatureで審議され、2018年12月に承認されました。地名の紹介と決定までの経緯についてご紹介します。


2019年1月18日 更新
国際宇宙ステーション「きぼう」利用シンポジウム 拡がる「きぼう」利用の未来

国際宇宙ステーション「きぼう」利用シンポジウム 拡がる「きぼう」利用の未来

有人宇宙施設である国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟において、JAXAは、タンパク質結晶生成実験や超小型衛星放出などで利用料金を設定し、広く民間や大学に利用いただけるように取り組んできました。
さらなる「きぼう」利用への理解と利用促進を目的として、今年も「きぼう」を利用された企業や大学等の利用者に、進捗や成果、展望などをご発表いただく機会として"「きぼう」利用シンポジウム"を開催します。

1日目は「きぼう」利用のこれまでの成果のご紹介と今後の展望について。
2日目は、国際宇宙ステーションが創出する「市場」や、日本(JAXA)と米国(NASA)による日米協力の現状と今後の展望、それらを踏まえた未来への展望を考える企画となっています。詳細はプログラムをご覧ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。

日時: 平成31年2月12日(火)・13日(水)
会場: Link-J 日本橋ライフサイエンスハブ
室町ちばぎん三井ビルディング8階(COREDO室町3)

2019年1月18日 更新
2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラムの開催について(参加者募集)

2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラムの開催について(参加者募集)

宇宙探査イノベーションハブでは、宇宙探査イノベーションハブでの活動に フィードバックをかけることを目的として、企業(中小企業やベンチャー企業を含む)、 大学、研究機関の関係者等の方々を対象に、 挑戦しようとしている課題と 企業や大学の研究活動とのマッチングを探るための意見交換を「宇宙探査 オープンイノベーションフォーラム」として定期的に開催してまいりました。
本年度は、宇宙探査イノベーションハブでのこれまでの3年余りの活動成果を広く紹介するため、 宇宙探査イノベーションハブの目指すもの(出口)をメインテーマに据え、開催いたします。
第5回研究提案募集(RFP)に向けた課題設定についてもご案内します。

【東京会場】
2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラム 東京会場

日時: 平成31(2019)年1月31日(木)13:00~18:00
会場: ステーションコンファレンス東京5階
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー5階)

【大阪会場】
2018年度宇宙探査オープンイノベーションフォーラム 大阪会場

日時: 平成31(2019)年2月21日(木)13:00~17:00
会場: 大阪イノベーションハブ

2019年1月18日 更新
革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ成功

革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ成功

2019年1月18日(木)9時50分20秒、内之浦宇宙空間観測所から、革新的衛星技術実証1号機を搭載したイプシロンロケット4号機が打ち上げられました。

イプシロンロケット4号機は正常に飛行し、打上げから約51分55秒後に小型実証衛星1号機を正常に分離したことを確認しました。また、MicroDragon、RISESAT、ALE-1、OrigamiSat-1、Aoba VELOX-IV及びNEXUSの6基もすべて正常に分離し、打上げは無事成功しました。

2019年1月16日 更新
革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ日時決定。ライブ中継は18日(金)9:25から

革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機 打上げ日時決定。ライブ中継は18日(金)9:25から

革新的衛星技術実証1号機を搭載したイプシロンロケット4号機の打上げ時刻が、2019年1月18日(金)9時50分20秒(日本標準時)に決定しました。JAXAでは、18日(金)9時25分から、内之浦宇宙空間観測所から打上げの様子をYouTube JAXAチャンネルにてライブ配信する予定です。
ご自宅・外出先からインターネットを通してご覧いただけますので、お見逃しなく。

また、JAXAの事業所や科学館等のパブリックビューイング会場から、多くの方とご一緒にイプシロンロケット4号機の飛翔を応援してください。

放送内容  : 革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機打上げ
ライブ中継 : YouTube・JAXA Channelにて中継予定
https://www.youtube.com/watch?v=KPWAhaAATWc
放送予定日時: 2019年1月18日(金)9時25分~10時50分頃


特設サイトでは、「革新的衛星技術実証1号機」、「イプシロンロケット4号機」のプロジェクトメンバー、ミッションへの応援メッセージを募集しています。ツイッターでもハッシュタグ「#イプシロン応援」でメッセージをお寄せください。熱いメッセージ、お待ちしております。



2019年1月11日 更新
野口聡一宇宙飛行士 国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションロゴ決定

野口聡一宇宙飛行士 国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションロゴ決定

野口宇宙飛行士ISS長期滞在ミッションロゴの、地球を回る3つのリングは、新たな宇宙開発・探査時代の幕開けとなる「転換点」、次世代宇宙船への日本人初「挑戦」、そして日本人宇宙飛行士のISS長期滞在、新型基幹ロケットH3の打上げ、はやぶさ2帰還など、日本の宇宙開発にとって重要な年となる「2020」を表しています。この3つのリングの交差点には、地球と日本の輝かしい未来が待っており、そこにISSと「きぼう」日本実験棟が突き進んでいく様子をイメージしました。

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